「ひ、ひぃぃっ……お姉ちゃぁ…」
「そ、そんな…、動いちゃぁ……」
「だ、ダメだ。ボク…おかしくなっちゃう……」
全裸に剥かれ、体をびくつかせている風子、圭、喬が転がっていた。
しかも風子と喬は腹が、圭は胸が異常なまでに大きく膨れ上がり、それぞれが肥大
した箇所を苦しそうに押さえつけている。
「なっ?!風子さん、圭さん!喬さん!!」
「ふふん!いくら天使とは言え、まさか俺様が仲間の中に潜んでいるなんて思いも
しなかったようでな、簡単に俺の手に落ちてくれたわ。
こいつらには俺様の使役した蟲をそれぞれ子宮、胸、はらわたに仕込んであって
な、俺がちょっと命令するだけでそいつらはこいつらの体の中で媚液を吐きながら
暴れまわるのだ。ほれ、こんなふうに」
"パチン"
「「「!!!」」」
歩美が軽く指を鳴らした瞬間、三人はビクン!と体を反らして激しく暴れ始めた。
よく見ると、それぞれの張っている所がぐにゅりぐにゅりと不規則に蠢き回っている。
「う、ああぁっ!お腹、お腹のなかでぇ!」
「いやぁぁっ!おっぱい、おっぱぁ気持ちいひぃぃ!」
「やめてぇぇ!お尻が、お尻が熱いぃぃ!!」
其々が愛液、乳液、腸液を派手に噴出し、苦痛とも快楽とも取れる絶叫を上げての
たうっている姿は非常に痛々しいものであった。
「ひ、酷すぎますわ…、こんなことを……」
一緒に戦った仲間を、大切な後輩を、このような淫獄に堕とされた姿を見させられ
鶴花は悔しさと憤りで顔を真っ赤にしていた。
もう玉王を射抜くのに何の躊躇もない。
「許さない…。許せませんわ玉王!覚悟!」
「だから俺を撃っていいのか鶴花!!もし俺がやられたら、こいつらの体に仕込ん
だ蟲は制御をなくし、体の中を暴れ回ってメチャクチャに食い荒らしながら皮膚を
食い破って出てくるぞ!可愛い後輩を、その手で引導を渡すのかぁ?!」
「えっ?!」
今まさに歩美目掛けて矢を放とうとした鶴花は、その一言に体を凍りつかせてしま
った。当然、矢は放たれることなく歩美も無事だ。
「そんな…、そんな……」
「信じられないか?じゃあ俺を撃ってみるがいい。そして俺がやられたら全てはは
っきりするだろうよ。
さあどうした。撃ってみろ、撃ってみろ鶴花ぁ!!どうしたぁ!!」
「うぅ……」
歩美は両腕を広げたままびくとも動いていない。この状態なら鶴花の腕なら目を瞑
っていても歩美に命中させることが出来るだろう。
だが、鶴花は撃てなかった。撃った結果がもたらすもの、その悪い結果の可能性の
酷さにどうしても矢を放つことが出来なかった。
「………くっ…」
長い躊躇の果てに、とうとう鶴花は構えた弓をガチャリと落としがっくりとその場に崩れ落ちた。
と同時に光の矢がサァッと細かい粒子になって消えていった。
「ふふふ、どうした。諦めたのか?後輩可愛さにこの俺を倒すチャンスをみすみす
逃すとはな。天使天使と持ち上げられても、所詮は甘さが捨てきれない小娘よな」
歩美の罵倒がチクチクと鶴花の胸に突き刺さる。確かに玉王を倒す絶好のチャンス
を逃してしまったのは痛恨事ではある。
だが鶴花は後悔してはいなかった。もしここで玉王を倒せたとしても、その代償で
三人を見殺しにする羽目になってしまったら恐らく自分は死ぬ瞬間まで後悔し続け
ていただろう。
「鶴花、もう抵抗はしないか?しないと誓って俺の軍門に下れば蟲どもを大人しく
してやろうではないか。
あ、誓わなくても別に構わないぞ。その時はこの三人がよがり狂って死ぬだけだからな」
そんなことを言われては鶴花には選択権はない。
「…分かりました…。わ、私は貴方のもとに、く、下ります……」
鶴花にとっては非常に屈辱的な屈服だった。かつて嬲られ意図せぬままに服従し、
なんとか呪縛から抜けることが出来た相手に、今度は自らの意志で下らなければな
らないとは。
(お、覚えていなさい玉王……。今だけ、今だけは頭を下げて上げますわ。
でも、なんとかして皆さんの蟲を浄化した暁には、必ず貴方の魂、涅槃へと送り届
けて差し上げます!)
悔し涙を目頭に湛え、鶴花は酷くゆっくりではあるが歩美の前に深々と手をつい
た。それを見た歩美は満足そうにゲタゲタ笑い、素足で鶴花の頭を押さえつけた。
「くくく!いい様だな鶴花。仇敵に頭を下げる気分はどんなだ?さぞかし爽快な気
分だろうなぁ!!
まあ、そんな姿を見て気分も晴れた。約束どおり蟲を大人しくさせてやる」
歩美は鶴花を足蹴にしながら、再び指をぱちりと鳴らした。これで三人の中の蟲は
大人しくなるはずだ。ところが
「「「うああぁっ!ひゃああぁぅ!!」」」
三人は落ち着くどころかますます嬌声を張り上げ、ばったんばったんと小魚のよう
にのた打ち回っていた。
「ぎ、玉王!これはどういうことですか!約束が違います!!」
一向に落ち着かない三人を見て、鶴花は歩美をギロリと睨みつけた。が、歩美のほ
うはいたって涼しい顔をしている。
「別に約束は破ってはおらん。今の俺の合図でやつらの体の中の蟲は動きを止めておる。
だが、今まで随分と性感帯をつっつきながら暴れ続けたからな。蟲が動かなくなっ
たぐらいで奴等の体に灯った快楽の火は消えはせんわ」
「なんですって?!じゃあ、じゃあ……」
ということは、このまま三人は悶絶死するしかないというのか?!
「早とちりするな。快楽の元凶である蟲を奴等の体から抜き出せば助かる。それほ
ど悠長な時間は無いがな」
「で、では早くしなさ…、してください、玉王…様!」
仲間を、後輩を助けるため鶴花は涙を呑んで歩美=玉王に様付けで頼み込んだ。だ
が、玉王は鶴花を指差してこう言った。
「おまえが、やれ。
ただし、天使としての力は使わないでな。おまえ自身の力でこいつらから蟲をかき
だしてやるんだ」
「わ……私が?!」
玉王の命令に鶴花は息を呑んだ。本来なら自分の手で三人を浄化出来るならそれに
越したことはない。鶴花が持つ浄化の力なら、矢を一本放てば中の蟲など瞬きする
うちに消滅させることが出来るだろう。
だが、玉王はそれを許さず鶴花の手で蟲を除けと言ってきている。それは、鶴花が
直接彼女達の体を触って蟲を取らなければいけないと言う事だ。それも、秘部やお
尻といったそうおいそれと触るには躊躇いまくってしまうような箇所をだ。
「そ、それは……」
「嫌か?それなら別に構わないぞ。ただ、あの小娘どもは狂い死にするがな」
「くっ…」
そう言われてはやるしかない。それはもう死ぬほど恥ずかしいが、彼女達の命と天
秤にかけたら自分の羞恥心などどれほど軽いものか。
「わ、わかりました……」
屈辱と恥辱の中、鶴花は天使の衣を消して元の胴着姿になり、さらにそれを脱ぎ捨
てて逸し纏わぬ姿になった。歩美、と言うか玉王のいやらしい視線がチクチクと肌
越しに感じるが、今はそれに気を取られている時間は無い。
「さあ、誰からしてもいいぞ?一人にそんなに長い時間はかけられないからな。さ
っさと抜き出せよ」
「わ、わかっています……」
鶴花は胸と腰下を手で覆い隠しながら、一番近くにいた喬の元へと歩いていった。
「喬さん…喬さん……」
「あ…?あぁ……鶴花先輩、助けて……。ボク、お腹が、お腹がぁ……あ!あああ
ぁぁっ!!」
鶴花の声に僅かに反応した喬だったが、すぐにお腹を抑えて暴れ転げ始めた。よく
見ると、喬のお尻の孔から僅かではあるがピンク色の蟲の先端が飛び出ており、ぴ
こぴこと先端を振って蠢いている。おそらく、喬の体内では見えているあれとは
比にもならないくらいの勢いで暴れまわっているのだろう。
(あれが…あれが喬さんを…!)
喬を嬲る蟲に激しい憎悪を覚えた鶴花は、すぐさま蟲を掴み取ろうとした。が、す
んでのところで蟲は喬の体内につるりと潜り込んでしまい姿を見えなくしてしまった。
だが、ここで蟲を逃す手はない!
「喬さん!腰に力入れて息んでください!いまなら、蟲を取り出すことが出来ます!!」
「は…はぁい!!ン…ンーッ!!ンーーッ!!」
鶴花に言われ喬は目を閉じて力をこめ、顔を真っ赤にして腹の蟲をひり出そうと試みた。
が、尻からは時折腸液が零れてくるぐらいで肝心の蟲は一向に姿を表さない。
恐らく蟲も必死なのだろう。喬の腸内で絡みつき、今以上の降下を懸命に防いでいる。
「だ、だめぇ先輩!ボクの、ボクのお尻のもう少しまで来ているのに、出てこな
い!出てこないよぉーっ!
取って、先輩!ボクのお尻に手突っ込んで蟲取ってぇぇ!!」
「喬さ…!」
喬は腹ばいになりながら涙目で鶴花に哀願してきた。その眼を見た瞬間、鶴花の心
の奥でゾワッと波立つものがあった。
腹を膨らませて穴という穴から体液を噴出し、自分に淫らなお願いをする喬がたま
らなく可愛く感じたのだ。
(な、何を考えているの?!こんな、酷い目にあっている喬さんを、か、かわいい
だなんて……)
鶴花は顔を真っ赤にして、心の中に湧いた邪な思いを必死になって否定した。
「わ…、わかりました。で、では喬さん…、四つん這いになって、お尻を、む、向
けて……」
(こ、これは喬さんを助けるため……。決して疚しい心からくるものじゃありませ
ん……)
「う、うん!うん!!」
一刻も早い蟲からの解放を望む喬は、よろよろと体を反転させて鶴花に向けて尻を
高々と突き上げた。粘液に濡れ光り、ふりふりと振られるお尻を見て、鶴花は一瞬
頭がクラッときた。
(こ、この中に…、私の手を……?)
喬のためとはいえ、他人の尻に手を突っ込むなんて背徳的な行為がはたして許され
るのか。いやそれより手を入れることが出来るのか。
「あああぅ!!先輩、早く!早く!もう、もうボク狂っちゃう!狂っちゃうよぉ〜〜!」
ここに来て躊躇う鶴花に、喬の悲鳴が容赦なく突き刺さる。いや、喬だけではな
い。圭も風子も後ろで気が狂わんばかりに悶えている。
ここで時間をかけてしまったら、三人の命が本当に危ない。
(…やるしか…ありません!)