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2021年07月02日
クイズでワイン通
フランスでは、「ボルドーは愚かなことを考えさせ、ブルゴーニュは愚かなことをいわせ、シャンパンは愚かなことをさせる」といわれている。この言葉は、それぞれのワインの特徴をいい当てていて、秀逸。
ボルドーはまじめなワインなので、馬鹿なことは考えるだけで口にしないし、行動も自制する。ブルゴーニュは官能的なので、思いついた馬鹿なことを口にしてしまう。そしてロマンスのお酒シャンパンを飲んだ人は、頭に浮かんだ通りに行動する。
今の甲州は黄金色に輝き、グレープフルーツ、ライチ、桃のような白い果物系の豊かな香りに溢れていて、ワイン界のトップ・プロが飲んでも、「えっ、これ、ホントに日本のワインなの?」とびっくりするはず。そんな体験をしたい人は、たとえば、勝沼醸造の「アルガブランカ・イセハラ」を飲むといい。
ブルゴーニュの3大白ワインは、モンラッシェを筆頭に、ムルソーとコルトン・シャルルマーニュ。モンラッシェは、世界中のワイン愛好家が「銀河系で最高の辛口白」と認めるワイン。ムルソーは、バターを溶かしたような風味が絶品の官能的な白。コルトン・シャルルマーニュは、モンラッシェには劣るが、超名門の白。
一般に、ボルドーの赤ワインは渋くて濃厚で色も濃く、ブルゴーニュの赤は、酸味がありエレガントで色が鮮やか(ワインの色の表現で「色が薄い」というと、水っぽくネガティブなイメージがあるため、「色が鮮やか」と政治的に正しい表現をする)。
シャンパンのコルクを抜くときの基本は、音を立てず、泡も出さないこと。ソムリエは「お嬢様の溜息」のように小さくシューッと音を出すだけ。この音を「天使の溜息」という人もいる。
ロゼ・ワインの場合、赤でも白でもないという中途半端さが災いし、質に比べて可哀そうなほど安価だが、シャンパンを代表とするスパークリング・ワインでは全く逆。ロゼが圧倒的に威張っているし、高級高価。
ロゼ・シャンパンの造り方は、途中まで赤ワインと同じ造りをして皮ごと漬け込み、皮を早めに引き上げてうっすら赤い色をつける方式(プロ用語でマセラシオン方式)が基本だが、法律では、白ワインに赤ワインをブレンドして造る「お手軽方式」(プロ用語でアサンブラージュ方式)も許されている。ブレンド方式のロゼがOKなのは、フランスでもシャンパンだけだろう(昔から、こうやって造ってきたという「既得権」が認められた)。で、この2つの方式で味や香りがどう違うかだけれど、世界のトップ・プロでも判別できないらしい
白ワインは、ブドウを潰してジュースを搾り、種や皮のないジュースを発酵させて造る。だから、種や皮の渋みや苦みがワインに出ない。
ボルドーのワインは、赤白、甘口から口を問わず、この怒り肩のボトルに入っている。また、ボルドーを目指す世界の生産者も、同じ形のボトルに入れるのがお約束。従って、この形のボトルを見れば、たとえ赤の場合、カリフォルニア型やチリ産であっても、古ボディで渋いというボルドー風味のワインであると分かる。
紙パックに入ったオレンジジュースを半分冷凍すると、真ん中に水分が凍結する。これを取り除いて液体部分だけを飲むと、凄く甘い。この原理を応用したのが、アイスヴァインだ。
南半球の伝説の赤ワインが、オーストラリアの大手・ペンフォールド社が造る「グランジ」。
「イエロー・テイラー・シリーズ」は、カセラ社が造る1000円台の超廉価版ワイン。販売されるや否や安さ、ラベルデザインの斬新さ、名前の憶えやすさが功を奏してアメリカで大人気になった。
世界のワイン愛好家100人に、「世界最高の甘口ワインは何か?」と聞くと、80人以上がボルドーのシャトー・ディケムと答えるはずだ。
万人が世界最高峰の辛口白ワインと認めるモンラッシェは、フランスブルゴーニュ地方のたった8ヘクタールの畑で作られる。モンラッシェには、石臼ですり潰したナッツ、蜂蜜、バニラが混じった巨大な香りがあり、文豪デュマが「脱帽し、ひざまずいて飲むべし」といった気持ちがよくわかる。
ムルソーの特徴は、バターのようなコッテリした香り。これに、新樽の香りがミックスされるので、舞台化粧をしたマドンナみたいに濃厚で官能的な香りがする。これだけ濃厚でコッテリしていると、風邪気味の時に飲むと、圧倒されて寝込んでしまうはずだ。
ボルドーと双璧をなす最高級のワイン産地ブルゴーニュは、生産量がボルドーの200分の1とか、300分の1と微量なので、ビジネスの中心地にはなりにくい。
欠陥ワインで1番多いのが、不良コルクの異臭がワインに移るいわゆる「ブショネ」。湿って生えたカビのような匂いする。ブショネのワインの確率は5%と高い。
ソーヴィニョン・ブランの特徴は草をすり潰したよな青々しい風味があること。プロはこれをグラッシーと表現する。
シャンパンは氷バケツで冷やすと1分で1℃下がる。冷凍庫に入れる場合は10分で飲み頃に。
シャンパンをベースにしたカクテルは、口当たりがよく飲みやすい。オレンジジュースを1/3入れるとミモザになる。ピーチネクターを1/3混ぜるとベリーニに。かなりスタイリッシュなアペリティフ。キール・ロワイヤルはカシスリキュールを1滴たらす。
ヴァン・ジョーヌはフランスのジュラ地方で造られるマニアックなワイン。シェリーに似た製法で造るので、酸化した香りが特徴的。
【感想】
ワイン好きが読むと絶対に楽しめる1冊。マニアックな知識や詰まっていて、単純にワイン好き同士の会話で使えそうな蘊蓄がたくさん書かれている。この本を読むと美味しいワインが飲みたくなる!
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2021年04月29日
BRAIN DRIVEN
自分に意識的に注意を向けない限り、自分の脳に自分の情報が書き込まれないのである。さらに自分のことはよくわかっているという錯覚から、ほとんどの人は意識的に自分を見ようとしない。自分であろうと電信柱であろうと、意識的に注意を向けない限り脳に学習させるのは非常に難しいのである。
メタ認知の本質的な意義は、自分のことを客観的に、俯瞰的に見ることで、自分自身の脳に自分自身についての情報を書き込み、それによって「自分をもつ」ことなのである。自分の感じ方、考え方、振る舞い方を知れば、自分で感じ、考え、行動する、自律的な脳が育まれるのである。
モチベーション・メディエータとモチベーションの違いは、平たく言うと、やる気になっている状態と、やる気になっている自分を認知した状態の違いである。前者の、行動を誘引する脳機能と、その状態を認知する後者の脳機能は別なのである。 何か自分の欲しいものがあったとき、それに対して自分を「ぐっ」と向かわせる無意識的な内側の反応があるはずだ。多くの場合、それが意識されることはないが、その「ぐっ」となっている自分の状態を認識し、感じることもできる。その対象に向かう自分の状態を「いま、自分は『ぐっ』ときているな」と認識する脳の仕組みと、自分を「ぐっ」とさせる脳の仕組みは異なるということだ。
ノルアドレナリンとドーパミンがどちらも適度に出ている右上のモチベーションの仕組みを説明する。このタイプのモチベーションを「学習モチベーション」と呼ぶことにする。この二つの神経伝達物質が出た状態での行動は、伝達物質自体の効果と継続性をもたらすことで、強い記憶を育み、あらゆる学びに最高な脳の状態であるからだ。
学ぶ内容に興味関心がない場合もあると思う。しかし、ポイントは「学びを行っているとき」にドーパミンが放出されているか否かである。極論すると「学ぶ内容そのもの」に興味関心がなかったとしても、「教える人」に対する興味関心が高いためにワクワクしたり、場や雰囲気によって心躍るような状態になれば、学びは促進しやすいと考えられる。
そもそも、何かを成し遂げようと努力しているとき、かなり苦しい状態や精神的な苦痛を体験しているフェーズがある。そのフェーズに耐えるエネルギーもドーパミンの役割になる。苦しいフェーズがあるからこそ、何らかの達成や満足を得て、快が発露することになる。そのギャップが大きければ大きいほど、ドーパミンの発露にとっても価値の記憶痕跡化にとっても、重要な要素になっていく。
苦痛に耐えること、苦痛をたしなむことは、成長を加速させる。 自分で決めた苦痛、自分で決めた苦しみは、私たちを強くする。 苦痛を感じているときにがんばると、脳内ではさまざまな快楽物質やドーパミンを含めた成長伝達物質がオンパレードの状態になっている。いわゆる「フロー」状態に近いかもしれない。苦痛、苦しみというどん底状態と快の間には大きな差分が生まれるから、ドーパミンも通常より大量に分泌されるだろう。ドーパミンは学習、記憶定着、効率化を担うから成長を促してくれる。
普段の関係性がない、あるいは悪いままフィードバックをしても、相手が受け入れられる状態になっていないケースも多い。逆の立場で考えると、フィードバックを聞く側はどのようなモチベーションでフィードバックをしてくれる人との関係性を築くのがよいだろうか。たとえネガティブな印象を抱いている相手だったとしても、「自分のためになるフィードバックもあるはずだ」という姿勢で臨んだほうがあなたの成長の可能性を広げるだろう。
「挑戦したときの記憶」と「そこから得たものの記憶」を脳で同時に再現することだ。そうしてはじめて、「挑戦すると何かを得られる」という脳の配線ができあがる。そして、このような体験が繰り返されると、脳が徐々に挑戦というものを価値として強い記憶に留めるようになる。そして、「挑戦自体が価値として認識される」脳は、結果がどうなるかわからないことに対しても、前向きにモチベーションを高めてくれる。それが、根拠なく自信を持てている状態なのだ。
物事を決めつけるのは、期待や予測が固定化している状態である。しかし、世の中では自分の予測や期待とはまったく違うことが起こる。それが大きな差分を生み、ストレスを生む可能性となる。もちろん、決めつけがすべて悪だと言っているわけではない。だが、決めつけがストレスの原因になりやすいのは事実なので、うまくコントロールしなければならない。
故松下幸之助さんの言葉は示唆に富む。 「失敗したところでやめるから失敗になる。成功するまで続けたら、それは成功になる」 「失敗の原因を素直に認識し『これは非常にいい体験だった、尊い教訓だ』というところまで心をひらく人は進捗し、成長する人だと思います」 失敗というネガティブな感情を持っているのに、それに対して「非常にいい体験だった、尊い教訓だ」と思えるのは、まさに感情の書き換えである。これができる人は、認知的な柔軟性が高く、成長することは間違いないだろう。
愛する存在を心から抱きしめると、愛情ホルモン、信頼ホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌される。このオキシトシンが、ストレス状態を和らげてくれる。 心から愛する存在がいると、オキシトシンの量は増える。愛する存在と関わると落ち着く感覚があると思うが、その背景にはオキシトシンがある。愛する人を再認識する、新たにつくることも、ストレスコントロールにとっては効果的だ。
自分の歩む人生の限られた時間を、粗探しで埋めたいか、心地よい情報に囲まれていたいか。私たちは、自分自身の注意を自分自身で意識し、整えることで、見える世界を変えることができるのだ。
「創造とは、周りの評価にかかわらず、本人にとって新しく価値ある情報や刺激を脳内で生み出すプロセスをいい、その能力をクリエイティビティという」
クリエイティビティを発揮するときには単にファクトや数的情報だけでなく、さまざまな映像的想像、感覚、感情、思い出、妄想、予測、勘違いなどがその要素になり得る。たとえ物理的な大発見が数字の羅列だったとしても、そこには自然界の現象からヒントを得たり、見えない世界を脳で映像化して想像を膨らませたりした可能性があるのだ。
「足が、メロンソーダ」 私の3歳になる甥が言い放った言葉である。 みなさんは、この言葉のイメージが湧くだろうか。私はさっぱりわからなかった。彼が伝えたかったのはこうだ。 「足が、しびれた」 甥は「しびれた」状態を言い表す言葉を持っていなかった。足がしびれて「ビリビリ」した状態を表現したのが、かつて飲んだことのある「シュワシュワ」したメロンソーダだったのだ。この感覚は、言語の限界性から離脱し、クリエイティビティを醸成するAGの活用のヒントになるだろう。
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