【シノアリス】ジョブストーリーまとめ

私は誰かに愛して欲しいだけなんだ。あの王子よりも私の方が貴女を愛していたのに。貴女をこんなに愛していても、私は愛されない。なぜなら私は醜いからだ。醜い蛇だからだ。 王子は特別に絞め殺してやった。ご自慢の美しい顔は、醜く歪み、最後はどす黒く変色して動かなくなった。私は安心した。なぜならこの王子も今や醜いからだ。醜い屍だからだ。 地位と権力に惑わされ、王子に惚れてしまった貴女も愚かだ。私を殺している時の貴方の存在はむしろ私を安堵すらさせた。なぜなら貴女でさえも、醜いからだ。..

ぐちゃりと音がした。足の裏に赤い肉片がへばりついている。小さく非力過ぎて、気付かずに踏みつけてしまったようだ。弱さは罪だ。俺もかつてはそうだった……ような気がする。 確か…….非力な仔猫だった。弱りきった小さな体を拾い上げた奇特な男がいたのだ。朧気ながらも平穏な日々だったように記憶している。でも飼い主だった男はある日突然消えた。 誰かに連れて行かれ二度と戻らないのだと、優しく撫でる手が永遠に失われたのだと知った時、アの時、力があレバと強く願ッタはずだ。力があれば、守れタ..

都内で行われた指定暴力団○○組の会合で、死亡者が出たとの情報が入りました。死亡したのは組の関係者女性で、現在、警察が居合わせた人物から詳しい事情を聴取しています。 以前から○○組は内部抗争が激化、その危険性が問題視されていました。女性も抗争に巻き込まれた可能性があるため、警察は事件性が高いとしながらも、事故も含め捜査する方針です。 ○○組関係者女性が死亡した事件の続報です。司法解剖の結果女性は多量の薬物を使用した痕跡があり、事件当時には正常な判断力が無かったの..

蔑み、嘲り、見下した奴に、相応の報いをくれてやったんだ。 それを卑劣と称するならば、なんて素敵な褒め言葉だろう！ 嫉妬も、羨望も、妬み嫉みも、全部全部気持ちイイ！ ギリギリと歯噛みするソノ顔が証明するのは、 私の勝利以外、何物でもナイんダカラ！ ホラほらモット悔しがレ！悔しガッテ苦しガレ！！ ソンナ悲鳴じゃ、そンな血の量ジャ、全然足りナイ！ ソウジャなキャ私は勝てナイ！勝ッテナイ！ ネエ、私ガ勝ッタッテ言ッテ。偉イッテ褒メテ。 コンガリ焼ケタ母サン。真ッ赤ニ染マッタ姉..

【ライブラリに存在スル人物についての暫定報告】 氏名：シンデレラ／出身：世界各地 傾向：卑劣デ皮肉屋。自己評価の高さノ陰に卑屈さが見エル。 出自：サンドリヨン、グリム童話集、五日物語など 原典は特定デキズ。世界各地に類似作品が残サレてイル。フランス詩人シャルル・ペローとグリム兄弟によるモノが有名。 経過：継母と姉達に虐めラレ、下働きヲしてイタ娘がイタ。娘は魔法使いノ助けヲ得テ城の舞踏会に参加し、王子の心ヲ射止めた。ダガ、時間切レによりガラスの靴を残シテ城を去ッタ。 現在..

それは美しさ故に疎まれ、文字通り灰を被って生きてきた娘。生きる為に矜持を捨て、継母と二人の姉に媚びへつらい、一人みすぼらしい服を着て、一人残飯を食べて生きてきた娘。 頼れるものなど誰もいない。雨風しのげる家に置いて貰えるだけで十分だと、心を偽り生きてきた娘。人でなく喋る肉だと足蹴にされて、殴られた美しの頬を醜く腫れあがらせた娘。 憐れで美しい娘こそ、魔法で助けるに値する。心が闇に飲まれる寸前に手を差し伸べて優しく与えた奇跡にこそ、人々は称賛と畏怖を送るのだと魔法使いは密..

灰まみれのみすぼらしい私。 薄暗い毎日に差したあたたかな光。 それはあなた。お城に輝く希望の光。 こんな奇跡は二度とない。 手に入れたのは綺麗なドレス。お城に向かう馬車と御者。 家族に内緒の舞踏会。 ひらりひらりと舞う私。 ほら見て王子、綺麗でしょ？ 私を妃にしたいでしょ？ 婚儀に響く鐘の音を、希望を弔う鐘とした。 私と同じ貧しい娘が、王子の隣でニヤリと笑う。 憎い憎い灰かぶり、私とどこが違ったの？

調書【義姉：長女】 足が痛い！痛いのぉ！かかともつま先も血だらけなのよ！ガラスの靴なんてどうでもいいから早く治してよぉ！ 調書【義姉：次女】 お母様が言ったのです。ガラスの靴を履きたいのなら、形に合うように足を削げと……妃になれば歩かなくて済むからと！ 調書【義母】 私はあの囁きに騙されたのです！「お姉様達が妃になれば足なんてどうでもいいしょう？」と。ああ、恐ろしい悪魔の娘め！ 【感想】申し訳ないけれど、君のご家族は馬鹿ばかりだね？あのダンスの最中に全ての打ち合わせは..

頭を撃ち抜く。耳を撃ち抜く。目を撃ち抜く。腕を撃ち抜く。肩を撃ち抜く。頬を撃ち抜く。腕を撃ち抜く。足を撃ち抜く。鼻を撃ち抜く。脳を撃ち抜く。骨を撃ち抜く。肉を撃ち抜く。 親指を撃ち抜く。人差し指を撃ち抜く。中指を撃ち抜く。薬指を撃ち抜く。小指を撃ち抜く。父を撃ち抜く。母を撃ち抜く。姉を撃ち抜く。妹を撃ち抜く。弟を撃ち抜く。子供を撃ち抜く。 良心を撃ち抜く。偽善を撃ち抜く。善意を撃ち抜く。希望を撃ち抜く。未来を撃ち抜く。平和を撃ち抜く。幸福を撃ち抜く。平等を撃ち抜く。良心..

広間で踊り狂う、着飾った娘達。その中から王子は私を選ぶ。「美しい方よ。どうか私と踊っていただけませんか？」「ええ、喜んで」私は笑顔で応えた。ああ、なんて――簡単な男。 少しだけはにかみ瞳を潤ませて、王子に体を預けて踊る。娘達の嫉妬の視線が心地よい。ああほら、こちらを見る母と姉達の顔といったら！「最高の夜だ」「最高の夜です」 灰かぶりに王子を盗られる気分はいかが？どう足掻いても敵わない絶望感はどんな味？「あなたをこのまま浚ってしまいたい」歯の浮くような台詞も、今は寛大な心..

あるところに綺麗な少女がいました。けれどその美しさゆえに継母と二人の姉に疎まれ、酷い下働きをさせられていました。それ故に少女は灰かぶり――シンデレラと呼ばれていました。 ある日、お城から招待状が届きました。王子様が花嫁を求めて舞踏会を開くというのです。着飾った継母と姉達を笑顔で送りだし、シンデレラは１人寂しく掃除を始めました。 憐れなシンデレラを可哀想に思った魔法使いは、彼女に一夜の魔法をかけます。そうして美しく着飾ったシンデレラは王子と出会い、見染められ、けれど魔法が..