映画とテレビ視聴感想

（制作1974年　日本公開：1976年1月）


ジャッキー・チェン映画を時系列に観るその３。


「金瓶梅」とは、中国の清の時代から言われてきた、四大奇書（しだいきしょ）の一つ。
四大奇書とは、元から明にかけて発表された長編小説四作品のこと。

「三国志演義」
「水滸伝」
「西遊記」
「金瓶梅」


他の三作品は超メジャー級なのに、この金瓶梅だけはあまり馴染みがありませんでした。
小説を読んでみて納得。ストーリーは、主人公の西門慶が奸計と金の力で狙った女を次々
にものにするという官能小説でした。

「金」は西門慶の第五夫人となる潘金蓮、「瓶」は第六夫人となる李瓶児、「梅」は第一
夫人と潘金蓮の侍女を務める春梅を現しています。

この映画は、1976年に日本では成人指定映画として公開されました。ジャッキー・チェン
はちゃんとした役付きで出演しており、1979年7月にドランクモンキー酔拳が公開される前
に実は日本でのスクリーンデビューを果たしていたのです。

ジャッキーの役は梨を売り歩く小僧で、映画開始すぐに梨売りの声から始まります。人妻の
潘金蓮に目を付けた西門慶が小僧から潘金蓮の家庭の情報を聞き出し、彼女の隣家の王婆を
手なずけて、潘金蓮を手込めにしてしまいます。夫が不能のため性生活が全くなかった潘金
蓮は、それを受け入れてしまい、小僧からの注進を受けた夫の武大は浮気現場に踏み込みま
す。

しかし武大は返り討ちに合い、往来で西門慶を非難した小僧はその夜、彼の手下に路地裏で
刺殺されてしまいます。

ここまでで４０分くらい。ジャッキーの出番は終了です。

この後、西門慶は隣家の友人、花子虚を陥れ、財産と妻の李瓶児を奪ったり悪辣なことをし
て出世していきます。他の女にばかり手を出していたため、ある夜酩酊状態で寝ている西門
慶の寝室を訪れた欲求不満の潘金蓮に、2粒以上飲むと命にかかわるという精力剤を大量に
飲まされて腹上死してしまいます。因果応報ということで映画は終わります。



アクションの全くない文芸作品への出演でしたが、この後ジャッキーは、またアクション映
画に戻っていきます。このまま普通の作品に出演し続けていたらどこまで成功したかはわか
りませんが、世界的アクションスターとしてのジャッキー・チェンは誕生しなかったかもし
れません。

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