2018年09月14日
人魚姫 / 慾鴉のパラディン
若い女が倒れている。すでに死んでいるようだ。その若い女の遺体を見下ろしているのもまた女だった。「死体って汚いのね」女は冷淡な声で吐き捨てる。
女は遺体を見下ろしたまま電話をかけた。「社長、明日の予定ですが……」「是非また社長とお食事ご一緒したいです」猫撫で声ですり寄るように甘えると電話を切る。
秘書も楽じゃないの。綺麗にしてなきゃいけないのよ。貴方には必要ないことでしょう?」秘書の女は遺体を引きずり車に詰め込むと、海を目指した。
遺体が海に消える。いい気分だ。あの女が身につけていた指輪はもう秘書のもの。「適材適所って言うじゃない?」美しい女には美しい装飾品がよく似合う。彼女は満足そうに笑った。
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