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2017年11月09日
トランプ大統領が横田基地に降り立ったこと
トランプ外交とトランプの言動にマスコミは、甘くないだろうか。
安倍晋三首相は5日、初来日したトランプ米大統領をゴルフや高級鉄板焼き店で歓待した。トランプ大統領の就任後の暴言や過去のセクハラ発言を批判していた日本のマスコミも大統領に先立って来日した長女、そして派手な出で立ちの夫人にすっかり、牙を抜かれたように好意的すぎる映し方、書き方をしている。
日米両首脳の「強固な絆」は、日本のトッププロゴルファーとともに名門ゴルフ場でゴルフをしたことで醸成されるなら、もっとどんどんゴルフをしたほうがいい。
「難しい話題も時々、織り交ぜながら、ゆっくりと突っ込んだ話ができた」と東京五輪の会場となる埼玉県の霞ケ関カンツリー倶楽部で、9ホールを終えて官邸に戻った首相は記者団に述べたそうだ。
ゴルフ人口がどのくらいかは調べていないが、国民の大半はゴルフをやりながら、どうして政治の話ができようか、と思っているに違いない。商習慣でゴルフをやりながら、というのは今もあるだろうが、ゴルフをやりながら北朝鮮との「戦争」の話に花を咲かせていたとしたらこれは許されるものではない。2人のゴルフ場での合意で自衛隊が「言い値」で買わされる航空機やその他の武器。自衛隊がいくら「装備品」と言い換えたところで、火を噴く先は北朝鮮の軍隊と民間人になる。少なくとも、そういう理由で自衛隊は軍備を拡張している。
5日、米軍横田基地に到着したトランプ氏を見て、あ然とさせられたのが、アメリカ軍人への演説をとうとうと流し続け、批判もなく、兵士たちの歓声を流したテレビメディア。あの演説ぶりは、戦争をしている最中に最高司令官たる大統領が慰問に来たのと同じである。
新聞全紙を読んでいないので、間違いがあれば指摘してほしいが、羽田ではなく、横田基地に着いたエアフォースワンについて言及した記事はなかったのだろうか。なぜ羽田ではなく横田なのか。
横田基地と横須賀基地は日本の首都の最大のアメリカ領土である。基地内ではドルが使われ、カジノもある。横田、横須賀から飛び立ったり、出港したりする爆撃機、戦闘機、原子力空母の行き先は、いちいち日本側に報告する必要はない。日米地位協定のもと、アメリカにとって日本は、いまだ占領国と同じ扱いだ。
日本の航空会社の飛行機(いや、民間機はみんな)が東京に着陸する際に、横田基地の管制空域を避けて羽田、成田に向かうために燃料と時間を余計に食っている。戦後73年目になろうとしているから当たり前のように思うかもしれないが、アメリカの軍用飛行機は、優先順位ナンバーワンなのである。
戦後のアメリカの現職大統領の中で、初めて来日した大統領は1974年のフォード大統領。
それ以前の大統領は、ニクソン大統領も来ていない。その後は、トランプ大統領まですべて現職の間に来日しているが、横田基地に降り立った大統領はいたのか?
調べてみると、日本に来日した現職大統領の中で、羽田空港ではなく在日アメリカ軍基地の横田から入国したのは、トランプ大統領が初めてだ。
この事実を報じたメディアはどのくらいあったのだろう。横田から入れば、おそらく入国手続きなども必要なかったのではないか。彼らにとって、属国である日本の存在を世界中に知らしめることができる。YOKOTAなんていう空港の地名は誰も知らない。なぜHANEDA、NARITAでないのか。
まさに日本の主権などないのと同じではないか。しかも、ゴルフ場までヘリで行き、そこにはアベちゃんが待っているというマンガのような構図。マッカーサーと天皇の会見の時の映像が頭にある私には、皇居での天皇とトランプ氏がどうも重なって仕方なかった。
日本は、もっと強い外交をすべきである。安倍首相の対アメリカ政策べったりが、何を意味するのか。WARが始まってからでは遅い。
安倍晋三首相は5日、初来日したトランプ米大統領をゴルフや高級鉄板焼き店で歓待した。トランプ大統領の就任後の暴言や過去のセクハラ発言を批判していた日本のマスコミも大統領に先立って来日した長女、そして派手な出で立ちの夫人にすっかり、牙を抜かれたように好意的すぎる映し方、書き方をしている。
日米両首脳の「強固な絆」は、日本のトッププロゴルファーとともに名門ゴルフ場でゴルフをしたことで醸成されるなら、もっとどんどんゴルフをしたほうがいい。
「難しい話題も時々、織り交ぜながら、ゆっくりと突っ込んだ話ができた」と東京五輪の会場となる埼玉県の霞ケ関カンツリー倶楽部で、9ホールを終えて官邸に戻った首相は記者団に述べたそうだ。
ゴルフ人口がどのくらいかは調べていないが、国民の大半はゴルフをやりながら、どうして政治の話ができようか、と思っているに違いない。商習慣でゴルフをやりながら、というのは今もあるだろうが、ゴルフをやりながら北朝鮮との「戦争」の話に花を咲かせていたとしたらこれは許されるものではない。2人のゴルフ場での合意で自衛隊が「言い値」で買わされる航空機やその他の武器。自衛隊がいくら「装備品」と言い換えたところで、火を噴く先は北朝鮮の軍隊と民間人になる。少なくとも、そういう理由で自衛隊は軍備を拡張している。
5日、米軍横田基地に到着したトランプ氏を見て、あ然とさせられたのが、アメリカ軍人への演説をとうとうと流し続け、批判もなく、兵士たちの歓声を流したテレビメディア。あの演説ぶりは、戦争をしている最中に最高司令官たる大統領が慰問に来たのと同じである。
新聞全紙を読んでいないので、間違いがあれば指摘してほしいが、羽田ではなく、横田基地に着いたエアフォースワンについて言及した記事はなかったのだろうか。なぜ羽田ではなく横田なのか。
横田基地と横須賀基地は日本の首都の最大のアメリカ領土である。基地内ではドルが使われ、カジノもある。横田、横須賀から飛び立ったり、出港したりする爆撃機、戦闘機、原子力空母の行き先は、いちいち日本側に報告する必要はない。日米地位協定のもと、アメリカにとって日本は、いまだ占領国と同じ扱いだ。
日本の航空会社の飛行機(いや、民間機はみんな)が東京に着陸する際に、横田基地の管制空域を避けて羽田、成田に向かうために燃料と時間を余計に食っている。戦後73年目になろうとしているから当たり前のように思うかもしれないが、アメリカの軍用飛行機は、優先順位ナンバーワンなのである。
戦後のアメリカの現職大統領の中で、初めて来日した大統領は1974年のフォード大統領。
それ以前の大統領は、ニクソン大統領も来ていない。その後は、トランプ大統領まですべて現職の間に来日しているが、横田基地に降り立った大統領はいたのか?
調べてみると、日本に来日した現職大統領の中で、羽田空港ではなく在日アメリカ軍基地の横田から入国したのは、トランプ大統領が初めてだ。
この事実を報じたメディアはどのくらいあったのだろう。横田から入れば、おそらく入国手続きなども必要なかったのではないか。彼らにとって、属国である日本の存在を世界中に知らしめることができる。YOKOTAなんていう空港の地名は誰も知らない。なぜHANEDA、NARITAでないのか。
まさに日本の主権などないのと同じではないか。しかも、ゴルフ場までヘリで行き、そこにはアベちゃんが待っているというマンガのような構図。マッカーサーと天皇の会見の時の映像が頭にある私には、皇居での天皇とトランプ氏がどうも重なって仕方なかった。
日本は、もっと強い外交をすべきである。安倍首相の対アメリカ政策べったりが、何を意味するのか。WARが始まってからでは遅い。
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2017年04月15日
安孫子のリンさん殺人事件、社会に問題がないのか
安孫子のリンさん殺人事件、社会に問題がないのか
ベトナム国籍のリンさん9歳が千葉県我孫子市の排水路脇で殺害されていた事件で、通っていた松戸市の小学校の保護者会会長の男46歳が14日朝、遺体遺棄の疑いで逮捕された。
容疑者の男は黙秘しているというから事件の全容解明には時間がかかるだろう。テレビの映像を見ると容疑者は顔を隠すでもなく、車に乗り込んでいた。犯人らしくない容疑者に見える。
決定的な証拠は現場に残された遺留物に付着したDNAが容疑者のものと酷似していることらしいが、DNA鑑定だけによる逮捕は、これまでにもいくつもの誤認逮捕や冤罪を生んでいるだけに、現時点で論評するのはやめておこうと思う。
ただ、ベトナム国籍の9歳の女の子が大人に殺害されたことは事実で、現場の状況から見ると、女児への乱暴目的だったように報道されている。痛ましい、というだけでなく、こうした事件には怒りを覚える。
どうして、幼女を相手にする犯罪を未然に防げなかったか、ということだ。
仮に逮捕された男が犯人なら、子どもの保護者会の会長でもあり、送り迎えの通学路の安全を守るために道に立っていた男が突然、豹変して幼児を襲ったことになる。
これをどう捉えればよいのだろう。変質者、異常性欲者など、いくつかの言葉で表現できても、私たちの社会の中で、だれが、いつ犯罪に手を染める人なのかはわからない。では、未然に防ぐためには、どうしたらよいのか。カメラからの監視ではなく、近所付き合いだったり、友達付き合いだったり、家族の結束力だったり、そうした周囲の力に頼るしかない、と思うのだ。
それができないときに、こうした事件が起こる。家族との絆だったり、友人との約束だったり、会社という組織の中での責任であったり、そうしたものがあると、忍び寄る悪の手や、自らの勝手な欲望に対して、ストッパーが自然に働く。それが社会の中の人間というものだ。
逮捕された男が真犯人だとして、どうして保護者会の会長をしたり、通学路の安全を守るなど社会の中で必要とされていた男が、考えられない犯行に及んだのか。その先は、現代の深い闇の中にあるような気がしてならない。
幼児ポルノや女性の人権を無視したようなポルノ映像は、インターネットの爆発的は普及で誰でも、どこでも見られる、と言ってもいい。しかも、お金もかからないで、いとも簡単に見られる。IT技術を始めとする科学技術の進歩が新しい道徳や倫理の確立よりはるかに速いスピードで進んでしまったために、子どもたちに有害なポルノ映像が流れたり、今回の事件の背景にある変質者を生む下地になってはいるのではないだろうか。
現代社会の歯車が、どこか狂っているのかもしれない。少しずつの狂いがやがて取り返しのつかない大きな狂いへと発展するかもしれない。
私たちは今回の事件の全容を注視し、現代社会に潜む闇の中からの、「悪のささやき」を根絶させる努力をしなければならない。
それは日本だけでなく、アジア、全世界へと広げる必要があると思う。
ベトナムから希望を抱いて来日した若いご夫婦の、大切な娘のリンさんの命と引き換えに、私たちひとりひとりは重い課題を背負わなければならない。
ベトナム国籍のリンさん9歳が千葉県我孫子市の排水路脇で殺害されていた事件で、通っていた松戸市の小学校の保護者会会長の男46歳が14日朝、遺体遺棄の疑いで逮捕された。
容疑者の男は黙秘しているというから事件の全容解明には時間がかかるだろう。テレビの映像を見ると容疑者は顔を隠すでもなく、車に乗り込んでいた。犯人らしくない容疑者に見える。
決定的な証拠は現場に残された遺留物に付着したDNAが容疑者のものと酷似していることらしいが、DNA鑑定だけによる逮捕は、これまでにもいくつもの誤認逮捕や冤罪を生んでいるだけに、現時点で論評するのはやめておこうと思う。
ただ、ベトナム国籍の9歳の女の子が大人に殺害されたことは事実で、現場の状況から見ると、女児への乱暴目的だったように報道されている。痛ましい、というだけでなく、こうした事件には怒りを覚える。
どうして、幼女を相手にする犯罪を未然に防げなかったか、ということだ。
仮に逮捕された男が犯人なら、子どもの保護者会の会長でもあり、送り迎えの通学路の安全を守るために道に立っていた男が突然、豹変して幼児を襲ったことになる。
これをどう捉えればよいのだろう。変質者、異常性欲者など、いくつかの言葉で表現できても、私たちの社会の中で、だれが、いつ犯罪に手を染める人なのかはわからない。では、未然に防ぐためには、どうしたらよいのか。カメラからの監視ではなく、近所付き合いだったり、友達付き合いだったり、家族の結束力だったり、そうした周囲の力に頼るしかない、と思うのだ。
それができないときに、こうした事件が起こる。家族との絆だったり、友人との約束だったり、会社という組織の中での責任であったり、そうしたものがあると、忍び寄る悪の手や、自らの勝手な欲望に対して、ストッパーが自然に働く。それが社会の中の人間というものだ。
逮捕された男が真犯人だとして、どうして保護者会の会長をしたり、通学路の安全を守るなど社会の中で必要とされていた男が、考えられない犯行に及んだのか。その先は、現代の深い闇の中にあるような気がしてならない。
幼児ポルノや女性の人権を無視したようなポルノ映像は、インターネットの爆発的は普及で誰でも、どこでも見られる、と言ってもいい。しかも、お金もかからないで、いとも簡単に見られる。IT技術を始めとする科学技術の進歩が新しい道徳や倫理の確立よりはるかに速いスピードで進んでしまったために、子どもたちに有害なポルノ映像が流れたり、今回の事件の背景にある変質者を生む下地になってはいるのではないだろうか。
現代社会の歯車が、どこか狂っているのかもしれない。少しずつの狂いがやがて取り返しのつかない大きな狂いへと発展するかもしれない。
私たちは今回の事件の全容を注視し、現代社会に潜む闇の中からの、「悪のささやき」を根絶させる努力をしなければならない。
それは日本だけでなく、アジア、全世界へと広げる必要があると思う。
ベトナムから希望を抱いて来日した若いご夫婦の、大切な娘のリンさんの命と引き換えに、私たちひとりひとりは重い課題を背負わなければならない。
2017年04月13日
トリプルアクセルにこだわった真央のプライド
浅田真央の引退はスケートファンだけでなく、普段スポーツに興味のない人も気にかかる国民的な関心事だった思う。昨日、12日昼の会見には430人もの報道陣と50台ものカメラが詰めかけた。
真央ちゃんと呼び掛けたいところだが、ここはあえて真央と書かせていただく。
残念ながら直接、彼女を取材した経験はない。でも、フィギュアの世界をちょっとだけのぞいたことがある。1992年のアルベールビルオリンピックで銀メダルを取った伊藤みどり世代は、品川スケートリンクでちょくちょく取材した。
トリプルアクセルを覚えたのはそのころだ。覚えたという表現は、どうかと思うが、もちろん自分で跳んだわけではなく、伊藤に教えてもらった。あー、これがトリプルアクセルなのかと。
フィギュアの解説を聞いていると、トリプルルッツ、トリプルサルコーなど技を次々に解説してくれる。じゃあ、トリプルアクセルは?
ほかのルッツ、サルコ―、トーループなどと違って、アクセルは新人のスポーツ記者にとって、最初に区別できる技だ。前へ跳ぶのである。前を向いて跳ぶのがアクセル、と教えてくれたのが伊藤みどりであり、その最大の武器であった3回転アクセルの難しさがわかった。
「アクセルは、車のアクセルと同じ。踏み込んで前へ行く。
だから前向きのジャンプがアクセルなんです。これが難しい。後ろに回るのは比較的簡単だけど、前を向いて踏み切って回転して降りるのは、結構怖いんです」
当時の、フィギュア広報担当者が教えてくれた。伊藤は、これで銀メダルを取った。
それ以来、フィギュア競技を見たり、後輩に教えたりするときには、まず、アクセルとほかのジャンプをすぐに見分ける目を持つことを勧めている。
真央は名古屋のフィギュアクラブで伊藤を見て育った。「伊藤みどりさんのトリプルアクセルを跳びたいと思って練習に励んだ」と真央はこれまでに繰り返している。
3アクセルは、高度な技だ。着地が難しい。(ちなみに選手たちは「降りる」という表現を使う)リスクが伴う。失敗すれば減点される。女子でこの技を試合で出せるのは、今でもほんの一握りのトップ選手しかいない。
アクセルで得点を重ねるか、ルッツからトーループなどの連続3回転で得点を挙げるか。採点方法の変更もあって、金と銀という結果が分かれたのが、バンクーバーオリンピックのヨナ・キム(ちなみに真央はヨナ・キムと呼ぶ。マオ・アサダと同じ国際的な呼び方と同じ)との対戦だった。真央がなぜ、金ではないのか、と思った人は多かっただろう。
銀メダルで涙を流した真央を見た時、「もうオリンピックでメダルは取れないだろう」と僕は直感した。伝えられていた、それまでの真央のハードな練習と苦悩が凝縮された演技だったにもかかわらず、ヨナ・キムに負けた。この採点方式では、彼女は勝てない。3アクセルにこだわって、完成させていたにもかかわらず勝てなかった。その悔しさを思うと、次のオリンピックでは無理だろうと思った。
それでも飛び続けた。そこに真央の競技者としての探求心とプライドがあったのだと思う。一度、休んでから、ピョンチャンへの挑戦ができたのも、3アクセルで魅了し続けた栄光と自信の裏付けがあったからだと思
う。3アクセルが彼女の武器でなかったなら、ここまで競技を続けることはなかったはずだ。
昨日の1時間以上にわたった会見のなかで、こんな質問をした記者がいた。
「3アクセルに声をかけるとすれば?」
「3アクセルに声をかける? う〜ん、なんでもっと簡単に跳ばせてくれないのという感じ」
聞いた記者の質問は突飛で、テレビ取材の悪影響だなあ、と苦笑した。3アクセルを擬人化し、しかも「どんな声を掛ける?」とお決まりの、フレーズを使っていたからだ。
それに答えた真央は偉かった。3アクセルを自分でも擬人化し、「なんでもっと簡単に跳ばせてくれないの」と返した。
何度も成功させ、真央の代名詞のように言われた3アクセルは、それほど難しかった。練習でも降りられないのに、それでも本番に賭ける真央を見て、繰り返しになるが、競技者の探求心とプライドを感じないわけにはいかなかった。
オリンピックでの金メダルは、予想通り取れなかった。でもソチでのフリー演技を全世界のスポーツファンが見られたことは幸運としか言いようがない。前へ進むことの大切さを若者にも、そして私のように年を重ねた者にもリンク上から見せてくれた。「前へ」だからアクセルにこだわったのかもしれない。
真央ちゃんと呼び掛けたいところだが、ここはあえて真央と書かせていただく。
残念ながら直接、彼女を取材した経験はない。でも、フィギュアの世界をちょっとだけのぞいたことがある。1992年のアルベールビルオリンピックで銀メダルを取った伊藤みどり世代は、品川スケートリンクでちょくちょく取材した。
トリプルアクセルを覚えたのはそのころだ。覚えたという表現は、どうかと思うが、もちろん自分で跳んだわけではなく、伊藤に教えてもらった。あー、これがトリプルアクセルなのかと。
フィギュアの解説を聞いていると、トリプルルッツ、トリプルサルコーなど技を次々に解説してくれる。じゃあ、トリプルアクセルは?
ほかのルッツ、サルコ―、トーループなどと違って、アクセルは新人のスポーツ記者にとって、最初に区別できる技だ。前へ跳ぶのである。前を向いて跳ぶのがアクセル、と教えてくれたのが伊藤みどりであり、その最大の武器であった3回転アクセルの難しさがわかった。
「アクセルは、車のアクセルと同じ。踏み込んで前へ行く。
だから前向きのジャンプがアクセルなんです。これが難しい。後ろに回るのは比較的簡単だけど、前を向いて踏み切って回転して降りるのは、結構怖いんです」
当時の、フィギュア広報担当者が教えてくれた。伊藤は、これで銀メダルを取った。
それ以来、フィギュア競技を見たり、後輩に教えたりするときには、まず、アクセルとほかのジャンプをすぐに見分ける目を持つことを勧めている。
真央は名古屋のフィギュアクラブで伊藤を見て育った。「伊藤みどりさんのトリプルアクセルを跳びたいと思って練習に励んだ」と真央はこれまでに繰り返している。
3アクセルは、高度な技だ。着地が難しい。(ちなみに選手たちは「降りる」という表現を使う)リスクが伴う。失敗すれば減点される。女子でこの技を試合で出せるのは、今でもほんの一握りのトップ選手しかいない。
アクセルで得点を重ねるか、ルッツからトーループなどの連続3回転で得点を挙げるか。採点方法の変更もあって、金と銀という結果が分かれたのが、バンクーバーオリンピックのヨナ・キム(ちなみに真央はヨナ・キムと呼ぶ。マオ・アサダと同じ国際的な呼び方と同じ)との対戦だった。真央がなぜ、金ではないのか、と思った人は多かっただろう。
銀メダルで涙を流した真央を見た時、「もうオリンピックでメダルは取れないだろう」と僕は直感した。伝えられていた、それまでの真央のハードな練習と苦悩が凝縮された演技だったにもかかわらず、ヨナ・キムに負けた。この採点方式では、彼女は勝てない。3アクセルにこだわって、完成させていたにもかかわらず勝てなかった。その悔しさを思うと、次のオリンピックでは無理だろうと思った。
それでも飛び続けた。そこに真央の競技者としての探求心とプライドがあったのだと思う。一度、休んでから、ピョンチャンへの挑戦ができたのも、3アクセルで魅了し続けた栄光と自信の裏付けがあったからだと思
う。3アクセルが彼女の武器でなかったなら、ここまで競技を続けることはなかったはずだ。
昨日の1時間以上にわたった会見のなかで、こんな質問をした記者がいた。
「3アクセルに声をかけるとすれば?」
「3アクセルに声をかける? う〜ん、なんでもっと簡単に跳ばせてくれないのという感じ」
聞いた記者の質問は突飛で、テレビ取材の悪影響だなあ、と苦笑した。3アクセルを擬人化し、しかも「どんな声を掛ける?」とお決まりの、フレーズを使っていたからだ。
それに答えた真央は偉かった。3アクセルを自分でも擬人化し、「なんでもっと簡単に跳ばせてくれないの」と返した。
何度も成功させ、真央の代名詞のように言われた3アクセルは、それほど難しかった。練習でも降りられないのに、それでも本番に賭ける真央を見て、繰り返しになるが、競技者の探求心とプライドを感じないわけにはいかなかった。
オリンピックでの金メダルは、予想通り取れなかった。でもソチでのフリー演技を全世界のスポーツファンが見られたことは幸運としか言いようがない。前へ進むことの大切さを若者にも、そして私のように年を重ねた者にもリンク上から見せてくれた。「前へ」だからアクセルにこだわったのかもしれない。
2016年03月14日
悔しいというか、何というか。
ドーム開幕戦は、今年も、白星にならなかった。
何か、あるんでしょうかね。これで9年連続だとか。
北海道コンサドーレ札幌は13日、札幌ドームで今季のホーム開幕戦に臨んで、愛媛FCと1―1で引き分け
た。札幌は3試合を終えて、1勝1分け1敗で8位。
創立20周年という大切なシーズンの本拠地開幕戦だったのに、9年連続で白星なしとは。
2万人を超える観客。
前半41分、今季新加入のジュリーニョが都倉の右からのクロスによく反応して、初ゴールを決めて先制。
でも、後半4分に守備のミスから同点に追い付かれてしまった。
その後は、惜しいチャンスが2度ほど。でもゴールを割ることはできなかった。
四方田修平監督は「サポーターが素晴らしい雰囲気をつくってくれた。勝って恩返しをしたかったが残念」
と話した。
うーん、コメントなし。
何か、あるんでしょうかね。これで9年連続だとか。
北海道コンサドーレ札幌は13日、札幌ドームで今季のホーム開幕戦に臨んで、愛媛FCと1―1で引き分け
た。札幌は3試合を終えて、1勝1分け1敗で8位。
創立20周年という大切なシーズンの本拠地開幕戦だったのに、9年連続で白星なしとは。
2万人を超える観客。
前半41分、今季新加入のジュリーニョが都倉の右からのクロスによく反応して、初ゴールを決めて先制。
でも、後半4分に守備のミスから同点に追い付かれてしまった。
その後は、惜しいチャンスが2度ほど。でもゴールを割ることはできなかった。
四方田修平監督は「サポーターが素晴らしい雰囲気をつくってくれた。勝って恩返しをしたかったが残念」
と話した。
うーん、コメントなし。
2015年09月27日
なぜ勝てない?3戦連続、勝利に見放されるわけは?
J2第34節の27日、前節12位のコンサドーレは札幌ドームで15位の群馬と対戦し、0―0で引き分けた。
これで、コンサは3戦連続白星なし。いったい、この得点力のなさは、どうしたということか。
前半は0―0。後半37分、相手のハンドで得たPKをFWナザリトが外してしまう。
42分にはペナルティーエリア付近からのFKをDF福森が直接狙ったものの、相手GKに阻まれて得点できない。
通算成績は9勝15分け10敗で勝ち点は42。
長いトンネルが続いているな、というのが率直な感想である。
これで、コンサは3戦連続白星なし。いったい、この得点力のなさは、どうしたということか。
前半は0―0。後半37分、相手のハンドで得たPKをFWナザリトが外してしまう。
42分にはペナルティーエリア付近からのFKをDF福森が直接狙ったものの、相手GKに阻まれて得点できない。
通算成績は9勝15分け10敗で勝ち点は42。
長いトンネルが続いているな、というのが率直な感想である。
2015年09月12日
大雨、水害、繰り返される悲劇
関東や東北地方を中心に降った豪雨は11日未明、宮城県大崎市の渋井川の決壊をも引き起こした。3・11の震災で被害を受けた宮城県で、今度は豪雨が住民を襲った。
前日には、茨城県常総市の鬼怒川も決壊。テレビに映し出される光景は、自然の脅威をまざまざと語っていた。
気象庁は連日、大雨の特別警報で警戒を呼びかけている。
それでも、想定を超える雨の激しさにどの自治体も対応は後手に回った。
多くの住民が逃げ遅れた背景には、住民の水害に対する危機感の薄れもあるが、地域特有の原因や自治体の動き方にも問題がありそうだ。
個々のケースを取材していないので何とも言えないが、豪雨が来ることがわかっていながら、対応できないのはどうしてなのだろうか。
一昨日は、東京でのある会議の最中に一斉に携帯やスマホの緊急速報が鳴り響いた。
着実に予報の速さは増しているが、その雨や風が、地域にどういう影響や被害を与えるかまでは予測できない。
津波と違い、確実に雨や風が吹くことが分かっていながら、命を落とさなければならないという、この不条理。亡くなった方のご冥福を祈るとともに、行方不明の方の一時も早い捜索を望みたい。
前日には、茨城県常総市の鬼怒川も決壊。テレビに映し出される光景は、自然の脅威をまざまざと語っていた。
気象庁は連日、大雨の特別警報で警戒を呼びかけている。
それでも、想定を超える雨の激しさにどの自治体も対応は後手に回った。
多くの住民が逃げ遅れた背景には、住民の水害に対する危機感の薄れもあるが、地域特有の原因や自治体の動き方にも問題がありそうだ。
個々のケースを取材していないので何とも言えないが、豪雨が来ることがわかっていながら、対応できないのはどうしてなのだろうか。
一昨日は、東京でのある会議の最中に一斉に携帯やスマホの緊急速報が鳴り響いた。
着実に予報の速さは増しているが、その雨や風が、地域にどういう影響や被害を与えるかまでは予測できない。
津波と違い、確実に雨や風が吹くことが分かっていながら、命を落とさなければならないという、この不条理。亡くなった方のご冥福を祈るとともに、行方不明の方の一時も早い捜索を望みたい。
2015年04月02日
◆ドイツ機墜落と機長の健康問題。どうしたら再発を防げるのか。
ドイツ・ルフトハンザ航空の格安航空部門(LCC)ジャーマンウィングスのエアバスA320が3月24日、フランスのアルプス山岳で墜落したらしいという話を聞いたのが、私がちょうど取材でイタリアへ入国して2日目のことだった。
テレビでは盛んにLCCの経営の問題やA320の安全性について論じていたが、その後、操縦していたアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が意図的に墜落させた疑いが浮上し、問題は航空機を操縦する人間の健康問題や労務管理に移っている。乗員乗客150人もが犠牲になった墜落事故は航空機がどれほどハイテク化して安全性が増しても人間が動かしていることには変わりなく、ひとたび事故になれば多大な犠牲者が出ることを改めて教えている。
親会社のルフトハンザ航空は事故から7日後、副操縦士がうつ病だったことを会社側が把握していたと発表、原因を究明しているドイツの検察当局にも関連資料を提出し、捜査が続いている。
ルフトハンザによると、この会社の傘下にあるパイロット養成学校に所属していたルビッツ副操縦士が、体調不良で数カ月間の訓練中止を余儀なくされ、訓練を再開した2009年に、その原因が深刻なうつ病だったことを学校側に知らせていたという。
ルフトハンザは墜落直後には、副操縦士の精神疾患の病歴には言及せず、墜落当日も乗務ができる状態だったと説明していた。会社側の責任が問われるのは当然だが、どうしてそんな病気を持った人間が150人もの運命を自らの指先一本で変えられる仕事に就いていたのか。周囲は気付かなかったのか、乗務を止める措置は講じることができなかったのか、という疑問が沸く。
エアバスA320は、150人程度の定員であることと、燃費の良さなどから世界中のLCCに採用されている中・長距離向けの大型旅客機だ。私は事故のあった2日ほど前にトルコのイスタンブール空港からイタリアのナポリ空港まで、同型の旅客機に乗っていた。また、日本国内に就航しているLCCのジェットスターやバニラエアなどもこの航空機を運航させており、まさに「通勤飛行機」のような感覚で利用している。
自動操縦を前提に設計されているから人間のミスを呼び込むような運航プログラムにはなっていない。だが、それでも機体の不具合や、予測できない天候の悪化、他の航空機とのニアミス回避のためにプログラムを書き換えたり、手動操縦も可能になっている。
最終的には機械より人の判断を優先させる余地を残さなればたくさんの命を預かる乗り物とは言えないからだ。
操縦中のパイロットの健康が急変したり、不慮の出来事に備えて、2人乗務が義務付けられていたが今回のように機長がトイレに行った間に副操縦士がコクピットに閉じこもり、アルプス山中に墜落するようプログラムを書き換えることなど想定だにしていない。
しかも、コクピットの扉はアメリカの9・11同時多発テロ以来、外側からは開かないように扉や鍵が頑丈になっていて、今回のように斧で破ろうとしても無理だった。
再発防止にはパイロットの健康状態をもっときめ細かくチェックする以外にない。1日に何万機もの航空機が地球の上空を飛んでいるはずだが、必ずしも健康状態が万全ではないパイロットがいることを認識しておかなければならない。どうしたら健康状態、精神状態の異常を外部から見て判断できるようになるのか。
私はこの事故の原因を海外で聞いたとき、最初に頭に浮かんだのが、1982年2月9日の日航機の羽田沖墜落事故だ。操縦していた機長が着陸直前に、エンジンを逆噴射させたために失速して墜落、24人が犠牲になっている。
この時の機長も普段から精神疾患の兆候があったにも関わらず業務を続けていた。機長と当時の日本航空の責任も追及されたが、検察は心神喪失の状態にあったとして機長を不起訴処分、日本航空の労務管理も刑事責任を問うまでには至らなかった。
ルフトハンザのケースでは、副操縦士が心身の病気を隠していた疑いが指摘され、医師の守秘義務は、どこまで守られるのか、という問題も出ている。
ドイツでは、医師は患者の病気を雇用者に報告することは求められておらず、病欠を認める診断書に病状を記入する必要もないという。日本では、一般的に症状を問われるはずだが、人権や労働の自由との問題もあって、医師の守秘義務は必要だろう。
しかし、である。航空機に限っては、機長と副操縦士に対し、もっと厳格な健康チェック、病歴チェックが行われてもいいはずだ。
太田昭宏国土交通相は3月31日の閣議後の記者会見で、「国内の航空会社と連携し、コックピット(操縦室)へ常時2人を配置するなど、対策を早急に検討したい」と話し、操縦室内がパイロット1人だけにならないようにする方針を明らかにしている。
ヨーロッパ航空安全局(EASA)もEU圏内の航空会社に対し、操縦室内に乗員2人を常駐させるなどの安全対策を勧告している。まずは、この複数操縦態勢を徹底させることが必要だろう。だが、トイレなどで操縦がひとりになることは今後もあり得る。
気になるのは、常に営業利益を追求しなければならないLCCが、パイロットや客室乗務員に無理な勤務時間を強いていないか、だ。
国内のLCCや大手航空会社ではない航空会社で時々「機材のやり繰りがつかないために欠航します」というアナウンスを空港で聞くことがある。
翌日、それは「乗務員(パイロット)のやり繰りがつかなかった」という新聞報道を目にしたことがある。
事故につながる予兆は必ずあるものである。
ヨーロッパと中東、アジアを結ぶハブ空港のイスタンブール空港は、深夜零時から2時までの2時間だけでもほぼ5分おきに航空機が世界中に飛び立ち、私の乗った成田行は約40分間も滑走路で待たされた。
ストレスは、私たち乗客だけでなく、パイロットや乗務員にもあるはずである。空の安全とは何かを各国の航空会社はもう一度、問い直すべきである。
テレビでは盛んにLCCの経営の問題やA320の安全性について論じていたが、その後、操縦していたアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が意図的に墜落させた疑いが浮上し、問題は航空機を操縦する人間の健康問題や労務管理に移っている。乗員乗客150人もが犠牲になった墜落事故は航空機がどれほどハイテク化して安全性が増しても人間が動かしていることには変わりなく、ひとたび事故になれば多大な犠牲者が出ることを改めて教えている。
親会社のルフトハンザ航空は事故から7日後、副操縦士がうつ病だったことを会社側が把握していたと発表、原因を究明しているドイツの検察当局にも関連資料を提出し、捜査が続いている。
ルフトハンザによると、この会社の傘下にあるパイロット養成学校に所属していたルビッツ副操縦士が、体調不良で数カ月間の訓練中止を余儀なくされ、訓練を再開した2009年に、その原因が深刻なうつ病だったことを学校側に知らせていたという。
ルフトハンザは墜落直後には、副操縦士の精神疾患の病歴には言及せず、墜落当日も乗務ができる状態だったと説明していた。会社側の責任が問われるのは当然だが、どうしてそんな病気を持った人間が150人もの運命を自らの指先一本で変えられる仕事に就いていたのか。周囲は気付かなかったのか、乗務を止める措置は講じることができなかったのか、という疑問が沸く。
エアバスA320は、150人程度の定員であることと、燃費の良さなどから世界中のLCCに採用されている中・長距離向けの大型旅客機だ。私は事故のあった2日ほど前にトルコのイスタンブール空港からイタリアのナポリ空港まで、同型の旅客機に乗っていた。また、日本国内に就航しているLCCのジェットスターやバニラエアなどもこの航空機を運航させており、まさに「通勤飛行機」のような感覚で利用している。
自動操縦を前提に設計されているから人間のミスを呼び込むような運航プログラムにはなっていない。だが、それでも機体の不具合や、予測できない天候の悪化、他の航空機とのニアミス回避のためにプログラムを書き換えたり、手動操縦も可能になっている。
最終的には機械より人の判断を優先させる余地を残さなればたくさんの命を預かる乗り物とは言えないからだ。
操縦中のパイロットの健康が急変したり、不慮の出来事に備えて、2人乗務が義務付けられていたが今回のように機長がトイレに行った間に副操縦士がコクピットに閉じこもり、アルプス山中に墜落するようプログラムを書き換えることなど想定だにしていない。
しかも、コクピットの扉はアメリカの9・11同時多発テロ以来、外側からは開かないように扉や鍵が頑丈になっていて、今回のように斧で破ろうとしても無理だった。
再発防止にはパイロットの健康状態をもっときめ細かくチェックする以外にない。1日に何万機もの航空機が地球の上空を飛んでいるはずだが、必ずしも健康状態が万全ではないパイロットがいることを認識しておかなければならない。どうしたら健康状態、精神状態の異常を外部から見て判断できるようになるのか。
私はこの事故の原因を海外で聞いたとき、最初に頭に浮かんだのが、1982年2月9日の日航機の羽田沖墜落事故だ。操縦していた機長が着陸直前に、エンジンを逆噴射させたために失速して墜落、24人が犠牲になっている。
この時の機長も普段から精神疾患の兆候があったにも関わらず業務を続けていた。機長と当時の日本航空の責任も追及されたが、検察は心神喪失の状態にあったとして機長を不起訴処分、日本航空の労務管理も刑事責任を問うまでには至らなかった。
ルフトハンザのケースでは、副操縦士が心身の病気を隠していた疑いが指摘され、医師の守秘義務は、どこまで守られるのか、という問題も出ている。
ドイツでは、医師は患者の病気を雇用者に報告することは求められておらず、病欠を認める診断書に病状を記入する必要もないという。日本では、一般的に症状を問われるはずだが、人権や労働の自由との問題もあって、医師の守秘義務は必要だろう。
しかし、である。航空機に限っては、機長と副操縦士に対し、もっと厳格な健康チェック、病歴チェックが行われてもいいはずだ。
太田昭宏国土交通相は3月31日の閣議後の記者会見で、「国内の航空会社と連携し、コックピット(操縦室)へ常時2人を配置するなど、対策を早急に検討したい」と話し、操縦室内がパイロット1人だけにならないようにする方針を明らかにしている。
ヨーロッパ航空安全局(EASA)もEU圏内の航空会社に対し、操縦室内に乗員2人を常駐させるなどの安全対策を勧告している。まずは、この複数操縦態勢を徹底させることが必要だろう。だが、トイレなどで操縦がひとりになることは今後もあり得る。
気になるのは、常に営業利益を追求しなければならないLCCが、パイロットや客室乗務員に無理な勤務時間を強いていないか、だ。
国内のLCCや大手航空会社ではない航空会社で時々「機材のやり繰りがつかないために欠航します」というアナウンスを空港で聞くことがある。
翌日、それは「乗務員(パイロット)のやり繰りがつかなかった」という新聞報道を目にしたことがある。
事故につながる予兆は必ずあるものである。
ヨーロッパと中東、アジアを結ぶハブ空港のイスタンブール空港は、深夜零時から2時までの2時間だけでもほぼ5分おきに航空機が世界中に飛び立ち、私の乗った成田行は約40分間も滑走路で待たされた。
ストレスは、私たち乗客だけでなく、パイロットや乗務員にもあるはずである。空の安全とは何かを各国の航空会社はもう一度、問い直すべきである。
2015年03月03日
◆13歳の少年の無残な死を無駄にするな。背景と原因を真正面から見据えなければ
◆13歳の少年の無残な死を無駄にするな。背景と原因を真正面から見据えなければ
川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学1年生の上村(うえむら)遼太さん(13)が遺体でみつかった事件は、加害者と見られる少年が4歳以上も年上の17歳と18歳であることと、その残忍な手口から、これまでの凶悪な少年犯罪とは違う、さまざまな疑問や社会的な問題点が浮かび上がっている。
犯行の詳細な動機と、遼太さんがなぜ、このグループと付き合うようになったのか。
そしてなぜ、大人たちにSOSを送れなかったのか。
少しでも多くの人たちが事件の詳細を知り、二度と同じ犯罪が起きないような社会にしなければならない。そうでなければ13歳の死はあまりに惨たらしく、悲しすぎる。
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「まぐまぐ」のトップページから「黒田伸」で検索してみてください。
http://www.mag2.com/
有料版(月4回配信、540円)とすることで、自分の取材、記事に関してより重い責任を持ち、記事を書き続けようという意思を一層持ち続けようと思い、今年2月から始めています。公平な取材を進めるためには自己負担の取材活動費が結構、必要です。どうぞ、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学1年生の上村(うえむら)遼太さん(13)が遺体でみつかった事件は、加害者と見られる少年が4歳以上も年上の17歳と18歳であることと、その残忍な手口から、これまでの凶悪な少年犯罪とは違う、さまざまな疑問や社会的な問題点が浮かび上がっている。
犯行の詳細な動機と、遼太さんがなぜ、このグループと付き合うようになったのか。
そしてなぜ、大人たちにSOSを送れなかったのか。
少しでも多くの人たちが事件の詳細を知り、二度と同じ犯罪が起きないような社会にしなければならない。そうでなければ13歳の死はあまりに惨たらしく、悲しすぎる。
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2015年02月23日
ニッカから創業者竹鶴家が完全に消滅 なぜ?
◆ニッカから創業者竹鶴家が完全に消滅 なぜ?
NHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルとなった故竹鶴政孝(まさたか)氏の養子でニッカウヰスキー(東京)相談役、竹鶴威(たけし)さんが昨年12月17日老衰のため、東京都内の自宅で90歳で死去した。
「お別れの会」は2月16日、帝国ホテルで開かれ、私も参列した。ドラマは1月から北海道・余市編に入り視聴率が上がっている。北大卒業後、父と一緒に余市でウイスキー作りに生涯を捧げた威さんが、最も見たかった場面だったに違いない。
ニッカはアサヒビール資本のもと子会社化されていて、ニッカには、創業者「竹鶴」の名前を継ぐ者はいない。竹鶴の血はなぜ、消えなければならなかったのか。
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NHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルとなった故竹鶴政孝(まさたか)氏の養子でニッカウヰスキー(東京)相談役、竹鶴威(たけし)さんが昨年12月17日老衰のため、東京都内の自宅で90歳で死去した。
「お別れの会」は2月16日、帝国ホテルで開かれ、私も参列した。ドラマは1月から北海道・余市編に入り視聴率が上がっている。北大卒業後、父と一緒に余市でウイスキー作りに生涯を捧げた威さんが、最も見たかった場面だったに違いない。
ニッカはアサヒビール資本のもと子会社化されていて、ニッカには、創業者「竹鶴」の名前を継ぐ者はいない。竹鶴の血はなぜ、消えなければならなかったのか。
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2015年02月15日
おかしくないか、韓国の司法当局。だが、わが国だって
おかしくないか、韓国の司法当局。だが、わが国だって
大韓航空機のいわゆる「ナッツ・リターン事件」。
財閥令嬢の非常識な振る舞いと格差社会の韓国世論の異常な高まりに違和感を覚えていたが、司法判断が出て、これまた驚いた。
大韓航空前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)被告に12日、言い渡された判決は、懲役1年(求刑・懲役3年)の実刑。航空保安法上の航路変更罪に当たる、とされたが、実刑は行きすぎだろう。
そして、時を同じくして出された産経新聞・前ソウル支局長の出国禁止延長措置。お隣、韓国の司法当局はどうなっているの、と言いたいところだが、日本にだって、おかしな判決や司法判断はたくさんある。(以下は16日午後配信のメールマガジンで)
(あとは、有料プレミア版のメールマガジンでご覧下さい)
「まぐまぐ」のトップページから「黒田伸」で検索してみてください。
http://www.mag2.com/
有料版(月4回配信、540円)とすることで、自分の取材、記事に関してより重い責任を持ち、記事を書き続けようという意思を一層持ち続けようと思い、今年2月から始めています。公平な取材を進めるためには自己負担の取材活動費が結構、必要です。どうぞ、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
大韓航空機のいわゆる「ナッツ・リターン事件」。
財閥令嬢の非常識な振る舞いと格差社会の韓国世論の異常な高まりに違和感を覚えていたが、司法判断が出て、これまた驚いた。
大韓航空前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)被告に12日、言い渡された判決は、懲役1年(求刑・懲役3年)の実刑。航空保安法上の航路変更罪に当たる、とされたが、実刑は行きすぎだろう。
そして、時を同じくして出された産経新聞・前ソウル支局長の出国禁止延長措置。お隣、韓国の司法当局はどうなっているの、と言いたいところだが、日本にだって、おかしな判決や司法判断はたくさんある。(以下は16日午後配信のメールマガジンで)
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