2014年12月03日
ベネッセ「ぬるま湯体質」に大なた 原田氏が社員に突きつけた覚悟
ベネッセ「ぬるま湯体質」に大なた 原田氏が社員に突きつけた覚悟
SankeiBiz 12月3日(水)8時15分配信
ベネッセホールディングス(HD)の希望退職募集は創業以来、「ぬるま湯体質」と指摘される同社が初めて振るう「大なた」だ。顧客情報の流出問題で前社長ら経営陣の多くが引責辞任したことで、流出問題は就任前の問題であり自身に責任はないとして留任した原田泳幸会長兼社長に権限が集中し、可能になった。
「今回の構造改革では、社員には大きな意識改革、業務領域の変更が求められます」。希望退職の発表文に記されたこの言葉は、原田氏が社員に突きつけた覚悟ともいえる。
原田氏はベネッセ会長就任直後、「商売を上手にするという意識が足りない」と、社風を痛烈に批判。IT化やネット活用の教育システムなどにうまく移行できないことや、会員数の減少に手をこまねいてきたビジネス感覚の欠如を挙げた。
同氏は日本マクドナルドHDのトップなどの経験からリストラを伴う大規模な事業改革の必要性を感じながらも、急進的な改革がベネッセ社員に受け入れられないことも理解していた。その中で発覚した流出問題と初の赤字転落が、原田改革にお墨付きを与えた格好だ。
今回の改革で負の遺産の解消と重点事業へのシフトを一気に進め、2016年3月期に大幅な黒字転換を果たす「V字回復」を果たす考えだ。
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