2018年06月17日
2018年6月18日〜6月22日の主要経済指標
【1. 先週備忘】
週明けUSDJPYは109.33円で始まりました。前週末終値が109.48円だったので、下窓0.15円を開けてのスタートでした。
週足終値は110.61円で、週足値幅は113pipsでした。週足高値は110.90円、安値は始値の109.33円、全幅は157pipsと、イベントの多かった週の割に小さな動きでした。
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先々週8-9日に行われたG7サミットの結果は、米大統領が発表された合意文書への承認を撤回したそうです。けれども、今回のサミットがぐずぐずだった(先進国が結束して諸問題に取り組むという姿が見えなかった)ことで、11日午前にUSDJPYが動いたという記事はなく、先週への影響はありませんでした。
6月12日には米朝首脳会談が開かれました。北朝鮮絡みの地政学的リスク後退でJPYが売られたものの、この日のUSDJPYは110円台で0.3〜0.4円程度の上下動をしていました。昼間の高値は110.49円で、この高値を上抜けたのは翌13日の東京時間に入ってからでした。
結果から言えば、この会談の結果は既に折込み済だったようです。
次に6月14日3時のFOMCで市場予想通り政策金利引上げが行われました。利上げ発表によって110.85円までUSDが買われたものの、その後は翌欧州時間までにUSDJPYは109.92円まで下げました。
2018年の利上げはあと2回(2018年は4回の利上げ)との見方が示されており、利上げペースが加速しています。ところが、実勢金利の上昇は短期債で起きており長期債では起きていません(イールドカーブのフラット化)。長期債の金利上昇が起きないと、大口プレーヤーは米債購入に動かないそうです。
6月14日21時のECB理事会で「年内のQE終了」で「来年利上げ」でした。ところが、ECB総裁が会見で利上げ時期の後ズレ発言をしたため、利上げ時期を来年中頃と見なしていた市場はEUR売で反応しました。
EURが売られた結果、USDが上昇し、EURUSDは14日だけで208pipsの下落しました。EURJPYの下落も190pipsでした。
【2. 今週予習】
米中貿易摩擦の問題が注目されています。7月には米国の中国製品への関税が引き上げられ、中国側も米国製品への報復関税を言明しています。
北朝鮮問題での地政学的リスクが弱まったと思ったら、次のリスクが持ち上がり、JPY安には繋がりません。
対NAFTA・EU・日本の貿易交渉にせよ、秋の米中間選挙が終わるまで米政権が宥和的姿勢に変わらない可能性も高まっています。それもこれも米大統領の支持者に株価への直接的な関係がない人が多いからでしょう。
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日本では、骨太の方針で財政再建が先延ばしされ、現状の問題と将来の問題について現状の優先度が高まったと言えるでしょう。
確か「それは骨太じゃない」という問題意識から命名されたはずの中長期方針だったはずなのに、最近はどんどん日和ってしまっています。
一時、英国がTPP加盟検討との報道がありましたが、逆にもし日本が欧州にあったら、とてもEUに入れる財務状況ではありません。
とすれば、いろいろ大変だけれども日本が米中の間にあるのは良かったのかも知れません。
米長期債は、中国の台頭と現在が景気のピーク付近という見方で金利上昇の余地が限られています。よって、イールドカーブの非フラット化は、短期金利低下によって始まる可能性の方が高いようです。
でも、FRBは2019年も3回の利上げが予定しています。2020年までJPY安の余地がなく、かと言ってJPY高は明確なリスクにおいて起きるなら、USDJPYのレンジの上下限と周期を研究した方が良さそうな気がしてきました。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。下記ご覧の通り、今週は指標なんて関係ない週です。
なお、太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
6月18日(月)
中国祝日
注目指標なし
6月19日(火)
注目指標なし
6月20日(水)
23:00 5月集計分米国中古住宅販売件数
6月21日(木)
20:00 BOE(英中銀)金融政策
21:30 6月集計分米国Phil連銀製造業景気指数
6月22日(金)
注目指標なし
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先週の米欧日の中銀金融政策に続き、今週は英中銀(BOE)が金融政策を発表します。市場予想は現状維持です。
英国では、来年3月のEU離脱方法への意見対立が与党内で強まっているようです。
英首相は「下手な合意をするぐらいなら決裂した方がマシ」と主張しています。交渉当事者が強気姿勢を見せつけるのは、どこの国でもよくあることです。最近は特にそういうリーダーが多いようです。
一方、穏健派は要するにEU離脱交渉の期限延長を首相に求めています。政権が担うべき対外交渉の承認権限を下院に与えるという法案の狙いは、そこにあります。
こんな政権基盤を揺るがすような騒々しい状況下で、BOEが政策変更できるはずありません。
ならば、前回までに示されていた「今後3年ぐらいで2・3度の利上げ」という方針において、最初の利上げ時期がどのぐらい遅いかが市場の関心事ということになります。そして、どのぐらい遅いかが示されないと、遅くなるのも当然、と捉えられても仕方ありませんよね。
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は「1. FXは上達するのか」もしくは孤独な英国人は減ったのかを参照願います。
以上
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