2017年11月14日
インターネットの起源 4/5
昨日はWebブラウザの誕生と、Webブラウザによる情報共有について書きました。
− プライバシーの保護 −
もともと公開を目的として、開かれたシステムであるインターネット。
しかし商業利用となれば、秘匿性が必要になります。氏名、住所などの個人情報はもちろん、クレジットカード情報なども特にそうです。
そこでオープンなシステムに暗号化が必要になりました。
ホイットフィールド・ディフィーは暗号理論研究者で、公開鍵暗号の先駆者です。
暗号化する前の文字を「平文(ひらぶん、へいぶん)」、暗号化された文字は「暗号文」と呼びます。
暗号化は平文にプログラムで「鍵」をかけ暗号文にして送信。受信すると、また「鍵」で平文に戻します。
ホイットフィールド・ディフィーが考案した暗号方式は、鍵は二つというものです。
一つは「公開鍵」。
暗号化して送りたい相手にアクセスすると、いつでも手に入る鍵です。
送る側は公開鍵で平文を暗号化し送信します。受信した暗号文は公開鍵では開けられません。
もう一つは「秘密鍵」。
送る側が公開鍵で暗号化した暗号文を開く鍵です。
秘密鍵は公開鍵を発行した側しか持っていません。もちろん秘密鍵は公開されていません。
また、この二つの鍵は「署名」として使うこともできます。
送る側が平文を秘密鍵で暗号化し、相手に送ります。
受け取った側は、相手の公開鍵で平文化すると、まぎれもなく相手からの送信であることが確認できるのです。
1976年、ホイットフィールド・ディフィーは、当時マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授だった、マーティン・ヘルマンと共に、この論文を発表しますが、それは鍵を二つ用意することでこのような暗号化と署名が実現できることを書いただけで、技術的なことは何も書かれていませんでした。
この論文を読んだマサチューセッツ工科大学(MIT)教授のロナルド・リベストは、数学者仲間と3人でこの論文を実用化します。
ロナルド・リベスト(Ron Rivest)、アディ・シャミア(Adi Shamir)、レオナルド・エーデルマン(Len Adleman)。
3人は自分たちの頭文字を付け、「RSA公開鍵暗号」として論文を発表します。
この公開鍵暗号を実現した3人は「RSAデータセキュリティ社」を設立。しかし、投資家から多額の資金を調達したものの、ビジネスとしてはさっぱりで商品は3年間全く売れず、ただ資本を食い潰すだけ。しかも雇われ社長は新興宗教の熱狂的な信者で、使途不明金は多額に上り会社は倒産寸前。
そこに30歳のジム・ビゾスが入社し、社長に就任。
雇われ社長を解雇、働きの悪い社員をリストラし、ひとり会社再建に賭けます。
その頃、アメリカでは企業にパソコンが普及を始め、表計算ソフト = Lotus(ロータス)1-2-3で成功したロータス社は企業内ネットワークで使うソフトの開発に乗り出しました。
そこへジム・ビゾスは暗号化ソフトを売り込みました。Lotus Notes(ロータスノート)には初めてRSA社の暗号化ソフトが組み込まれ、以降様々なソフトに採用されました。
その後、AppleのOS、WindowsNT、Accessなど著名なソフトには必ずと言って良いほど、RSA社の暗号ソフトが組み込まれるようになりました。
1996年時点で、500社と契約、7500万本のソフトウェアに組み込まれていたといいます。
いまのようにコールセンターのいちオペレーターだと、ソフトウェアのパッケージを見ることはほとんどなくなりましたが、昔はパッケージを見るたびにRSA社のロゴがありました。
インターネットで買い物をするとき、公開鍵も秘密鍵もインターネットショップが用意しています。
インターネットショッピングで取引を始めるとき、買う側は公開鍵を受け取り、暗号化してカード情報などを送信し、受け取ったショップでは秘密鍵で開けています。
これらの処理は、OSとブラウザが自動的に行います。
知らず知らずにこの仕組みを皆、インターネットショッピングでは利用しているのです。
それを知る方法として通常、サイトを見るときのアドレスは「http://www.xxxxx.com」なのに、ショッピングや、アカウントを使ってログインしているときには「https://www.xxxxx.com」と、「http」に「s」が付いています。
この「s」は、セキュア(secure)の「s」で、安全であることを意味しています。
参考:
NHK 新・電子立国「第9回 コンピューター地球網」
Wikipediaほか
− プライバシーの保護 −
もともと公開を目的として、開かれたシステムであるインターネット。
しかし商業利用となれば、秘匿性が必要になります。氏名、住所などの個人情報はもちろん、クレジットカード情報なども特にそうです。
そこでオープンなシステムに暗号化が必要になりました。
ホイットフィールド・ディフィーは暗号理論研究者で、公開鍵暗号の先駆者です。
暗号化する前の文字を「平文(ひらぶん、へいぶん)」、暗号化された文字は「暗号文」と呼びます。
暗号化は平文にプログラムで「鍵」をかけ暗号文にして送信。受信すると、また「鍵」で平文に戻します。
ホイットフィールド・ディフィーが考案した暗号方式は、鍵は二つというものです。
一つは「公開鍵」。
暗号化して送りたい相手にアクセスすると、いつでも手に入る鍵です。
送る側は公開鍵で平文を暗号化し送信します。受信した暗号文は公開鍵では開けられません。
もう一つは「秘密鍵」。
送る側が公開鍵で暗号化した暗号文を開く鍵です。
秘密鍵は公開鍵を発行した側しか持っていません。もちろん秘密鍵は公開されていません。
また、この二つの鍵は「署名」として使うこともできます。
送る側が平文を秘密鍵で暗号化し、相手に送ります。
受け取った側は、相手の公開鍵で平文化すると、まぎれもなく相手からの送信であることが確認できるのです。
1976年、ホイットフィールド・ディフィーは、当時マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授だった、マーティン・ヘルマンと共に、この論文を発表しますが、それは鍵を二つ用意することでこのような暗号化と署名が実現できることを書いただけで、技術的なことは何も書かれていませんでした。
この論文を読んだマサチューセッツ工科大学(MIT)教授のロナルド・リベストは、数学者仲間と3人でこの論文を実用化します。
ロナルド・リベスト(Ron Rivest)、アディ・シャミア(Adi Shamir)、レオナルド・エーデルマン(Len Adleman)。
3人は自分たちの頭文字を付け、「RSA公開鍵暗号」として論文を発表します。
この公開鍵暗号を実現した3人は「RSAデータセキュリティ社」を設立。しかし、投資家から多額の資金を調達したものの、ビジネスとしてはさっぱりで商品は3年間全く売れず、ただ資本を食い潰すだけ。しかも雇われ社長は新興宗教の熱狂的な信者で、使途不明金は多額に上り会社は倒産寸前。
そこに30歳のジム・ビゾスが入社し、社長に就任。
雇われ社長を解雇、働きの悪い社員をリストラし、ひとり会社再建に賭けます。
その頃、アメリカでは企業にパソコンが普及を始め、表計算ソフト = Lotus(ロータス)1-2-3で成功したロータス社は企業内ネットワークで使うソフトの開発に乗り出しました。
そこへジム・ビゾスは暗号化ソフトを売り込みました。Lotus Notes(ロータスノート)には初めてRSA社の暗号化ソフトが組み込まれ、以降様々なソフトに採用されました。
その後、AppleのOS、WindowsNT、Accessなど著名なソフトには必ずと言って良いほど、RSA社の暗号ソフトが組み込まれるようになりました。
1996年時点で、500社と契約、7500万本のソフトウェアに組み込まれていたといいます。
いまのようにコールセンターのいちオペレーターだと、ソフトウェアのパッケージを見ることはほとんどなくなりましたが、昔はパッケージを見るたびにRSA社のロゴがありました。
インターネットで買い物をするとき、公開鍵も秘密鍵もインターネットショップが用意しています。
インターネットショッピングで取引を始めるとき、買う側は公開鍵を受け取り、暗号化してカード情報などを送信し、受け取ったショップでは秘密鍵で開けています。
これらの処理は、OSとブラウザが自動的に行います。
知らず知らずにこの仕組みを皆、インターネットショッピングでは利用しているのです。
それを知る方法として通常、サイトを見るときのアドレスは「http://www.xxxxx.com」なのに、ショッピングや、アカウントを使ってログインしているときには「https://www.xxxxx.com」と、「http」に「s」が付いています。
この「s」は、セキュア(secure)の「s」で、安全であることを意味しています。
参考:
NHK 新・電子立国「第9回 コンピューター地球網」
Wikipediaほか
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