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2023年11月11日

コラッツ予想(その9)

 コラッツの数式を実際に自分で計算してみて、恐らく、数学のシロウトの方でも、すぐに気が付いた点があったと思います。それは、
「どの整数の計算でも、最後の1になる手前は、いずれも同じ過程を経ている」という事です。
 あらためて、3と7と15の計算経路を並べてみましょう。

「3」3、10、5、16、8、4、2、1
「7」7、22、11、34、17、52、26、13、40、20、10、5、16、8、4、2、1
「15」15、46、23、70、35、106、53、160、80、40、20、10、5、16、8、4、2、1

 とまあ、10以降の数字は完全に一致しているのであります。7と15は、40の時点で、もう重なっています。

 でも、これは、別にぜんぜん不思議な話でもないのです。
 そもそも、コラッツの計算式で、答えが1になる為には、同じ計算をするしかないからなのであります。

 具体的に言っちゃいますと、
「答えが1になる計算式は「偶数n 割る2」の n に「2」を当てはめたものしかない」のです。
 他のいかなる整数を n に当てはめてみても、絶対に1にはなりません。これは、確定した明白な事実なのです。

 では、奇数の計算式「奇数n ×3+1」に何らかの整数を当てはめてみた場合、答えが1になるかと言うと、やはり、こちらも絶対に1になる事はありません。×も+も、数字を大きくするだけなので、1になるはずがないのです。

 コラッツ予想で使用できる数式は、この二つしかありません。だったら、必然的に、
「答えが1になる計算式は「2割る2」しかない」と言う結論が導き出される訳です。


 続いて、「答えが2になる」計算式を考えてみましょう。

 実は、こちらも「偶数n 割る2」の n に「4」を当てはめたものしか存在しないのであります。他のどんな偶数も、この計算式によって2にはならないのです。

 そして、「奇数n ×3+1」の数式からも、2という答えを作る事はできません。最小の(整数の)奇数は1ですので、1をこの計算式に当てはめたのでは、1以上の数にしかならないからです。1が無理なら、他の大きな数字だって、もう絶対に1になるはずがないのであります。


 なんだか、ものすごく当たり前のことを書いているように見えるかも知れませんが、この事実は、コラッツの数式を考える上で、とても重要なポイントです。

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