アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

ミニッツリピーター

セイコーのミニッツリピーター、世界が驚く


朝日新聞 2012.08.13 夕刊より抜粋

正確さや安さなど、実用性は誰もが認める「セイコー」の腕時計。
でも海外では、欧州などの高級時計には及ばない「中級ブランド」として受け止められてきた。
そんな評価を、昨年完成させた1本の腕時計が覆しつつある。



価格は税込み3465万円。
暗闇でも鐘の回数で時間を知らせる「ミニッツリピーター」と呼ばれる機械仕掛けの時計だ。
外周部分の出っ張ったボタンを押すと、内部の小さなハンマーが鐘を打つ。
→ こういう素晴らしい精密な高級時計を作れる職人がいたことに誇りを感じます。

「チーン、チーン」と澄んだ音だ。
「つくるには、高い技術と手先の器用さが求められるんです」
→ リピーター(Repeater)とは、時計において、ボタンまたはレバーを操作すると現在時刻を鐘の音で知らせる機構のことです。

部品は、ごく薄い金属の板のようなモノなど、660個にも上る。
丸い部品や角張った部品。
米粒ほどのは、まだ大きい方だ。
一番小さいのは直径0.3mmの留め具。
ピンセットでつまみ、顕微鏡越しに、時計の枠の中でかみ合わせていく。
手が震えるような人なら、とても太刀打ちできない。

職人ならではの工夫も凝らした。
できれば日本の情緒を表現したいと思った。

兵庫県の「明珍風鈴」の音を手本にした。
音を響かせる肝となるのは厚さ0.6mmの鐘。
100分の1mmの誤差でも正確さが損なわれ、音は汚れてしまう。
ハンマーや鐘を何度もヤスリで磨いて、微調整を繰り返した。

1本つくるのに半年。
並行してつくったり、一部を同僚にゆだねだりしても、年3本つくるのが限度だ。
これを通しでつくれる職人は、世界でも少ない。

量産品を得意とするセイコーにその万人がいたことに、世界が驚いた。
スイスでの見本市に出すと、日本的な音色や、時を刻む正確さ、壊れにくさが最上級の評価を受けた。

社内では長く異端児扱いだった。
12年前、会社が大量生産に力を入れるなか「職人を育てるべきだ」と経営陣に直訴。
すぐあとに技術部門から、新設された「工房」への異動を命じられた。
たった一人
窓際族の扱いだった。

普段から「人からものを教わっていてはだめ。教わっているうちは師匠を超えられない」と言い放つ職人気質。
でも、直訴したのは同僚や後輩への思いからだった。

セイコーも1970年代までは、世界の技術水準に追いつこうと、社をあげて職人を育てた。
職人たちに不幸だったのは、量産に向いたクォーツ時計の成功だった。
職人が次々と大量生産のラインに回された。
「『このままではセイコーのミニッツリピーターは、内蔵するクォーツが機械部分の動きを制御する。
ボタンを押すと、鐘が時間の数だけ鳴り、暗闇でも時刻を知ることができる。
技能が途絶えてしまう』と、焦りを感じました」

工房に、同僚がポツリポツリと訪ねてきた。
「自分が死んだ後にも残る時計をつくりたい」と移動を望む仲間も現れた。
メンバー6人に増えた
みんなで、会社に内緒で高級腕時計をつくった。

欧州の見本市に出したら、海外のメディアに数多く取り上げられた。

ブランドカを高めるため、高級品に打って出ようという会社の方針とも合い、工房の存在感は高まった。
そして06年、高級腕時計の最高峰とされるミニッツリピータ−づくりの許可が、上から出た。

構想から5年。
やっと納得の音色を出せたとき、部下の前で泣いた。
「人生を笑って振り返るこことができる、侮いのない仕事ができた」。
その後、完成させたのは3本。
すでに1本が売れ、残りも商談中だ

→ 世界に誇れる時計職人がいたことに嬉しいです。
    >>次へ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。