その為、現代では、古典的犯罪から最新犯罪まで犯罪行動を総合的に考える視点が必要である。
人の行動を扱う学問である心理学は、@犯罪の発生・捜査段階
A被害者の支援段階
B加害者の更生段階
C犯罪の予防段階に分けて犯罪に関連する人の行動を総合的に考えていく。
@では、犯罪現場の記憶に関する研究、噓を突く際の心の働きなど犯罪の捜査に関連した研究を行っている。
例えば、子供や高齢者から正確な目撃証言を引き出す方法について調べている。
更に、犯罪に使用した道具や犯罪現場の状況を見たり聞いたりした際に、人にはどの様な心理・生理的な反応(呼吸であったり、発汗など)が起こるのか調べる研究も行っている。
この研究を通じて、犯人を見つける方法の確立を目指している。
Aでは、傷付いた心に適切なサポートを提供する事を目指す。
この段階では、主に、カウンセリングや臨床心理学の知見が活用されている。
Bでは、罪を償い、再び犯罪をしない様に立ち直る事をサポートしていく。
Cでは、加害者にならない、被害者にならない為に如何すればよいかを考えていく。
それ故に、犯罪行為を理解し、犯罪被害を減らす為には欠かせない学問の一つである。
心理学の知見を活用する事で、犯罪のない安心・安全な社会の実現に貢献する事ができる可能性がある。
野内 類 人間環境大学総合心理学部教授
愛媛新聞 四季録から
特殊詐欺、サイバー犯罪が増えてきている。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image