2018年03月02日
シンデレラ / クラッシャー
広間で踊り狂う、着飾った娘達。その中から王子は私を選ぶ。「美しい方よ。どうか私と踊っていただけませんか?」「ええ、喜んで」私は笑顔で応えた。ああ、なんて――簡単な男。
少しだけはにかみ瞳を潤ませて、王子に体を預けて踊る。娘達の嫉妬の視線が心地よい。ああほら、こちらを見る母と姉達の顔といったら!「最高の夜だ」「最高の夜です」
灰かぶりに王子を盗られる気分はいかが?どう足掻いても敵わない絶望感はどんな味?「あなたをこのまま浚ってしまいたい」歯の浮くような台詞も、今は寛大な心で許しましょう?
さあ王子様、私を見つけて。わざと残したガラスの靴は蜘蛛の糸。貴方の心を虜にして、貴方の身体を骨抜きにして、それからボロ雑巾のように捨ててあげるから……
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