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2018年08月08日
GBPがどこまで下げるか
GBPJPYが2017年9月以来、GBPUSDは同年8月以来、EURGBPは2017年10月以来、のGBP安となっています。英首相のソフトブリグジット路線が内外で支持を得られず、合意無きEU離脱による混乱が現実味を帯び始めたことが売材料となっているようです。
下図は月足チャートで、上がUSDJPY、中がGBPJPY、下がGBPUSDのです。
ここ数か月は、USDJPYの上昇分がGBPUSDの下降分を中和し、GBPJPYらしくない小さな動きが続いていました。もしUSDJPYが明日の日米貿易交渉をきっかけに下げに転じると、GBPJPYは週足で139円台まで下げてくる可能性もありそうです。そもそも先の日銀の政策微調整によって、やな雰囲気が続いていました。
下図は月足チャートで、上がUSDJPY、中がGBPJPY、下がGBPUSDのです。
ここ数か月は、USDJPYの上昇分がGBPUSDの下降分を中和し、GBPJPYらしくない小さな動きが続いていました。もしUSDJPYが明日の日米貿易交渉をきっかけに下げに転じると、GBPJPYは週足で139円台まで下げてくる可能性もありそうです。そもそも先の日銀の政策微調整によって、やな雰囲気が続いていました。
以上
2018年08月05日
2018年8月6日〜8月10日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
前7月30日〜8月3日週の主要通貨ペアの動きを下図に纏めます。この図の始値は先週終値を採用しています。
前週も日足と見間違うぐらい動かない週でした。
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31日、日銀金融政策決定会合では、短期政策金利と10年債金利目標と資産買入規模を維持する一方、長期に亘る緩和政策の副作用を緩和するため、長期金利誘導目標(0%程度)の変動幅をこれまで(0.1%)の倍程度(0.2%)まで容認する点で政策を変更しました。
その結果、前週は何度か長期金利が+0.1%を超え、USDJPYの上値を抑えました。
USDは、売買材料が拮抗しています。
米大統領は、2000億ドル相当の中国製品に課す制裁関税の税率を、先に発表した10%から25%に引き上げることを提案していると報道されました。対する中国は、3日、600億ドル相当の米国製品に追加関税を課す報復措置を講じると発表しました。
2日、FOMCでは、高い成長率が今後も続くとの認識により、現在の利上げ政策を継続することが確認されました。9月FOMCでは利上げが確実視されています。
GBPは、売材料の方が多いものの、BOE(英中銀)の考えは違うような気がします。
2日、MPCでは政策金利を0.75%に利上げすることを決定しました。但し、2019年のEU離脱の影響が見通せないため、暫くは利上げを急がない旨が報道解説されています。
同時発表されたインフレレポートでは、1年後・2年後・3年後のインフレ率をそれぞれ2.15%・2.09%・2.03%としており、EU離脱の影響を踏まえて前回発表時よりやや高めになっています。ただ、この数字はBOEのインフレ目標2%とほぼ一致しており、この水準に維持するという決意表明なのか否かはわかりません。
成長率は、2018年・2019年・2020年がそれぞれ+1.4%・+1.8%・+1.7%となっており、これら数字も現状を踏まえるとEU離脱の影響が良い側に働くことになってしまいます。
【2. 今週予習】
今週は、8月10日に日英のGDP速報値が発表されます。また、米国物価指標発表が予定されています。
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
8月6日(月)
注目指標無し
8月7日(火)
13:30 RBA(豪中銀)金融政策
8月8日(水)
注目指標無し
8月9日(木)
06:00 RBNZ(NZ中銀)金融政策
21:30 7月集計分米国PPI
8月10日(金)
08:50 4-6月期集計分日本四半期GDP速報値
17:30 4-6月期集計分英国四半期GDP速報値
21:30 7月集計分米国CPI
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
注記以上
2018年07月29日
2018年7月30日〜8月3日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
前7月16日〜7月20日週の主要通貨ペアの動きを下図に纏めます。この図の始値は先週終値を採用しています。
日足と見間違うぐらい動かない週でした。
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JPYが買われた理由は、31日の日銀金融政策決定会合でETFの購入配分見直しを検討すると日経新聞が報じたため、です。米欧の貿易交渉がひとまず合意されたことによって、日本(と日本との貿易額が大きい中国)との交渉が残っていることが意識されたことも、JPY買の一因かも知れません。日銀は先週2度の指し値オペを行い、金利上昇を抑え込む姿勢を見せたものの、USD買材料への反応が小さかった週だったので、USDJPYはJPY高側に動きました。
USDは、買材料に小さく、売材料に大きく反応しました。
欧州との貿易合意はEUR買に繋がり、それが結果的にUSD売に繋がりました。また、フェイスブックやツイッターの株価が大きく下げたことが報道されました。今週も米企業決算が続くため、米株価が日経株価に影響してUSDJPYの動きに影響を与える状況が続きそうです。
米GDPは市場予想通り+4.1%と高い伸びを示したものの、事前に米大統領ほかがこの結果を話していたため、たいしたUSD買は起きませんでした。米大統領はUSD高を歓迎していないので、やり口がさすがでした。
EURは、25日の米欧貿易合意で買われ、26日のECB金融政策発表で売られました。
貿易問題での米欧合意が25日に行われ、EURは買われました。合意内容は、@ 自動車を除く工業製品に対する貿易障壁の撤廃に向けて取り組むこと、A EUは米国産大豆と原油の輸入増を目指すこと、です。
ECBの金融政策の現状維持は市場予想通りで、政策発表後のECB総裁会見では「(貿易摩擦などのリスクは)現時点で金融政策の道筋変更を正当化しない」との見解を示されました。金融政策の道筋とは、@ 債券買入プログラムの年内終了、A 政策金利は2019年秋に変更、を指しています。@は時期の変更に関わる話が材料となり、Aは時期の変更(2019年10月との見込み)と程度見込みの修正(+0.1%との見込み)の修正が今後も材料となります。
GBPは、24日に今後のEU離脱交渉を首相自ら主導する旨、報道されました。そして、25日には関税同盟に関する英国提案をEUが拒否した旨、報道されました。
8月中旬にもEUとの交渉が行われるそうですが、自然に考えれば、今後は合意なし離脱に備えた話題が増えるでしょう。EU側では既に19日、欧州委員会が期限内の離脱交渉合意に至らなかった場合のサプライチェーンの混乱に備えるように域内企業に注意喚起を行っています。
AUDは、米中貿易摩擦が収まるまで大きく買えません。
USDJPY以外は、貿易摩擦は経済好調なUSD高に、その緩和はUSD安に繋がることが、ここ最近の動きです。米豪金利が逆転したことも影響しています。
【2. 今週予習】
今週は、8月2日にFOMCとMPCが行われます。
FOMCは、米大統領が(USD高に繋がる)利上げを歓迎しない旨を発言以来、最初のFOMCになります。これまでの淡々と利上げを続ける方針が影響を受ければ、USD売に繋がります。
MPCは利上げ予想が多数を占めているものの、政権混乱時に政策変更するのかという疑問を呈した解説記事も一読に値します。市場予想が利上げでも、ちょっと安心できません。
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今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
7月30日(月)
注目指標無し
7月31日(火)
15:30 日銀総裁会見
18:00 7月集計分欧州HICP速報値、4-6月期集計分欧州GDP速報値
21:30 6月集計分米国PCE
23:00 7月集計分米国CB消費者信頼感指数
8月1日(水)
17:30 7月集計分英国製造業PMI
21:15 7月集計分米国ADP雇用統計
23:00 7月集計分米国ISM製造業景況指数
8月2日(木)
03:00 米国金融政策(FOMC)
20:00 英国金融政策(MPC)
8月3日(金)
10:30 6月集計分豪州小売売上高
17:30 7月集計分英国サービス業PMI
21:30 7月集計分米国雇用統計
23:00 7月集計分米国ISM非製造業景況指数
以上
ーーー注記ーーー
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注記以上
2018年07月22日
2018年7月23日〜7月27日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
前7月16日〜7月20日週の主要通貨ペアの動きを下図に纏めます。先週は、@ GBP売、A 前半USD高、B 後半USD安、の週でした。
結果的にはGBPを除いて変化の小さい週でした。USDJPYの全幅(高値ー安値)が177pips、EURUSDのそれが177pips、AUDJPYのそれは171pipsでした。GBPUSDは336pips変化したので、相対的に大きく動いたように見えるものの、GBPの週足全幅としては平均的な変化です。
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USDJPYは一時的に113円台の乗せました(113.17円、19日21時台)。
この付近は月足チャートにおける2015年1月からの高値を結んだレジスタンス線上になります。1円や2円の誤差など関係ない月足レジスタンスですが、日足や週足のレジスタンスの114円台前半を抜けると、月足チャートの形状がかなり違って見えるようになるでしょう。
17日、FRB議長は議会で「(米経済成長は)あと2・3年続く」との見解を示しました。これが、先週からのUSD高に最後のひと押しとなりました。
19日、米大統領がFRB利上げ牽制発言(ツィート?)し、その流れが一変しました。週前半のUSD上昇分を超えてUSDは売られました。USD高は米企業の国際競争力を奪うという内容で、この内容やそれへの反応はどの国の政府・中銀も言ったりやったりしていることです。
コイツは何かやるかも知れない、それが桁外れかも知れない、と思わせる点でやはり個性的な指導者です。
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GBP安の背景を辿っておきましょう。
月初に英首相がまとめたEU離脱方針に対し、9日にハードブリグジット派の閣僚が辞任しました。12日に発表された政府方針を巡っては、ソフトブリグジット路線への転換との報道が目立ちました。関連法案は17日に議会を通過したものの、採決は僅差でした。採決が僅差だったこともあり、2019年に再び総選挙が行われる可能性も取りざたされています。
これまで8月MPCでは利上げが取りざたされていたものの、18日に発表された6月集計分CPI前年比は対前月同値、コアCPI前年比は+1.9%に低下(前月は+2.1%)しました。ロイター報道に依れば「金融市場の8月利上げ確率が80%から70%に低下」したとのことです。
19日、欧州委員会は、期限内の離脱交渉合意に至らなかった場合のサプライチェーンの増加に備えるように域内企業に注意喚起を行いました。EU内の結束を保つには、域外になる英国に例外を設ける訳にもいきません。
EUは米大統領よりもやり方が上品で、欧州・英国間でかけこみ需要が増え始める状況です。
【2. 今週予習】
今週は、26日にECB金融政策発表と、27日に米国4-6月期GDP速報値発表と、週後半に大きな発表があります。また、GBPは来週8月2日に利上げが見込んだMPCを控えて、26日に4-6月期GDP速報値発表があります。
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過去の傾向から言えば、ECB総裁は何か騒ぎが起きているときに何か新たな見解を示したりしません。特に現在、米国との通商問題で独政府が苦境にあることを踏まえると、EUR安に繋がる発言はしないし、する必要もありません。そんなことをしなくても翌日の米GDPではかなり良い数字になりそうだという見方が広まっています。
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前週後半に対JPY・対EURで売られたUSDは、4-6月期GDP速報値が何と+4%超の予想となっています。
本指標の過去の直前10-1分足は、市場予想が前期確定値より良ければ陽線で反応したことが70%超で、指標発表直後の反応は、発表結果が前期確定値より良ければ陽線で反応したことも70%弱と、なっています。
但し、市場予想が良すぎる点が心配です。発表結果が市場予想との大小関係に素直に反応したことは約80%に達しています。
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本来なら、そろそろ次週8月2日のMPCの利上げを見込んで、GBPは買われ始めてもよい時期です。今後しばらくはBOE幹部やMPC理事の発言に注意しておいた方が良いでしょう。
金融市場が見込む利上げ確率が70%ということは、既に利上げの織込みが進んでいるということです。もし利上げ延期に繋がる発言や、実際に利上げが延期された場合、GBP安は一段・一気に進む可能性があります。
1-3月期GDP前期比は大きく下げており、今回4-6月期も下げるか1-3月期と同じレベルに留まるなら、利上げ確率は更に低下してしまうでしょう。
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7月23日(月)
23:00 6月集計分米国中古住宅販売件数
7月24日(火)
注目指標なし
7月25日(水)
10:30 4-6月期豪州四半期CPI
17:00 7月集計分独国Ifo企業景況感調査
23:00 6月集計分米国新築住宅販売件数
7月26日(木)
20:45 欧州(ECB)金融政策
21:30 6月集計分米国耐久財受注
7月27日(金)
21:30 4-6月期米国GDP速報値
以上
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2018年07月15日
2018年7月16日〜7月20日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
前7月9日〜7月13日週の主要通貨ペアの動きを下図に纏めます。今週からは、この図を使って前週の動きを見て行きましょう。
主要国通貨間で、JPYはどの通貨にも対しても大きく売られ、それに次いでUSDがどの通貨に対しても買われています。AUDはJPYに対して買われたものの、USDに対してはあまり動かない週でした。
ここ最近の市場の中心テーマは@ 米国との対中・対欧貿易摩擦で、過去に遡ると、A 北朝鮮非核化着手の首脳合意、B FRBの利上げ姿勢継続、でした。Bによって長期的にはUSD高に向かうと言われていたものの、イールドカーブのフラット化によってそうならないという状態が続いていました。
こうした状況を打破するような大きな材料が新たにないまま、この動きはちょっと解せません。
中国の対米貿易黒字は、報復関税発効前のかけこみ需要か膨らむことが予想されており、その通りになりました。米大統領の訪欧では、NATOの国防費負担の問題で独国との見解の相違が際立った印象があります。そして、前週の米長期金利は下がっています(イールドカーブもフラット化)。
「有事のUSD買」なら昔からある話ですが、有事の指す紛争が貿易紛争にまで拡張された訳ではないでしょう。
でも、新たな解釈として「リスク回避のUSD買」という解説記事が散見されます。それらを纏めて少し乱暴に要約すると、日欧豪経済も好調ですが、日豪は中国と、欧州はイランと、独国は露国との経済的結びつきが米国よりも強い点が現状でリスクと言えるとの見方です。
なるほど。
一応、筋は通っているし、米国ファーストを掲げる米大統領が緻密な戦略家のような気さえしちゃいます。でも何で今、という疑問の答えではありません。これはこじつけです。
一方、国際政治や経済の専門家ではない(株やFXの専門家?)の解説ブログでは、逆張りの多いUSDJPYで最近のレンジ上限の111円台に達してからは、ストップロス狩りに狙われていた、という話も見かけました。陰謀論です。
けれども、その理屈ではEURUSDやGBPUSDでもUSDが買われたことへの説明になっていません。
ただ、GBP安には筋の通った理由があるのかも知れません。
先々週に英首相がまとめたEU離脱方針に対し、9日、ハードブリグジット派の閣僚が辞任しました。12日に発表された政府方針を巡っては、ハードブリグジット路線からソフトブリグジット路線への転換とも報道されています。
ハードブリグジットにはEUの意向なんて関係ないものの、ソフトブリグジットならEU側にも妥協してもらわないと成立しません。離脱交渉の期限は9月と残り3か月を切っています。不安はGBPからのリスク回避に繋がったと解釈できます。
【2. 今週予習】
そして、今週は英国指標の週です。
去る7月5日、BOE総裁は講演で「英経済は5月の予想通りに成長」しており「更にる金融政策引締めが必要」と発言しています。この発言の結論は「8月に政策金利決定のための情報が揃う」というものでした。
ここ最近の雇用統計(平均所得)と物価統計の関係は改善傾向(平均所得が物価上昇を上回りがち)です。
次回MPCは8月2日に予定されています。今週、雇用統計・物価統計が終われば、来週26日に4-6月期GDP速報値発表へと繋がる小売売上高指数の発表があります。
また、前週のUSDJPYとEURUSDにおけるUSD高値は13日17時台に付けており、GBPUSDのそれは18時台でした。USDが高値をつけた時間帯から、その後の反転は週末を控えてだったと解釈できます。
けれども、日本で多数のプロたちが参加する株式市場が祝日で休場のため、規模の小さなアマチュアの売買が相場を形成しやすくなっています。もし私が陰謀を企てられるほど資金が桁外れなら、先週よりもむしろ今週月曜の欧州勢参加前に陰謀しちゃうでしょう。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
月曜11時には中国GDPの発表が予定されています。市場予想は前期より0.1%低下となっており、貿易問題への懸念に絡めた報道が行われると、JPY買・AUD売に繋がります。
火曜は英国雇用統計が予定されているものの、その30分前の17時にBOE総裁の議会証言が始まります。8月利上げの有無に関する質疑なり説明なりが、どのタイミングで行われるかがわかりません。予定時刻が迫ってよりも、それ以前にGBPが一方向への緩やかなトレンドを形成する可能性があります。
その後、同日23時に予定されるFRB議長の議会証言待ちに、どこかの段階で移行します。ここ最近の発言から利上げ継続の姿勢が示されると予想されています。
日本が連休明けということもあって、火曜はちょっと怖いですね。
今週全体を通しては、先述の通り英国指標の週だと言えます。
利上げに繋がるような話があっても、指標結果がそれを支持する内容であっても、より本質的課題のEU交渉が纏まる訳ではありません。GBP高への追撃は慎重に行う必要があります。
一方、GBP安に繋がる指標結果は、火曜のBOE総裁議会証言後に8月利上げの確度が高まっている場合に、追撃を慎重に行えば良いでしょう。
なお、データのない経験則ですが、GBPの大きな動きがあったときは19時前の一服やひとまず反転が要注意です。
7月16日(月)
11:00 4-6月期中国GDP
21:30 6月集計分米国小売売上高、7月集計分米国NY連銀製造業景気指数
7月17日(火)
10:30 7月3日分豪州RBA金融政策会合議事要旨公表
17:00 BOE総裁議会証言
17:30 5・6月集計分英国雇用統計
22:15 6月集計分米国設備稼働率・製造業生産・鉱工業生産
23:00 FRB議長議会証言
7月18日(水)
17:30 6月集計分英国物価統計
7月19日(木)
08:50 6月集計分日本通関ベース貿易収支
09:30 6月集計分豪州雇用統計
17:30 6月集計分英国小売売上高指数
21:30 7月集計分米国Phil連銀製造業景気指数
7月20日(金)
08:30 6月集計分日本CPI
以上
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2018年07月08日
2018年7月9日〜7月13日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
週明けUSDJPYは110.67円で始まりました。前週末終値が110.63円だったので、ほぼ窓のないスタートでした。週足終値は110.41円で、週足値幅は26pipsでした。週足高値は111.13円、安値は110.28円、全幅は85pipsでした。
週足でなく日足かと思うぐらい動かない週でした。米国雇用統計の発表された週の全幅としては、ちょっと記憶にないほど小さな全幅でした。
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6日、米国で340億USD相当の中国製品に25%の制裁関税が課されました。直ちに中国は報復関税を発動し、双方ともに更に追加関税の対象範囲を拡大する旨を言明しています。事の是非や経緯については、ここでは扱いません。ただ、米国の利上げに匹敵する(ような気がする)ほど世界経済への影響が大きい割に、為替への影響が小さかった気がします。
なぜでしょう。
- 米朝会談に至る序盤がそうであったように、ブラフの応酬がまだ続くと見なされており、既にプロたちは売買ポジションを中立化して備えており、現在は規模の小さなアマチュアしか取引していない
- この騒ぎの終り方のイメージがまだ定まっていないため、既にプロたちは…(以下同文)
- ただ単に、米中対立があっても米欧対立があっても、貿易戦争に留まる限り、それほど影響が大きくないと見込まれている
どれでしょう。あるいは、どれでもないのでしょうか。
ともあれ、まだUSDJPYに関する限り、まだリスク回避的な目立った動きが見られません。何だかオオカミ少年みたいで、おまけに手前みそですが、こんなときは経済指標発表直後にちゃちゃっと稼ぐしかありません。
ーーー$€¥£A$ーーー
あまり目立つニュースにはならなかったようですが、5日、BOE総裁は8月利上げを決める可能性を示唆したそうです。EUとの離脱交渉期限は9月とされており、その期限が迫るにつれGBP安(物価高)が懸念されており、先行対策を講じるということでしょうか。
そして翌6日、英首相はEU離脱方針に関する閣内合意を取り付けたそうです。
この内容がよくわかりません。「EUとは共通ルールに基づく自由貿易圏を創設し、企業に優しい関税モデルを新たに整備すること」という方針は、今さら何を言うとるんじゃと思った企業も多いでしょう。
ともあれ、米大統領の訪英が13日に予定されています。米英は、ともにEUに色々と妥協を迫りたいという思惑が一致している上、ともに産油国で貿易赤字国で移民問題を抱えています。
変な合意や共同声明があっても構いませんが、それがあるとすれば週末になりそうなので、日本の3連休前にGBPが動くかも知れません。
ーーー$€¥£A$ーーー
3日のRBA金融政策は、市場予想通り現状維持でした。以前とは違って、もうほとんどAUDJPYは反応していません。
RBA総裁は「世界経済見通しの不透明要因のひとつは、米国貿易政策に起因する」と述べ、そんなことならワシでも言えると思ったAUDファンは多かったことでしょう。
6日、FOMC議事要旨(6月12-13日分)は、利上げ方針堅持という解釈によって市場の年4回の利上げ観測(年内あと2回)が再確認されました。
もっとも、議事録ましてやその要旨が会議の実態を表しているとは限りません。
例えば、FOMC議事録には、ある理事が「世界中がのけぞるぐらい利上げをしたろうか」と言ったという話は載っていません。だから、そんな話をした理事が居たのか居なかったのか、そんなことはわかりません。
「イールドカーブがフラット化し始めた以上、いずれ景気が悪化に転じるだろう。景気の良い今のうちに利上げを急いでおかないと、前の資産購入分を減らし始めたばかりだから、次は前みたいにFRBの資産規模を増やす訳にはいかないのだ。だから、利上げを急ぐ必要がある」
「誰に言うとるんじゃ。判り切ったことを言うな、ドあほ」
「あんたはテイノーだから、わからないかもしれないと思ってただけだよ」
「なっ、なんだとぉ」
そんな議事だったかも知れません。
【2. 今週予習】
そんなわけで、あまり予習なんかしても意味がありません。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
7月9日(月)
08:50 5月集計分日本貿易収支
7月10日(火)
17:30 5月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
18:00 7月集計分独国ZEW景況指数
7月11日(水)
21:30 6月集計分米国生産者物価指数
7月12日(木)
21:30 6月集計分米国消費者物価指数
7月13日(金)
21:30 6月集計分米国輸入物価指数
23:00 7月集計分米国UM消費者信頼感指数速報値
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上
2018年07月01日
2018年7月2日〜7月6日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
週明けUSDJPYは109.91円で始まりました。前週末終値が109.98円だったので、ほぼ窓のないスタートでした。週足終値は110.63円で、週足値幅は72pips(先々週は63pips)でした。週足高値は110.94円、安値は109.37円、全幅は157pips(先々週は101pips)でした。
あまり動かない週が続いています。
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どこの政府もどこの中銀も、投機的な売買による自国通貨の急激な為替変動を嫌っていました。その解決方法が、いつ何を言いだすかがわからない米国大統領というのは、かつて誰も想定していなかったと思います。
その伏線は、移民流入への欧米社会の不安・不満があり、新興国製造業の追い上げへの焦りがあり、特に中国の影響力増大への将来の危機感がありました。
移民流入の部分を除けば、日本にも同じ焦り・危機感があるように感じます。
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ともあれ、先週の米国では、大手バイクメーカーが欧州の報復関税に対応して輸出用バイクの生産拠点を海外に移すと発表したことが大きく報道されました。続いて、カナダも米国への報復関税を発表しました。
今週の焦点は、7月6日に迫った対中制裁関税が実施されるか否かです。それに比べれば、雇用統計結果なんて大した問題ではないのかも知れません。
【2. 今週予習】
7月4日は米国独立記念日のため、その前日の米国株式市場は半日で閉まります。祝日明けは5日で、5日は対中制裁関税実施日の前日です。7月3日中に米中間で何らかの合意がなければ、リスク回避のため米株が売られる可能性があります。
3日中に米中が歩み寄るかどうかが来週最大の関心事だという気がします。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
7月2日(月)
08:50 4-6月期日銀短観
17:30 6月集計分英国製造業PMI
23:00 6月集計分米国ISM製造業景況指数
7月3日(火)
13:30 豪州金融政策
7月4日(水)
米国祝日(独立記念日)
10:30 5月集計分豪州小売売上高
17:30 6月集計分英国サービス業PMI
7月5日(木)
21:15 6月集計分米国ADP雇用統計
23:00 6月集計分米国ISM非製造業景況指数
7月6日(金)
米国の対中制裁関税発動日
03:00 米国6/12-13FOMC議事録
21:30 6月集計分米国雇用統計
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上
2018年06月24日
2018年6月25日〜6月29日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
週明けUSDJPYは110.67円で始まりました。前週末終値が110.61円だったので、ほぼ窓のないスタートでした。週足終値は109.98円で、週足値幅は63pips(先々週は113pips)でした。週足高値は110.76円、安値は109.65円、全幅は101pips(先々週は156pips)でした。
米中・米欧貿易摩擦やOPEC原油増産が話題に挙がったものの、週足でのUSDJPYの動きは小さなものでした。
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6月19日(月)08:32、米大統領は「中国に関して一段の措置を取る必要がある」という見解を示しました。その直後からUSDJPYは急落を始めました。
手元のチャートで確認すると、08:30〜09:30の1時間足の全幅(高値ー安値)は
USDJPY=△50pips
EURJPY=△49pips
GBPJPY=△55pips
AUDJPY=△63pips
EURUSD=+19pips
GBPUSD=+16pips
AUDUSD=△29pips
でした。
以降も同様の突発的な騒ぎが11月(米中間選挙)まで散発すると想像されます。
同種・同様の騒ぎではだんだん反応が小さくなりがちなので、次に同じようなことが起きたら25〜50pips付近にチャート上の反転のきっかけがないかを探すことにしましょう。事態発生から1時間ぐらい経って、そこでの反転で5pipsぐらい狙えないかを忘れないようにしておきます。
その後はわかりません。過去のパターンでは、すぐに中国側も対抗処置を取り、もう一段下げているので、欲張りは禁物です。
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OPEC総会は原油増産を決めたにも関わらず、原油価格は上昇したようです。こうした原油価格の動きは、OPEC総会での合意内容が緩やかな増産に留まったからだそうです。原油の話で良かった。こんな反応をされては、我々みたいなアマチュアには訳がわからずイチコロです。
また、OPEC原油の増産理由のひとつに、原油価格を下げることで採掘コストが高い米国シェールガス増産を抑え込む狙いがあった、という解説記事も散見されました。
以前にシェールガス採算ラインは、1バレルあたり50ドル付近と読んだ記憶があります。現在の原油価格70ドル弱付近は、かつての採算ラインと言われていました。採掘技術の向上や過去の採掘設備の償却が進んだ分だけ、シェールガス生産が急増し始める原油価格が下がったのです。
ならば、今後も中長期的に原油価格は、OPEC産油国・非OPEC産油国・米国シェールガス業者の思惑が交錯して50〜70ドル付近で安定させようという動きが続くのではないでしょうか。
原油価格があまり材料視されない状況は、本ブログにとっては良いことです。
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欧州財務相会合では、ギリシャへの過去の融資の返済猶予期間と返済期限を10年延長し、8月以降に新たに融資を行うことが決まりました。
ギリシャの債務はGDPの180%に達していますが、その程度ではまだ日本に及びません。我々が先輩ズラしても仕方ありませんが、市場では来年にギリシャがGDPの約7%相当額の返済期限を迎えることが問題視されていたようです。そこで先手を打って、債務の返済猶予と新たな融資を行い、問題を先送りして直近の市場混乱を避けた訳です。
だってそれどころじゃありません。22日に米大統領は欧州製自動車に20%の関税を課す旨をツィートしたそうです。
【2. 今週予習】
当面は米中・米欧の貿易摩擦問題での動きが続くと予想する解説が多いようです。当面っていつまでか、というと、7月6日の対中関税発動期日と11月の米中間選挙が挙げられています。
7月6日が迫るにつれて、双方の歩み寄りが期待されるでしょう。けれども、合意前は一層過激な発言もあるかもしれません。イベント(期日)を控えて、初心者やアマチュアが「こつこつどかん」になりやすいパターンです。
この件の当事者は、強気交渉が信条の当事者ばかりなので、特に気を付けましょう。
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何かあまりポジションが持てない週になりそうです。
そのときの気分次第でいつもトレンドフォローばかりしていると、つい「安く買って高く売る」という一番大事な原則を忘れがちです。また、どんなポジションであれ、期日と利確幅(損切幅)が無制限というのは問題があります。
予め、いつまでにいくらでポジション解消、を見込んでおくことは大事です。そして、ポジション保有期間が長くなるほど、資金に対する投資額の比率は小さくしておきましょう。
例えば、本ブログでは、経済指標発表前後の10分間だけ資金の10%を投資する事例を挙げています。
もし10分を超えて、指標発表から1時間も取引を続けるなら、それを5%以下にしましょう(多くの初心者向け解説書に記されている通り、資金の1/20以下)。もし日足単位で取引するなら3%以下、もし複数の日足で取引するなら1%以下、と考えると、なかなか一攫千金という訳にはいきません。そういうのは、もっと上手に取引できるようになってから狙いましょう。
でも不思議なことに、上手な人は一攫千金なんて狙わないようです。上手になるまでは練習期間です。
ヒマそうなので余計なことを書きましたが、損を小さく資金を増やす練習期間を過ごすことを一緒に目指しましょう。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。下記ご覧の通り、今週は指標なんて関係ない週です。
なお、太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
6月25日(月)
17:00 6月集計分Ifo企業景況感指数
23:00 5月集計分米国新築住宅販売件数
6月26日(火)
23:00 6月集計分米国CB消費者信頼感指数
6月27日(水)
21:30 5月集計分米国耐久財受注
6月28日(木)
06:00 NZ中銀(RBNZ)金融政策
21:30 1-3月期米国GDP確定値
6月29日(金)
17:30 1-3月期英国GDP確定値
18:00 6月集計分欧州HICP速報値
21:30 5月集計分米国PCEコアデフレータ・PCE
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週後半に大きな指標発表が続きます。でも先述の通り、7月6日の対中関税発動期日が迫っており、指標発表結果の影響程度が小さく、持続時間が短くなる可能性があります。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上
2018年06月17日
2018年6月18日〜6月22日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
週明けUSDJPYは109.33円で始まりました。前週末終値が109.48円だったので、下窓0.15円を開けてのスタートでした。
週足終値は110.61円で、週足値幅は113pipsでした。週足高値は110.90円、安値は始値の109.33円、全幅は157pipsと、イベントの多かった週の割に小さな動きでした。
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先々週8-9日に行われたG7サミットの結果は、米大統領が発表された合意文書への承認を撤回したそうです。けれども、今回のサミットがぐずぐずだった(先進国が結束して諸問題に取り組むという姿が見えなかった)ことで、11日午前にUSDJPYが動いたという記事はなく、先週への影響はありませんでした。
6月12日には米朝首脳会談が開かれました。北朝鮮絡みの地政学的リスク後退でJPYが売られたものの、この日のUSDJPYは110円台で0.3〜0.4円程度の上下動をしていました。昼間の高値は110.49円で、この高値を上抜けたのは翌13日の東京時間に入ってからでした。
結果から言えば、この会談の結果は既に折込み済だったようです。
次に6月14日3時のFOMCで市場予想通り政策金利引上げが行われました。利上げ発表によって110.85円までUSDが買われたものの、その後は翌欧州時間までにUSDJPYは109.92円まで下げました。
2018年の利上げはあと2回(2018年は4回の利上げ)との見方が示されており、利上げペースが加速しています。ところが、実勢金利の上昇は短期債で起きており長期債では起きていません(イールドカーブのフラット化)。長期債の金利上昇が起きないと、大口プレーヤーは米債購入に動かないそうです。
6月14日21時のECB理事会で「年内のQE終了」で「来年利上げ」でした。ところが、ECB総裁が会見で利上げ時期の後ズレ発言をしたため、利上げ時期を来年中頃と見なしていた市場はEUR売で反応しました。
EURが売られた結果、USDが上昇し、EURUSDは14日だけで208pipsの下落しました。EURJPYの下落も190pipsでした。
【2. 今週予習】
米中貿易摩擦の問題が注目されています。7月には米国の中国製品への関税が引き上げられ、中国側も米国製品への報復関税を言明しています。
北朝鮮問題での地政学的リスクが弱まったと思ったら、次のリスクが持ち上がり、JPY安には繋がりません。
対NAFTA・EU・日本の貿易交渉にせよ、秋の米中間選挙が終わるまで米政権が宥和的姿勢に変わらない可能性も高まっています。それもこれも米大統領の支持者に株価への直接的な関係がない人が多いからでしょう。
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日本では、骨太の方針で財政再建が先延ばしされ、現状の問題と将来の問題について現状の優先度が高まったと言えるでしょう。
確か「それは骨太じゃない」という問題意識から命名されたはずの中長期方針だったはずなのに、最近はどんどん日和ってしまっています。
一時、英国がTPP加盟検討との報道がありましたが、逆にもし日本が欧州にあったら、とてもEUに入れる財務状況ではありません。
とすれば、いろいろ大変だけれども日本が米中の間にあるのは良かったのかも知れません。
米長期債は、中国の台頭と現在が景気のピーク付近という見方で金利上昇の余地が限られています。よって、イールドカーブの非フラット化は、短期金利低下によって始まる可能性の方が高いようです。
でも、FRBは2019年も3回の利上げが予定しています。2020年までJPY安の余地がなく、かと言ってJPY高は明確なリスクにおいて起きるなら、USDJPYのレンジの上下限と周期を研究した方が良さそうな気がしてきました。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。下記ご覧の通り、今週は指標なんて関係ない週です。
なお、太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
6月18日(月)
中国祝日
注目指標なし
6月19日(火)
注目指標なし
6月20日(水)
23:00 5月集計分米国中古住宅販売件数
6月21日(木)
20:00 BOE(英中銀)金融政策
21:30 6月集計分米国Phil連銀製造業景気指数
6月22日(金)
注目指標なし
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先週の米欧日の中銀金融政策に続き、今週は英中銀(BOE)が金融政策を発表します。市場予想は現状維持です。
英国では、来年3月のEU離脱方法への意見対立が与党内で強まっているようです。
英首相は「下手な合意をするぐらいなら決裂した方がマシ」と主張しています。交渉当事者が強気姿勢を見せつけるのは、どこの国でもよくあることです。最近は特にそういうリーダーが多いようです。
一方、穏健派は要するにEU離脱交渉の期限延長を首相に求めています。政権が担うべき対外交渉の承認権限を下院に与えるという法案の狙いは、そこにあります。
こんな政権基盤を揺るがすような騒々しい状況下で、BOEが政策変更できるはずありません。
ならば、前回までに示されていた「今後3年ぐらいで2・3度の利上げ」という方針において、最初の利上げ時期がどのぐらい遅いかが市場の関心事ということになります。そして、どのぐらい遅いかが示されないと、遅くなるのも当然、と捉えられても仕方ありませんよね。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上
2018年06月10日
2018年6月11日〜6月15日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
先週6月5日のRBA政策理事会結論は、現状維持(政策金利+1.5%)でした。
理事会後の声明では、インフレと賃金の伸びが低いことに言及したものの、GDPの伸びは2018年と2019年に平均3%を若干上回る見通しを示しました。翌6月6日に発表された1-3月期GDPは前年比+3.1%でした。
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6月8-9日に行われたG7サミットのコミットメント声明は、外国の選挙干渉阻止のため各国が情報を共有し、プロバイダやSNS企業の連携を進めるとの草案を入手したと、ロイターが報道しています。この内容よりも、保護貿易や反移民への懸念が示されなかったことの方が、今週週明けは材料視されそうです。
【2. 今週予習】
6月12日には米朝首脳会談が開かれます。ポイントは、@ 北朝鮮非核化、A 関係国支援、B 朝鮮戦争終結、です。
@とAはセットで行うか否かが焦点ですが、今回の会談時点で関係国(日中韓)がまだ行われていない以上、米朝協議の継続が結論になる可能性が高いと思われます。Bも同様ですが、交渉ステップとしては優先されるストーリーも有りかもしれません。
リスクオフでJPY安に働くにせよ、会談結果への失望でJPY高に働くにせよ、FOMC前なのでそんなに大きく反応する材料ではないと見込みます。
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6月14日03時のFOMCは、市場で利上げが既に折込まれています。FOMCは市場との対話を重視(市場に混乱を起こさないことを重視)しています。利上げは行われるにせよ、9月と12月にあと2回の利上げが行われるか否かと、株価への影響が関心事です。
前回(5月3日)FOMC議事要旨は次の通りです。
- 現状について、@ 雇用の伸びが堅調、失業率は低いまま、A 家計支出の伸びは昨年10-12月期に比べて緩やかになったものの、 企業の設備投資は引き続き堅調に伸長、B インフレ率・コアインフレ率はともに+2%に近づき、将来のインフレ率を示唆する指標が急変する兆しはない、との認識が示されました。
- 今後について、@ 金融政策の運営姿勢の更なる緩やかな調整によって、経済活動が中期的に緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況は力強さを維持、A インフレ率は中期的に目標の+2%近辺で推移すると予想、B 経済見通しが上下にブレる可能性は概ね均衡、と見込まれていました。
- 金融政策について、@ 雇用と物価の状況はFF金利の一段の緩やかな引上が正当化されるとの方針が示し、Aその 一方、当面のFF金利が長期的に到達すると見込まれる水準を下回って推移する可能性を指摘、B 但し、雇用と物価の状況次第で、FF金利の誘導目標を変更することを申し添えています。
市場では今回の利上げが折込まれており、関心はあと年内利上げがあと2回か1回かに絞られています。
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6月14日20:45のECB(欧中銀)金融政策発表のポイントは、もともと資産買い入れ策の終了について議論し、その結論を明示するか否かでした。
ところが、伊国の債務問題や政情不安によって量的緩和策の終了時期を早い時期に明示することは難しい、との見方が優勢になり、先月のEURは売られました。けれども、6月6日に、ECB専務理事が「債券買い入れ規模の段階的な縮小を妥当と判断するに十分かどうか、来週のECB理事会で評価する必要がある」と発言したことが、再び「時期明示」の可能性が取りざたされています。
ECB絡みの話は、いつも二転三転して理事会終了後の議長会見が終わるまでよくわかりません。ECBの早期緩和終了は利上げに繋がり、EUR買材料です。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は、過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
金融政策発表も含めイベントの多い週ですが、経済指標は英国中心の週です。
英国指標での取引は、夕方のEURGBPやGBPUSDの動きを見ておきましょう。指標発表後の初期反応がその流れに反する場合は、伸びが小さく早期反転の可能性が高いので注意しましょう。
6月11日(月)
豪州祝日
17:30 4月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
6月12日(火)
17:30 4月・5月集計分英国雇用統計
18:00 6月集計分独国ZEW景況感指数
※ 本分析は半年以上前に行われ、必ずしも現在の状況に適っていません。がしかし、指標の特徴は当時も現在も大きく変わっていません。
21:30 5月集計分米国消費者物価指数(CPI)
6月13日(水)
17:30 5月集計分英国物価指標
21:30 5月集計分米国生産者物価指数(PPI)
6月14日(木)
03:00 米国金融政策(FOMC)
10:30 5月集計分豪州雇用統計
17:30 5月集計分英国小売売上高指数
20:45 欧州ECB金融政策
21:30 5月集計分米国小売売上高
6月15日(金)
21:30 6月集計分米国NY連銀製造業景気指数
22:15 5月集計分米国設備稼働率・製造業生産・鉱工業生産
23:00 6月集計分米国UM消費者信頼感指数速報値
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上