おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Gale of Windoria」のレビューです。
Kemcoゲーの中でもグラフィックに比重を置くHit-Point製のRPGです。そのせいなのかHit-Point製はボリュームが浅く、ゲームの攻略時間が短い傾向にありますね。
本作もその例に漏れず、今回はサブクエストがなく、ひたすらメインストーリーだけを追う形になりました(サブイベントとして少し追加の会話を楽しめるものはありますが)。
本編攻略後の追加シナリオなどもなく短めではあるのですが、意外と満足感は残りました。
まず、本作のキャラは主人公含めパーティーメンバーがよく喋り、イベントに彩りがあります。また、表情や仕草などがコロコロ変わり、非常に愛らしいんですよね(Hit-Point作品のキャラの、にこ〜って表情は割りとキュン死できる 笑)。この辺の作り込みはさすがHit-Point。数は少ないですが、一枚絵を挟んでHit-Pointの弱点である演出の弱さを克服しようと試みていたり、工夫の跡が見て取れました。
作品としては結構力をいれたものだったんじゃないかな。
BGMもとても良かったし、真面目に考えると結構重いテーマなシナリオを、可愛くて愛らしいキャラたちで中和することで、ストーリー自体も野暮なツッコミを控えて楽しく見守ることが出来ました。
重く、答えの出ないテーマでもあるので、その辺どう決着付けるのか、さらっと伏線らしきものも張られていたようだけど……、ぶん投げましたねぇ。いや、いいと思いますよ。浅はかな哲学や単純思考のキャラに乗せて薄っぺらい正義をかざされるよりは、それはまた別のお話、として喫緊の問題のみに決着を付けるのは悪くない「逃げ」だと思いました。
ただ、物語全体に漂うテーマが重い割りに、敵の親玉の行動原理が首を傾げるくらい幼稚だったのはちょっとどうかしらね……。尺がないから説明不足ではあるけど、それにしたってねぇ、もうちょっと練り込んでも良かったかな。ついていった人たちが不憫だよ。
もう一つ不満といえば、ラストバトルのククルガン。解像度www
そこ頑張ろうよ。一番熱くなれる場面なのに。
そんな感じでストーリーの終盤は駆け足気味でやや味気ないのですが、そこに至るまでの冒険やキャラ同士の掛け合い、世界観の深みに満足感はちゃんとありました。グラフィックやBGMなど、遊び込めばちゃんと手が込んでいることがわかるし、キャラクターそれぞれがちゃんと個性的で可愛く、フツーに楽しかったです。それこそ黄金期のSFCソフトを遊んでいるみたいでしたね。
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