本日はこちら「リトル・ミスフォーチュン」のレビューです。
特に複雑な操作は必要なく、要所で選択をしていくアドベンチャータイプのインディーゲームです。
これが初めてストアに現れたときに、不思議な魅力に惹かれてずっと温めてたゲームでした。買ったのは最近だった気がするけど(笑)
本作の魅力はなんといっても「ミスフォーチュン」という小さな女の子と、その子の頭の中に存在する「ミスターヴォイス」という声の掛け合いですよね。はたから見るとそれはつまり独り言なんですが、ゲーム中では会話として描かれ、この二人の会話を中心に、ミスフォーチュンの小さくて大きな大冒険が描かれます。
そして、小さな不運の子、が指すようにこの物語には重要なある出来事が潜んでいるんですよね。それは、いつ、どこで、どうやって起こり得るのか……。
これらのコンセプトがきちんと活きていて、短いながらもゲーム中は様々な想起を促しながら遊ばせきる力がありました。
謎解きよりもミスフォーチュン自体のキャラがしっかり立っているので、二週目以降も別の選択肢の結果を見るためのモチベーションはきちんと残っています。
面白かったですよ。
ネタバレは避けたいので具体的なことは言えないですが、人形とか、悪魔とか、どこかで見たような気がするし、どこかの国の民話とかおとぎ話とか、言い伝えをベースに敷いているのかなって気はしました。
このねー、ミスフォーチュン。何度も言いますけど良いんですよねぇ。知れば知るほど、不運どころじゃない悲惨な家庭環境というか境遇なんですけど、ミスフォーチュン自体がすごくポジティブな女の子なんで、ゲームの雰囲気はすごく明るい感じがするんですよね。夢と希望に満ちた大冒険みたいな。
でも実際プレイヤーの目に映るのは悲惨な生い立ちと、陰惨な現実と、シュールでブラックなリアルですよ。
ミスターヴォイスがプレイヤー自身に語り掛けたり、「ググる」といった言葉を使ったりと、メタ的な表現がたまにあるのですが、それが逆に頭のネジが歪んだこの世界観との良い緩衝材になっていると思いました。
とりあえずミスフォーチュン、グリッター(キラキラしたビーズのおもちゃみたいなもの)は食べない方がいいと思います(笑)
ゲームをプレイしながら開発者はサイコパスなんじゃないかと思ってました(笑)。少なくとも何かしらトラウマでも抱えて生きてるんじゃないかなって。
そういう重い内面を素直に吐き出して作れるのもインディースタジオの長所ですが、まぁ、それが全てのプレイヤーに受け入れられるかとか、良いか悪いかはこの際置いといて、こういう混じり気のあるギザギザしたゲームにも出会えるのは、ゲーム文化の育ってきた現代の特徴だとも思います。
実績を意識したゲームプレイとしては、排他実績かつ序盤の選択が終盤の結果に表れることが多いので、おそらく二周が必要最低数でしょう。基本的には特定のタイミングで二択の選択肢を選び、その結果が出たところで実績が解除されます。二択の構造もかなりシンプルなので、特定のシーンでYes,No,Yes,Yes,Noと選ばなければ解除できないものがある、とかは全然ないです。
ただ、選択の仕方によっては実績に触れないルートとかにも行くので、無理なくいくなら三周を見ておくといいでしょう。実績に触れなくてもそっちはそっちで面白いですしね。
何より一周数時間なので、気にせず思うままに遊ぶのがベストだと思います。
あー、言って良いのかな、ダメかな、とりあえずぼんやり言ってみるけど、ゲーム中で可能なキラキラポイントを全てキラキラしてゲームクリアすると、「お母ちゃんにエターナル・ハピネスをあげる」って実績が解除されるんですよ。それを踏まえてお母ちゃんの素顔の表情を見ると、なーんか深読みしちゃんですよねぇ……。
他にも……あー、これは言えないかも。
きりはどこでっすかー
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