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2021年07月02日

心配事の9割は起こらない

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「莫妄想」という禅語があります。その意味は、「妄想することなかれ」ということ。しかし、全で言う妄想は、もっともっと広く深い意味を含んでいます。心を縛るもの、心に棲みついて離れないものは、すべて「妄想」です。「あれが欲しい」という我欲も、「これを手放したくない」という執着も妄想です。他人が羨ましいという気持ちも、自分ではダメだというおもいも、実はすべて妄想なのです。


禅に「喜捨」という言葉があります。「惜しむことなく喜んで捨てる」ということですが、お寺や神社でお賽銭を投げることを、こう表現するのです。 大切なお金を、なぜ、喜んで捨てられるのか? それは、「ひとつ捨てることは、執着からひとつ離れること」だからです


それらが“居すわっている”ことを正当化する弁明の代表格がこれ。しかし、たとえば、三年間、見向きもしなかった洋服をもう一度着る機会がその先に訪れると思いますか? 五年間、使うことがなかったバッグをふたたび手にすることがあるでしょうか?答えは例外なく、「ノー」だと思うのです。


自分の立場や地位に固執することなく、時機到来と見たら、潔く譲り渡すことの大切さをいったものでしょう


みなさんのまわりの「あたりまえ」のことを、一度、見直してみませんか? 朝、起きたら朝食が準備されている。会社に行けば自分のデスクが変わらずにある。なにかあったときひと声かけたら酒につきあってくれる友人がいる。寝顔を見るだけで元気になる子どもがちゃんと育ってくれている……。「いま」「ここ」にある「あたりまえ」のことにどれほど自分が支えられているか、あるいは、癒されたり、励まされたり、勇気づけられたりしているか――


中国古典だったと思いますが、「一日一止」という言葉もあります。「一止」という字を見てください。「止」のうえに「一」をのせると「正」という字になります。一日に一回、止まって自分を省みることは「正しい」ことだというわけです。 前を走り続けている同僚や友人の背中を見ながら、自分の歩を止めるのは不安なことかもしれません。しかし、禅も中国古典も「大丈夫だ」と請け合っています。安心して止まって、さまざまなことを「考える時間」をつくってください


雲無心にして岫を出ず」 という禅語があります。文字どおり、雲はなにものにもとらわれず、風が吹くままに形を変え、いざなうままに動いていきながら、雲であるという本分を失うことはない、という意味。まさに、無心を現じているのです。


閑古錐」という禅語があります。「閑」は閑古鳥が鳴くという言葉もあるように、閑(ひま)ということ。「古錐」は古くなった錐のことです。つまり、古びて先が丸くなり、使われなくなった錐を閑古錐というのです。人間も歳を重ねると、若い世代ほどの機動力も行動力もなくなります。新技術といったものも習得できないかもしれません。しかし、長年にわたって積み重ねてきたさまざまな経験の厚みがあります


逆境もよし、順境もよし、要はその与えられた境遇を素直に生き抜くことである
まさに至言です。素直に生きていたら、よい境遇も悪い境遇もないのです。そこにはただ、一生懸命に生きる「場所」があるだけです。


日日是好日」 これは毎日がよい日ばかりだという意味ではありません。人生には晴れの日もあれば、雨の日もある。穏やかな日差しに包まれる日もあれば、吹き付ける寒風に身をすくめることもあります。しかし、いずれの日にも、あなたはその日でなければ出来ない実体験をする、かけがえのない経験を積む。ですから、全てが有意義な「好日」なのだ、というのがこの前後の意味するところです。境遇があなたの生き方を左右するのではありません、あなたの生き方によって境遇はどんなものにでもなるのです。


歳月人を待たず」という言葉は誰でも知っているでしょう。時間は人の都合に合わせてはくれない、どんどん過ぎて言って人は置き去りにされる、といった意味です


禅語に「本来無一物」という言葉があります。人間は本来、何一つ持たずに生まれてきたのだ、それが人間の本来の姿なのだから、執着するものなどどこにもない、という意味です。


稲盛和夫「世の中に失敗というものはない。チャレンジしている内は失敗はない。諦めた時が失敗である


禅には「調身、調息、調心」という言葉があります。それ俺の意味には、順に姿勢を整える、呼吸を整える、心を整える、ということです。これらは三位一体ですから、互いに深く連動しあっています。つまり、呼吸を整えるためにはまず、姿勢を整えなければなりません。


私は、「お先にどうぞ」と言える2番手が、最も良いポジションだと思っています。前に出るのはまず置いといて、自分を磨くこと、仕事なら知識や技術、ノウハウを身につけることに一生懸命になる。力のある2番手なら、自分が動かなくても、いずれは周囲から押し出されることになります。これが最高の強みなのです。自分から先頭に立とうとする人とは違って、押し出された人は、足を引っ張られることがありません。それどころか、周囲は喜んで手を貸してくれる。気が付いたら、統率力のあるリーダーになっているのが、2番手の特徴です。


「おのれの欲せざるところ、人に施すなかれ」自分がして欲しくないことは、人にもしてはいけないということです。これが「恕」の精神です。


「門を開けば福寿多し」という禅語があります。何もかも包み隠さず、あからさまにしてしまえば、良いことがたくさんある、という意味です。


清風明月を拂い、明月清風を拂う


【感想】
禅語を例に出しながら、心のサプリメントになるような言葉が綺麗に紡がれた1冊。仕事、プライベートなどでどうしても心配事を抱てしまう人は多い。そんな人はこの本を読めば少しでも心を軽くするヒントが見つかるかもしれない。

「日日是好日」「歳月人を待たず」とか、「世の中に失敗というものはない。チャレンジしている内は失敗はない。諦めた時が失敗である」「「お先にどうぞ」と言える2番手が、最も良いポジション」など、個人的に救われた言葉も幾つかありました。本当におすすめの本です。


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タグ:Kindle 禅語

いい緊張は能力を2倍にする

世界で活躍する超一流アスリートたちの緊張のイメージについてまとめると、

・毎回、緊張する 緊張するのが当たり前
・緊張は必要なもの ということ

つまり、「緊張はポジティブなもの」「緊張は、敵ではなく、味方である」と考えているのです。 緊張が苦手な人は「緊張は敵」と考え、世界的なアスリートは「緊張を味方」と考える。 緊張は敵か、味方か? 実はこの議論は、100年前にすでに決着しているのです。


罰やストレス、緊張などの不快なものが一定量あった方が、パフォーマンスは上昇する。ストレスが強すぎても、弱すぎてもパフォーマンスは低下する。


自撮りに限らず「集合写真」も、笑顔トレーニングのチャンスです。集合写真で、ぶっきらぼうな表情で写っていたり、目をつぶってしまう。集合写真が苦手な人がいますが、それは表情筋のコントロールが苦手な人です。つまり、とっさに笑顔を作るのが苦手ということ。結果として「感情のコントロールも苦手」であることを意味します。そんな、写真写りが悪い人ほど、しっかりと笑顔トレーニングを行うべきです


笑顔の多い女性は非常に可愛らしく見えるし、そこにいるだけで場の雰囲気を明るくします。そして笑顔の多い男性は好感度が高く、人当たりもよく接しやすい人が多い。そう、「笑顔」は「コミュニケーションの潤滑剤」なのです。自分の緊張を解くだけではなく、相手の緊張もやわらげ、場の雰囲気をやわらげます。


睡眠不足になると、感情の自己コントロール力が弱くなるという研究があります。、睡眠不足になると交感神経が優位になるからです。一般的に平均睡眠時間が6時間を切っている人は睡眠不足の状態に陥っていますが、そういう人は常時、交感神経が優位になっているといっていいでしよう。ザックリ言えば、「睡眠不足の人は過緊張しやすい」ということです。


つまり、睡眠不足の人は、副交感神経と交感神経の天秤が、平時においても交感神経の方に大きく傾いているのです。そんな状況の中、試験やプレゼンなど、「過緊張する場面」に直面すると、スピードメーターは簡単に100キロまで振り切れるでしょう。


水を飲むと「胃結腸反射」によって腸が動き出します。腸が動くと副交感神経が優位になりますので、水を飲むだけで副交感神経が優位になる。過緊張が緩和されるというわけです


「入眠潜時」 10分以下が健康的な睡眠です。「入眠潜時」 30分以上は、「入眠障害」(寝付きの悪さを主とした睡眠障害)が疑われます。ある研究によると、「入眠潜時」8分以下の人は、全体の 30%程度を占めるそうです。思った以上に「寝付きがよい人」は多いのです


セロトニンは、他の脳内物質を調整する」ということです。他の脳内物質が出すぎていれば、ブレーキをかけて減らす方向に調整する。他の脳内物質が少ない場合は、アクセルを踏むように働きかけて、その物質の分泌を増やす方向に調整する。増えても減ってもちょうどよく調整する。「脳内物質の調整役」というのが、セロトニンの重要な役割です。


 セロトニンを活性化する最も簡単な方法。それは、朝日を浴びることです。  朝、2500ルクスの光を5分間浴びるだけで、セロトニン神経は活性化します。網膜から入った光刺激が、脳幹の「縫線核」に伝達されると、「セロトニン合成を開始しなさい!」という司令が発せられ、セロトニンの合成がスタートします。  セロトニンの合成は、朝起きてからスタートし、午前中にピークに達し、午後になると低下し、夜になるとほとんど作られなくなります。これが、正常のセロトニン合成のリズムです。そのスタートの合図が、朝の「太陽の光」なのです。


セロトニンというのは、「姿勢」と深く関係しているのです。セロトニンは表情筋をコントロールしていると「笑顔」のところで書きましたが、実は表情筋だけではなく抗重力筋もコントロールしています。抗重力筋とは直立するのに必要な筋肉です。  セロトニンが弱まると抗重力筋がコントロールを失い、背筋が丸くなり、姿勢が悪くなります。逆に背筋を伸ばすことでセロトニンが活性化されます。  私は何百人ものうつ病の患者さんを診察してきましたが、ほとんどの方が、前かがみになっていて姿勢が悪いです。背筋をすっと伸ばして診察室に入ってきたうつ病の患者さん。今まで、一人たりとも見たことがありません。


姿勢を正してスピーチするだけで、不安や恐怖が減り、上手にスピーチができるようになったということ。「姿勢を正す」ことによる効果は、即効性で得られるのです。  人前で話すときに緊張しやすい人は、話すときに「背筋を伸ばす」ことだけに注意してスピーチをしてみてください。とにかく姿勢だけは、モデルさんのように背筋がスーッと伸びた正しい姿勢、かっこいい姿勢を意識してください。頭のてっぺんに紐がついていて、それを引っ張り上げられているイメージです。


緊張しているときには、ノルアドレナリンが出ている。ノルアドレナリンの分泌イコール、「緊張」と言い換えてもいいほどです。つまり「緊張」というのは「敵」ではない。「生きる」ために絶対に必要な、「最大パフォーマンスを発揮するための準備状態」が「緊張」の正体であり、それを現実化する物質がノルアドレナリンです。  集中力、判断力が高まり、記憶力、学習能力が高まり、身体能力も高まって、脳の働きがピークに達する。私たちの脳と身体パフォーマンスが最高に高まる。ですから、「緊張」も「ノルアドレナリン」も、私たちにとって「最高の味方」と言えるのです。


あなたは100人の前で話すとき、「100人の人に見られている」と思うでしょう。しかし、アイコンタクトをしっかりと行っていれば、自分が100人を見ているという心境になります。



【感想】
人前で話すとき、緊張しやすい人が読むとかなり役立つ1冊だと思う。緊張を敵とみなすのではなく、味方と捉えるという考え方は自分の中になかった。表情筋の重要さや、朝日を浴びてセロトニンを合成することで心を落ち着かせること、姿勢で緊張しやすさが変わるなど、初めて知った知識もたくさん書かれていた。



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