2012年10月05日
暮らしの中の自然 和紙
暮らしの中の自然 和紙、トロロアオイ
和紙(わし/わがみ)は、日本古来の紙。欧米から伝わった洋紙(西洋紙)に
対して日本製の紙を指す。
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特長
和紙の特長は洋紙に比べて格段に繊維が長いため、薄くとも強靭で寿命が比較的長く、
独特の風合いをもつ。木材パルプから生産される現在の洋紙と比較すると原料が限られ
生産性が低いために価格が高い。
伝統的には独特な流し漉き技術を用いるが、現代の和紙は需要の多い障子紙や半紙を中心に、
大量生産が可能な機械漉きの紙が多い
(伝統的な製法と異なる機械漉きの紙を和紙と認めない人もいる)。
和紙は世界中の文化財の修復に使われる一方、1000年以上もの優れた保存性と、強靱で
柔らかな特性を利用して、日本画用紙、木版画用紙等々、独特の用途を確立している。
また、日本の紙幣の素材として用いられる。
一部工芸品の材料・家具の部材・紙塩など一部の用途にも使用され、江戸時代には日本中で
大量に生産され、建具の他に着物や寝具にも使用されていた。
近年は天然自然の素材として、インテリア向けの需要も高まっており、卒業証書をはじめ、
様々な習い事のお免状用紙などは越前和紙の透かし入りの鳥の子、局紙、もしくは
檀紙などが現在も試用されている。
近年では、敬宮愛子内親王や悠仁親王の命名の儀に古式にならい、越前檀紙が使用されて
話題になった。
和紙の産地は全国に点在しているが、代表的な産地として「越前和紙(えちぜんわし)」
「美濃紙(みのがみ)」「土佐和紙(とさわし)」があり、3大和紙産地と呼ばれている。
和紙と日本家屋
夏に高温多湿であるのが日本の気候の大きな特徴であり、ゆえに『徒然草』にも
「家の作りようは 夏をむねとすべし」とあるように、夏に快適な生活が出来る住宅作りが
古来よりなされてきた。
材料が豊富にあるのと、湿度の調節が可能であることから、日本の家屋は木材と草と土と
和紙によって造られている。
高床式の基礎構造に、高い茅葺きの屋根、長い庇、泥壁に畳、和紙を貼った木製の建具。
これらは全て天然素材で、湿度が高い時には湿気を吸収し、湿度が低い時には湿気を
放出する調湿機能を持っている。
建物が大きくなり、屋根が瓦屋根になると、室内には和紙が貼られた明かり障子、襖、
衝立、屏風などが配置され、湿度、温度の調節を行った。
これら建具用の和紙は、いずれも植物繊維(主成分はセルロース)が原料で、紙自体が
多孔質構造で表面積が非常に大きく、水分の吸収脱着を自然に行う。
しかも障子や襖は、開け放すことで開放空間の創出が可能で、家中を風が吹き抜ける。
また障子や襖で仕切り、屏風や衝立で囲めば冬でも暖かく過ごせる。
和紙の多彩な用途
和紙は建具の他にも、扇子や紙衣、紙衾、紙布の主材料として使用された。
和紙は本来、麻クズを原料として製紙された事から考えれば、和紙を衣料や寝具として
利用する事も不思議ではないが、世界的に見て珍しい使用例である。
平安中期に和紙が大量生産された結果、一般に普及し、文房具以外にも利用されるように
なった。丈夫な和紙は柿渋や寒天、コンニャクノリなどで加工すると更に丈夫となり、
耐水性も向上する事から、傘や笠、合羽などの雨具にも利用された。
コウゾの屑を原料に用いた低級品も、ちり紙として様々な用途に用いられた。
当初は和紙の束の包装紙として用いられたが、軟らかくてその目的に都合がいい事から、
鼻紙、尻拭き紙として用いられた。
幕末〜明治時代に来日した外国人は、鼻をかむのにハンカチのような再利用可能な物を
用いず、紙を使い捨てにする日本人の慣習を贅沢視した。
現在ではティッシュペーパーやトイレットペーパーに置き換えられている
(現在でもティッシュペーパーをちり紙と呼ぶ例があるが、パルプを原料に作られる
ティッスペーパーと、低級和紙であるちり紙は別物である)。
原料
麻 楮(こうぞ 三椏(みつまた) 雁皮(がんぴ 檀(まゆみ)
苦参(くじん)
タグ:和紙
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