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2019年04月14日

日本は優秀な人材を何故どぶに捨てるのか?   〜文系博士の漂流〜

この記事に触れて「切なさ」と「怒り」が同時に沸いた。

恩師に「独壇場」とまで言われて将来を嘱望されていた女性博士が
なんで自死しなければいけなかったのか?

その理由を知って、理不尽と言うか、日本の大学の無能さと言うか
日本と言う国が抱える「人材を活用しない」風土は、大問題であろう。

日本の仏教は、世界でも独特の発展を遂げた仏教であることは、
素人の私でも実感として持っている。

海外の仏教とは、明らかに違うのだ。
日本のは「大乗仏教」で、チベットやモンゴルと同じ系列。
一方、東南アジアでは「上座部仏教」が主流である。

「大乗仏教」とは
大乗仏教
光明寺HPより引用

中央アジアからシルクロードを経て中国、朝鮮半島、そして日本に伝わった。また、別ルートでネパールを経由してチベット、モンゴルでも栄えることになる。「北伝(ほくでん)仏教」とも呼ばれる。誰でも悟りに至るチャンスがあると考え、その方法をめぐってさまざまな宗派ができ、阿弥陀や弥勒などの諸仏や菩薩といったバラエティー豊かな神仏のパンテオンを生み出した。


広く大衆に広める仏教である。
「仏教伝来」の時に、日本は、受け入れやすい形をとったのだ。
それまで「神道」があったので、それとの融合を図った。
神仏融合」である。

日本の神社仏閣が隣同士に設置されている場所は多い。

文系の博士課程「進むと破滅」 ある女性研究者の自死
2019年4月10日07時21分  朝日新聞オンラインより

 大きな研究成果を上げ、将来を期待されていたにもかかわらず、多くの大学に就職を断られて追い詰められた女性が、43歳で自ら命を絶った。

「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた

 日本仏教を研究してきた西村玲(りょう)さんは、2016年2月に亡くなった。

 04年に博士(文学)に。05年、月額45万円の奨励金が支給される日本学術振興会の特別研究員に選ばれた。

 実家で両親と暮らしながら研究に打ち込み、成果をまとめた初の著書が評価されて、09年度に若手研究者が対象の賞を相次いで受賞。恩師は「ほとんど独壇場と言ってよい成果を続々と挙げていた」と振り返る。

 だが、特別研究員の任期は3年間。その後は経済的に苦しい日が続いた。

 衣食住は両親が頼り。研究費は非常勤講師やアルバイトでまかなった。研究職に就こうと20以上の大学に応募したが、返事はいつも「貴意に添えず」だった。読まれた形跡のない応募書類が返ってきたこともあった。

 安定した職がないまま、両親は老いていく。14年、苦境から抜け出そうと、ネットで知り合った男性との結婚を決めた。だが同居生活はすぐに破綻。自らを責めて心を病んだ。離婚届を提出したその日に自死した。

 父(81)は、「今日の大学が求めているのは知性ではなく、使いやすい労働力。玲はそのことを認識していた」と語る。

 90年代に国が進めた「大学院重点化」で、大学院生は急増した。ただ、大学教員のポストは増えず、文科系学問の研究者はとりわけ厳しい立場に置かれている。首都圏大学非常勤講師組合の幹部は「博士課程まで進んでしまうと、破滅の道。人材がドブに捨てられている」と語る。


仏教を研究するということは、日本の姿を研究するのと同じだ。
そんな貴重な研究をしている人材を、何故死に追いやったのか?

「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた
有料会員限定記事

小宮山亮磨 2019年4月10日07時21分  朝日新聞オンラインより

 大きな研究成果を上げて将来を期待されながら、自ら命を絶った女性がいる。享年43歳。多くの大学に就職を断られ、追い詰められた末だった。

 西村玲(りょう)さん、2016年2月2日死去。

 東北大学で日本思想史を学んだ。江戸中期の普寂(ふじゃく)という僧侶に注目した仏教の研究で、04年に博士(文学)に。都内の多摩地区にある実家に戻って両親と同居しながら、研究に打ち込んだ。

 翌05年、日本学術振興会の「SPD」と呼ばれる特別研究員に選ばれた。採用された人に月額約45万円の研究奨励金を支給する制度だ。「これで(研究で使う)本がバンバン買える」と、両親に喜びを伝えた。「もらったお金の分は、研究成果で返さないといけない

 年に論文2本、学会発表4本。自らにノルマを課し、経典などを大量に運び込んだ2階の自室にこもった。数少ない息抜きは両親と囲む食卓。箸を動かしながら、研究の内容を早口で熱く語った。「覚えたことが出ていかないよう、頭に巻き付けるラップがあればいいのに」。そう言って笑い合った日もあった。

 08年、成果をまとめた初の著書を出版。高く評価され、若手研究者が対象となる「日本学術振興会賞」と「日本学士院学術奨励賞」を、09年度に相次いで受賞した。

 学術奨励賞を受けた6人のうち、文科系は2人だけ。宗教研究としては初の受賞だった。指導した末木文美士(ふみひこ)・東京大名誉教授は「若手のリーダーとして、次々と新しい領域を切り拓き、ほとんど独壇場と言ってよい成果を続々と挙げていた」と記している。

文系の博士課程卒で就職も進学もしなかった人が近年は3割程度いて、進路が「死亡・不詳」とされた人も2割弱います。西村玲さんは研究職に就くことを望み、20以上の大学に応募しましたが不採用でした。

 だが、特別研究員の任期は3年…


女性だからと言う理由なら「言語道断」である。
コネでしか就職できないなら「既得権益」など糞くらえである。

特別研究員に任期があること自体がおかしいと思う。
研究に任期があるなんて、信じられない。

「博士漂流」問題、職に対して人募集の仕組みを 識者
有料記事

2019年4月10日08時44分  朝日新聞オンラインより

 日本の博士をめぐる悲劇が繰り返されている。就職難から「博士漂流」が問題視されて10年以上。なぜ悲劇は後を絶たないのか。対策をどう講じるべきか。病理医で、日本の科学技術政策をウォッチする一般社団法人の代表を務める榎木英介さん(47)に寄稿してもらった。

「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた
     ◇

 将来を嘱望された優秀な研究者が自ら命を絶ったことに、とても悲しく、胸が引き裂かれる思いです。西村さんがたどった道は、日本の研究者コミュニティー、そして日本の社会が抱える問題をあぶりだしているように思います。

 まず、将来有望な研究者すら受け入れられない、大学や研究機関の常勤職の乏しさが背景にあります。
また、研究者の採用プロセスが公正かどうかという疑問も感じます。東京医大の問題が示すように、女性であることが職を得ることに不利に働いた可能性があります。また、コネや学閥といった要素が採用に影響を与えた可能性も否定できません。

 制度の問題もあります。新卒一…



まさか「金にならない学問は、要らない」なんて考えが
大学にあるとは、信じたくはないが・・・。

前記事に書いた本庶教授の小野薬品への抗議でもわかる通り、
日本は、研究者に対する理解が圧倒的に足りないと思う。

こういう人たちがいるから、国が発展していることを解っていない。

JAXAの管制官の自殺報道もあった。
過酷な労働環境でも、夢に向かって邁進している人たちを
ないがしろにするこの国は、本当の日本の姿だろうか?

いいや、そんなはずはない。
日本はそんな堕落した国ではないはずだ。

国の発展の基礎は、「教育と研究」であろう。

この国は一体、どこを目指しているのか?

目先の経済さえ発展すれば、それでいいのか?


それは、滅亡へ向かっているに過ぎない。


貴重な人材を死に追いやる国に、未来などはない。




      BY いいとこどり


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