2024年05月16日
酒は脳に悪い
うつ病や統合失調症、不安障害などの精神障害は極論を言えば脳機能失調の脳の病気である。
脳の病気を治すためには、脳が調和して正常に働くようにする必要があるが、その逆をすれば病気は治りにくいどころか病気になるだろう。
例えば麻薬などの覚せい剤の中毒患者は脳機能がおかしくなり、統合失調症様の症状で苦悩するようになる。
ある元大物歌手は覚せい剤のせいで、意味不明な発言を繰り返しており、治っていない模様だ。
これは脳内の神経が不可逆的に壊れている変性によると考えらえる。
覚せい剤でなくとも、酒も頻繁に飲むとアルコール中毒になるし、
一時的に多量に飲むと急性アルコール中毒で死亡することもある。
ほとんどの人は酒を飲むと少しの刺激で感情が動きやすくなり、初期には気分が楽になり、リラックスし
軽快で口が軽くなったりするが酩酊の度合いが増すと、怒ったり、凶暴になったり、感情的になる傾向がある。
それと、同じことを何度も言ったりくどくなる。
これは大脳新皮質での前頭葉の認知機能の低下が生じていることを示し
感情的になるのは脳の辺縁系である深い部分が過剰興奮するために、闘争本能が惹起されるためと考えられる
酒を飲んでまったく感情も志向も変化がない人はまれである。
アルコールはアセトアルデヒドという有害物質になり、体に有害である。
アメリカのある大学の研究では、酒を飲んだ翌日に不安感が出やすいとの成果があり
その理由は、酒を飲むと脳をリラックスさせるGABA神経受容体にアルコールが作用することで
リラックスが生じた後に、アルコールが急激に体から抜けることで、GABA神経から急激に外れることで
GABA神経の働きが低下することで 不安感や気分の悪さなどの不快症状が生じる。
アルコール依存症患者はその不安を解消するために、またアルコールを飲むという悪循環になっているようだ。
今はネット動画でいろんな精神科医が精神疾患の治療では酒を飲むことを控える必要があると述べているが
それは本当だと思う。
私はメンタル疾患になる前に仕事が多忙すぎて酒を飲む習慣がなかった関係で
治療中も飲酒することは年に1回程度だった。
だから、病気が治ったのだと思う。
最近の研究で酒を毎日飲む人は認知症になるリスクが高い傾向であることも分かっている。
それはアルコールで脳の神経細胞が壊れるためだと考えられる。
人は25歳までは成長期だが、25歳以降は老化現象が始まり、男性でも30歳くらいで頭がはげる
若はげも出始め、30代で腹が出て中年太り、早い人は40代で白髪が目立ち始める。
これは外見だけでなく、脳内の神経細胞も成長が止まり、老化現象が進んでいる。
だから50歳を過ぎると20歳の時のように、学習能力や暗記力が低下するのだ。
それなのに酒を飲んだら脳の神経細胞とネットワークの破壊が促進される。
これでは神経成長因子の働きが阻害され、脳の病気であるメンタル疾患は治りずらいといえる。
酒を飲むとメンタル疾患がなおりにくいことは科学的にも説明できる。
posted by さかえ at 00:00| うつ病、不安障害治療法