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2018年06月30日
手術当日 4
手術室の大きな扉を開ける
何人かのドクターやら助手らしき方達
そしてオペ看の方達
コンタクトレンズを外していた上に 皆さん大きなマスク着用で
誰が誰なのか さっぱりわからない
「はい、そこで履物をぬいで スリッパに履き替えてください」
” 何やらにぎやかだなぁ〜〜”
扉の向こうには 4つくらいドアがあった
ボンヤリとしか 確認できなかったが フロア内に
医療器具やらが乗ったワゴンとか 踏み台のようなものとかが
あちこちに置いてあった
” 意外に 乱雑な感じなんだな”
「はい こちらの部屋に入ります」
氏名・生年月日等確認され 案内された部屋に
入ろうとすると・・・
隣の部屋から はっきりと結構な大声が聞こえてくる
器具出しの指示やら 吸引の指示やら 怒鳴り声に近い(驚)
殺気立ってる? いやいや 真剣勝負だものね
自分でも ドキドキしてくるのがわかった
通された手術室も ちょっと散らかった印象
前の手術が終わったばかりなのかな?と感じるほど
「では 手術台に乗ってください
急がなくていいので 落ち着いてゆっくりね」
そして 色々な管やら器具やらが付けられた
「硬膜外麻酔をしますので
横を向いて 膝をかかえて背中を丸くしてください」
ムーミンパパのような体型なので
多分 麻酔科のA先生だろう・・・
手術時間中は 私が担当します、と女性の先生も来た
いや〜 台が狭くて 思いっきり丸まったらはみ出そう!
いよいよかぁ〜
職場に 全身麻酔の手術経験者がいて
硬膜外麻酔は 「ドンっ!!!」と突かれるようだよと言っていた
痛み止めの注射はあらかじめ打っていたが・・・
本当に 「ズドン!!!!!」と突かれる感覚がした
「はい! では仰向けになって 楽にして下さいね」
「これから麻酔を入れていきますので 20まで数えてください」
ずいぶん 数えるんだな・・・・20???
1・・2・・3・・・・・・・・
記憶があるのは 3までだった
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2018年06月29日
手術当日 3
予感は当たった!
45分前から始まるはずの点滴
誰も何も言って来ないし 迎えにも来ない
” あぁ やっぱり救急車のせいかな?”
市内で2番目の規模の救急病院
ひっきりなしに入ってくる救急車の音に慣れっこになっていた
看護師さんが呼びに来たのは 手術が始まるはずの
午後2時ちょうどだった
「それでは 手術室に向かいますので」
??? 歩いて行くの?
自分の中では ストレッチャーに乗せられるか
車椅子で移動するものだと思っていた
何と 自分で点滴スタンドを押しながら
夫と看護師さんと3人連れで廊下を歩く
「ご主人様は 家族控え室でお待ちくださいね」
廊下の途中で 夫と別れる
頑張ってね、とも しっかりね、とも
ゆっくり話す暇はなく・・・・
「じゃ 行ってくるね」とだけ言って手を振った
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2018年06月25日
手術当日 2
1時間ほど眠っただろうか?
「少し 落ち着きましたか〜?」
明るい声で当日担当の看護師さんが来た
ニコニコ笑って
「さぁ バカ殿様用のストッキングを履きますね」
あ!あの白いストッキング!
「弾性ストッキング」だ!
手術中に血栓ができるのを防ぐために履くのだそう
入院時に サイズ測られて購入してたんだった!
(足の太い私は とても恥ずかしかった)
・・・にしても「バカ殿様用」って(笑)
「夫さんはちょっと出ていて下さいね」
朝から術衣に着替えていたので まくり上げる形で
看護師さんが 下からグイグイ履かせてくれた
「あらかじめ点滴すると言われていたんですが?」
「この時点では まだ大丈夫です。
45分前の 午後1時15分から始めますね」
点滴だけでもしてくれたら 少し喉の渇きも
気にならずに済むかな?と思っていたのに
この時 救急車の音が結構聞こえていた
” ひょっとしたら 時間ずれるのかな?”
一瞬 心配になった
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2018年06月24日
手術当日 1
2018年06月23日
手術へ 6 前日面談
手術前日 2月1日
午後2時半からの主治医のO先生との面談予定が
30分遅れで始まった
早退してくれた夫と一緒に 面談室に
入院時からのデータ及び前日の採血結果等の詳細を確認
体温が上がって来ているので良い事だねと
(・・・なにせ 平熱が35度台前半だったので)
血圧も安定しているし 大きな問題はないと
ここで O先生が 明日の手術の内容を教えてくれた
*PET検査で見えていた2つのガンは どちらも右肺上葉の中にある事
*本来の術式ではその右肺上葉のみを切除すれば良い事
*現在までのデータを全て統合して検証すると それだけでは不十分な事
(大きさもさる事ながら 腫瘍マーカーCEAが21から31に上がっていた!
ちなみに正常値は5以下!)
*結果 右肺下葉の一部と縦隔膜リンパ節の除去も行う事(リンパ節郭清というらしい)
*リンパ節郭清を行う事で 転移しやすいガン細胞をより確実に取り除けること
*リンパ節郭清により ガンの進行度がより正確に判断できること
先生が 判りやすく図解してくれて 丁寧に説明してくれた
まるで 医学部での講義を聴いているかのような時間だった
師長のSさんも一緒だったので 私たち夫婦の不安を
分かち合ってくれているようで 心強かった
そして 術後の一般的な経過も 細かく教えてくれた
いつ どのタイミングで どこの管が外されていくのか
術後の痛みが減って行く段階の個人差のこと
個室から大部屋に戻るのは いつ頃になるのか等々
「開胸手術なので 術後の痛みは大変なものだよ
頑張ってね」
O先生から 念押しされた
痛みに対してのイメージは全くわかなかったし
師長さんから言われても 正直ピンと来なかった
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2018年06月22日
手術へ 5 単調な入院生活
毎朝の検温 体重測定
外来診療前の主治医の回診
スーフルによる 呼吸器訓練
日によって時間は異なるが 入浴
そしてもちろん 3度の食事
売店まで 階段を使って散歩がてら行くにしても
同じ棟の1階なので 運動というには程遠く・・・
毎日 規則的にするのはこれくらい
想像していたより ずっと時間を持て余していた
この時点では 「肺腺がん」との診断結果を知っているのは
子供達・親類・友人含め 一人もいなかった
そう 検査時から付き添ってくれていた 夫のみ
子供達始め 休みをいただく職場に至るまで
「ポリープを取ります」程度の報告に留めていた
手術に一抹の恐怖心はあったものの
ガンの部位を切除してしまえば ほぼ治るだろうと
妙な自信もあった
手術可能なステージだったし
自覚症状がひどくなる事もなかったので
仕事帰りに寄ってくれる友人達は 色々な差し入れを
もって来てくれて
退屈しのぎに 他愛ないおしゃべりで笑わせてくれた
差し入れてくれた3冊の文庫本も 自宅から持ち込んだ漫画も
入院3日目で 全て読み切ってしまった
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2018年06月21日
手術へ 4 入院生活
2月2日の手術まで どうやって過ごすんだろう?
入院してすぐに疑問に思った
入院前に できうる限りの検査は済ませてあるはずだし・・・
手術前日まで入浴可能と聞き
あ、それがお仕事じゃん!と(笑)
前もって持たされていた(買わされていた)
呼吸器訓練のための「スーフル」という筒状のもの
この訓練も真面目にした
手術で 肺の一部を切除してしまう上に
術後 呼吸器が萎んだ状態になりがちになるので
酸素を十分に取り込めるようにしておかないといけない
合併症の危険を回避するためにも 呼吸器訓練は大事だと
鼻をつまんで(洗濯バサミのようなものが付いてた)
その筒の中に ゆっくりと完全に口から息を吐き出す
そして その吐いた息をまた口に吸い込む
自分の吐いた息をもう一度吸う事で 血中のCO2濃度が高くなり
呼吸中枢が刺激され より深い呼吸が可能になるそうだ
息を吐いた時に 筒の一番下にある調整弁が
その強さによって 音を出す仕組みになっている
簡単なようで これが意外に辛かった
3段階の負荷?があり
一番低いレベルから訓練する
ゆっくり上手に息を吐けると
「ブゥオ〜〜〜」という音が出る
それがまた そこそこ大きい上に
ホラ貝の鳴り損ねのような なんとも言えない音だった
病室はフロアの一番端だったので
そこから手術室等に繋がる廊下まで行き
1日に 最低3回はホラ貝を吹こう!と決めた
20回1クールを1日5回が理想と言われたが・・・
なかなか上手に吹けなくて
間抜けなホラ貝の音がしばらく続いた
その廊下は、ドクターばかりではなく
看護師さん達もグループでよく通る所だったから
「良い音になって来ましたね」等々
時折 励ましの声かけもしていただいた
初めてアルトサックスを吹こうとしている
出来の悪い中学生にでもなった気分だった
でも 術後に酸素がきちんと吸えなかったら?
肺が充分に膨らまなかったら?
などと考えると
自然に集中して訓練できるようになっていた
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2018年06月20日
手術へ 3 入院
2012年1月29日 日曜日の入院
平日じゃない日に入院手続きなんだ!
とても驚いたけど 他にもたくさんの人が・・・
緊急性のない入院は 混み合っていない休日にするのかな?
休日・急患受付の入り口で 30分以上待たされた
救急車もずいぶんと入っては来てたけど・・・
冷え込む時期に
暖房が充分ではない入り口スペースで
入院を控えてる患者を待たせたままって
病院としてどうなの?
手続きが終わるまでに 疲れ切ってしまった
案内された病棟は・・・・・・
1号棟2階!!!
ぎゃーー!一番古い病棟だ!!!
歴史ある病院だからこその佇まい
・・・と言えば聞こえが良いが
1階は天井が低く
廊下の天井には配管が見えていて(汗)
まるで「昭和」のドラマの中のセットのよう
そのフロアに MRI室やら 血管造影の部屋やら
並んでいるのは不思議な光景
2階の病室に上がると さすがに
配管むき出しの所は見当たらないが・・・
気管支鏡のための病院は
築年数が浅い事もあり とても綺麗で
広い部屋にベッドが4台と洗面・トイレ付き
1泊2日 環境としてはとても快適だった
今回は・・・・・
3人並びの真ん中だと
床頭台とベッドの幅ギリギリくらいしかない!
私は 幸いな事に入り口すぐの右手のベッドだった
窓際ではなかったが 贅沢は言えない
しばらくお世話になるだろう 硬めのベッドに
” 今夜からお世話になります
絶対良くなって退院できますように " と
柄にもなく 心の中でお願いした
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タグ:#総合病院 #入院
2018年06月19日
手術へ 2 提出できない宿題
2012年1月27日 麻酔科受診
冷え込んだ 雪の朝だった
麻酔科って何するところなの?
直接 患者と話すことなんかあるのかな?
皆目 見当もつかないまま 順番が来た
麻酔科のA先生は ムーミンパパのような印象
ふくよかで 大らかで
手術日の全体の流れを説明していただく
術日は 2月2日の午後一番だそうだ
O先生の予定通りの日程が確定した
(一応 前回その日程で仮決定していたが
調整が入るかもしれないということだった)
改めて アレルギーのことやら
体質上心配な事はないかとか
前回の検査結果と照らし合わせて
色々と質問された
ここで 出されていた宿題が提出できない事を話した
「痰ね? なかなか取れない人もいるからね」
そう あんなに咳が出るのに
肝心の痰は 全く取る事が出来なかった
教わった通りに チャレンジしていたのに・・・
いつも のどの辺りには存在を感じられるのに(笑)
「呼吸器外科には伝えておくから 心配しないでね」
学校の宿題とは違い 罰則も追加の課題もなかった!
呼吸器外科に回ったら 看護師さんが手ぐすね引いて待っていた
「どうしても 痰を取れないという事ですよね?
では 鼻の奥の粘膜を少しクチュクチュしますね」
小学生にでも言って聞かせるように 笑って言われた
鼻をクチュクチュ・・・って
結構な大胆さで 文字通り 鼻奥を
クチュクチュされた!
思ってたより ずっと奥!
変な顔で 変な声が出ちゃってた
「はぁ〜い お疲れ様でした
では29日の入院 お待ちしてますね」
親不知を抜いた後の 歯医者さんみたいなノリ
何か 達成感満ち溢れたような口調で送り出された
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2018年06月18日
手術へ 1 2ヶ所目の総合病院初診
年が明けて2012年1月11日
担当医からの紹介を受けて
別の総合病院の呼吸器外科へ行った
予約していたが 呼ばれたのは約1時間後
開口一番
「もったいない事したね〜」
今も主治医として大の信頼を置いている
O先生の第一声だった
今までの検査データ・カルテの詳細引き継ぎを見て
「早く 取っちゃおうね」と
あぁ やっぱり手遅れなのかな?
「僕は毎日たくさんの患者さんと話をしている事で
説明が流れ作業のようになりがちだから 少しでも
疑問に思った事があれば なんでも聞いてね」
白髪ではあるが シャキシャキとした先生の言葉に
無意識に緊張していた 体の力が抜けたように感じた
「PET検査の画像をよく見ると
右肺に二つ光っているのがあるけど
小さい方はあまり心配しなくてもいいよ
もう一つが胸郭に近いけど・・・大丈夫だと思う」
「ただ ここまで大きくなっちゃっているから
胸腔鏡手術は無理だな
開胸手術になるから 術後が少し痛みで大変だけど
頑張ってよくしていこうね」
柔らかな表情で 私の方をきちんと向いて
テキパキと でも 優しく言ってくれた
その後 入院前に済ませましょうと 種々の検査
採血・採尿・レントゲン・止血時間の検査
肺機能の検査等々
最後に 入院に際しての細かい説明
27日に麻酔科受診の予約
29日に入院 という日程を決められた
27日の麻酔科受診時に
「痰」を取って持って来て下さいとの宿題が出た
こうして 9時から2時過ぎまでの
長い初診日が終わった
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