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2020年02月15日

世界の終わりと灰羽連盟


誰もが知っている作家なのに、自分はその作品を読んだことがない作家、というのが結構います。
そもそも読書をする人、というのが最近では希少種なので、その傾向は多いのかな、とも思います。
といいつつも、ずっと気になっていたので本日ようやく某有名作家の長編を読了しました。
ずばり村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。
ああ、とか、うわ、とか言われそうですが、長年の宿題をようやく片づけた感があります。
村上春樹、については説明不要かと思います。あの人です。ベストセラー作家です。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は、彼の4作目の長編で、1985年に出版されました。
「ハードボイルド・ワンダーランド」の章と「世界の終り」の章が交互に進行し、それぞれ世界を異にする一人称視点の物語です。
この小説を読もうと思った動機は、アニメ「灰羽連盟」の元ネタになった作品だからです。
元ネタである、という部分は、原作者の安倍吉俊さんも語っていますし、舞台となる「グリの街」が、「世界の終わり」の世界へのオマージュになっています。

・・・以下、「世界の終わり・・・」及び「灰羽連盟」に関するネタバレ要素を含んだ記述をしますので、それが気になる方はご注意ください。

とはいいながら、この2つの作品は全くの別物です。どちらが優れているか、というのは無為なことですが、管理人的には「灰羽連盟」がおススメです。「世界の終わりと・・・」のほうは、近代的自我を拗らせてしまったような作品で、ブラックホール爆弾のように「爆縮」していきます。村上春樹の長編を初めて読みましたが、これは、どうしたものか。
一方の「灰羽連盟」ですが、こちらはアニメーション作品ということもあって、視覚に訴えるインパクトが甚大です。冒頭のシーン、少女が空から真っすぐに落下していくカットから始まりますが、その美しさは言葉にし難いものがあります。映像の威力を遺憾なく発揮しています。
「灰羽連盟」は一人称形式ではなく、「灰羽」と呼ばれる複数の少女たちの物語です。
いきなりネタバレをかましますが、「灰羽連盟」に描かれる世界は、中有洞(ちゅううどう)とか中陰(ちゅういん)と呼ばれる世界を描いています。「灰羽」たちは天使のような光輪をのせていますが、神の使徒ではなく、次の世界へ羽ばたく前の雛鳥たちです。彼女たちは、過去の記憶を失ったまま、繭から「グリの街」に迎えられます。新米の灰羽「ラッカ」(冒頭の少女です)が一応の中心人物ですが、「ゆかいな灰羽の仲間たち」が印象深いエピソードを重ねてゆきます。
あまり見ている人が多くないアニメですが、「世界の終わりと・・・」を読んだことがある人ならぜひ一度。
そうでない方も、安倍吉俊作品のかなりベストに近い作品なので、一度お試しを。

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2020年01月22日

潮が舞い子が舞い 2巻(by阿部共実)

阿部共実センセイの最新作です。
「潮が舞い子が舞い」の第2巻。
タイトルのセンスが素晴らしいですね。文芸書ですか。
芥川賞にマンガ部門が無いのが残念ですが、もしあれば、阿部センセイ当確です。いやマジで。
ご存じない方のために、一応この作品の簡単な紹介文をコピペしておきますね。

「海辺の田舎町で高校生が織りなす、あかんたれで愛しい日常。青春群像コメディ!!」
・・・ということです。基本的に会話劇で、特に重大な事件は発生しませんが、日常的に非日常な事件が発生しています。
主役である2年4組の36人がいくつかのグループに分かれていて、グループ内や、グループ対抗の「しゃべり倒す」コントを次々とぶちかますのが圧倒的です。時々ソロで活動している「バーグマンさん」などが絡んで、組み合わせの妙と、会話自体の面白さが抜群です。
2巻になって、エンジンが温まってきた感があります。13話の女子の体操服を皆で嗅ぎ倒す話とか、14話の学校帰りに「鎖鎌」を開陳する話とか、常軌を逸していながらも確実にコントロールされています。阿部センセイ、天才か。
阿部センセイの作品は、週刊少年チャンピオンの頃からずっと愛読させていただいていますが、最近になって洗練度が増してきて、円熟の域に至った感があります。キャラクタの描き分けも、何気に上達しているし。
今後のさらなる成長を祈念しつつ、この連載が末永く続くことを熱望します。
ついでですが、「アルティメット佐々木」の新作というか、その後も気になります。佐々木は今、どうしていますか?
「アルティメット佐々木」が何者かご存じない方は、ご自身で検索してみてください。


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2019年11月24日

リネンの春(by谷ま乃ゆり) 

天使の頭上に輝く光輪はhaloと呼ばれ、超自然な霊的オーラの表現として中世以降の絵画で描かれています。
このマンガは、その「天使の輪」をうっかりなくした天使が、拾い主である「僕」の元へ夜毎に通ってくるお話です。紹介文は、こんな感じ。

「いつも決まって夜更け過ぎ、君は僕のベッドにやってくる。 ある夜、窓から諭一の部屋に入ってきた、それそれはカワイイ天使のうた。彼女はなくした天使の輪を返して欲しいという。すんなり返却して終わりのはずが、諭一の抑えきれない下心と、うたの律義さで話は思わぬ方向に…。シーツの上でピュアな天使と二人きり……イジワル×言いなり×イチャラブコメディ。」

主人公のクールだけど邪心に満ちた性格と、天使の「うた」の天然さが素敵です。基本的にベッドの上でお話が進むので、常に緊張?を孕みつつ、進展があったりなかったり。紳士淑女の皆様にお楽しみいただければ幸いです。

余談ですが、このマンガを読みながら、「天使の輪」はどういう仕組みで頭上に固定されているのだろうかといろいろ考えていました。これと並んで謎なのが、「初音ミクさんの髪飾り」です。あのツインテールの側頭部に装備されている、リボン状の物体を正方形に成型した「髪飾り」です。イラストを描いてみれば分かりますが、側頭部に貼り付いたように浮いています。
「天使の輪」の正体についていくつか考察しましたが、管理人のなかでの有力説は、回転するマイクロブラックホールのエルゴ球ではないかというもの。「天使の輪」は中心部も含めて一種の縮退炉で、実体は高次元領域にあるんだけど、強烈なエネルギー輻射が我々の次元にも「光の影」を落としているのです、という説です。
うわ、どうでもいい妄想だ。

2019年10月22日

追悼 吾妻ひでお氏

吾妻ひでおが亡くなってしまった。
驚きもあるが、ああそうなのか、という気持ちもある。
若い方はあまりご存じないかもしれないが、日本の偉大なマンガ家のひとりである。
近年では「失踪日記」などで、失踪生活やアル中生活を「作品」として発表し、絶大な反響を得ていました。
管理人は、週刊少年チャンピオン連載の「ふたりと5人」頃からのファンで、氏が「えすえふ」や「不条理」な作品を発表する80年代頃には「心の師」と呼ばせていただいていました。
美少女を描くことにも心血を注いだ人で、「陽射し」という作品集が、氏の到達点のひとつだと感じている。
現在の日本のオタク的なカルチャーの根底部分を築いた(はからずも)人なので、功罪相半ばする「ビッグマイナー」な偉人である。
あなたがいなければ、今の私はありませんでした。安らかにおやすみください。

2019年09月09日

僕の心のヤバイやつ 2巻(by桜井のりお)

2019年次にくるマンガ大賞で5位になったという「僕の心のヤバイやつ」の2巻が出ました。
管理人は紙の本を出来る限り買わないようにしているのですが(あっという間に本だらけになる為)、気が付いたら買っていました。恐るべし、ヤバイやつ。

電子書店でのキャッチはこんな風です。
「山田への恋心に戸惑う京太郎…。そんな京太郎の気持ちを知ってか知らずか、天真爛漫に山田は近づいて来る!! 遠いようでちょっと近い…2人の関係に少しずつ変化が!?」

ということで、二人の距離が劇的に近づいたように思える第2巻ですが、注意が必要です。
このマンガ、読めばわかる通り、主人公である中二男子「市川京太郎」の、「一人称マンガ」です。
自意識過剰な中二男子が、自分でツッコミまくるマンガです。彼の心の声は、四角いフキダシに、通常のセリフとはフォントを変えて表記されています。
ヒロインである山田は、セリフはあっても心の声(モノローグ)は無いのです。
だから、山田が本当は何を思っているのか、感じているのかは、京太郎はもちろんのこと、読者にも分からない。

と、ここまで書いて、珍しくネタバレしておきます。
第2巻の最後のエピソード(カルテ30)をご覧ください。
京太郎が、初めて自分の気持ちに気づくシーンで、5ページにわたって彼のモノローグが流れます。
そこで注目すべきは、最後の「好きだ」という言葉です。
これだけは、モノローグの四角フキダシに入っていなくて、フォントが明朝体です。
これは、マンガならではの、ちょっとカッコイイ演出だなと思ったのは私だけでしょうか。
京太郎だけが発した言葉ではない、という意味です。
気になる方は、もう一度お確かめください。

余談ですが、このマンガはビレッジヴァンガードで買ったのですが、おまけでペーパーが1枚挟まっていました。販促用のペーパーなのですが、中身は70頁のネームをそっくり掲載しているものなのです。
京太郎が、彼の雨カッパを着込んだ山田のボタンを、震えながら外していくシーンです(1ページ丸々使ってセリフなし、という凄いシーン)。
ネーム時の京太郎、山田の表情が、完成原稿と明らかに違ううえに、はるかに活き活きとしています。
ネームでの表情が一番いい、という定説通り、この顔は最高です。


2019年08月09日

顔がこの世に向いてない。(byまの瀬)

夏コミが始まりましたね。
管理人は土曜も泊りでお仕事です。熱いのでどうぞご安全に。

ということで、久しぶりにマンガの紹介ですよ。

「顔がこの世に向いてない。」(まの瀬)

少年ジャンプ+に連載の四コマ漫画がコミックスになりました。
紹介文はこんな感じです
「自他共に認めるドブスの私はクラスの人気者・北見君になぜか告白されてしまった! どうせすぐ飽きるだろとOKしたのに全く飽きる気配がない! なんなんだこいつはよぉ! コンプレックスを持つすべての人に送る――ネガティブJKの思考が紡ぐアンチ恋愛4コマ第1巻!」

主人公(ヒロイン)の野宮ミヤさんは、自己肯定感が極めて低いJKです。
ドブスという設定ですが、微妙です。ブスを容赦なく描けるマンガ家は数が少ないのです。
「少年アシベ」の森下裕美さんは、強烈な個性(特に顔)を持ったキャラをすごくシンプルな線で容赦なく描くので凄いと思います。
そんなミヤさんが、カッコいい男子にガチで告白されて困惑するお話です。
とよ田みのる氏の「金剛寺さんは面倒臭い」と真逆のベクトルを持っているので、併せて読むと面白いです。
いろいろとアッセンブリな印象を受ける作品ですが、ときどき良いセリフが飛び出します。
「スタンダールは言った!美は幸福の約束である!」「すなわちブサイクとは 不幸の約束」
これを力説するミヤさんに、右フック気味のビンタを放つ、友人のルーシーさんが素敵です。
ちなみにルーシーさんはビンタをする際は必ず右手で、スナップを利かせます。最大で3連打可能らしい。
彼女のエピソードも痛々しくて、素敵です。
ラブコメにすらなれない青春の蹉跌を存分に味わっていただければと思います。


2019年06月18日

ノラネコ少女との暮らしかた(by シイナ)

マンガを電子書籍として読むことが増えてきた昨今です。
一般的な週刊誌や月刊誌に連載されているマンガでしたら、紙媒体のコミックスのほうが手早く入手できますが(新刊に限りますけど)、最初から電子版の雑誌に掲載されているマンガは、書籍として発刊されずに終わっていくものも多々あるようです。

とくに、アダルトな作品です。今回は大人向けなので、コドモは読んじゃダメ。
えっちなのはいけないと思いますが、でも読んでみたいのが正直なところですね。
昔はエッチな本をいかにして買うかが大問題でしたが、今はネットでサクサク見られるので、あの苦労は何だったのかと思わずにはいられない。ああ、通過儀礼なのかな。

ということで、最近管理人が電子版でご購入したエッチなマンガのご紹介です。
「ノラネコ少女との暮らしかた」
作者はシイナさん。女性らしいですよ。
無料の電子雑誌のなかに掲載されていた第16話が気に入ったので、紙媒体で買いたいと思ったのですが、簡単には買えそうにないので(いちおう単行本化はされています)、電子版の合冊版を1〜3集まで大人買いしました。大人はエッチな本を大人買いするのです。すごいでしょう。

第1話のあらすじはこんな感じです。
「ある日、サラリーマンの佐藤敦尭のもとに、制服姿のJK・高田美鶴が訪ねてきた。天涯孤独となった美鶴となし崩し的に同居することになった敦尭だったが、同居しているのに顔を見ることもない生活がつづいていた…。」
アダルトなマンガって、あまりヒロインのキャラクタ作り(特に内面について)に手をかけないのですが、この作品は、ヒロインがちゃんと生きています。人格のある人間として描かれています。サラリーマンとJKという組み合わせは、現行法ではアウトなのですが、それでも「あり」な作品です。
アダルトコンテンツなので、未成年の方はご遠慮ください。大人になったらぜひ読んでくださいね。







2019年04月27日

追悼 高寺彰彦氏

漫画家の高寺彰彦氏が鬼籍に入られました。享年58歳。数年前から闘病されていたとのことです。
手塚治虫もわずか60歳で没していることを思うと、才能のある者が疾く世を去るのは定めなのだろうかと思う。

高寺氏は寡作な作家であった為、著作は多くないうえ、ほとんどが絶版・品切に近い状態で、なかなかその作品にふれることが難しい状況です。
ジャンルは多岐にわたり、ファンタジー、SF、ホラー、アクションなど自在でした。
大友克洋のアシスタントをしていたことでも知られており、その作画に関する実力は折り紙付きです。
作画技術に関するムックなどの監修も手掛けていたと思います。現在の書き割りのような画面構成を良しとせず、カメラ(使用するレンズを含めて)と被写体と空気を意識した画面作りにこだわった方でした。
代表作の「悪霊」は、きわめて映画的な作品で、カメラワークや被写界深度、エフェクトなど、現在の技術で映像化してみたい一作です。
高寺氏の作品はいずれも大好きですが、管理人の一押しは「かちかちやま」収録の同作です。
平成の終わりに、また一人、貴重な才能を失いました。合掌。

2019年04月04日

ダイナミックフィギュア(by三島浩司)

読書をしない生活が長かったせいか、なかなか本を読み進めることができません。
とくに「小説」が上手くいきません。管理人は「小説」を読むときに、脳内スクリーンに映像を投影しながら読み進める癖があるのですが、これが上手くできなくなっています。

という前振りをして、「ダイナミック フィギュア」(上・下)は、三島浩司によるSF小説です。
人型巨大兵器が実際に活躍する設定に徹底してこだわった、リアルロボットSF。世界観をがんばって作り上げているわりに、なぜか描写がなおざりなのが気になります。戦闘状況の描写はリアルなのですが、作品全体を通じて「絵」が浮かんできません。肝心の巨大ロボット兵器である「ダイナミックフィギュア」はもとより、登場人物の容姿や表情、彼らをとりまく情景描写が希薄です。セリフも少し、固いですね(特に女性)。
上下巻で、かなり長いのですが、敵性生物(キッカイと呼称される)との戦闘がいまひとつ盛り上がりません。
なんといいますか、延々と設定書とか報告書を読んでいる気になります。
じつは上巻の4分の3ぐらいまで辿り着いたのですが、この先、進めそうにありません。
ダイナミックフィギュアの必勝を祈念して、戦略的撤退を行います。

作品の紹介はこちら
地球に飛来した謎の渡来体が建設した軌道リング・STPFは“究極的忌避感”と呼ばれる苦痛を生物に与える作用があった。リングの一部は四国に落下、そこから発生した生物・キッカイは特殊な遺伝メカニズムで急速に進化し、人を襲った。日本政府はキッカイ殲滅のため、二足歩行兵器・ダイナミックフィギュアを開発する。19歳の栂遊星(とが・ゆうせい)はその操縦士として訓練を受けていたが──。実力派による究極のリアル・ロボットSF。


2019年03月21日

有害指定同級生(by くろは)

ジャンプスクエアで好評?連載中の「有害指定同級生」です。
某日、別の本を買おうとBOOKOFFへ行った際に、「少年コミックス」の棚に並んでいました。
中身は有害指定図書です。中学生以下は保護者同伴でお読みください。

高校2年生の八橋みやこさんは品行方正なお嬢さんで、クラス委員です。
新学期、彼女の隣の席に都城玲華(みやこのじょうれいか)という美少女が座ることになったのですが、彼女は「デフォルトでパンツをはかない」有害指定な女の子でした。
彼女を真人間に更生するという使命感に燃える八橋さんですが、都城さんの行動を伴った下ネタが日々ぶちかまされて、更生への道のりは険しいようです。
・・・というようなお話です。たぶん。登場人物は基本的に二人だけで、学内での掛け合いがメインです。
男子高校生が放課後にふたりで漫才?を延々やるという「セトウツミ」の百合版ですが、もう少し、というか、道を外れてお下品です。

都城さんは、外見はクールビューティーですが中身はおっさんで、「よっこらセックス」という掛け声を無造作に放つあたりが、にわか仕込みでない本物さをうかがわせます。
現在2巻まで絶賛?発売中です。ジャンプコミックスの棚に紛れ込んでいますので、注意して探してください。
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銀河大計画別館の管理人。 「銀河大計画」は、1993年から細々とやっている同人誌です。 ゆうすけが書いたネタや没ネタなどを、別館で細々と掲載します。どうぞよろしく。 アイコンコピーライトマーク卵酒秋刀魚さん。
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