2017年04月08日
6-1. USDJPY週次分析(2017年4月8日更新)
先週4月3日週は、米国側で、FRBバランスシート縮小年内開始、シリア軍基地限定攻撃(リスク回避)、雇用統計NFPの大幅下振れ、がありました。いずれもUSD売りとなる内容です。一方、日本側では、日銀短観が企業景況感の全分野改善・雇用逼迫見通しを示したにも関わらず、株価は落ち込みました。
結果は、1円弱の円高で、高値・安値の差が2円に満たずに終わりました。
直近のUSDJPYの週足チャートを示します。
この分析に用いているチャートでは先週末終値が110.65円です。取引に使用しているFX会社のチャートでは111.08円なので、かなり乖離しています。ちょっと気に入りませんが、いつもと同じチャートを参照します。
上図週足チャートでは、3月13日週に引いたレジスタンスが青線(112円付近)です。そして、3月20日週に引いた平行線が赤線です。平行線は3.5円間隔で並んでいます。今週、110円に新たに緑線のサポートを追加しました。
110円のサポートは、米軍がシリア攻撃をしたリスク回避が起きても、米雇用統計の予想外の悪化が起きても、下抜けることができませんでした。3月27日週の安値も跳ね返しています。実績期間は短いものの、かなり固いサポートのようです。
112円付近のレジスタンスは、1月30日週安値と3月27日高値を結んだ線です。次週、赤の平行線と交差するため、これが次週高値の目安となるでしょう。もし112円を上抜けることがあれば、次は115円付近が強いレジスタンスになるでしょうが、ちょっと遠すぎます。
さて、次に一目均衡表を見ます。お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。
月足では、109.4円に雲の上端があり、転換線が109.1円で、転換線は雲に少し入り込んでいます。まだ、跳ね返される可能性がある位置です。
週足では、111.4円に雲の上端がレジスタンスとなる一方、110円に基準線があってサポートとなっています。
日足は、先週記載したように遅行線が2月28日の下ヒゲをくぐって、3月上旬から3月末にかけての実体ローソク足の下降トレンドを目指し始めるには良い位置になってきました。
チャート分析の結論は、次週の値幅が小さく110円から112円です。
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は110.76円、21日線は111.97円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は33%に位置しています。
SMAは、上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっています。21日線は、このペースだと次週111円付近まで下降してしまいます。1日線はすぐにでも、5日線も今週か次週には21日線に接触する可能性があります。
RSI(14日)は、3月20日週に26%まで下がり、3月27日週は27%に戻し、先週は30%を上抜けて33%となって、売られ過ぎゾーンから脱しました。
テクニカル分析の結論は、今週111円から112円の間で21日線上抜けの攻防が行われることを示唆している、ということです。1日線と5日線の攻防は1時間を要し、5日線と21日線の攻防は1日を要します(あくまで、過去の傾向です)。
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち10週で週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。がしかし、先週はΔ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっています。Δ金利差と週足は不自然な関係となっています。
年明けからΔ金利差が週足方向と不一致だったことは3回しかありません。うち2回は先々週と先週です。こうした不自然な関係は長続きしないこと、且つ、現在のΔ金利差の傾向はプラス側に変化していること、を踏まえれば、次週こそΔ金利差がプラス側に増えて、週足は自然な関係から言って陽線です。
ファンダメンタル分析の結論は、次週陽線です。
政治経済では、米国側に目立ったイベントが見当たりません。米国大統領は、暇なときと腹が立ったときに妙なツイートをするみたいだから、次週は暇を警戒です。
日本側は新年度となり、前期末にレパトレでJPY回帰した資金が、これからJPYが高いときを狙って反転を始めます(JPYは安くなろうとする)。
政策的には、先週公表されたFRBバランスシート縮小年内開始のFOMC議事録について、この週末から解釈・解説記事が増えるでしょう。
経済指標は、米国のCPIと小売売上高の発表が予定されています。いずれも20pips程度の指標で、米株価を大きく落とす内容でなければ、USDJPYを大きく動かす力はありません。
結論は、大きな動きをもたらす内容がなく、現在のUSDJPYの下降トレンドと新年度JPY売りの綱引きがどちらに転ぶかという週です。
全体的には、あまり大きくない陽線を示唆する内容が多いようです。110円中盤から112円手前での上下か、112円超えで停滞、というイメージを持っています。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
結果は、1円弱の円高で、高値・安値の差が2円に満たずに終わりました。
【6-1-1. 現状チャート】
直近のUSDJPYの週足チャートを示します。
この分析に用いているチャートでは先週末終値が110.65円です。取引に使用しているFX会社のチャートでは111.08円なので、かなり乖離しています。ちょっと気に入りませんが、いつもと同じチャートを参照します。
上図週足チャートでは、3月13日週に引いたレジスタンスが青線(112円付近)です。そして、3月20日週に引いた平行線が赤線です。平行線は3.5円間隔で並んでいます。今週、110円に新たに緑線のサポートを追加しました。
110円のサポートは、米軍がシリア攻撃をしたリスク回避が起きても、米雇用統計の予想外の悪化が起きても、下抜けることができませんでした。3月27日週の安値も跳ね返しています。実績期間は短いものの、かなり固いサポートのようです。
112円付近のレジスタンスは、1月30日週安値と3月27日高値を結んだ線です。次週、赤の平行線と交差するため、これが次週高値の目安となるでしょう。もし112円を上抜けることがあれば、次は115円付近が強いレジスタンスになるでしょうが、ちょっと遠すぎます。
さて、次に一目均衡表を見ます。お手元のご自身のツールで週足の一目均衡表をご確認ください。
月足では、109.4円に雲の上端があり、転換線が109.1円で、転換線は雲に少し入り込んでいます。まだ、跳ね返される可能性がある位置です。
週足では、111.4円に雲の上端がレジスタンスとなる一方、110円に基準線があってサポートとなっています。
日足は、先週記載したように遅行線が2月28日の下ヒゲをくぐって、3月上旬から3月末にかけての実体ローソク足の下降トレンドを目指し始めるには良い位置になってきました。
チャート分析の結論は、次週の値幅が小さく110円から112円です。
【6-1-2. 現状テクニカル】
直近の移動平均線(SMA)とRSI(14日)を示します。
SMA(1日)は単に週足終値を、SMA(5日)は先週5日間の終値の平均値を表しています。週次分析ですから主役は5日線です。現在、5日線は110.76円、21日線は111.97円に位置しています。
RSI(14日)は、過去14本の日足における陽線幅の比率を表しています。世界で最も多くの人が参考にしていると思われる14日を採用しています。現在は33%に位置しています。
SMAは、上から21日線・5日線・1日線の配置となり、下降トレンド配置となっています。21日線は、このペースだと次週111円付近まで下降してしまいます。1日線はすぐにでも、5日線も今週か次週には21日線に接触する可能性があります。
RSI(14日)は、3月20日週に26%まで下がり、3月27日週は27%に戻し、先週は30%を上抜けて33%となって、売られ過ぎゾーンから脱しました。
テクニカル分析の結論は、今週111円から112円の間で21日線上抜けの攻防が行われることを示唆している、ということです。1日線と5日線の攻防は1時間を要し、5日線と21日線の攻防は1日を要します(あくまで、過去の傾向です)。
【6-1-3. 現状ファンダメンタル】
直近の両国10年債金利と株価の動きを示します。それぞれの動きはご自身でご確認ください。
以下、日米の金利差の前週との差を「Δ金利差」と表記します。また、日米の主要株価指標の比の前週との差を「Δ株価比差」と表記します。
通常時の金利と株価の動きは、方向が反対になりがちなことが知られています。通常時には、為替が金利>株価の影響を受けることも知られています。何が原因で何が結果かはよくわかりませんが、これらの関係が成り立たないときは通常時でないことならわかります。
下図は、上から「方向とボラティリティ」「Δ金利差」「Δ株価比差」を表しています。
Δ金利差とΔ株価比差は、年明け第1週のデータがありません。取引日数が各国揃わず、日数も少ないため、年明け第1週を除外しています。
Δ金利差は、年明けから13週のうち10週で週足と方向一致しています。Δ株価比差も、13週のうち10週が方向不一致となっています。がしかし、先週はΔ金利差が週足と方向不一致、Δ株価比差が週足と方向不一致となっています。Δ金利差と週足は不自然な関係となっています。
年明けからΔ金利差が週足方向と不一致だったことは3回しかありません。うち2回は先々週と先週です。こうした不自然な関係は長続きしないこと、且つ、現在のΔ金利差の傾向はプラス側に変化していること、を踏まえれば、次週こそΔ金利差がプラス側に増えて、週足は自然な関係から言って陽線です。
ファンダメンタル分析の結論は、次週陽線です。
【6-1-4. 今週以降の定性分析】
政治経済では、米国側に目立ったイベントが見当たりません。米国大統領は、暇なときと腹が立ったときに妙なツイートをするみたいだから、次週は暇を警戒です。
日本側は新年度となり、前期末にレパトレでJPY回帰した資金が、これからJPYが高いときを狙って反転を始めます(JPYは安くなろうとする)。
政策的には、先週公表されたFRBバランスシート縮小年内開始のFOMC議事録について、この週末から解釈・解説記事が増えるでしょう。
経済指標は、米国のCPIと小売売上高の発表が予定されています。いずれも20pips程度の指標で、米株価を大きく落とす内容でなければ、USDJPYを大きく動かす力はありません。
結論は、大きな動きをもたらす内容がなく、現在のUSDJPYの下降トレンドと新年度JPY売りの綱引きがどちらに転ぶかという週です。
【6-1-5. まとめ】
全体的には、あまり大きくない陽線を示唆する内容が多いようです。110円中盤から112円手前での上下か、112円超えで停滞、というイメージを持っています。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
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