『涼宮ハルヒ』シリーズ 12巻 / 谷川 流
＜ネタバレ・あらすじ＞
この本は短編の『あてずっぽナンバーズ』、中編の『七不思議オーバータイム』、長編の『鶴屋さんの挑戦』の3つのお話が収録されています。最後の長編のお話は長くて、この本の約4分の3を占めています。
＜当てずっぽナンバーズ＞
ハルヒ、朝比奈さん、長門、小泉、キョンの5人は神社へ初詣に行きました。女子3人は鶴屋さんから着物を借りて着ていて豪勢です。
初詣の際、小泉が突然『七十七万五千二百四十九』という数字を口ずさみました。彼が言うには「特に意味は無い、ふと思い出した数字」、「３つの素数を掛け合わせた数字。2つは2桁、１つは3桁」だそうです。
長門は何かを質問して欲しそうにキョンをじっと見ましたが、キョンが
「いや長門。答えを教えてくれなくてもいい。今日くらいは自分で考えるさ」
と言い、それを聞いた長門はそっと足元に書いてあった三つの数字を草履の先で消すのでした。
ちなみに775249の因数となっている３つの素数は、61、71、179です。小泉の身長、体重、ウエストらしいです。(身長は179cm、体重61キロ、ウエスト71cm。体重とウエストは、もしかしたら逆かもしれないそうです)
＜七不思議オーバータイム＞
この本で初登場の新キャラが出て来ます。ミステリ研に所属しているハルヒやキョンのクラスメイトの女子、『T』です。(外国人。日本語は喋れる。もちろん『T』は本名ではない)
彼女は大量の本や資料を抱えて文芸部にやって来ました。
ハルヒ：「この高校には七不思議はないの？ あなたは知らないと思うけど、ミステリ研に代々伝わってるのがあるんじゃない？」
ハルヒがTにこう聞いてきたので、Tは気を利かせて七不思議に関する資料を持ってきてくれたようです。
(Tは学校の七不思議に関係ありそうな資料をおいて、すぐに出ていきました)
SOS団のメンバー達は、ハルヒが学校の七不思議について調査していると聞いて、にわかに慌て始めます。
残念ながらこの北校には七不思議なんて噂は存在しません！
――――(本文からの引用)――――
小泉：「涼宮さんは、この学校に七不思議の言い伝えがあるかどうかを探っているようです。先ほどの方(T)が言っていた通り、そんなものはないでしょう。と、なると話は簡単です。涼宮さんの思考を先読みしてみてください」
……ないなら作ればいい、が、あいつのモットーだったな。
「当然そうなるでしょうね。その後の展開は明らかです。涼宮さんは、この学校の七不思議を新たに創造するに違いありません。とびきり豊かな想像力をもって、途方もなく奇抜なオカルティズム満載の現象を」
小泉はお手上げのポーズをすると、
「そして、もしかしたら、そのうちのいくつか、いや、ひょっとしたら七つすべてが現実のものとなるかもしれないのです」
俺は湯飲みに残っていた煎茶を飲み干した。
願望現実能力。そういえば、そんな設定があるんだったな、ハルヒには。
――――――――
ハルヒに突飛な七不思議を作られては危険です！
SOS団のメンバー達は、先回りしてハルヒが来る前に北校の七不思議を考える事にしました！
＜鶴屋さんの挑戦＞
学校を休んで海外へ行っている鶴屋さんから、SOS団に向けてメールが届きました。
随分と長文のメールで、それも複数回に分けてメールが送られてきます。
SOS団のメンバー(ハルヒ、長門、キョン、朝比奈さん、小泉)と、その場に居合わせたTの6人で、鶴屋さんからの謎のメールを解き明かしていきます。
ミステリ小説の要素が強いお話です。
※このお話のあらすじをここに書こうとすると相当な長さになってしまいます。またこのお話は、鶴屋さんからの挑戦メールを読みながら、SOS団の人たちと一緒に考えていくのが醍醐味です。
このお話は複雑であらすじを書くのは難しいですし、読む前にネタバレしてしまうのはあまりにも野暮な内容でした。読んだ時の面白さが大分失われてしまいそうです。
なのでこの『鶴屋さんの挑戦』の詳しい内容や進行を知りたい方は、実際に買って読んでみてください！
(『涼宮ハルヒの直観』のネタバレ・あらすじ)
