サヘト・マヘトの白銀 Silver of Sahet-Mahet
目を閉じて聞こえる声
遠く彼方の記憶たどり
白銀の光が導く道
すべてを捨てて立ち尽くす
サヘト・マヘト 聖なる地よ
心を震わせ 輝き放て
百年の夢も 消え去る瞬間
これがすべてと いま知った
Silver of Sahet-Mahet
Close my eyes, a voice calls to me
Tracing the path of distant memories
A silver light guides my way
I stand still, leaving it all behind
Sahet-Mahet, sacred land divine
Hearts trembling, your brilliance shines
A century's dream fades in an instant
This is everything, now
サヘト・マヘトの白銀
それは、突然だった。
ななめ前方から何かがやってくる気配に気づいた次の瞬間、目がくらむような衝撃が私を襲った。思考は止まり、体は硬直し、ただその場に立ち尽くすことしかできなかった。無防備だった。まったく予期していなかった。だからこそ、その衝撃に、私はあっという間に叩きのめされてしまったのだ。
修行や学問。長年心血を注いできたそれらが、何の役にも立たなかった。そのとき知った。自分が築き上げてきた誇りや自負など、いとも簡単に消し飛ぶのだと。目の前の現象が、それらを無力なものに変えてしまったのだ。
あの白銀の輝き。
それは目もくらむほどの霊的なバイブレーションだった。
瞬時に悟った。百年の修行も、万巻の教学も、この一瞬には到底及ばない。これこそが、私が求めてきた「それ」だったのだ。そう、これ以外にはない。これ以外であってはならないのだ。この地にたどり着いた理由が、いま明確になった。
「サヘト・マヘト……」
聖なる地。何百年もの時を越え、この場所は私を待っていてくれたのだ。私はここで受け取ったものを、これから人々に伝えねばならない。それが私の使命なのだ。
白銀の輝きに満ちたこの地を、日本へと移す。東の国に、この聖なる地を築く。私はそう誓った。ここに来た理由も、使命も、いま確信へと変わる。
だが、私は知っている。この地に再び訪れたとき、何かが起きる。おそろしいほどの感情が胸をよぎるが、それが何なのかはまだ分からない。ただ、再びこの地を踏むとき、すべてが明らかになるのだろう。
あの一瞬。あの霊的なバイブレーション。
百年の修行も、膨大な書物の知識も、それなしでは路傍の石ころにも劣るものだったのだ。このバイブレーションを授けられる聖者こそが、真の導師。私は、理解した。
「聖師よ、ありがとう……」
私の旅は、いま始まったばかりだ。
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