アルト・ハイデルベルク(122)
−−−−−−−−−−−−【122】−−−−−−−−−−−−−−−
12.Szene
........Käthie: Es wird bald Nacht. Ich bring* die Kampe.
......................Und da ist der
......................Wein*. Meiner Seele, er schläft.
Karl Heinrich: Ja.
.........Käthie:Ich werde ihm ein Kissen holen.
Karl Heinrich:Oh, das ist nicht notwendig.
.........Käthie:(schenkt ein). So. Nu trinken sie mal !
Karl Heinrich:Danke schön.
.........Käthie:Schmeckt es ?
Karl Heinrich:Ja, danke.
..................... (Kleine Pause.)
.........Käthie:Es ist warm heut.
Karl Heinrich:Ja.
.........Käthie:Waren Sie schon einmal* in Heidelberg ?
Karl Heinrich:Nein.
.........Käthie:Aber vielleicht in Tübingen ?
Karl Heinrich:Auch nicht.
.........Käthie:−− Der Herr von Scheffel ist jetzt auch in Heidelberg.
......................Nächste Woche bringen sie ihm einen Fackelzug.
Karl Heinrich:So, so.
.........Käthie:Ja. (Nach einer Pause zur Seite.) Es ist halt ein Preinz.0
.....................Die sind wohl immer ein bissel langweilig. Der Wein
.....................schmeckt wohl nicht ?
Karl Heinrich:Er ist sehr gut. (Trinkt.)
−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−− 第12場−−−−−
ケティー : もうまもなく夜だわね.ランプを持ってきてますわよ.
.....................それで、はいワインですよ.あら、この人は眠っ
.....................てらっしゃるのね.
カール・ハインリヒ: そうなんですよ.
.ケティー : この人には枕をもってきましょう.
カール・ハインリヒ: ああ、その必要はありませんよ.
.ケティー : (ワインをつぐ).さあ、召し上がれ!
カール・ハインリヒ: どうもありがとう.
.ケティー :おいしい?
カール・ハインリヒ:ええ、ありがとう.
.............. (短い間)
.ケティー :きょうは暖かいですわね.
カール・ハインリヒ: ええ.
.ケティー : ハイデルベルクにいらしたことはありますの?
カール・ハインリヒ: いいえ.
.ケティー : じゃあ、もしかしたらチュービンゲンには?
カール・ハインリヒ: そこもありません.
.ケティー : 今ハイデルベルクには、シェフェルさんがおいで
......................ですのよ.
.......................来週、彼のためにたいまつ行列が催されますわ.
カール・ハインリヒ: ああ、そうなんだ.
.ケティー : そうよ.(少し間をおいて、傍白) やっぱり王子さまね.
......................こういう人たちは確かにいつも少し退屈だわ.ワインは
......................美味しくないのかしら.
カール・ハインリヒ: とても美味しいですよ.(飲む)
−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−
das Kissen: (同尾) ❶クッション、座布団、❷まくら
❸(複数で) ふとん
holen:(他)(A格を)行って持って来る、買って来る、取りに行く
notwendig:(形) 必要な
ein/schenken:(他) (飲み物を⁴)つぐ
nu:nun さあ
Meiner Seele:(南ドイツ、オーストリア) (驚き、恐れを表して)
❶これはたまげた、これはしたり、とんでもない、
❷誓って言うが、本当に
schmeckt:(3単現) <schmecken
[...な] 味がする
Das schmeckt nach Fisch. / これは魚の味がする.
[...3にとって] おいしい
Das schmeckt gut. / これはおいしい.
Schmeckt dir der Kuchen ? / そのケーキおいしい?
Das hat mir geschmeckt. / それはおいしかった.
vielleicht:(副) ひょっとして、もしかしたら.
(注意)「vielleicht:もしかしたら」を「たぶん」と間違えて
訳す人もたまにいますが、「たぶん」はwohl, wahrscheinlich,
vermutlich など.
なぜ、こういう間違いになるかといえば、vielleicht には
「およそ、ほぼ、約... 」などの意味があるためでしょう.
Es waren vielleicht zehn Leute da. / 10人ほどの人たちがいた.
これは「もしかしたら」では訳せません.めっちゃ苦しい訳に
なります.原付バイクで生駒山登るようなもの.何?あなた
登れたって?そりゃよござんした.あ、間違いなく登る自信が
あるときは「sicher 」が「きっと」いいですよ.
aber:(副) 基本的な意味は「しかし」だが、意味が薄れて、
単に話の継続を表すこともある; 「すると」「そしたら」
「じゃあ」
von Scheffel:シェッフェル(1826~86)ドイツの詩人、小説家、『ゼッキンバラ
のらっぱ手』(詩)、『エッケハルト』(歴史小説)などの作品がある.
Fackelzug:(m) たいまつ行列
bringen:(他) 〜のために…が催される
kindle 版でお読みの方、この箇所の文が少し違っているかと思います.
Nächste Woche bringen's ihm an Fackelzug. となっていると思います.
実際のドイツの戯曲はみたことがないので、どちらのセリフで発話さ
れているかわかりませんが、 kindle 版の方が「南ドイツ訛り版」
's = sie (人々一般) an=einen
尚。フラクトゥール版で学習中の方、
Der Herr von Scheffel ist jetzt a in Heidelberg.
の箇所は a はauch でお読み下さい.
zur Seite: [劇] 傍白、わきぜりふ
zur Seite sprechen / 傍白(わきぜりふ)を言う
halt:(南ドイツ、オーストリア)(副) やっぱり〜だわね
ein bissel:(南ドイツ、オーストリア)(副) 少し、少しの
langweilig:(形) 退屈な、つまらない
wohl:(副) (疑問文で) 〜だろうか?
−−−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−−−
bring:ドイツ語では現在進行形も現在形で表現します.ここは
すでに手に携えているということです.
「持ってきましょう」と言うならば
ich werde...となるところ.次のケティーの
セリフがそうです.
Ich werde ihm ein Kissen holen.
まくらを持ってきましょうね.
da ist der Wein:はい、おっしゃっていたワインです.
字義通りには「そこにそのワインがある」このda は英語のhere
で、相手に物を渡すときの Here it is. とか Here you are. のよう
な感じが ドイツ語でda ist der Wein. で、da には指示性がありま
せん.相手に呼びかける間投詞みたいな役目です.
「ねえ」「ほら」「さあ」
der は「あなたがご注文の」.
合わせて「ほら言ってたワインですよ」
−−−−−−−−−−−−≪シェフェル≫−−−−−−−−−−−−−−−
Joseph Victor von Scheffel:
ヨーゼフ・ヴィクトル・ヴォン・シェッフェル
は多くの学生歌を書いています.
『ゼッキンゲンのラッパ手』はアルト・ハイデルベルクを
讃える歌で、この戯曲の挿入歌にふさわしい歌です.
『ゼッキンゲンのラッパ手』 作詩シェッフェル(1854年)
Lied des Trompeters von Säckingen
Alt Heidelberg, du feine, ...−−−古都ハイデルベルク、美しい
du Stadt an Ehren reich,.−−−−栄光に満ちたまちよ、
am Neckar und am Rheine,−−−ネッカルの岸辺、ラインの岸辺、
kein andre kommt dir gleich...−−お前とくらべられる町はない.
Stadt fröhlicher Gesellen,.−−−−愉快な仲間たちのまち
an Weisheit schwer und Wein,−−叡智と酒の溢れるまちよ、
klat ziehn des Stromes Wellen,−−川波清らかに流れ、
Blauäuglein blitzen drein..−−−−青い瞳がその中にきらめくまちよ
Und kommt aus lindem Süden,-−−おだやかな南方から
der Frühling übers Land,−−−−−あたり一面に春が訪れると、
so weht er dir aus Blüten−-−-−−春はきらめく花嫁衣裳を
ein schimmernd Brautgewand.−−−花々の中からお前になびかせる
Auch mir stehst du geschlieben.−−お前もまた花嫁のように
ins Herz gleich einer Braut,−−−−私の心に刻みこまれている、
es klingt wie junges Lieben−−−−お前の名は、うら若い恋人のように
dein Name mir so traut.--−−−−−私の胸にしたわしくひびく.
Und stechen mich die Dornen,−−−いばらのとげが私を刺し、
und wird mir's drauss zu kahl,−−−異郷があまりにもわびしくなると
geb' ich dem Ross die Sporen-−−−私は愛馬に拍車を当てて
und reit ins Neckartal--−−−−−−ネッカルの谷に出かけてゆく
https://www.youtube.com/watch?v=CWPC6vv8Wms
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