消費者金融規制緩和がニュースに【その後否定される】
2014年4月24日、自民党平将明衆議院議員が「貸金業の規制緩和を検討するための小委員会を5月に立ち上げる。金額を年収の3分の1と決めた上限を撤廃し、貸金業界を活発化するためにも、貸出上限金利を20%から29.2%に引き上げる必要があり、議論を始める。」と発表したことをうけ、多くの人は貸金業法の規制緩和が実施されるのでは?と思った人も多いでしょう。
当サイトでの過去記事にもあるように、自民党は2012年の選挙で貸金業法の規制緩和を公約に掲げており、その上で議論を始めると発表したことで信憑性は非常に高くなりました。しかし、結果的には4月28日金融相が規制緩和を否定したことで一気に収束となってしまいました。
貸金業法の見直しは以前より話題になっており、もともと貸金業法が完全施行になった2010年から3年を目途に見直しをする条項が盛り込まれていた為、総量規制や上限金利引下げによって借りられない人が増えたこと、そして中小・零細企業経営者の資金繰り等の問題から見直し論が高まっていましたが、これも今回と同じく当時の金融相(亀井さん)の「見直しする予定は無い」の一言で終わってしまいました。
結局のところ、一度施行した法律を再び元に戻すということはかなりの反発があり、簡単にいかないのは当たり前ですが、問題点は、貸金業法は改正によって大成功と考えている人達と、失敗と考えている人達が両極端になっていることです。大成功と考えている人は今の金融庁や弁護士、司法書士であり、改正貸金業法によって多重債務者は減り、自己破産も激減していると言っている。しかし、多重債務者が減っているのは信用情報による数字だけで、消費者金融が倒産・廃業した件数を考えれば多重債務者が減っているという根拠は信用情報のデーターでは疑いがあると言っているのが消費者金融側の人達。
自己破産についても過払い返還請求により自己破産が減り続けていたのは以前からであり、貸金業法改正によって、それだけの原因で自己破産が激減している訳ではないとの見方もある。これらの議論は法律改正以前より平行線を辿っており、どちらの言い分も歩み寄ろうとしないので、貸金業法規制緩和は毎回議論に上がっても、結局はなにも変わらないことを繰り返しているのです。