その無意識の部分について独創的な解釈を加えたのは、スイスの精神分析学者ユング(1875〜1961年)である。
無意識には個人的な無意識のほかに、原始から人間が経験してきた事の蓄積に基づく集合的無意識と言うものがある、と彼は主張している。
この発想には、心理学と宇宙論、或いは仏教で言う阿頼耶識と言う概念に通底するものがあり、それが故にユング心理学は「科学的でない」と言う批判もなされている。
唯、現在でもユングの考え方を継承するユング派の精神科医も多くいる。
そんなユング派精神分析医の助力の下で創作活動を続けていたのが、アメリカ抽象表現主義の代表的画家ジャクソン・ポロック(1912〜56年)である。
彼は大きなキャンパスを床に広げて、その表面に粘度の低い家庭用塗料を、撒き散らし、滴らせ、注いだのであった。
このドリッピングと言う技法は、アメリカのみならず世界の美術家に大きな影響を与える事となる。
そして、彼自身もユングの唱える「無意識」と言う概念に大きな関心を持っていたのである。
矢原 繁長・美術エッセイスト
愛媛新聞 四季録から
ポロックと言う画家がいたらしい。
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