新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2018年09月24日
9月25日経済指標(結果検証済)
予告通り米国は対中制裁関税第3弾を本日発動しました。第3弾は、昨年の中国からの輸入実績ベースで2000億USD相当の中国製品に対し、当初は10%の追加関税で、来年からはこれが25%に引き上げられるという内容です。
中国は即座に報復関税発動を発表した模様です。
米国の対中制裁の大義名分である「不公正な貿易慣行」は、米国従来の主張通りなら中国国営企業の存在そのものに関わります。でも、中国はこの問題を解消することができません。そのため米国は、今回の制裁を「知的財産権問題」に焦点を絞っています。それなら、中国国内法の整備と取り締まりの強化で対応できるからです。けれども、これは大義名分であって、既に明かしている本音は貿易不均衡是正であり、明かしていない本音は米中間選挙に向けた国内弱者に向けた対外強硬姿勢のアピールだと言われています。
どちらも正しくないケンカを、わざわざ両方の面子を立てながら納めるメリットがある国や人は、どこの誰になるのでしょう。正邪の争いではなく、既に2大国による覇権争いとの解説も見られるものの、もしそうだとしても双方選択肢毎の10年後の結果見通しにはまだ欠ける見通しばかりです。
それもこれも米大統領が個性的過ぎるから、わかりにくい展開がわかりやすく表面化してしまうのです。
さて、明日は23:00に9月集計分米国CB消費者信頼感指数が発表されます。
本指標の前月8月集計分結果(8月28日発表)は、直近ピークの2018年2月集計分130.8を大きく上回る133.4で、2000年10月以来約18年ぶりの高い数値でした。
以下、リンク先の詳細分析記事と数値が異なる箇所は、前月結果を反映した最新値です。
市場予想(前回結果)は、132.2(133.4)で、事前差異判別式の解は△1.2となっています(24日8時時点)。
市場予想は発表前に再確認しましょう。事前差異判別式は、市場予想ー前回結果、です。
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているUM消費者信頼感指数速報値発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。むしろ、同月集計分の両指標の改善/悪化は方向一致率30%なので、逆になることが多い訳です。けれども、両指標はほぼ同じ時期にほぼ同じ調査を行った結果です。前月より改善/悪化という結果が逆になることに合理的説明はできません。
一応参考までに、9月14日に発表された9月集計分UM消費者信頼感指数速報値の実態差異判別式の解は+24.2だったことを挙げておきます。
過去の傾向を踏まえた取引方針は次の通りです。
以下は9月26日9時過ぎに追記しています。
CB指標結果は非常に良かったものの、直後反応は小さな陽線に留まりました。
指標結果は前月を上回り、2000年9月以来18年ぶりの高い数値となりました。市場予想は前月が2000年10月以来の高い数値だったこともあり、やはり前月より低下と予想されていました。
がしかし、多くの経済指標で専門家の予想は、上昇/下降基調のとき「そろそろ」という予想になりがちなことがわかっています。「そろそろ」という予想はいつか当たる予想ですが、「基調」というからには複数回そういうことが続くということを意味します。自ずと、そういった傾向がある経済指標での取引方針は決まります。
神様じゃないのだから、100発100中を目指すのではなく、複数回の取引できちんと利益を残す方法を選択します。
指標発表直前のチャートはUSDJPYとEURUSDで逆になったものの、指標発表直後はほぼ同様の反応でした。直前の反応が逆になったのは、本指標今回の発表があまり注目されていなかったことが原因と思われます。米国指標発表前後短期間のチャートの動きは、JPYやEURが理由でなくUSDだけが理由なので、その指標の注目度が高いほどUSDストレート通貨ペアの動きが同じようになるのは当然です。
過去の本指標反応傾向に基づく取引方針を検証しておきます。
直前1分足は、事前差異判別式の解の符号と逆方向に1・2pipsを狙うという方針でした。結果は、直前1分足が同値終了のため、本ブログでのルールに基づき「判定不可」が結論です。
ズルくはありません。このルールはブログ開始以来一貫しています。
指標発表時は、前述の通り、判定「〇」です。
そして、発表後の追撃は、陽線の直後1分足終値が5pipsに達していないので、「前提不成立」が結論になります。
取引は寝てしまったのでしていません。
本指標次回発表は10月30日です。冬時間への変更がいつからだったか忘れてしまいましたが、夏時間23時の指標は冬になると取引がもっとむずかしくなちゃいます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
レンタルサーバー『ヘテムル』が《月額800円(税抜)》から利用可能になりました!
ビジネス利用にも最適な高スペックレンタルサーバー『ヘテムル』はこれまで月額1,000円(税抜)にてサービスを提供していましたが、このたび、長期契約なら《月額800円(税抜)〜》で利用できるようになりました。
『ヘテムル』は256GBの大容量ディスクにくわえ、独自ドメインを無制限で設定できるマルチドメイン機能や、WordPressサイトを簡単に作成できる簡単インストール機能など多彩な機能が魅力のレンタルサーバーです。
サーバーは、大容量16GBメモリ/Xeon6コアCPU搭載のハイスペック。
データベースサーバーにはSSDを採用しCMS利用時のDB高速化を実現。快適にご利用頂けます。さらにRAID構成+バックアップによりサービスの安全性を高めています。
プロのクリエイター、有名企業など利用実績多数。
まずは15日の無料お試しから!
中国は即座に報復関税発動を発表した模様です。
米国の対中制裁の大義名分である「不公正な貿易慣行」は、米国従来の主張通りなら中国国営企業の存在そのものに関わります。でも、中国はこの問題を解消することができません。そのため米国は、今回の制裁を「知的財産権問題」に焦点を絞っています。それなら、中国国内法の整備と取り締まりの強化で対応できるからです。けれども、これは大義名分であって、既に明かしている本音は貿易不均衡是正であり、明かしていない本音は米中間選挙に向けた国内弱者に向けた対外強硬姿勢のアピールだと言われています。
どちらも正しくないケンカを、わざわざ両方の面子を立てながら納めるメリットがある国や人は、どこの誰になるのでしょう。正邪の争いではなく、既に2大国による覇権争いとの解説も見られるものの、もしそうだとしても双方選択肢毎の10年後の結果見通しにはまだ欠ける見通しばかりです。
それもこれも米大統領が個性的過ぎるから、わかりにくい展開がわかりやすく表面化してしまうのです。
ーーー$€¥£A$ーーー
さて、明日は23:00に9月集計分米国CB消費者信頼感指数が発表されます。
本指標の前月8月集計分結果(8月28日発表)は、直近ピークの2018年2月集計分130.8を大きく上回る133.4で、2000年10月以来約18年ぶりの高い数値でした。
以下、リンク先の詳細分析記事と数値が異なる箇所は、前月結果を反映した最新値です。
市場予想(前回結果)は、132.2(133.4)で、事前差異判別式の解は△1.2となっています(24日8時時点)。
市場予想は発表前に再確認しましょう。事前差異判別式は、市場予想ー前回結果、です。
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているUM消費者信頼感指数速報値発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。むしろ、同月集計分の両指標の改善/悪化は方向一致率30%なので、逆になることが多い訳です。けれども、両指標はほぼ同じ時期にほぼ同じ調査を行った結果です。前月より改善/悪化という結果が逆になることに合理的説明はできません。
一応参考までに、9月14日に発表された9月集計分UM消費者信頼感指数速報値の実態差異判別式の解は+24.2だったことを挙げておきます。
過去の傾向を踏まえた取引方針は次の通りです。
- 直前1分足は、事前差異と逆方向にオーダーし、利確/損切の目安を1・2pipsとします。
このポジションの期待的中率は71%です。一方、スプレッドが0.3pipsのFX会社で取引しているなら、SL解消勝率は60%ですが、スプレッド0.5pips超になると、この取引はリスク・リワード的に割にあいません。 - 指標発表時は、指標推移が上昇基調/下降基調のとき、今回の市場予想が前回結果を下回って/上回っていれば、指標発表直前にロング/ショートです。現在、指標トレンドは上昇基調です。今回の市場予想は前回結果を下回っているのでロングです。
- 発表後追撃は、直後1分足終値を確認してから行います。直後1分足終値が△5pips以下ならショート、+10pips以上ならばロングです。
以上
以下は9月26日9時過ぎに追記しています。
【事後検証】
CB指標結果は非常に良かったものの、直後反応は小さな陽線に留まりました。
指標結果は前月を上回り、2000年9月以来18年ぶりの高い数値となりました。市場予想は前月が2000年10月以来の高い数値だったこともあり、やはり前月より低下と予想されていました。
がしかし、多くの経済指標で専門家の予想は、上昇/下降基調のとき「そろそろ」という予想になりがちなことがわかっています。「そろそろ」という予想はいつか当たる予想ですが、「基調」というからには複数回そういうことが続くということを意味します。自ずと、そういった傾向がある経済指標での取引方針は決まります。
神様じゃないのだから、100発100中を目指すのではなく、複数回の取引できちんと利益を残す方法を選択します。
指標発表直前のチャートはUSDJPYとEURUSDで逆になったものの、指標発表直後はほぼ同様の反応でした。直前の反応が逆になったのは、本指標今回の発表があまり注目されていなかったことが原因と思われます。米国指標発表前後短期間のチャートの動きは、JPYやEURが理由でなくUSDだけが理由なので、その指標の注目度が高いほどUSDストレート通貨ペアの動きが同じようになるのは当然です。
過去の本指標反応傾向に基づく取引方針を検証しておきます。
直前1分足は、事前差異判別式の解の符号と逆方向に1・2pipsを狙うという方針でした。結果は、直前1分足が同値終了のため、本ブログでのルールに基づき「判定不可」が結論です。
ズルくはありません。このルールはブログ開始以来一貫しています。
指標発表時は、前述の通り、判定「〇」です。
そして、発表後の追撃は、陽線の直後1分足終値が5pipsに達していないので、「前提不成立」が結論になります。
取引は寝てしまったのでしていません。
本指標次回発表は10月30日です。冬時間への変更がいつからだったか忘れてしまいましたが、夏時間23時の指標は冬になると取引がもっとむずかしくなちゃいます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
レンタルサーバー『ヘテムル』が《月額800円(税抜)》から利用可能になりました!
ビジネス利用にも最適な高スペックレンタルサーバー『ヘテムル』はこれまで月額1,000円(税抜)にてサービスを提供していましたが、このたび、長期契約なら《月額800円(税抜)〜》で利用できるようになりました。
『ヘテムル』は256GBの大容量ディスクにくわえ、独自ドメインを無制限で設定できるマルチドメイン機能や、WordPressサイトを簡単に作成できる簡単インストール機能など多彩な機能が魅力のレンタルサーバーです。
サーバーは、大容量16GBメモリ/Xeon6コアCPU搭載のハイスペック。
データベースサーバーにはSSDを採用しCMS利用時のDB高速化を実現。快適にご利用頂けます。さらにRAID構成+バックアップによりサービスの安全性を高めています。
プロのクリエイター、有名企業など利用実績多数。
まずは15日の無料お試しから!
広告以上
タグ:CB消費者信頼感指数
9月24日経済指標(結果検証済)
本日は、
が発表されます。
以下、リンク先の詳細分析記事と数値が異なる箇所は、同記事投稿後の発表結果を反映した最新値です。
市場予想(前回結果)は、
・景況指数が103.2(103.8)
・景況感指数が100.2(101.2)
・現況分析が106.1(106.4)
で、事前差異判別式の解は△1.7となっています(24日6時時点)。
市場予想は発表前に再確認しましょう。事前差異判別式は、ー1✕景況指数事前差異+2✕景況感事前差異+1✕現況指数、です。
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているZEW景況感調査発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。同月集計分では、両指標が前月より改善したか悪化したかは、42%しか一致していません。一方の指標を前後3か月ずらしてみても、一致率は42〜62%の範囲に収まっています。
ZEWは本指標結果を示唆していません。
過去の傾向を踏まえた取引方針は次の通りです。
前回8月集計分発表(8月27日発表)では、9か月ぶりに指数が改善しました。
以下は9月24日19時過ぎに追記しています。
独国Ifo業況指数の結果は、市場予想を上回った(事後差異+3.4)ものの、前回結果を下回りました(実態差異△0.7)。
反応は陽線で、発表後1分経過後も反応を伸ばしました。指標後の反応伸長は、欧州時間未明に米中貿易摩擦悪化によるUSD売が原因だという気がします。
今後しばらくは可能な限り、欧州指標ではEURUSD、英国指標ではGBPUSD、豪州指標ではAUDUSDも、4本足チャートを添付したいと思います。指標発表直後の短時間に関しては、円クロス通貨ペアでの取引であれドルストレート通貨ペアでの取引であれ、だいたい通用します。スプレッドの高い安いで取引通貨ペアを選べばよいのです。
そのことを確認していきます。
詳細分析記事における事前の取引方針を検証しておきます。
直前1分足は、事前差異がマイナスだったので、結論は「前提不成立」です。
指標発表時は、直前1分足が陰線になりそうなときにポジションオーダーなので、これも「前提不成立」です。
直後追撃は、今回、上表と少し表現が異なり、発表から1分以内に開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺うことにしていました。実際は発表から10分を過ぎても反応を伸ばしましたが、判定は「〇」です。
次に取引結果を下表に示します。
前述の通り、事前方針通りの取引は発表直後の追撃だけです。背景が黄色の2列は方針外取引です。
ポイントは、本指標本来の過去傾向が発表から1分を過ぎると戻りが生じがちなものの、米中関係悪化は初期段階でUSD売に繋がる傾向が過去パターンです。今回はうまくはまりました(こういうのは、まぐれです)。
今回の反応は、過去の本指標の平均的な反応程度にほぼ同じです。今回のように、ほぼ1方向に反応が伸び続けた場合すら、本指標での成績はこの程度です。
本ブログ開始以来、本指標で事前方針を示して取引したときの成績を下表に纏めます。
先の表で黄色の列での成績(事前方針外の取引結果)は、本ブログ趣旨に鑑み、この成績表には含まれていません。
次回本指標発表は10月25日です。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
- 17:00に9月集計分独国Ifo業況指数
が発表されます。
以下、リンク先の詳細分析記事と数値が異なる箇所は、同記事投稿後の発表結果を反映した最新値です。
市場予想(前回結果)は、
・景況指数が103.2(103.8)
・景況感指数が100.2(101.2)
・現況分析が106.1(106.4)
で、事前差異判別式の解は△1.7となっています(24日6時時点)。
市場予想は発表前に再確認しましょう。事前差異判別式は、ー1✕景況指数事前差異+2✕景況感事前差異+1✕現況指数、です。
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているZEW景況感調査発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。同月集計分では、両指標が前月より改善したか悪化したかは、42%しか一致していません。一方の指標を前後3か月ずらしてみても、一致率は42〜62%の範囲に収まっています。
ZEWは本指標結果を示唆していません。
過去の傾向を踏まえた取引方針は次の通りです。
- 直前10-1分足は、事前差異判別式の解の符号がプラスのときロングをオーダーします。
市場予想に修正がなければ、現時点で事前差異判別式の解の符号はマイナスなので、この取引は行いません。市場予想が修正されて取引を行うことになったら、利確/損切の目安は3・4pipsです。直前1分足の過去平均値幅4pipsよりやや小さく見込んでおきます。 - 指標発表時は、直前1分足が陰線だったとき(陰線になりそうなとき)、発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切します。
直後1分足は、2018年1〜8月発表の平均跳幅が5pips、同値幅が3pipsしかありません。方向が当たっても、あまり欲張らないことが大事です。 - 発表直後の追撃は、発表から1分以内に開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺いましょう。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は90%に達しています。この90%の方向一致時に前者跳幅を超えて後者跳幅が反応を伸ばしたことは89%に達しています。けれども、発表から1分後と11分後を比べると、その10分間に反応を伸ばしていたことは51%です。
直後1分足跳幅と直後11分足跳幅の過去平均値の差は6pipsです。利確/損切の目安はその半分強3・4pipsということになります。
前回8月集計分発表(8月27日発表)では、9か月ぶりに指数が改善しました。
以上
以下は9月24日19時過ぎに追記しています。
【事後検証】
独国Ifo業況指数の結果は、市場予想を上回った(事後差異+3.4)ものの、前回結果を下回りました(実態差異△0.7)。
反応は陽線で、発表後1分経過後も反応を伸ばしました。指標後の反応伸長は、欧州時間未明に米中貿易摩擦悪化によるUSD売が原因だという気がします。
今後しばらくは可能な限り、欧州指標ではEURUSD、英国指標ではGBPUSD、豪州指標ではAUDUSDも、4本足チャートを添付したいと思います。指標発表直後の短時間に関しては、円クロス通貨ペアでの取引であれドルストレート通貨ペアでの取引であれ、だいたい通用します。スプレッドの高い安いで取引通貨ペアを選べばよいのです。
そのことを確認していきます。
詳細分析記事における事前の取引方針を検証しておきます。
直前1分足は、事前差異がマイナスだったので、結論は「前提不成立」です。
指標発表時は、直前1分足が陰線になりそうなときにポジションオーダーなので、これも「前提不成立」です。
直後追撃は、今回、上表と少し表現が異なり、発表から1分以内に開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺うことにしていました。実際は発表から10分を過ぎても反応を伸ばしましたが、判定は「〇」です。
次に取引結果を下表に示します。
前述の通り、事前方針通りの取引は発表直後の追撃だけです。背景が黄色の2列は方針外取引です。
ポイントは、本指標本来の過去傾向が発表から1分を過ぎると戻りが生じがちなものの、米中関係悪化は初期段階でUSD売に繋がる傾向が過去パターンです。今回はうまくはまりました(こういうのは、まぐれです)。
今回の反応は、過去の本指標の平均的な反応程度にほぼ同じです。今回のように、ほぼ1方向に反応が伸び続けた場合すら、本指標での成績はこの程度です。
本ブログ開始以来、本指標で事前方針を示して取引したときの成績を下表に纏めます。
先の表で黄色の列での成績(事前方針外の取引結果)は、本ブログ趣旨に鑑み、この成績表には含まれていません。
次回本指標発表は10月25日です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
タグ:Ifo,業況指数,ZEW
2018年09月23日
2018年9月24日〜28日発表の主要経済指標の過去反応要点
【前週成績】
前週の成績を纏めておきます。
成績を気にするのは、過去の分析が現在も通用するのかに注意を払い続ける必要があるためです。
前週の事前分析成績は6勝4敗、前提を満たさなかったことが6回、判定不可が2回、取引不可が2回でした。オカルトは含めていません。判定は、リンク先の詳細分析記事の結論が、今回の発表でも通用したかを判定しています。
前週の取引成績は3勝3敗、それとは別に事前方針にない取引で3勝、取引中止が2回でした。取引時間は24分6秒で、損益は+36.69pipsでした。
先週、何か最近はよく当たると自慢したら、この成績です。まぁ、週30pips勝てれば、1年で1500pips強になるのだから良しとしましょう。
毎回1枚の取引で1500pipsは¥15万に相当します。
どこかで書いたように、このブログでの取引は、ポジション保有時間を短時間に限るため、毎回の投資額は口座資金の10%ぐらいに達します。主要通貨の円クロスペアで最も高いGBPJPYでも、口座資金は¥50万強ですみます。¥15万はその30%弱の運用益になります。
アマチュアにしては悪くない成績です。自画自賛すると、また成績が悪くなりそうな気がしますが。
【次週指標】
2018年9月24日〜9月28日の主要経済指標の過去反応要点は以下の通りです。
FOMC、日米貿易協議、英国EU離脱関係、翌週の中国連休、といった大きな行事が個別指標の反応に制約を与えそうです。
9月24日(月)日本・中国休日
- 17:00 9月集計分独国Ifo業況指数
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているZEW景況感調査発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。同月集計分では、両指標が前月より改善したか悪化したかは、43%しか一致していません。
直前1分足が陰線だったとき(陰線になりそうなとき)、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切すると、長期的に利益を残しやすくなります。
前回8月集計分発表(8月27日発表)では、9か月ぶりに指数が改善しました。
9月25日(火)
- 23:00 9月集計分米国CB消費者信頼感指数
本指標結果の良し悪しは、先に発表されているUM消費者信頼感指数速報値発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。
指標推移が上昇基調/下降基調のとき、今回の市場予想が前回結果を下回って/上回っていれば、指標発表直前にロング/ショートで、長期的に利益を残しやすくなります。
前回8月集計分(8月28日発表)は、直近ピークの2018年2月集計分130.8を大きく上回る133.4で、2000年10月以来約18年ぶりの高い数値でした。
9月26日(水)
- 23:00 8月集計分米国新築住宅販売件数
本指標結果の良し悪しは、先に発表されている中古住宅販売件数発表結果の良し悪しと、単月毎に見る限り関係ありません。一方が他方を数か月先行して示唆することもありません。
発表時にどちらに反応するかはわからないものの、発表後1分あたりからは発表後の反応方向と逆張りを狙うと勝率が稼ぎやすい指標です。
さて、ここまでの3つの指標は、それぞれの指標に対する先行指標の結果が全てアテにならない、という話を紹介しています。そんなことは、調べればわかることだから良いのです。それよりも、調査機関同士がそのことをどう考えているのか、是非、知りたいものです。
誰か資料をご存じの方が居られれば、ご教示頂ければ幸いです。
9月27日(木)
- 03:00 米国FOMC
FRBは市場との対話を重視する中銀です。その結果、調査範囲において、金利変更やQE規模の変更とその時期が市場予想に反したことはありません。
今回、既に市場は利上げを織り込み済と言われています。利上げ以外に反応方向に影響しそうなことは次の2点です。ひとつは、前回声明で「緩和的」という表現が、そろそろ緩和的とは言えないんじゃないか、との異論が出ていたことが判明しています。この文言修正に注目が集まっています。もうひとつは、前回投票権のある15名のうち、今年年末時点での金利が昨年12月より1%以上高くなる(年4回利上げ)と予想していたのは8名です。その増減に注目が集まっています。
ここ3回の利上げ決定時FOMC直後1分間の反応は跳幅20pips程度で、直後11分足も30pips強しか反応していません。声明内容がどうあれ、今回の直後1分足跳幅は過去3回を超えるのではないでしょうか。過去3回よりも、今後の利上げ姿勢継続への疑念が強まっているような気がするためです。
ともあれ、金融政策発表時の取引方針は、短時間毎(pips毎)に区切った事後追撃の繰り返しが基本です。 - 06:00 RBNZ金融政策
同じく、金融政策発表時の取引方針は、短時間毎(pips毎)に区切った事後追撃の繰り返しが基本です。
RBNZ(NZ中銀)は、結果的にRBA(豪中銀)政策に追従しがちです。前回8月9日の政策発表声明でも「政策金利は相当な期間緩和的な水準で維持されるだろう」でした。RBNZ自身による利上げ予想時期は2020年3Qです。
ところが、です。声明後の会見でRBNZ総裁は「成長率がポテンシャルを下回って減速すれば、金利を引き下げる可能性」に言及しました。当り前のことを言っているのですが、利下げに言及したことでNZDは売られました。
でも、RBNZ総裁は利下げもあり得ることを5月から言及しています。いま、そんなことを言っている中銀総裁は、世界中で彼しかいないから呆れられて売られたのかも知れません。 - 21:30 4-6月期米国GDP確定値・8月集計分米国耐久財受注
GDP確定値と耐久財受注が同時発表されたことは、2015年以降1度しかありません(2016年12月発表時)。
このとき、GDP確定値:耐久財受注の各差異は、事前△0.1:△10.5、事後+0.6:+0.9、実態+0.7:△19.3、でした。反応は直前10-1分足・直後1分足・直後11分足がいずれも陽線で、直後11分足跳幅・値幅は直後1分足のそれらを削っています。事後差異の符号が同じプラスなので、どちらが反応方向への影響が強いかは判別できません。
9月28日(金)
- 17:30 4-6月期英国GDP改定値
本来、9月末は改定値でなく確定値発表月ですが、7月に速報値が発表されなかったため、時期ズレを起こしています。これが、従来通り改定値なのか、過去の確定値に相当するのかが確認できていません。
よって、今回は分析採点と取引を差し控えます。 - 9月集計分欧州HICP速報値
反応には珍しいクセが3つあります。
市場予想の精度が高く、反応が短時間で小さく、発表結果の市場予想に対する良し悪しに55%しか素直に反応していません。あまり取引に向かない指標です。
また、指標発表前10分間は、市場予想が前回改定値より改善していれば陰線、悪化していれば陽線で反応しがちです。逆ではありません。
そしてこの間に、直前10-1分足が15pips以上跳ねたことは、過去5回あります(頻度12%)。その5回のうち4回が、直前10-1分足と直後1分足の方向が一致しています(一致率80%)。けれども、慌てて追いかけてはいけません。その4回のうち3回の直後1分足は10pips以上の逆ヒゲがあります。
前回8月集計分(8月31日発表)はやや市場予想を下回り、当時のECBの「(前月までの)HICP上昇は一時的現象」との見解と方向は一致していました。ECB見解通りなら、更にHICPは下がって良いはずです。HICPは5月集計分以降、急激に高い数値がなって、その状態が続いています。 - 21:30 8月集計分米国PCEデフレータ
本指標に先立って同月集計分が発表されるCPIは、本指標の一部結果を示唆することがあります。過去、コアCPIと本指標PCEコアデフレータ(以下「CD」と略記)が実態差異がどちらも0でなかった場合には、CD前月比がコアCPI前月比と増減方向が一致したことが92%、CD前年比がコアCPI前年比と増減方向が一致したことは74%です。8月集計分コアCPIは、前月比・前年比ともに悪化しています。
でも、本指標は以前から安定して反応が小さい指標です。指標発表前こそPCEや個人所得の事前差異も影響しますが、指標発表後にはそれらへの関心は後回しで構いません。指標発表後はまず、CDの事後差異の有無に反応方向が影響を受けています。但し、CDは市場予想と発表結果がズレないことも多いため、その場合にPCEの事後差異に注目すれば良いのです。
前回7月集計分(8月30日発表)での反応はたったの2pipsでした。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
2018年09月22日
2.2. うそは嫌いだ!
FX取引のスプレッド(売買差額)とスワップ(利息)を銀行のそれらと比較する話を読んだことがありますか。この話は
という話です。
そんな馬鹿な話はありません。
特に、微益を積み重ねるスキャルピング手法や、本ブログのように経済指標発表前後の短時間だけの取引を行う手法でFXをやる人は、こんな話に騙されてはいけません。
スワップの話は説明が簡単ですが、スプレッドについては簡単にいきません。そもそも、FX会社が「手数料なし・スプレッドあり」と、それらをわざわざ使い分けている意味を不思議に思ったことがある人は多いでしょう。この意味を理解できるレベルの取引を行うためには、リスク・リワード(リスクに見合った利益狙い)的な考えを自分の取引に持ち込む必要があります。
いいですか。
仮に経済指標発表前後の取引で、1回の利確/損切の平均値が5〜10pipsだとしましょう。もしスプレッド0.5〜1pips(EUR・GBP・AUDの円クロスでよくあるスプレッド)で取引しているなら、利確/損切の平均値はスプレッドの10倍です。このとき、支払ったスプレッドに見合う勝率は55%、という考え方があります。
この勝率はある種の約束事があって算出される目安となります。
今回の話は、こうしたリスク・リワードに関して、です。
結論は「短期取引で微益を積み重ねる方法で取引に臨むなら、決してスプレッドは安くない」です。昔に比べればスプレッドが安くなった、なんてことは関係ありません。昔も今も、短期取引中心でFXをやるなら、どのくらいスプレッドが安くないのかを定量的に掴んで、効率的な取引を心がけた方が良い、という話です。
こうした考え方は、個別の取引を有利に行う細かな方法論よりも先に知っておいた方が良いはずです。リスクの捉え方は難しいものの(まして、その定量化はとても難しいものの)、話題を限定すれば初心者にだってわからない話ではありません。
要は、リスクに見合わない勝負をやるべきではない、という話にすぎないのですから。
先に、巻頭に挙げたスワップの話がおかしい点を片づけておきましょう。
この話のおかしさにまだ気づかない初心者に、こんな話をする人はどういうつもりなのでしょう。少なくとも、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケヌ…で描かれるような人になりたいなら、そんな誤解をしている人には「ダメですよ」と穏やかに諭してあげるべきでしょう。
そもそも数秒〜数時間の取引を行う人にとって、スワップなんて全く関係ありません。スワップが関係ない取引をしているのに、クロス円の取引で買ポジションの方が売ポジションよりも好きになる理由もありません。どうせ初心者は、ひとつのポジションを1年も2年も保有し続けたりしません。むしろ、やたら無駄な売買が多くて、ポジションを保有している合計時間が結果的に長くなりがちなことの方が問題なぐらいです。だからと言って、普通は長期のポジション保有を初心者に勧めたりはしません。初心者なのに取引の練習回数をこなせなくなるからです。だから、初心者にFXのスワップはお得ですよという話は、初心者に物事を教えるセンスが致命的に欠けているのです。
自分が初心者だった頃、いろいろFX関連書籍を買って、ひどい目にあった考え方にはちょっと辛辣にあたります。
さて、本稿主題に向けて話を進めます。
例えば、空港の銀行窓口で両替した外貨の多くは、海外で相応額のモノやサービスに変わります。つまり、高いと言っても、両替手数料が僅かと思えるだけの価値に交換されています。
もう10年以上前の話ですが、フィリピンでポーク料理を頼んだら、給仕が私の足に料理を落としてズボンが肉に絡めた豚の血だらけになったことがありました。当り前ですが、血だらけのズボンでホテルに戻ると、フロントでちょっとした騒ぎになりました。そしたら、一緒に食事をして事情を知っている友人まで、わざとらしく私から離れて遠巻きの人の群れに加わったのです。
人間の本性はこういうときにわかります。
ともあれ、どっかのカード会社が宣伝していたように、プライスレスなことが起きた訳です。後日の引落では両替コストもちゃっかり取られていたけど、そんなことはプライスレスな体験に比べれば大したことないだろう、と言うのがカード会社の言い分です。ちなみに、フィリピンペソの両替手数料は、使ったお金の20%ぐらいだったと記憶しています。
それでも、カード会社の言い分の方がまともです。20%の両替コストこそ差っ引いたものの、プライスレスな教訓が得られた訳ですから。考えようによっては、このぐらいの手数料なんて、FXを短期取引で継続的にやることに比べれば安いものです。
※ いま、この話をかみさんにしたら、私の勘違いだったようです。少なくとも当時、カード会社はフィリピンペソを扱っていなかったそうです。きっと、カード払いはUSDだったのでしょう。でも、カード会社のUSDJPYスプレッドはざっくり10%ぐらいあったはずです。両替コストが10%でも、ここでの論旨に変わりないので、面倒くさいから書き直しません。手抜きをご容赦願います。
次に、いつものように先に単純化して問題のイメージを掴みましょう。
もしFXでスプレッドが1.0と表記されているならば、1通貨単位あたり0.01単位の両替費用が往復で掛かる、ということです。
1USD=100.00JPY(買レート)のとき、1枚(1万USD)買ったとします。
そして、1USD=100.01JPY(同じ買レート)のとき、それを売ったとしましょう。
スプレッドが0.01USDあるのだから、このときの利益は0です。
1pipsを稼ぐには、1USD=100.02JPY(同じ買レート)になるまで待たなければいけません。2pips動く方向を当てないといけない訳です。
同じように、1USD=100.00JPY(買レート)のとき、1枚買ったとします。
このとき、1USD=99.99JPY(売レート)でそのポジションを手放すことは、通常あり得ません。買レートが1USD=100.00JPYのとき、既に売レートは1USD=99.99JPYだったからです(買った瞬間に負けているpipsがスプレッドです)。
だから、もしスプレッド分に加えて1pipsで損切を行うなら、同じ買レートが1USD=99.99JPYのときです。この例では1pipsのつもりでいたのに2pipsを失うことになります。
これらの例で勝率が50%のとき、取引を2回行うごとに1pipsを失います。損益分岐の勝率は67%ということになります。勝率67%が最低限求められる取引がどれほど不利な勝負かは明らかです。
スキャルピングで微益を狙って良いのは、高い勝率を安定して維持できるベテランだけです。初心者は高い勝率を維持できません。そのベテランは、損益分岐の勝率が67%にも達するような勝負は避けるものです。
まずは当り前のことを長々と書きました。
大雑把に話が掴めたら、次はリスク・リワード的な考え方に焦点を移しましょう。
例えば、USDJPYはスプレッドが一般に狭く0.3pipsぐらいのところが多いようです。いま、直前1分足の過去平均陰線率が60%で、過去平均値幅が1・2pips程度しかない指標があったとします。このような場合、利確/損切の目安を1.5pipsにおくと、それはスプレッドの5倍ということになります。
もし、このような取引を100回行い、期待通りの勝率60%だったなら、手元には、
1.5pips✕(利確60回分ー損切40回分)=30pips、が残ります。対して、100回の売買で支払ったスプレッドは、0.3pips✕100回=30pips、です。
さて、取引100回ごとに勝ち負けに関係なくスプレッド30pips支払うなら、その100回の取引での利幅はせめて30pips以上を狙いたくはないでしょうか。元の話に戻れば、それがスプレッドの5倍以上の利確を狙うということです。そのためには、最低でも勝率60%が必要だということです。
この勝率を「スプレッドリスク解消勝率(以下「SL解消勝率)」と呼ぶことにします。
でも、間違わないでください。
SL解消勝率を下回っても、毎回の利確幅と損切幅を等しく保てば、勝率50%さえ超えれば利益を残せます。但し、この例のように取引100回あたり30pipsのスプレッドを払って、その間に30pipsしか稼げないなら、リスクに見合った利益が得られていないという考え方だって成り立ちます。
まして、100回の取引で残した利益が2pips(勝率51%)だったなら、その間に30pipsのスプレッドを払うことは、損こそしていないものの、手間ヒマをかけた分だけリスクに見合った取引だったとは言えません。
このように、収益の多寡にこだわって「リスク・リワード(リスクに見合った見返り)」に適った取引だったか、を問題視してみましょう。
考察が専門家ほど緻密で網羅性に欠けるこのブログでは「リスク・リワード的(リスク=潜在的負担に見合った目標利益と意訳)」と呼び、スプレッド負担と同じ利益となるSL解消勝率にこだわることに留めましょう。
当然、実際のリスク・リワードはスプレッドだけを補償しても足りません。実際のリスク・リワードのリスクとはスプレッド分だけじゃありません。だから、SL解消勝率は最低限目指すべき勝率ということになります。
何を問題視しているかが伝わったら、最後にこの話を一般化します。
スプレッドがいくらであれ、いま、スプレッドのX倍のpipsでの利確を狙う取引を行うことにします。そして、もし狙いが外れたら、損切も同じくスプレッドのX倍のpipsで行うことにします。
スプレッドがspipsならば、100回の取引で100spipsがスプレッド分として奪われます。
その一方、スプレッドのX倍を利確/損切の目安とすれば、100spipsというスプレッド分は、100s/(s・X)=100/X回、の利確で得られます。100回の取引で、利確が損切よりも100/X回だけ多くなる勝率は、100/X回の半分が50回を上回れば良いので、
となります。
これが、スプレッド負担に等しい利幅が得られる勝率ということになります。
判りやすく導いたつもりですが、数式導出過程というのは、読むのが苦になりがちです。そこで、これを図示しておきます。
この図は、利確の目安がスプレッドの何倍か(横軸)によって、SL解消勝率(縦軸)が何%になるかを示しています。
流行りのトルコリラの円クロスでは、スプレッドが5pipsぐらいのところが多いようです。これほどスプレッドが高いのに、もしたったの10pips(スプレッドの2倍)を利確/損切の目安にしたらどうなるでしょう。
上図でSL解消勝率を読み取ると、それは75%にも達します。初心者どころか、ふつうのアマチュアが安定して勝率75%を超えることなど、まず考えられません。私にはトルコリラ取引は無理かも知れません。
では次に、トルコリラの円クロスで狙いをスプレッドの10倍50pipsにしたらどうなるでしょう。
前述の最低勝率は55%まで下がります。でも、いくらよく動くトルコリラでも、短時間で50pipsの上下動が期待できる場面は限られています。50pips以上の上下動を狙うために、短期取引のつもりが短期ですまなくなるのです。そのときは、ポジション保有時間が長くなる分だけスプレッド以外のリスクも無視できなくなる、と考えられないでしょうか。
そして、アマチュアにはスプレッド以外のリスクを定量化できません。このことが致命傷に繋がりかねないのです。やっぱり、私にはトルコリラ取引は無理なようです。
本題に戻ります。
昔に比べれば安いと言っても、客観的に見ればスプレッドは決して安いコストではありません。
FXをやる人は、プライスレスな経験をしたいのでなく、プライス差が生じることにスプレッドを払っているのです。スプレッドが高いか安いかは、そのプライス差との比較によって決まります。
このことは、
という話の適用場面を誤解してはいけないことにも繋がります。
このブログで取り上げている経済指標発表前後の短期取引に限らず、狙うpipsが相対的に小さくなるスキャルピング手法では、最終的な損益と勝率とが直結しやすいのです。
だから、初心者やアマチュアにスキャルピングを勧めているにも関わらず、勝率にこだわらないとうそぶく解説は、長くFXをやっている人からすればちょっと変なのです。別にウソだと決めつけて批難している訳じゃありません。悪意がなくて底抜けに思慮が足りないのに、やたら勝負強い人というのもいるからです。
最初の方で挙げたように、自分が初心者だった頃、いろいろFX関連書籍を読んで、ひどい目にあった考え方にはちょっと辛辣にあたります。
ちなみに、このブログでの取引は、経済指標発表結果の良し悪しとチャート上の動きの程度や方向の関係を用いたやり方です。この方法は、@ ポジションのエントリーやイグジット(発注と決済)のタイミング判断や、トレンドの継続や転機を読む相場観形成といったことには、あまり悩まなくても済むというメリットがあります。選択肢を予め狭めて取引の難易度を下げているのです。
それに、多くの人にとっては意外なことに、ほとんどの経済指標発表前後の取引では、たった数pipsとか、せいぜい10数pipsを狙うことになります。A 損失もその程度に収まるので、初心者やアマチュア向けと言えるでしょう。また、B チャート上に動きが生じる時刻が予めわかっていることも、初心者やアマチュア向きです。
SL解消勝率が見込みやすい取引を、ポジション保有時間が短くて済む時間帯に限定しているのです。
でもメリットばかりじゃありません。
ここでの話でわかるように、@ 微益を狙う取引を繰り返すと、相対的にスプレッドが損益に与える影響が大きくなることがデメリットです。A せっかく目安を決めておいても、利確や損切(特に損切)が目安通りにできない人には、最も取引に向かない時間帯とも言えます。B 日頃の取引では判りやすいテクニカル指標が、この時間帯はアテにならないことが多いという点も、初心者やアマチュアにとってこの時間帯の取引を難しくしています。経済指標発表前後の取引では、経済指標そのものの分析が欠かせません。
もし、メリット>デメリット、と思われるなら、次稿の「イグアナを見分ける前に」をお楽しみください。
結論です。
初心者に対し、
という話があります。でも、こんな馬鹿な話はありません。
まだ義父が生きていた頃、犬の散歩中に道端で倒れていたところを、近所のおばさんに助けられました。菓子折持参で後日そのおばさんの家に御礼に伺ったときに聞いた話では、助けられたとき、義父は吐血をごまかすため「スイカにあたった」と言ったそうです。どれだけスイカを食べても、そんなことにはなりません。
スイカはあたらないわよねぇ、と近所のおばさんも話していました。でも、ウソはついても義父は紳士でした。
別に、ソウユウ人ニナリタイ訳じゃないにせよ、ウソが嫌いなのです。
スキャル専用口座とHPで公言している会社です。取引回数が増えるほど、キャッシュバック額も多くなります。今なら「小林芳彦あられ」のプレゼントももらえます。あられが欲しいとは思わないけれど、私は同氏のファンです。
同氏はホンモノに強いので、大きな指標発表前には取引を控えることを表明しています。確かに、かつて同氏のツイッター通りに1か月ぐらい取引したら、その間の勝率は70%ぐらいになりました。きっと、エントリーとイグジットのタイミングを私がもっとうまく捉えられたなら、この勝率は更に高くなっていたのでしょう。
会員限定の彼の解説が読めることも、この会社を薦める理由です。
経済指標発表前後以外は、彼の相場感をアテにして、エントリーとイグジットのタイミングやミスジャッジしたときの撤退(損切)のセンスを磨くというのは、練習法としてアリだと思います。
彼の解説を読んで思うのは、テクニカル指標や、個々のファンダメンタルの変化を捉えるだけではダメだということです。それらの軽重判断を反応方向や程度に結び付けて、収益期待値が高く保てないと、有益な相場観とは言えないことがよくわかります。
- スワップ(利息)を狙って長期ポジションを保有するなら、FXは銀行の両替よりもかなりお得ですよ
- 外貨への両替コストを考えると、FXは非常に安いと言えますよ
という話です。
そんな馬鹿な話はありません。
特に、微益を積み重ねるスキャルピング手法や、本ブログのように経済指標発表前後の短時間だけの取引を行う手法でFXをやる人は、こんな話に騙されてはいけません。
スワップの話は説明が簡単ですが、スプレッドについては簡単にいきません。そもそも、FX会社が「手数料なし・スプレッドあり」と、それらをわざわざ使い分けている意味を不思議に思ったことがある人は多いでしょう。この意味を理解できるレベルの取引を行うためには、リスク・リワード(リスクに見合った利益狙い)的な考えを自分の取引に持ち込む必要があります。
いいですか。
仮に経済指標発表前後の取引で、1回の利確/損切の平均値が5〜10pipsだとしましょう。もしスプレッド0.5〜1pips(EUR・GBP・AUDの円クロスでよくあるスプレッド)で取引しているなら、利確/損切の平均値はスプレッドの10倍です。このとき、支払ったスプレッドに見合う勝率は55%、という考え方があります。
この勝率はある種の約束事があって算出される目安となります。
今回の話は、こうしたリスク・リワードに関して、です。
結論は「短期取引で微益を積み重ねる方法で取引に臨むなら、決してスプレッドは安くない」です。昔に比べればスプレッドが安くなった、なんてことは関係ありません。昔も今も、短期取引中心でFXをやるなら、どのくらいスプレッドが安くないのかを定量的に掴んで、効率的な取引を心がけた方が良い、という話です。
こうした考え方は、個別の取引を有利に行う細かな方法論よりも先に知っておいた方が良いはずです。リスクの捉え方は難しいものの(まして、その定量化はとても難しいものの)、話題を限定すれば初心者にだってわからない話ではありません。
要は、リスクに見合わない勝負をやるべきではない、という話にすぎないのですから。
ーーー$€¥£A$ーーー
先に、巻頭に挙げたスワップの話がおかしい点を片づけておきましょう。
この話のおかしさにまだ気づかない初心者に、こんな話をする人はどういうつもりなのでしょう。少なくとも、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケヌ…で描かれるような人になりたいなら、そんな誤解をしている人には「ダメですよ」と穏やかに諭してあげるべきでしょう。
そもそも数秒〜数時間の取引を行う人にとって、スワップなんて全く関係ありません。スワップが関係ない取引をしているのに、クロス円の取引で買ポジションの方が売ポジションよりも好きになる理由もありません。どうせ初心者は、ひとつのポジションを1年も2年も保有し続けたりしません。むしろ、やたら無駄な売買が多くて、ポジションを保有している合計時間が結果的に長くなりがちなことの方が問題なぐらいです。だからと言って、普通は長期のポジション保有を初心者に勧めたりはしません。初心者なのに取引の練習回数をこなせなくなるからです。だから、初心者にFXのスワップはお得ですよという話は、初心者に物事を教えるセンスが致命的に欠けているのです。
自分が初心者だった頃、いろいろFX関連書籍を買って、ひどい目にあった考え方にはちょっと辛辣にあたります。
ーーー$€¥£A$ーーー
さて、本稿主題に向けて話を進めます。
例えば、空港の銀行窓口で両替した外貨の多くは、海外で相応額のモノやサービスに変わります。つまり、高いと言っても、両替手数料が僅かと思えるだけの価値に交換されています。
もう10年以上前の話ですが、フィリピンでポーク料理を頼んだら、給仕が私の足に料理を落としてズボンが肉に絡めた豚の血だらけになったことがありました。当り前ですが、血だらけのズボンでホテルに戻ると、フロントでちょっとした騒ぎになりました。そしたら、一緒に食事をして事情を知っている友人まで、わざとらしく私から離れて遠巻きの人の群れに加わったのです。
人間の本性はこういうときにわかります。
ともあれ、どっかのカード会社が宣伝していたように、プライスレスなことが起きた訳です。後日の引落では両替コストもちゃっかり取られていたけど、そんなことはプライスレスな体験に比べれば大したことないだろう、と言うのがカード会社の言い分です。ちなみに、フィリピンペソの両替手数料は、使ったお金の20%ぐらいだったと記憶しています。
それでも、カード会社の言い分の方がまともです。20%の両替コストこそ差っ引いたものの、プライスレスな教訓が得られた訳ですから。考えようによっては、このぐらいの手数料なんて、FXを短期取引で継続的にやることに比べれば安いものです。
※ いま、この話をかみさんにしたら、私の勘違いだったようです。少なくとも当時、カード会社はフィリピンペソを扱っていなかったそうです。きっと、カード払いはUSDだったのでしょう。でも、カード会社のUSDJPYスプレッドはざっくり10%ぐらいあったはずです。両替コストが10%でも、ここでの論旨に変わりないので、面倒くさいから書き直しません。手抜きをご容赦願います。
ーーー$€¥£A$ーーー
次に、いつものように先に単純化して問題のイメージを掴みましょう。
もしFXでスプレッドが1.0と表記されているならば、1通貨単位あたり0.01単位の両替費用が往復で掛かる、ということです。
1USD=100.00JPY(買レート)のとき、1枚(1万USD)買ったとします。
そして、1USD=100.01JPY(同じ買レート)のとき、それを売ったとしましょう。
スプレッドが0.01USDあるのだから、このときの利益は0です。
1pipsを稼ぐには、1USD=100.02JPY(同じ買レート)になるまで待たなければいけません。2pips動く方向を当てないといけない訳です。
同じように、1USD=100.00JPY(買レート)のとき、1枚買ったとします。
このとき、1USD=99.99JPY(売レート)でそのポジションを手放すことは、通常あり得ません。買レートが1USD=100.00JPYのとき、既に売レートは1USD=99.99JPYだったからです(買った瞬間に負けているpipsがスプレッドです)。
だから、もしスプレッド分に加えて1pipsで損切を行うなら、同じ買レートが1USD=99.99JPYのときです。この例では1pipsのつもりでいたのに2pipsを失うことになります。
これらの例で勝率が50%のとき、取引を2回行うごとに1pipsを失います。損益分岐の勝率は67%ということになります。勝率67%が最低限求められる取引がどれほど不利な勝負かは明らかです。
スキャルピングで微益を狙って良いのは、高い勝率を安定して維持できるベテランだけです。初心者は高い勝率を維持できません。そのベテランは、損益分岐の勝率が67%にも達するような勝負は避けるものです。
まずは当り前のことを長々と書きました。
ーーー$€¥£A$ーーー
大雑把に話が掴めたら、次はリスク・リワード的な考え方に焦点を移しましょう。
例えば、USDJPYはスプレッドが一般に狭く0.3pipsぐらいのところが多いようです。いま、直前1分足の過去平均陰線率が60%で、過去平均値幅が1・2pips程度しかない指標があったとします。このような場合、利確/損切の目安を1.5pipsにおくと、それはスプレッドの5倍ということになります。
もし、このような取引を100回行い、期待通りの勝率60%だったなら、手元には、
1.5pips✕(利確60回分ー損切40回分)=30pips、が残ります。対して、100回の売買で支払ったスプレッドは、0.3pips✕100回=30pips、です。
さて、取引100回ごとに勝ち負けに関係なくスプレッド30pips支払うなら、その100回の取引での利幅はせめて30pips以上を狙いたくはないでしょうか。元の話に戻れば、それがスプレッドの5倍以上の利確を狙うということです。そのためには、最低でも勝率60%が必要だということです。
この勝率を「スプレッドリスク解消勝率(以下「SL解消勝率)」と呼ぶことにします。
でも、間違わないでください。
SL解消勝率を下回っても、毎回の利確幅と損切幅を等しく保てば、勝率50%さえ超えれば利益を残せます。但し、この例のように取引100回あたり30pipsのスプレッドを払って、その間に30pipsしか稼げないなら、リスクに見合った利益が得られていないという考え方だって成り立ちます。
まして、100回の取引で残した利益が2pips(勝率51%)だったなら、その間に30pipsのスプレッドを払うことは、損こそしていないものの、手間ヒマをかけた分だけリスクに見合った取引だったとは言えません。
このように、収益の多寡にこだわって「リスク・リワード(リスクに見合った見返り)」に適った取引だったか、を問題視してみましょう。
考察が専門家ほど緻密で網羅性に欠けるこのブログでは「リスク・リワード的(リスク=潜在的負担に見合った目標利益と意訳)」と呼び、スプレッド負担と同じ利益となるSL解消勝率にこだわることに留めましょう。
当然、実際のリスク・リワードはスプレッドだけを補償しても足りません。実際のリスク・リワードのリスクとはスプレッド分だけじゃありません。だから、SL解消勝率は最低限目指すべき勝率ということになります。
ーーー$€¥£A$ーーー
何を問題視しているかが伝わったら、最後にこの話を一般化します。
スプレッドがいくらであれ、いま、スプレッドのX倍のpipsでの利確を狙う取引を行うことにします。そして、もし狙いが外れたら、損切も同じくスプレッドのX倍のpipsで行うことにします。
スプレッドがspipsならば、100回の取引で100spipsがスプレッド分として奪われます。
その一方、スプレッドのX倍を利確/損切の目安とすれば、100spipsというスプレッド分は、100s/(s・X)=100/X回、の利確で得られます。100回の取引で、利確が損切よりも100/X回だけ多くなる勝率は、100/X回の半分が50回を上回れば良いので、
50+0.5✕(100/X)[%]
となります。
これが、スプレッド負担に等しい利幅が得られる勝率ということになります。
判りやすく導いたつもりですが、数式導出過程というのは、読むのが苦になりがちです。そこで、これを図示しておきます。
この図は、利確の目安がスプレッドの何倍か(横軸)によって、SL解消勝率(縦軸)が何%になるかを示しています。
流行りのトルコリラの円クロスでは、スプレッドが5pipsぐらいのところが多いようです。これほどスプレッドが高いのに、もしたったの10pips(スプレッドの2倍)を利確/損切の目安にしたらどうなるでしょう。
上図でSL解消勝率を読み取ると、それは75%にも達します。初心者どころか、ふつうのアマチュアが安定して勝率75%を超えることなど、まず考えられません。私にはトルコリラ取引は無理かも知れません。
では次に、トルコリラの円クロスで狙いをスプレッドの10倍50pipsにしたらどうなるでしょう。
前述の最低勝率は55%まで下がります。でも、いくらよく動くトルコリラでも、短時間で50pipsの上下動が期待できる場面は限られています。50pips以上の上下動を狙うために、短期取引のつもりが短期ですまなくなるのです。そのときは、ポジション保有時間が長くなる分だけスプレッド以外のリスクも無視できなくなる、と考えられないでしょうか。
そして、アマチュアにはスプレッド以外のリスクを定量化できません。このことが致命傷に繋がりかねないのです。やっぱり、私にはトルコリラ取引は無理なようです。
ーーー$€¥£A$ーーー
本題に戻ります。
昔に比べれば安いと言っても、客観的に見ればスプレッドは決して安いコストではありません。
FXをやる人は、プライスレスな経験をしたいのでなく、プライス差が生じることにスプレッドを払っているのです。スプレッドが高いか安いかは、そのプライス差との比較によって決まります。
このことは、
- FXでの取引で大事なことは、勝率でなく最終的な損益
という話の適用場面を誤解してはいけないことにも繋がります。
このブログで取り上げている経済指標発表前後の短期取引に限らず、狙うpipsが相対的に小さくなるスキャルピング手法では、最終的な損益と勝率とが直結しやすいのです。
だから、初心者やアマチュアにスキャルピングを勧めているにも関わらず、勝率にこだわらないとうそぶく解説は、長くFXをやっている人からすればちょっと変なのです。別にウソだと決めつけて批難している訳じゃありません。悪意がなくて底抜けに思慮が足りないのに、やたら勝負強い人というのもいるからです。
最初の方で挙げたように、自分が初心者だった頃、いろいろFX関連書籍を読んで、ひどい目にあった考え方にはちょっと辛辣にあたります。
ーーー$€¥£A$ーーー
ちなみに、このブログでの取引は、経済指標発表結果の良し悪しとチャート上の動きの程度や方向の関係を用いたやり方です。この方法は、@ ポジションのエントリーやイグジット(発注と決済)のタイミング判断や、トレンドの継続や転機を読む相場観形成といったことには、あまり悩まなくても済むというメリットがあります。選択肢を予め狭めて取引の難易度を下げているのです。
それに、多くの人にとっては意外なことに、ほとんどの経済指標発表前後の取引では、たった数pipsとか、せいぜい10数pipsを狙うことになります。A 損失もその程度に収まるので、初心者やアマチュア向けと言えるでしょう。また、B チャート上に動きが生じる時刻が予めわかっていることも、初心者やアマチュア向きです。
SL解消勝率が見込みやすい取引を、ポジション保有時間が短くて済む時間帯に限定しているのです。
でもメリットばかりじゃありません。
ここでの話でわかるように、@ 微益を狙う取引を繰り返すと、相対的にスプレッドが損益に与える影響が大きくなることがデメリットです。A せっかく目安を決めておいても、利確や損切(特に損切)が目安通りにできない人には、最も取引に向かない時間帯とも言えます。B 日頃の取引では判りやすいテクニカル指標が、この時間帯はアテにならないことが多いという点も、初心者やアマチュアにとってこの時間帯の取引を難しくしています。経済指標発表前後の取引では、経済指標そのものの分析が欠かせません。
もし、メリット>デメリット、と思われるなら、次稿の「イグアナを見分ける前に」をお楽しみください。
ーーー$€¥£A$ーーー
結論です。
初心者に対し、
- スワップ(利息)を狙って長期ポジションを保有するなら、FXは銀行の両替よりもかなりお得ですよ
- 外貨への両替コストを考えると、FXは非常に安いと言えますよ
という話があります。でも、こんな馬鹿な話はありません。
まだ義父が生きていた頃、犬の散歩中に道端で倒れていたところを、近所のおばさんに助けられました。菓子折持参で後日そのおばさんの家に御礼に伺ったときに聞いた話では、助けられたとき、義父は吐血をごまかすため「スイカにあたった」と言ったそうです。どれだけスイカを食べても、そんなことにはなりません。
スイカはあたらないわよねぇ、と近所のおばさんも話していました。でも、ウソはついても義父は紳士でした。
別に、ソウユウ人ニナリタイ訳じゃないにせよ、ウソが嫌いなのです。
以上
スキャル専用口座とHPで公言している会社です。取引回数が増えるほど、キャッシュバック額も多くなります。今なら「小林芳彦あられ」のプレゼントももらえます。あられが欲しいとは思わないけれど、私は同氏のファンです。
同氏はホンモノに強いので、大きな指標発表前には取引を控えることを表明しています。確かに、かつて同氏のツイッター通りに1か月ぐらい取引したら、その間の勝率は70%ぐらいになりました。きっと、エントリーとイグジットのタイミングを私がもっとうまく捉えられたなら、この勝率は更に高くなっていたのでしょう。
会員限定の彼の解説が読めることも、この会社を薦める理由です。
経済指標発表前後以外は、彼の相場感をアテにして、エントリーとイグジットのタイミングやミスジャッジしたときの撤退(損切)のセンスを磨くというのは、練習法としてアリだと思います。
彼の解説を読んで思うのは、テクニカル指標や、個々のファンダメンタルの変化を捉えるだけではダメだということです。それらの軽重判断を反応方向や程度に結び付けて、収益期待値が高く保てないと、有益な相場観とは言えないことがよくわかります。
広告以上