2021年02月02日
誹謗中傷問題をヤラセにすり替えるな。テラスハウスコスチューム事件。
価格:74,800円 |
前回、『超逆境クイズバトル!!99人の壁』の演出について書きましたが、去年最も大きな話題となったと感じるテレビの問題についても言いたいことがある。
同じフジテレビの、テラスハウスである。出演者が自殺に追い込まれてしまったこともあり、大きく報道された。
結論から私の考えを言うと、悪いのは誹謗中傷ツイートを本人宛にした人。侮辱はれっきとした犯罪。それが、ヤラセにすり替えられようとしている、ヤラセが主犯格になりかねない状況に大きな違和感を覚えた。
いわゆるコスチューム事件、概要を書いておきます。
テラスハウスは、複数の男女がシェアハウスで生活するリアルを撮る台本なしの番組だそう。
今回残念ながら追い詰められてしまった出演者は、ヒールキャラで格闘技を生業にしている女性。コスチューム事件は、同じシェアハウスに住む男性が、彼女のリングコスチュームを誤って乾燥機に入れてしまい、コスチュームが縮んで着られなくなった。それに激怒する彼女が、平謝りの男性を徹底的に罵倒。
その後、報道によれば1,200件にも及ぶ批判ツイートが彼女に送られ、自傷、そして自殺に至った。
この罵倒がヤラセであったのか、その結論は出ていない。
一部報道で、ビンタしたらとか、スタッフの演出指示には逆らえない誓約書があったといった記事も読んだが、フジテレビの内部調査では、そのような過剰な演出は認められないと反論している。
もし、あくまでもしの話ですよ。台本がない青春の日々などと謳っておいて、スタッフが指示を出し、それに逆らいにくい空気だったとしたら、これは問題です。ただ、今のところ双方の言い分に隔たりがあり白黒出ていない。
大手テレビ局対個人という非対称な対立で、グレーだから批判はよそうというのは、確かにナンセンス。この部分は、厳しく調査されて欲しいと思います。その結果白でも、ここまでやったならと皆が納得するぐらいに厳しく。
ただ、誹謗中傷した人の罪の重さは、ヤラセがあろうがスタッフの強制があろうが、変わらないんですよ!。ヤラセがなく、あれがリアルな事実だったとしても、誹謗中傷していいことにはならない。「顔面偏差値低いし、性格悪いし、生きてる価値あるのかね」とかの言葉を投げ付けていいことにはならない。
テレビ画面の向こうで何が行われていようと、これは赤の他人同士の間での出来事。テレビに出たからと干渉していい理由にはなりません。視聴者と出演者という立場において、適正な距離を理解することができない愚か者です。
一週間の出来事がわずか30分程度の映像になります。関係者間、あるいは当人同士にしか分からない以前からのしがらみとか、空気とかあるでしょう。番組に映った部分だけで判断するのは危険。ちょっと考えれば当たり前のことでしょう。こんなことも分からないとは、日本人の娯楽文化レベルが、ごく一握りの人たちのせいで疑われます。
仮にですよ。かばえる余地がなく一方が悪かったとして、ひとつ屋根の下に暮らしている仲間同士なら、トラブルなんてあるじゃないですか。わがままや思い込み、あるいは虫の居所が悪かったりで、誰かに当たり散らしてしまうとか、経験ない人の方が少ないはず。それで一時的に険悪になったりしながら時間が経って解消されたり、あるいは違いとか適当な距離を確認し合ったり、そうして関係を考えながらみんな生きています。そんなこと、分からないですかね。
他人の家なんですよ。彼らは、リアルな生活を、バラエティー、娯楽として提供してくれました。しかしそれは、干渉されてもいいと言ったことにはならない。ましてや、誹謗中傷なんてとんでもない。
ネットで感想を書くこと自体は自由ですが、本人に通知が行くようなところに書くのは、面と向かって言っているも同じ。テレビで見たことに対して感情的に暴言を送り付けるような人は、こういう生活を映す番組を見ない方がいいです。
もし、見ていて不快ならば、番組に、つまりフジテレビに言うべきです。これが当たり前の対応です。例えば購入した家電が煙を出したとして、いきなり製造工場で働いている人とか社長個人に連絡しないですよね。仮に、原因となった設計士だとか作業ミスした社員が分かったとしても。例えば、ある会社の電話対応が悪かったとして、その事務員個人の連絡先を探したりしないですよね。するといった方は、とても危険な人だと思います。
更にこの番組は、リアルな生活を撮る番組です。人間だから過ちも暴走もありますし、トラブルもあります。そういう性質の番組を自分が選択して見ておいて、腹立てたり不適切行動取ってるんじゃないよ!と言いたいです。
それに、バラエティー、娯楽番組ですから、エキサイトする場面を選んで使うの、当たり前だと思います。ヤラセの指示があった可能性について結論は出ていませんが、番組のキャッチから、対立やぶつかる部分が切り取られて放送されるというのは、容易に想像できます。だって仲良く普通に生活している様子を何週間にわたってずっと映していても、面白い番組にならないですよね。
切り取り方による誇張は、ヤラセでも何でもありません。
例えば何かのレポートを書く時、それは大学の論文や会社員の研修レポートでもですが、自分が書きたい結論へつながる部分を選び取って書くでしょう。学術論文と娯楽番組は違いますが、物事を伝えるという点では同じです。これは嘘でもヤラセでもありません。行き過ぎはよくないですが、その判断は簡単にはできません。
こんな事情、大の大人が分からない方がどうかしている。
この問題は、過度の演出やヤラセ、逆らいにくい指示があったかどうかではない。あったとしても全く理由にならないから。全く別の問題だから。
また、誹謗中傷が発生した場合に、周囲がどうケアしていくかということも必要な話かもしれない。
要するに、悪質な侮辱、寄ってたかっての暴力が、他の問題にすり替えられることがあってはならない。それはそれ、これはこれである。
価格:10,780円 |
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