2011年05月02日
イタリア首相の秘密のパーティ
リビア問題では、旧宗主国イタリアの動向が世界の注目の的だが、当のイタリアでは未成年者買春などの罪で起訴されたベルルスコーニ首相が開催していたという秘密パーティー「ブンガブンガ」が国民の大きな話題となっている。裸の少女をはべらせるなど、首相が“友人”のリビアの最高指導者カダフィ大佐をまねて一種のハーレムを作っていたことが公判などで判明。経済重視でカダフィ政権と緊密な関係を築いてきた首相は4月26日、ローマでサルコジ仏大統領と会談した後、記者団に対し、従来の方針を一転、リビア政府軍への攻撃参加の意向を示し、「決断は容易なものではなかった」と苦渋の胸中を明かしたが、首相とカダフィ氏の仲を知る国民からは「さもありなん」と苦笑がもれている。(吉村剛史)
■伊首相の犯罪
シルビオ・ベルルスコーニ伊首相(74)の秘密パーティー「ブンガブンガ」の内幕が明らかになったのは4月13日の公判。
昨年8月22日にミラノ近郊にある首相の別荘で開かれた「ディナー・パーティー」に出席したという10代の少女2人が証言台に立って打ち明けた。
そもそも、首相の一連の性的スキャンダルは昨年2月のパーティーに参加したモロッコ出身の17歳の少女の証言で発覚。伊検察当局が売春あっせん容疑で捜査を始めたことを昨年10月、現地メディアが報じ、複数の売春婦が招かれた疑惑が明るみに出た。
少女、首相双方ともに「関係を持たなかった」と主張したが、女性がその後に窃盗事件で逮捕された際、首相は、警察署幹部に電話し「その少女はエジプトのムバラク大統領(当時)の親族」と主張し、即日釈放させたことを認めている。
首相は「少女の養子先を探してあげようと親切心からやった」と説明したが、現地紙レプブリカなどによると、少女は首相から貴金属や現金のプレゼントを受けたと証言。
ミラノ地検は未成年者買春などの容疑で首相の捜査を始め、関係先を家宅捜索し、今年2月に未成年者買春と職権乱用罪で起訴。4月6日に北部のミラノ地裁で初公判が開かれた。
■あきれた饗宴
AFP通信によると、4月13日の公判で証言台に立ったのは、昨年8月22日にミラノ近郊にあるベルルスコーニ首相の別荘で開かれた「ディナー・パーティー」に出席したというキアラ・ダネーゼさん(18)とアンブラ・バッティラーナさん(18)。
バッティラーナさんは「(出席していた)若い女の子たちは胸をはだけて首相にキスをさせていた。また首相のプライベートなところを触ったり、自分たちを触らせたりもしていた」などと証言。女性たちが首相を「パピ」(パパ)と呼ぶのを聞き、目を丸くしたという。
この女性たちがベルルスコーニ首相が党首を務める「自由国民党」の党歌、「われらがシルビオに感謝」を歌うと、首相は「ぼくのカワイコちゃんたち」と呼びかけ、大喜びしていた、とも。
一方、ダネーゼさんの証言によると、ベルルスコーニ首相は下ネタジョークを連発。その後、男性の裸体像を持ち込み、女性たちにキスをするよう求ると、女性たちは銅像を相手に性的なまね事を始め、ダネーゼさんは落ち着くために「ハーブティーを頼まなくてはならなかった」という。
さらに、「ブンガブンガ部屋」と呼ばれる謎めいた場所で、女性たちが服を脱ぎ、首相を興奮させようと競い始めるのを見た2人は、首相の側近でテレビニュース番組のディレクター兼司会者、エミリオ・フェーデ氏(79)に「帰らせてほしい」と頼んだ。
フェーデ氏はそれまで、2人にテレビの天気予報キャスターの仕事を提供すると約束していた。
だがフェーデ氏は、「帰りたいなら、帰ってもかまわない。だが、もうお天気お姉さんの仕事はないし、ミス・イタリアコンテストに参加できるとは思うなよ」と言い放ったという。
■カダフィ式ハーレム
この証言に対し、ベルルスコーニ首相側の弁護団は、2人の証言は事実無根と切り捨てた。首相自身もこれまで、首相が自宅で乱交パーティーを開いていたとの検察側の主張を強く否定している。
しかし検察側は、パーティーでは「仮面姿の女性たちが服を脱いでエロチックなダンス」を披露し、首相は「親密な一夜を過ごす女性1人、もしくは数人を選んでいた」としている。
またレプブリカ紙(電子版)によると、ベルルスコーニ氏の相手とされる、モロッコ出身の当時17歳の少女でポールダンサー「ハート泥棒のルビー」こと、カリマ・エル・マフルーグさんが、検察当局に対し、2010年2月に初めて首相の邸宅を訪問した様子を「ブンガブンガ」について語っている。
マフルーグさんは、「その晩、首相は、ブンガブンガについて、友人の(リビアの)カダフィ氏のまねをしたハーレムなんだ、と言った。女性たちは裸になってベルルスコーニ氏に『肉体的満足』を与えなければならないのだ、と」
「首相は書斎にわたしを連れて行き、ブンガブンガに参加すれば人生がまるっきり変わると、わたしを説得した」
■スキャンダルまみれ
マフルーグさんは、1度目の誘いは断ったものの、3月に2度目に訪問した際は服を脱がないままでブンガブンガに参加したという。
「夕食を終えるとわたしたちは地下のホールへ行き、そこでブンガブンガが開かれた。ブンガブンガの間は女性はみんなずっと裸だった。女性たちは首相に気づいてもらおうとして、どんどん大胆に性的なことをするようになって、競争しているようにみえた」
「私はそのときは脱がずに、性的な行動もしなかった。服を着ていた女性はわたし1人だっので、手持ちぶさたにならないようにと、以後はノンアルコール飲料をパーティーに持ち込むようになった」という。
双方ともに性交渉については否定しているが、検察当局は、首相が未成年のマフルーグさんと性交渉をするために、大金を支払ったとしている。
主要国首脳会議(G8)のメンバーであるベルルスコーニ伊首相をめぐっては、これまでにも南部ナポリの18歳の女性との“浮気”を夫人に暴露されたり、高級売春婦がその目的でローマの首相宅に派遣され、首相と関係を持ったと証言するなど大きなスキャンダルとなった。
一部の地元紙は、度重なる首相の性的スキャンダルに「今度ばかりは“疑惑”では済まないだろう」「いよいよ、首相の地位を失うときがきた」などと大きく書き立てている。
■伊首相の犯罪
シルビオ・ベルルスコーニ伊首相(74)の秘密パーティー「ブンガブンガ」の内幕が明らかになったのは4月13日の公判。
昨年8月22日にミラノ近郊にある首相の別荘で開かれた「ディナー・パーティー」に出席したという10代の少女2人が証言台に立って打ち明けた。
そもそも、首相の一連の性的スキャンダルは昨年2月のパーティーに参加したモロッコ出身の17歳の少女の証言で発覚。伊検察当局が売春あっせん容疑で捜査を始めたことを昨年10月、現地メディアが報じ、複数の売春婦が招かれた疑惑が明るみに出た。
少女、首相双方ともに「関係を持たなかった」と主張したが、女性がその後に窃盗事件で逮捕された際、首相は、警察署幹部に電話し「その少女はエジプトのムバラク大統領(当時)の親族」と主張し、即日釈放させたことを認めている。
首相は「少女の養子先を探してあげようと親切心からやった」と説明したが、現地紙レプブリカなどによると、少女は首相から貴金属や現金のプレゼントを受けたと証言。
ミラノ地検は未成年者買春などの容疑で首相の捜査を始め、関係先を家宅捜索し、今年2月に未成年者買春と職権乱用罪で起訴。4月6日に北部のミラノ地裁で初公判が開かれた。
■あきれた饗宴
AFP通信によると、4月13日の公判で証言台に立ったのは、昨年8月22日にミラノ近郊にあるベルルスコーニ首相の別荘で開かれた「ディナー・パーティー」に出席したというキアラ・ダネーゼさん(18)とアンブラ・バッティラーナさん(18)。
バッティラーナさんは「(出席していた)若い女の子たちは胸をはだけて首相にキスをさせていた。また首相のプライベートなところを触ったり、自分たちを触らせたりもしていた」などと証言。女性たちが首相を「パピ」(パパ)と呼ぶのを聞き、目を丸くしたという。
この女性たちがベルルスコーニ首相が党首を務める「自由国民党」の党歌、「われらがシルビオに感謝」を歌うと、首相は「ぼくのカワイコちゃんたち」と呼びかけ、大喜びしていた、とも。
一方、ダネーゼさんの証言によると、ベルルスコーニ首相は下ネタジョークを連発。その後、男性の裸体像を持ち込み、女性たちにキスをするよう求ると、女性たちは銅像を相手に性的なまね事を始め、ダネーゼさんは落ち着くために「ハーブティーを頼まなくてはならなかった」という。
さらに、「ブンガブンガ部屋」と呼ばれる謎めいた場所で、女性たちが服を脱ぎ、首相を興奮させようと競い始めるのを見た2人は、首相の側近でテレビニュース番組のディレクター兼司会者、エミリオ・フェーデ氏(79)に「帰らせてほしい」と頼んだ。
フェーデ氏はそれまで、2人にテレビの天気予報キャスターの仕事を提供すると約束していた。
だがフェーデ氏は、「帰りたいなら、帰ってもかまわない。だが、もうお天気お姉さんの仕事はないし、ミス・イタリアコンテストに参加できるとは思うなよ」と言い放ったという。
■カダフィ式ハーレム
この証言に対し、ベルルスコーニ首相側の弁護団は、2人の証言は事実無根と切り捨てた。首相自身もこれまで、首相が自宅で乱交パーティーを開いていたとの検察側の主張を強く否定している。
しかし検察側は、パーティーでは「仮面姿の女性たちが服を脱いでエロチックなダンス」を披露し、首相は「親密な一夜を過ごす女性1人、もしくは数人を選んでいた」としている。
またレプブリカ紙(電子版)によると、ベルルスコーニ氏の相手とされる、モロッコ出身の当時17歳の少女でポールダンサー「ハート泥棒のルビー」こと、カリマ・エル・マフルーグさんが、検察当局に対し、2010年2月に初めて首相の邸宅を訪問した様子を「ブンガブンガ」について語っている。
マフルーグさんは、「その晩、首相は、ブンガブンガについて、友人の(リビアの)カダフィ氏のまねをしたハーレムなんだ、と言った。女性たちは裸になってベルルスコーニ氏に『肉体的満足』を与えなければならないのだ、と」
「首相は書斎にわたしを連れて行き、ブンガブンガに参加すれば人生がまるっきり変わると、わたしを説得した」
■スキャンダルまみれ
マフルーグさんは、1度目の誘いは断ったものの、3月に2度目に訪問した際は服を脱がないままでブンガブンガに参加したという。
「夕食を終えるとわたしたちは地下のホールへ行き、そこでブンガブンガが開かれた。ブンガブンガの間は女性はみんなずっと裸だった。女性たちは首相に気づいてもらおうとして、どんどん大胆に性的なことをするようになって、競争しているようにみえた」
「私はそのときは脱がずに、性的な行動もしなかった。服を着ていた女性はわたし1人だっので、手持ちぶさたにならないようにと、以後はノンアルコール飲料をパーティーに持ち込むようになった」という。
双方ともに性交渉については否定しているが、検察当局は、首相が未成年のマフルーグさんと性交渉をするために、大金を支払ったとしている。
主要国首脳会議(G8)のメンバーであるベルルスコーニ伊首相をめぐっては、これまでにも南部ナポリの18歳の女性との“浮気”を夫人に暴露されたり、高級売春婦がその目的でローマの首相宅に派遣され、首相と関係を持ったと証言するなど大きなスキャンダルとなった。
一部の地元紙は、度重なる首相の性的スキャンダルに「今度ばかりは“疑惑”では済まないだろう」「いよいよ、首相の地位を失うときがきた」などと大きく書き立てている。
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