とにかくオモシロイ妻です 泣いたフリをして 心配して 「ゴメンな泣かしちゃった‥」 覆っていた両手を広げて 「バィハ〜泣いてませんょ」と その演技力で よく騙されました |
今晩は お越し頂きありがとうございます
サンフラワーの仕事から
帰って‥
帰って‥
長かったサンフラワー7の仕事が終り
アパートに帰って来ました。
出迎えた あいこ
「ただいま〜」
ドアを開けたら あいこが飛びつくように
抱きついて来ました。
泣きながら
「さみしかったョ、いろんな事も
あったし」
「どうしたん」
「恐かった 本当に恐かった‥」
話を聞いてみると‥
あいこは 半年ぐらい前から
少し離れた JRの近くの喫茶店で
アルバイトをしていました。
アパートから 自転車で20分ぐらいの距離です
マスターも奧さんもいい人で
楽しく仕事をしていたようです。
それは僕が サンフラワーの仕事から帰る
3日前に起こりました
喫茶店のバイトが終り
あいこ「お先に失礼します」
自転車を見たら パンクしてる
「パンク?か‥」
マスターが出て来て
「どうしたん?」
「パンクみたい」
「自転車置いてきな
俺が送って行ってやるから」
「いいです、押して帰りますから」
「押して行ったらだいぶかかるから
車で送ってやるよ」
お言葉に甘えて
アパートまで車で 8分ぐらいだから
軽い気持で
乗せてもらったそうです。
仕事の話をしながら
景色を見てると‥
少し違う道を走り出した
「マスター道がすこし
違うよ」
「‥‥」
「道、違うよ」
「‥‥」
「どこへ行くんですか?」
「‥‥」
夕闇の中
田んぼのあぜ道を走っていく
遠くにネオンが見えて来た
「ホテル‥えっ!」
「止めて、止めて!」
車のスピードが急に上がった
凄いスピードで
屋内駐車場にすべり込み 急ブレーキ!
ドアの自動ロックを押して
リクライニングを倒して
あいこの両手を 押さえ込み
顔を寄せてきた
「いや、やめて下さい
そんな気 無いから やめて!」
マスターの顔がだんだん近づく‥
「待って! わかった わかったから‥‥
でも ここじゃ、いや」
マスターがいったん止まったが
両手をさらに強く押さえ込み
顔を近づけて 来た
「服が乱れるからなの!
服が乱れるから 嫌なの‥
だから、お部屋で‥‥抱いて お願い」
マスターの顔を じっと見つめて。
マスター 自動ロックを解錠
リクライニングを起こし
あいこが 外に出るのを許す
外に出たあいこ 車の方を振り返り
あんたみたいな人間に 抱かれるか、バカ〜!
夕暮れの田んぼのあぜ道を
大きな道に向って 全速力で走って逃げたそうです
「店のバイトはどうしたの」
「次の日、奧さんに電話して、やめさせてもらった」
自転車はどうするの?
店が休みの日に 取りに行く
「だけど、よく上手い具合に
セリフが出て来るな」
「テレビで昼ドラやってるでしょ
あれ不倫とかのドラマが多いから
もの凄く勉強になるの
逃げ方とかね
自分を守るのには 大切よ」
でも、お前が1番悪い
安易に男の車に乗るのは どうかと思う
いつ 気持が変わるか わからん
男の気持が
その気にさせるのも悪いと思う
これからはお前も考えて行動しろよ
はい
わたしは
自分を汚したくない
あなたのために だから もう少し慎重さを持ちます
でも、本当に恐かった 本当に