【シノアリス】ジョブストーリーまとめ

馬鹿馬鹿しい話だった。換気扇に切り刻まれて死亡するなんて。宝石を咥えていたら逃げるのが遅れたのも馬鹿らしい。自分でも愚かしくて笑えてくる。 だから私は学んだ。欲を出すのは愚かしいことだと。際限ない欲望はやがて命を飲み、侵し、堕落させるのだと。 黒い翼を伸ばし、私は背筋を伸ばす。欲を捨てた今、なんと空気が清々しいことよ！ ああ、でも一つだけ惜しいことをした。死んだ時、くちばしを開けなければ……あのエメラルドの指輪は私のものだったのに！

調書【義姉：長女】 足が痛い！痛いのぉ！かかともつま先も血だらけなのよ！ガラスの靴なんてどうでもいいから早く治してよぉ！ 調書【義姉：次女】 お母様が言ったのです。ガラスの靴を履きたいのなら、形に合うように足を削げと……妃になれば歩かなくて済むからと！ 調書【義母】 私はあの囁きに騙されたのです！「お姉様達が妃になれば足なんてどうでもいいしょう？」と。ああ、恐ろしい悪魔の娘め！ 【感想】申し訳ないけれど、君のご家族は馬鹿ばかりだね？あのダンスの最中に全ての打ち合わせは..

――人気投票１位オメデとうございマス。今ノ気持ちハ？ スノウホワイト（以下スノウ）：ひとときの戯れとはいえ誇らしい結果だ。清き一票を贈ってくれた方々に感謝したい。 ――２連覇デスね。秘訣ハ何でショウカ？ スノウ：秘訣などない。私は常日頃から正義の名の下に、あるがまま行動しているだけだ。それが皆に伝わった結果だろう。 ――毎回脱ぎスギでハ？見らレルの好きナンデスカ？ スノウ：違う。己の素肌を躊躇なく晒せるのは、この身体に一点の穢れもないからだ。そもそもこの..

随分昔の話である。かつて私は美しい純黒の鴉だった。けれど足りない。更に美しくあるため、私はルビーの首飾りを身につけ着飾った。赤い屋根の家の女から頂戴したものだった。 あれは虚栄心だけが立派な馬鹿な女だ。整形を繰り返し美貌を保ちながら、大企業の社長秘書の立場を利用し金持ちに貢がせる。金と装飾品と賛辞の言葉でしか己を満たせない愚かな女。 秘書の女は自身を飾り立てることばかり気にかけて家のことは全て疎か。換気扇はまったく手入れしていない。腐食が進んでいるから、くちばしで突けば..

兵士の日記より 窓からちらりと見えた姫様のお姿のなんと神々しいことか。 あの方の為なら、俺は命を捧げても惜しくはない。 侍女の日記より 姫様はなんてお美しいのでしょう。女の私でさえ、よからぬ妄想をしてしまう。ああ、姫様、姫様…… 大臣の日記より 近隣諸国からの求婚が山のようだ。しかし、渡さない。渡してなるものか。あの白き姫は私にこそ相応しい。 女王の日記より あの娘は人を狂わせる。いるだけで人の心を掻き立てる。このままではいずれ争いが起きる。ならば私の取るべき道は……..

アラジン：金といえば僕、僕といえば金！つまり、二周年のテーマである「金」にふさわしい人物はもちろんこの―― ギシアン：残念、今回ノ主役はアリスデス！ アラジン：そんな、この僕が……これは夢なのか……？ ギシアン：残念なガラ現実デス。二人には「金」ニ関スル対談をシテ頂きマス。あとハ適当によろしくヤッテクダサイ。 アラジン：待て、これはさすがの僕もアグリーしかねる。責任者を出してくれ、ネゴシエーションさせて欲しい。 ギシアン：知ラナいデス。運営ニ言っテクダさ..

「作者の復活が願いとな。それは素晴らしい忠義の心である」 「忠義？……そんなものは知らない。ただ、私はあの人に会いたいだけ」 「それは忠義ではないな。ただの恋慕だ。目的はなんだ？会ってどうしたいんだ？」 「目的なんてない。あの人が全てだから。あの人に、会いたいだけ」 「……そなたは病んでおるな。忠義の心からは程遠い。一方的な恋慕の思いを押し付けているだけの歪な感情だ。そなたの作者とやらも、当惑する事だろう」 「それでもいい。嫌われても構わない。ただ、..

これは欲にまみれた鴉の物語。昔々あるところに美しさと若さに固執し着飾るのが大好きな女がいました。いかに自分を美しく見せるかが全てで、中でも宝石は大のお気に入りでした。 けれどある時から集めた宝石が少しずつ少しずつ減っていきます。家の鍵は締めてあるのに、誰かが入った形跡がある。女は次第に恐ろしくなりますが警察には相談できません。 だって女は殺して奪って宝石を手に入れてきたのですから。殺した相手の顔がいくつも浮かびます。殺して、奪って美しい宝石をいくつもいくつもい..

あの人に会いたい。その願いが叶わなかったらどうしよう。 考えるのもおぞましい。ヘドロのような感情が私を支配する。 誰か……誰か、助けて…… 心が壊れる。心ガ壊れる。心がコワレル。 何もカモが無駄ダトいう悪魔の囁きガ、聞こえる。 生キル、意味ナド、ないという歌が、流れる。 くるシい……クルし…… アノ人……私……願い……私って誰だっケ？ アア、ジャア、殺セバ、イインダ。 敵モ、作者モ、全部殺シテ…… 最後ハ、ワタシヲ、殺セバイインダ。

カルテ：０２３１【所見】 一見普通の少女。報告にあった自傷行為も他者への攻撃行為も確認出来ず。鎮痛剤と安定剤を処方。 カルテ：０５４２【経過】 少女が深夜に意味不明の言葉を発している。看護師が怯えるので私が直接治療する事に（面倒だ）。 カルテ：１０１６【経過】 症状の改善が見られる。安定剤を増量する事にした。彼女は素直に飲んでいるように見える。 カルテ：１２３１【経過】 あの少女の症状は改善などしていなかった。無意味だった。 安定剤を増加する。彼女にではない。私が飲む..

対機械生命体用に製造されたアンドロイド。正式名称は「ヨルハ機体九号Ｓ型」で情報処理に特化したモデル。随行支援ユニットポッド１５３と共に機械生命体調査の任に当たる。 ９Ｓは好奇心旺盛で、任務を逸脱した行動に走る事が多い。こうした特性はオリジナル素体である「九号」のデザインパターンを踏襲したものである。 ハッキングを得意とする９Ｓだが、敵である機械生命体の危険な攻撃パターンも保存している。これは部隊規則に反する行為であるものの、当人は趣味の一環として楽しんでいるよ..

私が奉公で訪れたのは、とても不思議な国。何万もの「掟」を守り、皆が仮面を被って生活している。その国で孤独に生きる私を救ってくれたのは、ある一人の少年だった。 彼は、掟によって話す事の出来ない私と友達になってくれた。私の顔……火傷跡を見て気味悪がらないでくれた。私にとっての王子様。今では国の王様になってしまったけれど…… 彼から想いを告白されたあの日は、私の宝物だ。普段は物怖じしない彼の声が、少し恥じらいを帯びていた。頷く私がどんな気持ちだったのか、仮面で彼には..