新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2017年04月09日
6-3. GBPJPY週次分析(2017年4月9日更新)
先々週までに英国経済は、インフレが中銀目標の2%に達し、MPCメンバーの一人が利上げ検討を主張していました。先週、別のMPCメンバーからは、物価上昇に問題あるにせよ、成長・景気の減速懸念が示され、利上げどころじゃない旨、発言がありました。実際、先週発表された製造業・建設業PMIと鉱工業生産は、それを予感させる結果となりました。
今週は、3月分物価指標(11日17:30)と3月分雇用統計(12日17:30)が発表されます。物価は総じて前月並みの上昇と予想され、失業保険申請件数は先月まで3か月連続マイナスを4か月に伸ばすと予想されています。
直近のGBPJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は137.6円付近です。
上図週足チャートでは、赤線が2016年12月16日週からの下降トレンド線で、レジスタンスとして機能しています。赤線は今週139.5円付近まで下がります。青線は2016年7月1日週に開けた窓の下側から続くサポートとなっていましたが、先週これを下抜けました。今週はレジンスタンスとして機能します。
よって、今週は上が138.7円ないしは139.5円までと読み取れます。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。下を示唆するサインがないか見てみましょう。
週足には雲下端が136.5円付近にあります。この136.5円は1月16日週の安値でもあり、下側の緑線で示しました。そして、月足一目均衡表にには135円付近に転換線があります。もし136.5円を下抜けたら、次の下降目標は135円付近を示唆しています。
よって今週は、下が135円〜136.5円で、上が138.7円ないしは139.5円を示唆している、と捉えます。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のGBPJPYの下降は、GBPUSDでGBPが売られ、USDJPYでJPYが買われました。GBPだけ売られた訳です。今週のUSDJPYは、シリア軍基地攻撃のリスク回避でも、米雇用統計の大きな下振れでも抜けなかった110円が下に控えています。少なくともJPYは、先週ほど買えない週になると予想されます。よって、先週ほどGBPJPYは大きく下がらないのではないでしょうか。
以上、チャートからは、135乃至は136.5円〜138.7乃至は139.5円で大きくは下げない、見込んでいます。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
SMAは下降トレンドは位置となっています。このペースだと21日線は、週末に138円台中盤ぐらいに位置するでしょう。チャート分析の結果と合わせて、上にはレジスタンスが細かく多くなっています。
RSIは約40%で、下げる余地がまだ残っています。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、上昇に転じる気配は見出せません。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日英の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日英の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か英株下落か英金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、先週4月7日、英中銀総裁は、(1) インフレ加速に依る消費者需要の緩やかな減速の兆しがあり、(2) それも想定範囲内だが注視する必要があり、(3) 金利への質問には両サイド(利上げ・利下げ)のリスクがある旨、を述べたと報道されました。先のMPCで利上げ意見があったことを無効にする発言だと言えるでしょう。また、(4) EUとクロスボーダー取引を行う金融機関には、7月14日までにEU離脱後の対応策を英中銀に報告するよう求めた、とのことです。
4月7日発表されたハリファクス1-3月期住宅価格指数は前年比+3.8%で、上昇率が2013年年5月以来の低水準でした。先に3月31日発表されたネーションワイド3月住宅価格も前月比△0.3%で、2015年中頃以来のマイナスでした。
過熱していた英国住宅市場の減速を示唆するとの報道も多いようですが、前年比+3.8%ですからねぇ。但し、物価上昇率鈍化の兆しと捉えると、今週発表される物価指標(RPI・CPI・PPI)への予想判断にも影響するかもしれません。
その他、先週は製造業関連がPMI・鉱工業生産が低下しました。今はまだ、絶対値が高いものの、ずっと好調でプラスだった値が小さくなったという段階です。但し、サービス業PMIと小売売上高はまだ成長鈍化の兆しが表れていません。
以上の点から、現状は物価上流側から成長鈍化の兆しとも取れる兆しが表れ始めています。同時に、物価自体も加速的上昇が続いていたことが、少なくとも一旦鈍化する局面を迎えつつあるようです。直近の英物価は、数字が増えることを「改善」と呼ぶべきか迷い始めていたため、これは良い兆候かも知れません。
このような状況で紛らわしいことに、先月のEU離脱通告とEU側の交渉方針開示が行われたことで、求人が手控えられて雇用指標が悪化すると、GBPは大きく売られるリスクがあります。
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
政治経済的には、取引量が多いEUR側の問題で相対的にGBPが売られにくくなったものの、USDがそんなに弱くないことが先週判明しました。GBPはEURよりもUSDの動きに追従することが多いので、今週はやや戻り(GBP上向き)が発生しやすくなっています。
経済実態(指標)は、物価上昇の鈍化の兆候が現れ始めているものの、今週発表される物価指標と雇用指標の内容によっては悪い兆しが強く印象付けられてしまいます。
緩やかなGBP下落は続くと思われるので、多少の戻り(GBP上向き)があっても、大きな意味での順張りは売り方向なので深追いは禁物です。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
今週は、3月分物価指標(11日17:30)と3月分雇用統計(12日17:30)が発表されます。物価は総じて前月並みの上昇と予想され、失業保険申請件数は先月まで3か月連続マイナスを4か月に伸ばすと予想されています。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のGBPJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は137.6円付近です。
上図週足チャートでは、赤線が2016年12月16日週からの下降トレンド線で、レジスタンスとして機能しています。赤線は今週139.5円付近まで下がります。青線は2016年7月1日週に開けた窓の下側から続くサポートとなっていましたが、先週これを下抜けました。今週はレジンスタンスとして機能します。
よって、今週は上が138.7円ないしは139.5円までと読み取れます。
次に、手元のツールで一目均衡表を表示してみてください。下を示唆するサインがないか見てみましょう。
週足には雲下端が136.5円付近にあります。この136.5円は1月16日週の安値でもあり、下側の緑線で示しました。そして、月足一目均衡表にには135円付近に転換線があります。もし136.5円を下抜けたら、次の下降目標は135円付近を示唆しています。
よって今週は、下が135円〜136.5円で、上が138.7円ないしは139.5円を示唆している、と捉えます。
3通貨ペアの関係を見ると、先週のGBPJPYの下降は、GBPUSDでGBPが売られ、USDJPYでJPYが買われました。GBPだけ売られた訳です。今週のUSDJPYは、シリア軍基地攻撃のリスク回避でも、米雇用統計の大きな下振れでも抜けなかった110円が下に控えています。少なくともJPYは、先週ほど買えない週になると予想されます。よって、先週ほどGBPJPYは大きく下がらないのではないでしょうか。
以上、チャートからは、135乃至は136.5円〜138.7乃至は139.5円で大きくは下げない、見込んでいます。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
SMAは下降トレンドは位置となっています。このペースだと21日線は、週末に138円台中盤ぐらいに位置するでしょう。チャート分析の結果と合わせて、上にはレジスタンスが細かく多くなっています。
RSIは約40%で、下げる余地がまだ残っています。
テクニカル分析も下降トレンド継続を示唆しており、上昇に転じる気配は見出せません。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日英の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日英の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち8週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か英株下落か英金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換しがちです。(※ 日金利は無視しました)
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、先週4月7日、英中銀総裁は、(1) インフレ加速に依る消費者需要の緩やかな減速の兆しがあり、(2) それも想定範囲内だが注視する必要があり、(3) 金利への質問には両サイド(利上げ・利下げ)のリスクがある旨、を述べたと報道されました。先のMPCで利上げ意見があったことを無効にする発言だと言えるでしょう。また、(4) EUとクロスボーダー取引を行う金融機関には、7月14日までにEU離脱後の対応策を英中銀に報告するよう求めた、とのことです。
4月7日発表されたハリファクス1-3月期住宅価格指数は前年比+3.8%で、上昇率が2013年年5月以来の低水準でした。先に3月31日発表されたネーションワイド3月住宅価格も前月比△0.3%で、2015年中頃以来のマイナスでした。
過熱していた英国住宅市場の減速を示唆するとの報道も多いようですが、前年比+3.8%ですからねぇ。但し、物価上昇率鈍化の兆しと捉えると、今週発表される物価指標(RPI・CPI・PPI)への予想判断にも影響するかもしれません。
その他、先週は製造業関連がPMI・鉱工業生産が低下しました。今はまだ、絶対値が高いものの、ずっと好調でプラスだった値が小さくなったという段階です。但し、サービス業PMIと小売売上高はまだ成長鈍化の兆しが表れていません。
以上の点から、現状は物価上流側から成長鈍化の兆しとも取れる兆しが表れ始めています。同時に、物価自体も加速的上昇が続いていたことが、少なくとも一旦鈍化する局面を迎えつつあるようです。直近の英物価は、数字が増えることを「改善」と呼ぶべきか迷い始めていたため、これは良い兆候かも知れません。
このような状況で紛らわしいことに、先月のEU離脱通告とEU側の交渉方針開示が行われたことで、求人が手控えられて雇用指標が悪化すると、GBPは大きく売られるリスクがあります。
【6-1-5. まとめ】
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
政治経済的には、取引量が多いEUR側の問題で相対的にGBPが売られにくくなったものの、USDがそんなに弱くないことが先週判明しました。GBPはEURよりもUSDの動きに追従することが多いので、今週はやや戻り(GBP上向き)が発生しやすくなっています。
経済実態(指標)は、物価上昇の鈍化の兆候が現れ始めているものの、今週発表される物価指標と雇用指標の内容によっては悪い兆しが強く印象付けられてしまいます。
緩やかなGBP下落は続くと思われるので、多少の戻り(GBP上向き)があっても、大きな意味での順張りは売り方向なので深追いは禁物です。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
タグ:GBPJPY
2017年04月08日
6-2. EURJPY週次分析(2017年4月8日更新)
先週の分析結論は「上昇反転の兆しが生じる可能性がある」としていたので、これは完全に誤りでした。
EURは、そろそろ5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてくるでしょう。本選は5月ですが、第1回目投票は4月23日です。
極右政党代表の支持率が下がらければEURが売られ、たまに逆の報道があって「どん」と上がると見ておきましょう(先週の逆です)。つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
EUR絡みでは、次週、鉱工業生産と独ZEWと独CPIが発表されます。EUR安が大きなトレンドになっている以上、ドイツ国内経済が不調になりにくくなっています。国家間の富の偏在を是正することに為替が関係しない以上、通貨EURは投機にも向かない通貨になりつつあるのではないでしょうか。
直近のEURJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は117.6円付近です。
上図週足チャートでは、3月27日週に引いた平行線が赤線で、間隔が3円です。今週、青い水平線を新たに引き直して、上から123円・120.5円・118円で2.5円間隔です。
4月23日の仏大統領選第1回投票までは赤い平行線の間を通って、次週は115円〜118円という予想が基本です。がしかし、後述するように「ばーん」と陽線に跳ね上がるリスクも無視できず、青線を引いた訳です。
今週は、この大きな流れにおいて、経済指標の良し悪しなんて関係ない週だと言えるでしょう。
という訳で、一目均衡表を使っての話も今週は省略です。
3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。気になる点は、先週のEURJPYの下降は、EURUSDのEUR売りよりもUSDJPYのJPY買いが主体だったことです。先週はJPYが買われて、EURは売られて、ちょっとだけUSDが買われたようです。今週は引き続きJPYを買う理由が見当たりません。EURが売られるかどうかを見ていれば良い訳です。
以上、チャートからは、今週陰線で115円〜118円という予想が基本です。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
テクニカル分析上は、どっからどう見ても下降トレンドです。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日独の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日独の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か独株下落か独金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換です。(※ 日金利は無視しました)
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、仏大統領選は、4月23日の第1回投票で極右政党候補が当選するものの、5月本選では他の候補が1本化されて、EU離脱の国民投票を公約している極右政党候補は当選できない、という報道・解説記事が多く見受けられます。
ではもしも、今週、問題の極右政党候補が世論調査結果で2位以下に転落したら、何が起きるでしょう。ばーんと陽線に跳ねあがる可能性があるのです。順張りが基本で逆張りは駄目なのですが、昨年の英EU離脱国民投票や米大統領選での動きを考えると、両方向ともイメージしておきましょう。
但し、もしこの「ばーん」というのがあっても、どれほどの期間続くかは疑問です。EURは、ギリシャ問題・英国との交渉・ECBの資産購入規模縮小と、問題山積です。EURを買うべき理由は、EURの悪い情報がひとつずつ消えていくという消極的理由しかありません。
きっと今年は、EURJPYがUSDJPYよりも安くなる年になるのでしょう。そうならない方が困ります。EURJPYが基本下降トレンドで、それ以上の速度でUSDJPYが下降する事態は、日本の景気に水を差してしまいます。
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
今後、仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、5月本選での楽観論(新保守勝利)が悲観論(極右勝利)よりも多く報道されています。但し、その前の4月23日の第1回投票が問題となっているのが、今の時期です。
こんなときは、EURに近づかないのが一番です。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
EURは、そろそろ5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてくるでしょう。本選は5月ですが、第1回目投票は4月23日です。
極右政党代表の支持率が下がらければEURが売られ、たまに逆の報道があって「どん」と上がると見ておきましょう(先週の逆です)。つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
EUR絡みでは、次週、鉱工業生産と独ZEWと独CPIが発表されます。EUR安が大きなトレンドになっている以上、ドイツ国内経済が不調になりにくくなっています。国家間の富の偏在を是正することに為替が関係しない以上、通貨EURは投機にも向かない通貨になりつつあるのではないでしょうか。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のEURJPYの週足チャートと3通貨値幅を下図に示します。
先週末終値は117.6円付近です。
上図週足チャートでは、3月27日週に引いた平行線が赤線で、間隔が3円です。今週、青い水平線を新たに引き直して、上から123円・120.5円・118円で2.5円間隔です。
4月23日の仏大統領選第1回投票までは赤い平行線の間を通って、次週は115円〜118円という予想が基本です。がしかし、後述するように「ばーん」と陽線に跳ね上がるリスクも無視できず、青線を引いた訳です。
今週は、この大きな流れにおいて、経済指標の良し悪しなんて関係ない週だと言えるでしょう。
という訳で、一目均衡表を使っての話も今週は省略です。
3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。気になる点は、先週のEURJPYの下降は、EURUSDのEUR売りよりもUSDJPYのJPY買いが主体だったことです。先週はJPYが買われて、EURは売られて、ちょっとだけUSDが買われたようです。今週は引き続きJPYを買う理由が見当たりません。EURが売られるかどうかを見ていれば良い訳です。
以上、チャートからは、今週陰線で115円〜118円という予想が基本です。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。先週に20%を下回り、RSIが20%・80%を超えたら追撃の法則は、また当たりました。但し、この法則は「超えた日」です。以降にはこの法則が使えませんので。
テクニカル分析上は、どっからどう見ても下降トレンドです。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日独の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日独の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち12週が週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差・Δ株価比差・週足の方向が自然な向きとなっていました。
もしこの自然な関係が崩れるなら、日株上昇か独株下落か独金利上昇、です。これらが1つずつ起きると為替が暴れだし、2つ以上起きると為替のトレンド転換になりがちです。3つとも起きると為替がトレンド転換です。(※ 日金利は無視しました)
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
チャート・テクニカル・ファンダメンタルのいずれも、現状継続(下降トレンド)です。
さて、仏大統領選は、4月23日の第1回投票で極右政党候補が当選するものの、5月本選では他の候補が1本化されて、EU離脱の国民投票を公約している極右政党候補は当選できない、という報道・解説記事が多く見受けられます。
ではもしも、今週、問題の極右政党候補が世論調査結果で2位以下に転落したら、何が起きるでしょう。ばーんと陽線に跳ねあがる可能性があるのです。順張りが基本で逆張りは駄目なのですが、昨年の英EU離脱国民投票や米大統領選での動きを考えると、両方向ともイメージしておきましょう。
但し、もしこの「ばーん」というのがあっても、どれほどの期間続くかは疑問です。EURは、ギリシャ問題・英国との交渉・ECBの資産購入規模縮小と、問題山積です。EURを買うべき理由は、EURの悪い情報がひとつずつ消えていくという消極的理由しかありません。
きっと今年は、EURJPYがUSDJPYよりも安くなる年になるのでしょう。そうならない方が困ります。EURJPYが基本下降トレンドで、それ以上の速度でUSDJPYが下降する事態は、日本の景気に水を差してしまいます。
【6-1-5. まとめ】
チャートもテクニカルもファンダメンタルも、全て下降トレンドを否定したり、トレンド転換を示唆するサインが出ていません。
今後、仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、5月本選での楽観論(新保守勝利)が悲観論(極右勝利)よりも多く報道されています。但し、その前の4月23日の第1回投票が問題となっているのが、今の時期です。
こんなときは、EURに近づかないのが一番です。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
タグ:EURJPY
6-1. USDJPY週次分析(2017年4月8日更新)
先週4月3日週は、米国側で、FRBバランスシート縮小年内開始、シリア軍基地限定攻撃(リスク回避)、雇用統計NFPの大幅下振れ、がありました。いずれもUSD売りとなる内容です。一方、日本側では、日銀短観が企業景況感の全分野改善・雇用逼迫見通しを示したにも関わらず、株価は落ち込みました。
結果は、1円弱の円高で、高値・安値の差が2円に満たずに終わりました。
直近のUSDJPYの週足チャートを示します。
この分析に用いているチャートでは先週末終値が110.65円です。取引に使用しているFX会社のチャートでは111.08円なので、かなり乖離しています。ちょっと気に入りませんが、いつもと同じチャートを参照します。
上図週足チャートでは、3月13日週に引いたレジスタンスが青線(112円付近)です。そして、3月20日週に引いた平行線が赤線です。平行線は3.5円間隔で並んでいます。今週、110円に新たに緑線のサポートを追加しました。
110円のサポートは、米軍がシリア攻撃をしたリスク回避が起きても、米雇用統計の予想外の悪化が起きても、下抜けることができませんでした。3月27日週の安値も跳ね返しています。実績期間は短いものの、かなり固いサポートのようです。
112円付近のレジスタンスは、1月30日週安値と3月27日高値を結んだ線です。次週、赤の平行線と交差するため、これが次週高値の目安となるでしょう。もし112円を上抜けることがあれば、次は115円付近が強いレジスタンスになるでしょうが、ちょっと遠すぎます。
さて、次に一目均衡表を見ます。お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。
月足では、109.4円に雲の上端があり、転換線が109.1円で、転換線は雲に少し入り込んでいます。まだ、跳ね返される可能性がある位置です。
週足では、111.4円に雲の上端がレジスタンスとなる一方、110円に基準線があってサポートとなっています。
日足は、先週記載したように遅行線が2月28日の下ヒゲをくぐって、3月上旬から3月末にかけての実体ローソク足の下降トレンドを目指し始めるには良い位置になってきました。
チャート分析の結論は、次週の値幅が小さく110円から112円です。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は110.76円、21日線は111.97円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は33%に位置しています。
SMAは、上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっています。21日線は、このペースだと次週111円付近まで下降してしまいます。1日線はすぐにでも、5日線も今週か次週には21日線に接触する可能性があります。
RSI(14日)は、3月20日週に26%まで下がり、3月27日週は27%に戻し、先週は30%を上抜けて33%となって、売られ過ぎゾーンから脱しました。
テクニカル分析の結論は、今週111円から112円の間で21日線上抜けの攻防が行われることを示唆している、ということです。1日線と5日線の攻防は1時間を要し、5日線と21日線の攻防は1日を要します(あくまで、過去の傾向です)。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち10週で週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。がしかし、先週はΔ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっています。Δ金利差と週足は不自然な関係となっています。
年明けからΔ金利差が週足方向と不一致だったことは3回しかありません。うち2回は先々週と先週です。こうした不自然な関係は長続きしないこと、且つ、現在のΔ金利差の傾向はプラス側に変化していること、を踏まえれば、次週こそΔ金利差がプラス側に増えて、週足は自然な関係から言って陽線です。
ファンダメンタル分析の結論は、次週陽線です。
政治経済では、米国側に目立ったイベントが見当たりません。米国大統領は、暇なときと腹が立ったときに妙なツイートをするみたいだから、次週は暇を警戒です。
日本側は新年度となり、前期末にレパトレでJPY回帰した資金が、これからJPYが高いときを狙って反転を始めます(JPYは安くなろうとする)。
政策的には、先週公表されたFRBバランスシート縮小年内開始のFOMC議事録について、この週末から解釈・解説記事が増えるでしょう。
経済指標は、米国のCPIと小売売上高の発表が予定されています。いずれも20pips程度の指標で、米株価を大きく落とす内容でなければ、USDJPYを大きく動かす力はありません。
結論は、大きな動きをもたらす内容がなく、現在のUSDJPYの下降トレンドと新年度JPY売りの綱引きがどちらに転ぶかという週です。
全体的には、あまり大きくない陽線を示唆する内容が多いようです。110円中盤から112円手前での上下か、112円超えで停滞、というイメージを持っています。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
結果は、1円弱の円高で、高値・安値の差が2円に満たずに終わりました。
【6-1-1. 現状チャート】
直近のUSDJPYの週足チャートを示します。
この分析に用いているチャートでは先週末終値が110.65円です。取引に使用しているFX会社のチャートでは111.08円なので、かなり乖離しています。ちょっと気に入りませんが、いつもと同じチャートを参照します。
上図週足チャートでは、3月13日週に引いたレジスタンスが青線(112円付近)です。そして、3月20日週に引いた平行線が赤線です。平行線は3.5円間隔で並んでいます。今週、110円に新たに緑線のサポートを追加しました。
110円のサポートは、米軍がシリア攻撃をしたリスク回避が起きても、米雇用統計の予想外の悪化が起きても、下抜けることができませんでした。3月27日週の安値も跳ね返しています。実績期間は短いものの、かなり固いサポートのようです。
112円付近のレジスタンスは、1月30日週安値と3月27日高値を結んだ線です。次週、赤の平行線と交差するため、これが次週高値の目安となるでしょう。もし112円を上抜けることがあれば、次は115円付近が強いレジスタンスになるでしょうが、ちょっと遠すぎます。
さて、次に一目均衡表を見ます。お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。
月足では、109.4円に雲の上端があり、転換線が109.1円で、転換線は雲に少し入り込んでいます。まだ、跳ね返される可能性がある位置です。
週足では、111.4円に雲の上端がレジスタンスとなる一方、110円に基準線があってサポートとなっています。
日足は、先週記載したように遅行線が2月28日の下ヒゲをくぐって、3月上旬から3月末にかけての実体ローソク足の下降トレンドを目指し始めるには良い位置になってきました。
チャート分析の結論は、次週の値幅が小さく110円から112円です。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は110.76円、21日線は111.97円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は33%に位置しています。
SMAは、上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっています。21日線は、このペースだと次週111円付近まで下降してしまいます。1日線はすぐにでも、5日線も今週か次週には21日線に接触する可能性があります。
RSI(14日)は、3月20日週に26%まで下がり、3月27日週は27%に戻し、先週は30%を上抜けて33%となって、売られ過ぎゾーンから脱しました。
テクニカル分析の結論は、今週111円から112円の間で21日線上抜けの攻防が行われることを示唆している、ということです。1日線と5日線の攻防は1時間を要し、5日線と21日線の攻防は1日を要します(あくまで、過去の傾向です)。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち10週で週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。がしかし、先週はΔ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっています。Δ金利差と週足は不自然な関係となっています。
年明けからΔ金利差が週足方向と不一致だったことは3回しかありません。うち2回は先々週と先週です。こうした不自然な関係は長続きしないこと、且つ、現在のΔ金利差の傾向はプラス側に変化していること、を踏まえれば、次週こそΔ金利差がプラス側に増えて、週足は自然な関係から言って陽線です。
ファンダメンタル分析の結論は、次週陽線です。
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
政治経済では、米国側に目立ったイベントが見当たりません。米国大統領は、暇なときと腹が立ったときに妙なツイートをするみたいだから、次週は暇を警戒です。
日本側は新年度となり、前期末にレパトレでJPY回帰した資金が、これからJPYが高いときを狙って反転を始めます(JPYは安くなろうとする)。
政策的には、先週公表されたFRBバランスシート縮小年内開始のFOMC議事録について、この週末から解釈・解説記事が増えるでしょう。
経済指標は、米国のCPIと小売売上高の発表が予定されています。いずれも20pips程度の指標で、米株価を大きく落とす内容でなければ、USDJPYを大きく動かす力はありません。
結論は、大きな動きをもたらす内容がなく、現在のUSDJPYの下降トレンドと新年度JPY売りの綱引きがどちらに転ぶかという週です。
【6-1-5. まとめ】
全体的には、あまり大きくない陽線を示唆する内容が多いようです。110円中盤から112円手前での上下か、112円超えで停滞、というイメージを持っています。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
2017年04月02日
6-2. EURJPY週次分析(2017年4月2日更新)
EURは、そろそろ5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてくるでしょう。
極右政党代表の支持率が下がるほど、EURが買われる状況となり、たまに逆の報道があって「どん」と落ちる、の繰り返しではないでしょうか。このパターンは、英EU離脱国民投票・米大統領選のときのパターンです。
つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
直近のEURJPYの週足チャートを示します。
先週末終値は119.60円です。
上図週足チャートでは、先々週に引いたレジスタンスが青線(123円付近)です。そして、先週引いた平行線が赤線です。赤線は、間隔が3円で並び、4月3日週に高値120円付近・安値117円付近の幅に収まることを示唆しています。
そして今週、新たに緑線(121円付近と118.4付近)を追加しました。緑線は、先々週引いた青線と、2〜2.5円の平行線にも見えます。緑線を参考にすると、4月3日週に高値121円付近・安値118.4円付近の幅に収まることを示唆しています。
さて、次に一目均衡表を見ます。
お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。月足では122円付近に雲下端が頭を押さえる配置となっており、週足では118.2円付近に基準線がサポートとなっており、日足は遅行線がローソク足を上抜けたところで、あと3日〜4日でローソク足にぶつかります。
そして3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。次週USDJPYが陽線になるかは微妙ですが、EURUSDは日足一目均衡表で先週木曜に遅行線がローソク足を上抜いています。
チャート、一目均衡表、3通貨関係から、今週は陽線への転換をうかがう週ではないでしょうか。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は119.81円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は21%に位置しています。
SMAは、3月20日週に上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっていました。次週末に21日線は121円横這いになるでしょうから、今週は1日線が21日線上抜けにトライしても、5日線が現在の120円から121円を抜けるのは困難です。仮に上昇トレンド転換サインが近々に灯るとしても、今週は難しいでしょう。
RSI(14日)は、先々週・先週と大きく下げ、21%の売られ過ぎとなっています。RSIが20%を下抜けたら、その日は売り追撃の下降加速サインですが、現在値の下にはレジスタンスが集まり始めているので、大きく下げることは難しいでしょう。
テクニカルは、大きく上げることも大きく下げることも難しいことを示唆しているように見受けられます。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから週足と12週のうち11週で方向一致しています。Δ株価比差も、12週のうち9週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっており、金利に異常が見られます。但し、Δ金利差とΔ株価比差は方向不一致で正常です。
Δ金利差の異常は、独金利低下が原因のようです。
先週、ECB高官は「緩和的政策を継続する」旨の発言を行っています。経済成長やインフレ率がECBの当面の目標に達しつつある状況で、引き締め時期・手順に関する報道が増え始めていたからでしょう。独株価の上昇もその解釈で間に合います。
わかりません。
ただ、今後は5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてきます。極右政党代表の支持率が下がるほど、EURが買われる状況となり、たまに逆の報道があって「どん」と落ちる、の繰り返しではないでしょうか。このパターンは、英EU離脱国民投票・米大統領選のときのパターンです。
つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。
今週から週を追うごとに仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、悲観論(極右勝利)よりは楽観論(新保守勝利)と予想する報道が多いようです。つまり、EURが買われやすい報道が増えると考えています。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
極右政党代表の支持率が下がるほど、EURが買われる状況となり、たまに逆の報道があって「どん」と落ちる、の繰り返しではないでしょうか。このパターンは、英EU離脱国民投票・米大統領選のときのパターンです。
つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。こんな時期は定量分析に凝っても仕方ありません。
【6-2-1. 現状チャート】
直近のEURJPYの週足チャートを示します。
先週末終値は119.60円です。
上図週足チャートでは、先々週に引いたレジスタンスが青線(123円付近)です。そして、先週引いた平行線が赤線です。赤線は、間隔が3円で並び、4月3日週に高値120円付近・安値117円付近の幅に収まることを示唆しています。
そして今週、新たに緑線(121円付近と118.4付近)を追加しました。緑線は、先々週引いた青線と、2〜2.5円の平行線にも見えます。緑線を参考にすると、4月3日週に高値121円付近・安値118.4円付近の幅に収まることを示唆しています。
さて、次に一目均衡表を見ます。
お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。月足では122円付近に雲下端が頭を押さえる配置となっており、週足では118.2円付近に基準線がサポートとなっており、日足は遅行線がローソク足を上抜けたところで、あと3日〜4日でローソク足にぶつかります。
そして3通貨ペアの関係を見ると、今年になってからEURJPYが陽線になるときには、EURUSDもUSDJPYも陽線となったときだけです。次週USDJPYが陽線になるかは微妙ですが、EURUSDは日足一目均衡表で先週木曜に遅行線がローソク足を上抜いています。
チャート、一目均衡表、3通貨関係から、今週は陽線への転換をうかがう週ではないでしょうか。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は119.81円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は21%に位置しています。
SMAは、3月20日週に上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっていました。次週末に21日線は121円横這いになるでしょうから、今週は1日線が21日線上抜けにトライしても、5日線が現在の120円から121円を抜けるのは困難です。仮に上昇トレンド転換サインが近々に灯るとしても、今週は難しいでしょう。
RSI(14日)は、先々週・先週と大きく下げ、21%の売られ過ぎとなっています。RSIが20%を下抜けたら、その日は売り追撃の下降加速サインですが、現在値の下にはレジスタンスが集まり始めているので、大きく下げることは難しいでしょう。
テクニカルは、大きく上げることも大きく下げることも難しいことを示唆しているように見受けられます。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから週足と12週のうち11週で方向一致しています。Δ株価比差も、12週のうち9週が方向不一致となっています。先週は、Δ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっており、金利に異常が見られます。但し、Δ金利差とΔ株価比差は方向不一致で正常です。
Δ金利差の異常は、独金利低下が原因のようです。
先週、ECB高官は「緩和的政策を継続する」旨の発言を行っています。経済成長やインフレ率がECBの当面の目標に達しつつある状況で、引き締め時期・手順に関する報道が増え始めていたからでしょう。独株価の上昇もその解釈で間に合います。
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
わかりません。
ただ、今後は5月の仏大統領選を睨んだ報道が増えてきます。極右政党代表の支持率が下がるほど、EURが買われる状況となり、たまに逆の報道があって「どん」と落ちる、の繰り返しではないでしょうか。このパターンは、英EU離脱国民投票・米大統領選のときのパターンです。
つまり、チャート・テクニカル・ファンダメンタルといった分析よりも、苦手な定性分析の方がEURの動きを当てやすい時期になってきます。
【6-1-5. まとめ】
今週から週を追うごとに仏大統領選絡みで動くことが増えると予想されます。現時点では、悲観論(極右勝利)よりは楽観論(新保守勝利)と予想する報道が多いようです。つまり、EURが買われやすい報道が増えると考えています。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
6-1. USDJPY週次分析(2017年4月2日更新)
【6-1-1. 現状チャート】
直近のUSDJPYの週足チャートを示します。
先週末終値は111.86円です。
上図週足チャートでは、先々週に引いたレジスタンスが青線(112円付近)です。そして、先週引いた平行線が赤線です。今週、新たな線を追加する必要はないでしょう。
赤線は、間隔が3.5円で並び、4月3日週に高値112.6円付近・安値109円付近の幅に収まることを示唆しています。
さて、次に一目均衡表を見ます。
お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。先週は、先々週から下げていたローソク足が111.2円付近で始まり、そのまま下ヒゲを伸ばしたものの、長いレンジで俯瞰すると、週足一目均衡表の雲の上端(111.4円付近)で跳ね返されて上昇に転じるか迷っているように見えます。一方、先週末はレジスタンス112円を一時的に上ヒゲが抜いたものの、結果的に跳ね返されてた形となっています。
次に、日足の一目均衡表をご確認ください。次週前半は遅行線が2月24日の実体線にぶつかるため、既に先週に下ヒゲをつけた110円付近までは落下しやすい形状に見えます。もし112円に再トライするなら、2月28日の下ヒゲを遅行線が潜り抜けてからと予感させます。遅行線が2月28日の下ヒゲを潜り抜けられるとしても、それが起きるのは次週金曜です。
つまり、次週は一旦下がって最後にちょい上げるか、そのまま下げる、という動きを示唆しています。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は111.33円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は27%に位置しています。
SMAは、3月20日週に上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっていました。次週末に21日線は112.4円付近まで下降すると見込まれるものの、まだ5日線が21日線に接するには、期間不足と思われます。よって、上昇トレンドへの転換サインが次週中に出ることはなさそうです。
RSI(14日)は、3月20日週に25.7%まで下がったものの、先週末時点では若干戻して27%となっています。RSIが20%を下抜けたら、その日は売り追撃の下降加速サインですが、次週1週でそこまで下げるのは難しそうです。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから週足と12週のうち10週で方向一致しています。Δ株価比差も、12週のうち9週が方向不一致となっています。がしかし、先週はΔ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向一致となっており、ともに不自然な関係となっています。但し、Δ金利差とΔ株価比差は方向不一致で正常です。つまり、為替のみが不自然な動きをしていたことになります。
おそらく、期末レバトリで実需が結構動いたのではないでしょうか。だとすれば、次週からはまた正常な関係に戻るはずです。
先週末のNY連銀総裁の「年内利上げ2回」発言で、米金利が下がり米株価が上がる、と仮定してみましょう。日本側の金利は動いても無視できるので日経が下がると、Δ金利差↓・Δ株価比差↑が確定するので、USDJPYは↓が正常な方向です。
残る「米金利が上がる」「米株価が下がる」「日経が上がる」という他の想定をひとつずつ当てはめて考えても、「米株価が下がる」以外はあまり大きな動きが生じる要素がないようです。現在の米景気を踏まえると、あまり考えられませんね(漠然とした高値不安感からの急落は、考えて予測できることではありません)。
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
まず米側の都合です。
先週末は、NY連銀総裁発言でUSD売が進みました。次週月曜23:30には再びNY連銀総裁の講演が予定されています。年内利上げがあと3回なら6月利上げが堅い予想になるものの、年内利上げがあと2回という発言は、6月利上げの可能性を減じることになります。
米利上げ時期延期はUSD売に動きます。
次に日本側の都合です。
ロイターは1日、東芝の決算が再延期という可能性の指摘記事を載せています。昨年暮にWHで数千億円規模の損失が出る可能性があると発表し、その3カ月後の3月末にWHがチャプター11の適用申請をしています。これほど突然にWHが経営破綻するならば、WHの会計処理は2015年から既に不適切だった可能性を、米監査法人が見過ごせない、という内容です。
日米不協和はリスクなのでJPY高に動きます。
次週の大きな経済指標には、豪政策金利発表と米雇用統計があります。
豪中銀はこれまで、現状維持こそが経済成長やインフレ目標に合致、と声明しています。よって、JPYやUSDを大きく動かす可能性は非常に小さいでしょう。
米雇用については、既にFRBが現状に満足しており、平均時給に注目が移っています。物価上昇局面にあるため、それに見合う賃金増が起きないと、景気指標・実態指標(消費・小売)が悪化に転じる恐れがあるため、です。よって、雇用統計では、悪い結果でのUSD売の方が、良い結果でのUSD買よりも大きく動く状況です。
【6-1-5. まとめ】
どうも、USDJPYが↓が正常で、逆に↑と考える根拠が見当たりません。
どうしてもUSDJPY↑を願うなら、日足チャートでパラボリックを表示してみてください。先週金曜に上昇トレンドに転換したばかりです。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。