映画とテレビ視聴感想

初回放映：1972年10月3日

日本テレビ系


命光一（サンダーマスク）：

「ちょっと宇宙船のスピードが速かったために地球の石器時代に着いてしまった。」



（ストーリー：ネタバレ）

魔王デカンダが魔獣コンコルンを使って地球の侵略を開始した。科学パトロール隊の
攻撃も効かない。

科学パトロール隊の隊長は、考古学の権威高瀬博士を尋ねると、高瀬博士は他の二人
の博士と共に２０年前に発掘した一万年前の古文書について話していた。古文書には
今回の地球侵略についての予言とそれに対抗出来るサンダーマスクが日本に眠ってい
るということが書かれていた。

その時、研究所のモニタにデカンダが映し出され、サンダーマスクを復活させるため
の宝石天の星、地の星、海の星を渡すように迫る。拒否すると、その後デカンダは次
々と二人の博士を殺していった。発掘現場にいた高瀬博士は、科学パトロール隊から
警護のため発掘の中止を要請され拘束されようとしたとき、娘のまゆみが偶然、遺跡
を発見した。

高瀬博士は娘のまゆみと息子の勝也の腕に埋め込んでいた天の星、血の星をメスでと
り出した。また、海の星は博士自分の目尻に埋め込んでいた。三つの宝石を遺跡には
め込んだことで、洞窟の扉が開き冬眠カプセルに入ったサンダーマスクが発見された。

カプセルを外に運び出したところにデカンダが待ち伏せていた。他の二人の博士を殺
せば、残った高瀬博士がサンダーマスク発見を急ぐだろうと監視していたのだ。

サンダーマスクを殺そうとするデカンダだか、高瀬博士がカプセルをかばって殺され
てしまう。太陽光線と復活を願うまゆみの涙で、サンダーマスクは復活した。

デカンダが呼び寄せたコンコルンをサンダーマスクは巨大化して倒した。デカンダは
去って行った。

高瀬博士の墓前で祈る人影、墓参りにきたまゆみと勝也はその人がサンダーマスクだ
と直感する。サンダーマスクは命光一（いのち　こういち）と名乗り、自分がサンダ
ーマスクであることは秘密であると二人に約束させた。





手塚プロダクションにいたスタッフが、手塚作品以外の制作も行おうと独立した「ひろ
みプロダクション」の制作。手塚治虫との関係が無くなったわけではないので、放送と
同時進行で手塚治虫が描く漫画版が少年サンデーで連載されました。

制作予算は普通のドラマより費用がかかる特撮作品にも関わらず、一本３００万円しか
なかったそうで、高視聴率だったにもかかわらず予算超過のため２６回で終了となった
とのことです。


スタッフは、サンダーマスクのデザイン原案がウルトラマンをデザインした成田亨（初
期段階で降板）、監督にゴジラや多くの東宝特撮を監督した本多猪四朗、脚本に円谷プ
ロ作品を書いた上原正三、藤川桂介など錚々たるメンバーでした。


漫画版では実体が鱗で覆われていて恐怖感をひとに与えるため、登場人物でもある手塚
治虫がデザインしたコスチュームを着るということになっていますが、この実写版はコ
スチュームなのか肉体が変化する変身なのかは明らかにされていません。（サンダー「
マスク」といっているからコスチュームのような気がしますが。）


手塚治虫版とは別にテレビのストーリーに準拠した冒険王に連載されていた漫画は、面
白かった記憶があります。（流星鉄仮面との戦いは特に）

サンダーマスクは基本が等身大で、魔獣と戦う時に「サンダー二段変身」と叫び巨大化し
ます。

科学パトロール隊は警察組織の特殊部隊なのか、隊長の矢野は警部、隊員は刑事とよばれ
ています。ユニフォームは宇宙服を連想させる銀色のヘルメットとユニフォームで派手で
した。

冒頭に書いた命光一のセリフは、まゆみが光一になぜ一万年も眠っていたのかと尋ねられ、
た時の答えです。デカンダの侵略をキャッチしたサンダー遊星から地球防衛のために派遣
されたわりには悠長なことをやっています。地球の一万年は宇宙時間では1年だそうですが。

コールドスリープ前に予言書と自分を目覚めさせる方法を作成するサンダーマスクを想像
すると面白いです。

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