おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ライズオブザトゥームレイダー」のレビューです。
トゥームレイダーシリーズの主人公ララ・クロフトの誕生を描いた新生「トゥームレイダー」の続編にあたり、ただの学生だったララが亡き父親の足跡を辿って、初めての大冒険に挑むお話です。
前半は厳しい自然を相手に極寒を生き抜くサバイバルな展開、後半は秘宝を求め秘密結社と競争するアクションへと切り替わります。
「寒さ」の表現として、ちょっと前にプレイしていたディビジョンとははっきりとした差があり、雪や氷の描画はディビジョンに軍配が上がります。
しかし、深く積もった雪に足を取られたり、ララが体を掻き抱いてカタカタと震えたり、ムービーシーンで暖かいスープ(?)を飲んで暖を取ったりと、間接的に寒さを表現している部分が多々あり、寒さの印象度はかなり強いと思います。
前作の個人的な感想を要約すると、「ララの人間としての成長ストーリーは素晴らしい」しかし「お話はお粗末」でした。
前作はかなりマゾというかサドというか、ララがことある毎に大怪我を負って、それを自ら対処していくことで体も心も精悍に、人間社会ではなく自然の中に生きる生物として成長していく様がきちんと描かれているように感じられ、好感を持ったものです。
逆にお話は、途中まで謎の島に漂流したサバイバリストのお話が、突然出てきた超文明によって、これまで意識の中で築いてきたリアルな世界観がぶち壊しにされた思いを抱きました。
今作は、そんな前作の続編ということで、「トゥームレイダーとはそういうものなのだ」という耐性が出来ていたというのもあるでしょうが、お話の構成自体もうまく出来ており、リアルな自然と空想の超文明の差にあまり違和感を感じませんでした。
個人的な見解ですが、本作は前作程ララの痛々しい描写は無く、ララの人間的成長も軽微です。ララの成長ではなく、一皮剥けたララの「冒険」としてのコンセプトが強いので、サバイバルに関しては前作ほど強いリアリティを発揮していないと思うのです。この強過ぎないリアリティが、逆にトンデモ文明とのギャップを浅くしており、プレイヤーの中で連続的に繋がっていく冒険譚として成功しているように感じました。
また、ゲームの最初から空想科学の存在を仄めかしているのも利いていると思います。
肝心のゲーム部分については、前作のイメージとほぼ同じです。主人公が強く万能ですが、武器の使い勝手やオートロックがまったく効かない仕様から、正面切ってまともに撃ち合うゲームではないことを理解すれば難しくはありません。本作の醍醐味は、大量の探索要素であり戦闘は味付けです。
PvPを廃して、どのコンテンツも基本的に一人で遊べる仕様にしたのは英断ですね。実際のところ一つ一つのコンテンツはそれほど深いものではないのですが、実績を狙う関係上それなりに楽しく遊べました。
ただ、本編とは切り離されたこれらのモードをより楽しむためのファクター「カード」についてはちょっと残念な感じも。
本編やそれ以外のコンテンツをプレイすることで手に入るクレジットを使ってカードパックを購入し、出てきたカードを使用することでコンテンツにルールを追加する、という感じなのですが。
説明すると長くなってしまうので割愛しますが、
・カード自体に収集のモチベーションが湧かない
・良いカードというのはつまり自分が大幅に不利になるカード
・クレジットの入手量がしょぼい
・ランキングに、最適なデッキが揃っており、そのデッキを安価に使用できる(該当するカードを持ってなくて良い)
こんな感じでエンドコンテンツとカードシステムとの相性が悪く、実績解除以上のプレイ欲求は生まれませんでした。
スコアアタックも、エンデュランスも、冷酷な闇も、クロフト邸の探索も、それ自体はなかなか面白いと思わせる部分はあって、力の入り具合は見て取れるのですが、個々のボリュームはさして多くありません。それを埋めるためのカードシステムなのですが(個人的な)前述の理由によりイマイチ膨らみを持てていません。
やっぱ本シリーズで一番楽しいのは本編ですね。そして本編のボリュームは十分なのできちんと満足できます。
動画は撮らないつもりでしたが最後の最後でなんか面白いシチュエーションに遭遇できたのでのっけました。
↓一周目は殺して去ったのですが、二周目は止めを刺さずに行こうとしたら足元に空き缶が転がっているのに気が付き……。
予想以上の大リアクションに思わず噴き出しました。
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本作はララの冒険がテーマなので寄り道(遺跡探索や人から請け負うサブミッション)のボリュームが増しているのもオススメポイントですね。