2009年03月13日
「雷心は届くの? 屈強な心は乙女のポリシー」 part1
UP遅れましたが、先々週の続き、『淫魔奴隷 セーラーイビル!』の第3話です。
先々週の「天才少女は淫魔なの? 水の口付けは甘い味」を見てない方は、
この第3話の前に ↑ を読むことをオススメします。
それではどうぞ。
注意! この文章と画像には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断・自己責任でお願いします。)
夜の公園は静まり返っていた。その公園のそばを通りかかる者もいるが、
公園には入らない。なぜか、いつも公園を通り道にしてる者も、今日は回
り道しようと考えてしまう。なぜならそこには結界が張られており、周り
からは静まり返った公園としか見えない。公園を通ろうと思う者は、迂回
させられることを無意識に考えさせられてしまうのだ。そしてその結界の
中では、緑色のセーラー戦士と2人の淫怪人の姿があった。
「雷心は届くの? 屈強な心は乙女のポリシー」
「我が守護木星よ!嵐を起こせ 雲を呼べ 雷を降らせよ!!
シュープリーム・サンダー!!」
雷雲を召喚してティアラの避雷針で受けた雷が2人の淫怪人に飛んでいく。
「「きゃああああ!!」」
その雷は2人の淫怪人に直撃した。だが…
「…………………なーんてね♪
なーんだ、そんなものか。音がすごいだけで大した事ないのね。」
「レイちゃん、それは違うわ。まこちゃんの雷は何万ボルトあるのよ。私
達が淫怪人だからこれくらいで済んでるけど、人間達が食らったら失神じゃ
すまないわ。」
その結果を見て、セーラージュピターこと木野まことは唖然としていた。
今まで妖魔と戦ってきたが、大抵の妖魔はそれで動きを封じることができ
たからだ。しかし淫怪人のイビルマーズとイビルマーキュリーには、まっ
たくと言っていいほどダメージはない。
「そ、そんな……。いや、きっと元に戻せる方法はあるはず。
だから、少し痛いけど2人とも我慢してね。てやあああああーーー!!」
そしてまことは格闘戦へと持ち込むために、猛スピードで2人に駆け寄っ
た。2人を正気に戻すために。
その数分前、カラオケが終わりいつも通りに解散していったセーラー戦士
達。まことは帰り道で、黒猫のルナに言われたことを考えていた。
「ねえ、まこちゃん。今日のレイちゃんに亜美ちゃん、様子が変じゃなか
った?」
「え? いつも通りの2人だったけど…、何かあったの?」
「う〜ん……、別に何もなかったって言ったら嘘になるけど、レイちゃん
も亜美ちゃんも、何か違うものような気がするの。」
「違う、もの? 違うものって…………もしかしてまた妖魔が?」
「私も最初はそう思ったけど、妖魔とは違う感覚なの。
2人を疑って悪いけど、あの2人には注意しておいて。」
それはさっきのカラオケ店でのことである。ルナとアルテミスが、トイレ
から戻ってきた2人から、ごく微量の邪気を感じ取ったからだ。
「う、うん。分かったけど、どうして私だけに?」
「さっきうさぎちゃんにも話したんだけどね、あの感じだと、まともに信
じてくれてないわ。美奈子ちゃんにはアルテミスが教えてあげてると思う
から。」
「そっか………分かった。他に何か分かったら教えてね。」
「分かったわ。あとね、セーラー戦士としての力も前よりパワーアップし
てるから。」
「パワーアップ?」
「うん、前の戦いでセーラー戦士としての力が不足してると思って、パワ
ーアップしたの。使える技も増えてるからその時がきたら使ってみて。」
ルナの話を聞いていたまことは、その話に少し疑問を感じた。
「それはいいんだけどさ、それならなんで前の戦いでパワーアップしてく
れなかったの? うさぎちゃんが頑張ってくれなかったら、私たち負けて
たかもしないのに…。」
まことの言っていることは正しかった。
しかしルナが真剣な面持ちで話をしだす。
「それはね、まこちゃん。
銀水晶を使えば、いくらでも力を増やすことができるわ。
だけどね、力は大きくすればするほど、自分に合わない力に溺れる者がい
るの。かつての私もその時があったわ。力があれば誰かを守れるかもしれ
ないけど、1つ間違えばそれは人を傷つけることにもなる。だからあなた
達には、それ相応の力しか与えてあげられないの。」
ルナのその言葉の後、しばし沈黙が流れた。そして……
「ぷっ、あははは、やっぱりルナには敵わないや。」
「へ?」
「だってさーみんなのために、そこまで考えてるんだもん。
何か私が馬鹿みたいじゃない。そういうことなら私も納得した。
OK♪ あの2人には気おつけるから。」
「まこちゃん、分かってくれてありがとう。
じゃあうさぎちゃんの所に戻るけど、気おつけて帰ってね。」
「ルナもね。」
ルナがそう言うと、ルナは塀を飛び越えうさぎの家に帰っていった。まこ
とも家に帰ることにし、いつも通る公園を歩いていた。
そして、後ろからいくつかの足音が近づいて来ると……