おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Jinshin」のレビューです。
いつものKemcoRPGです。
推測ですが、タイトル画面の西暦から察するに、2007年発売のアルファディア1から15年もの時を経て、2022年発売の本作と、私が比較的酷評するマコっちゃんの腕が、どのように変化したのかをまざまざと見せつけられた作品でした。
15年かぁ、そら15年もゲームシナリオ書き続ければ嫌でもうまくなるよねぇ。
驚いたのは、私がアルファディア1&2でぐちぐちとつついた欠点が、ほぼ克服されていたところでしょうか。まさかタイムリープして私の記事見たとかないよね?(笑) っていうくらい、「日本語の使い方勉強しましょう」とか「たくさんの生きた人間を観察してください」とか、「脳死でセリフ枠埋めるくらいならきちんと削ってください」とか、そういった私の上から目線の指摘をほぼほぼクリアしたシナリオでした。
そりゃあ15年も関わってりゃ技術とか、空気感とか、勘とか、目に見えないもろもろのこともわかってくるよねぇと、感心したのでした。
その上でやっぱり変わらないところは変わらないんだなとも思いました。当然、誰がシナリオを書いているかというのはエンディングのスタッフロールまでわからないものですが、だいたい今度のこの作品は佐川ちゃんとマコっちゃん、どっちが担当しているのか、オープニングの第一文……とまでは言わずとも、セリフが二、三出てくれば確信できるくらいにはわかるようになりました(笑)
佐川ちゃん節(ぶし)、マコっちゃん節、二人ともそれぞれの癖や味があるんですよね。成長の仕方も全然違うので、むしろこの二人を見てるのが面白い(笑) もちろん会ったことはないけど。
今回のマコっちゃん節は、和風の世界観ということもあって「もしかして日本語検定でも勉強してんの」ってくらい言葉の選び方が独特で、非常に古風で難しい単語をわざわざ選んでいたりもします。これが中世日本を思わせる世界観を表しているともいえるし、ひねくれ者のあるへには、むしろ混乱を招いたり、難しい単語をわざわざ使ったことで逆に文意から遠ざかってるんじゃないと穿ってみたり、現代人に読みやすい平易な文章の中に突然混ざる聞き馴染みのない単語の裏にライターのドヤ顔を見たりしてなんだかなぁって思ったり。
マコっちゃんって冗談が通じないほどくそ真面目な人なんじゃないだろうか、と妄想してみたり。
私個人としてはマコっちゃんの書くシナリオは真面目過ぎて肌に合わないと思いつつも、文章力やお話の完成度を客観的に見れば十分高いと感じました。
これでマコっちゃんも独り立ちかぁとか、ゲームとは関係ないくっそどうでもいい感慨に耽って、だいぶ失礼な感想を持った今日この頃でした。
逆に私の推す佐川ちゃんシナリオは、クスっと笑える展開が随所に含まれていて、ストーリーの重要な局面でもありえないギャグ展開で事が進んだりもするので、そこが練り込みきれない量産型ファンタジー世界観に合っているともいえるし、いやいやちゃんとしたライトファンタジーを楽しみたいんだよという人にはむしろマコっちゃんのシナリオの方が読みやすいって人もいるかもしれませんね。
シナリオとは関係ないゲーム部分としては、んー、そうね。
今作は隠し通路がないのでダンジョン探索は結構サクサクで遊びやすいかしら。意外とBGMが凝っていて、これだけで和の雰囲気は十分。そんな中にお手製のグラフィックチップセットで和風なマップが作られてるんだけど、やっぱり作り手が日本人なだけあって結構落ち着くんですよね。どこがどうとか、あれがこれだからとか言葉では表せないけど、確実に、日本人にしか作り出せない空気感があって、たとえ本作に限らずなんちゃって日本とか、全然史実に忠実でない和風ファンタジーだったとしても、その空気感は確実に内包されてるのよね。それが気持ちいいし、落ち着きます。
また関係ない話だけど、Kemcoといえば月に二本ペースで新作出してたイメージだったのが、コロナ禍を経てめちゃくちゃ失速してる気がする。新作のペースも遅けりゃその新作がセールに出るのも遅いし、なんならExe-CreateやHit-Point製作品が減って別会社の移植作が増えた気がする。いやいやまさかね。私はKemco修行、これからもずっと続けていくつもりですよ?
カウントダウンはあと7本!