2017年09月24日
『話す』 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ9
2 会話や作文からやさしい翻訳へ
ここまでで獲得したスキルを使用して、やさしい作文を書くことを考えてみる。簡単な文型や単語を覚えれば、提示されたテーマについて、辞書を使いながら平易な日本語の作文は書けると思う。
2.1 会話から作文へ
「日语会话技巧篇」では、会話の場面のイメージを作ることを目標に授業を進めている。その際、ラーニングメソッドとしてペアワークによる簡単な会話を試みている。そのねらいは、会話による簡単なやり取りができるようになれば、語学ができるようになったと誰もが思うからである。作文の練習の仕方として、テーマを与えて自由に書かせる方法もあるが、場面を設定して、特にその内容をまとめるという練習方法もある。自分である程度話せるようになった場面の内容であれば、頭の中に日本語のイメージを浮かべることができるため、あとはライティングが問題になる。辞書を使いながら、できるだけ読みやすい日本語を書くように心がければよい。
作文の添削指導をしていて思うことは、中国人の学生の活用や助詞の使い方の誤りである。そもそも中国語には活用形がない。中国語は、日本語の動詞や形容詞のように語尾変化することはない。この点が中国人の学生には面倒なようだ。また、日本語の助詞に似た前置詞はあるが、主語の「は」とか「が」や目的語の「を」はない。「は」は、主題を表す助詞であるが、主体を表わす「が」と異なり、「特に」といったニュアンスがあるため、読みやすいように読点「、」が必用になる。これは、主題の「は」が主体の「が」よりも強い主語だからである。
簡単な作文が書けるようになれば、スタイル(文体)にも気をつけるとよい。日本語の文末は、「です・ます調」か「である調」でそろえなければならない。手紙とかビジネス上の書面であれば、「です・ます調」で書き、新聞や雑誌等では「である調」が使われる。学生が書く文章には、両方のスタイルが混在しているケースも間々見られる。こうした易しいライティングの基本を理解したら、次は就職試験でも書くことになる小論文へ進むことができる。学生の中には日系企業を希望する者もいるため、日本式の履歴書の書き方や面接試問も含めて日本式の就職活動について説明するのもよいと思う。
花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
ここまでで獲得したスキルを使用して、やさしい作文を書くことを考えてみる。簡単な文型や単語を覚えれば、提示されたテーマについて、辞書を使いながら平易な日本語の作文は書けると思う。
2.1 会話から作文へ
「日语会话技巧篇」では、会話の場面のイメージを作ることを目標に授業を進めている。その際、ラーニングメソッドとしてペアワークによる簡単な会話を試みている。そのねらいは、会話による簡単なやり取りができるようになれば、語学ができるようになったと誰もが思うからである。作文の練習の仕方として、テーマを与えて自由に書かせる方法もあるが、場面を設定して、特にその内容をまとめるという練習方法もある。自分である程度話せるようになった場面の内容であれば、頭の中に日本語のイメージを浮かべることができるため、あとはライティングが問題になる。辞書を使いながら、できるだけ読みやすい日本語を書くように心がければよい。
作文の添削指導をしていて思うことは、中国人の学生の活用や助詞の使い方の誤りである。そもそも中国語には活用形がない。中国語は、日本語の動詞や形容詞のように語尾変化することはない。この点が中国人の学生には面倒なようだ。また、日本語の助詞に似た前置詞はあるが、主語の「は」とか「が」や目的語の「を」はない。「は」は、主題を表す助詞であるが、主体を表わす「が」と異なり、「特に」といったニュアンスがあるため、読みやすいように読点「、」が必用になる。これは、主題の「は」が主体の「が」よりも強い主語だからである。
簡単な作文が書けるようになれば、スタイル(文体)にも気をつけるとよい。日本語の文末は、「です・ます調」か「である調」でそろえなければならない。手紙とかビジネス上の書面であれば、「です・ます調」で書き、新聞や雑誌等では「である調」が使われる。学生が書く文章には、両方のスタイルが混在しているケースも間々見られる。こうした易しいライティングの基本を理解したら、次は就職試験でも書くことになる小論文へ進むことができる。学生の中には日系企業を希望する者もいるため、日本式の履歴書の書き方や面接試問も含めて日本式の就職活動について説明するのもよいと思う。
花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
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