2009年03月15日
『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』 馬原鶴花編 part1
キタ━━━━━━┌(。A。┌ )┐━━━━━━ !!!
昨日いなづまこと様から、SS「性戯使徒アユミ」の新作を
画像とともに頂きましたー♪ いつもありがとうございます!
文と画像の量が、今回の大変さ・凄さを物語っておられます。
今回は少し変わった内容になっておりまして、
私も別の意味で楽しませていただきました。
まだお読みになっていない方、覚えておられない方は以前にUPした
1話目の『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』
2話目の桂川圭編
3話目の飛天龍華編
4話目の居車喬編 をお読みになることをオススメします。
今日は、じっくりといなづ様のSSをご堪能下さい。
それでは徐々にですがUPさせて頂きます。
注意! この文章と画像には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断・自己責任でお願いします。)
『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』 馬原鶴花編
いなづまこと様作
「絶対になにか…、おかしいです」
翔儀天使の一人であり、龍華と同じ高校生の馬原鶴花(まはらかくか)は最近自分の
周りの微妙な変化を感じ取っていた。
妙に空気が重だるく、校内の生徒は覇気や生気が抜け落ちているかように無気力に
なっている。
廊下をフラフラと歩きながらクスクスと笑みを浮かべている者がいたかと思った
ら、一日中机に突っ伏しながら寝ている者もいる。しかも教師はそのことに文句を
言わないどころか、自らも実に気の入らない授業を無為に続けている始末。
鶴花の目から見てもこれは尋常ならざることであるのは明らかだ。天童学園高等部
全体がどっぷりと気の抜けた炭酸飲料の中に浸かっているように見える。
「こんなこと、私たちが翔儀天使の力を授かってから初めてじゃないですか?」
「ああ…、そうだな」
昼休みの昼食タイム時、鶴花はクラスメートで翔儀天使の同士である龍華と机をあ
わせ、弁当を広げながら自分が感じている違和感を龍華に深刻そうに延々と語り続
けていた。
「これはきっと、なにかよからぬ存在がこの天童学園全体に影響を与えていると思
うのですよ」
「ああ…、そうだな」
もっとも、普段からおっとり型で母性本能のオーラが滲み出ている鶴花が真剣な顔
をしてもそれほどの深刻さは滲み出てこない。
元々の糸目をさらに細めてぶつぶつと喋る鶴花に対し、龍華はさも面倒くさそうに
相槌を打ちながらおにぎりをぱくついていた。
ちなみに龍華の弁当は笹皮包みのおにぎりというやたらと古風なものだ。家の影響
だろうか。
「……龍華さん」
その態度が鶴花の癇に障ったのか、鶴花は龍華の手に持ったおにぎりをひったくり
自分の殆ど手をつけていない弁当箱にちょこんと置いてしまった。
「あっ…、何するんだ鶴花……」
鶴花の態度にぶすっとむくれ、おにぎりを取り返そうとする龍華の手を鶴花はぱち
んと叩いた。
「龍華さん、私の話を聞いてください。
今この天童学園全体が、よからぬ空気を纏い始めているのです。そう、まるであの
玉王が現れた時みたいに…
ですからこれからは、より警戒を厳重にしなければいけないと思うのですよ」
「ああ…。分かっているわかってる。わかっているからおにぎり返せよ……」
龍華は鶴花に適当な空返事をしつつおにぎりへと手を伸ばしたが、鶴花は弁当箱を
すっと自分のほうへと寄せてそれを阻止した。
「分かっていません。最近の龍華さんは少しだらけているように思えます。剣道部
のほうからも以前のような掛け声が聞こえてきませんし…。玉王が滅びたといって
も、他にこの世界を狙うものがいないわけではないのですから、もう少し気持ちを
しゃっきりとさせてください」
鶴花の顔は見た目はいつもと変わらず穏やかだが、よくみると眉間にほんの少しだ
が皺が寄っている。
これは、鶴花が相当怒っていることを意味していた。
「う…。ああ、わかったよ。確かに最近だらけていたかもしれないからな…。今日
の部活で少し活を入れてくる」
さすがにこれ以上鶴花を怒らせてはいけないと思ったのか、龍華はしゃきっと襟を
ただし表情もきっと引き締めた。
「それでこそ龍華さんです。じゃあ、このおにぎりは返してあげます」
ぴんと縦筋張った龍華を見て鶴花はようやっと顔を緩め、手元にあるおにぎりを龍
華に差し出した。
龍華はそれをぱっと取ると、下品にならない程度の勢いでぱくぱくと頬張り始めた。
「あと、他の皆さんも集めてこの学校を覆っている得体の知れない気配の正体を探
らなくてはいけませんね。
中等部のほうの様子も聞かなければいけませんし…」
「…明日にでも集まってみるか。流石に今日いきなり全員っていうのも難しいだろうし…
私が後で歩美のほうに連絡をつけておくよ」
「あっ、それはとてもありがたいです。龍華さん、よろしくお願いしますね」
龍華に対し丁寧に頭を下げる鶴花に、龍華は気にするなといわんばかりに手を振った。
「ああ、任せておけ…」
が、その時龍華の目に宿った邪な光に鶴花は気づくことはなかった。
昨日いなづまこと様から、SS「性戯使徒アユミ」の新作を
画像とともに頂きましたー♪ いつもありがとうございます!
文と画像の量が、今回の大変さ・凄さを物語っておられます。
今回は少し変わった内容になっておりまして、
私も別の意味で楽しませていただきました。
まだお読みになっていない方、覚えておられない方は以前にUPした
1話目の『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』
2話目の桂川圭編
3話目の飛天龍華編
4話目の居車喬編 をお読みになることをオススメします。
今日は、じっくりといなづ様のSSをご堪能下さい。
それでは徐々にですがUPさせて頂きます。
注意! この文章と画像には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断・自己責任でお願いします。)
『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』 馬原鶴花編
いなづまこと様作
「絶対になにか…、おかしいです」
翔儀天使の一人であり、龍華と同じ高校生の馬原鶴花(まはらかくか)は最近自分の
周りの微妙な変化を感じ取っていた。
妙に空気が重だるく、校内の生徒は覇気や生気が抜け落ちているかように無気力に
なっている。
廊下をフラフラと歩きながらクスクスと笑みを浮かべている者がいたかと思った
ら、一日中机に突っ伏しながら寝ている者もいる。しかも教師はそのことに文句を
言わないどころか、自らも実に気の入らない授業を無為に続けている始末。
鶴花の目から見てもこれは尋常ならざることであるのは明らかだ。天童学園高等部
全体がどっぷりと気の抜けた炭酸飲料の中に浸かっているように見える。
「こんなこと、私たちが翔儀天使の力を授かってから初めてじゃないですか?」
「ああ…、そうだな」
昼休みの昼食タイム時、鶴花はクラスメートで翔儀天使の同士である龍華と机をあ
わせ、弁当を広げながら自分が感じている違和感を龍華に深刻そうに延々と語り続
けていた。
「これはきっと、なにかよからぬ存在がこの天童学園全体に影響を与えていると思
うのですよ」
「ああ…、そうだな」
もっとも、普段からおっとり型で母性本能のオーラが滲み出ている鶴花が真剣な顔
をしてもそれほどの深刻さは滲み出てこない。
元々の糸目をさらに細めてぶつぶつと喋る鶴花に対し、龍華はさも面倒くさそうに
相槌を打ちながらおにぎりをぱくついていた。
ちなみに龍華の弁当は笹皮包みのおにぎりというやたらと古風なものだ。家の影響
だろうか。
「……龍華さん」
その態度が鶴花の癇に障ったのか、鶴花は龍華の手に持ったおにぎりをひったくり
自分の殆ど手をつけていない弁当箱にちょこんと置いてしまった。
「あっ…、何するんだ鶴花……」
鶴花の態度にぶすっとむくれ、おにぎりを取り返そうとする龍華の手を鶴花はぱち
んと叩いた。
「龍華さん、私の話を聞いてください。
今この天童学園全体が、よからぬ空気を纏い始めているのです。そう、まるであの
玉王が現れた時みたいに…
ですからこれからは、より警戒を厳重にしなければいけないと思うのですよ」
「ああ…。分かっているわかってる。わかっているからおにぎり返せよ……」
龍華は鶴花に適当な空返事をしつつおにぎりへと手を伸ばしたが、鶴花は弁当箱を
すっと自分のほうへと寄せてそれを阻止した。
「分かっていません。最近の龍華さんは少しだらけているように思えます。剣道部
のほうからも以前のような掛け声が聞こえてきませんし…。玉王が滅びたといって
も、他にこの世界を狙うものがいないわけではないのですから、もう少し気持ちを
しゃっきりとさせてください」
鶴花の顔は見た目はいつもと変わらず穏やかだが、よくみると眉間にほんの少しだ
が皺が寄っている。
これは、鶴花が相当怒っていることを意味していた。
「う…。ああ、わかったよ。確かに最近だらけていたかもしれないからな…。今日
の部活で少し活を入れてくる」
さすがにこれ以上鶴花を怒らせてはいけないと思ったのか、龍華はしゃきっと襟を
ただし表情もきっと引き締めた。
「それでこそ龍華さんです。じゃあ、このおにぎりは返してあげます」
ぴんと縦筋張った龍華を見て鶴花はようやっと顔を緩め、手元にあるおにぎりを龍
華に差し出した。
龍華はそれをぱっと取ると、下品にならない程度の勢いでぱくぱくと頬張り始めた。
「あと、他の皆さんも集めてこの学校を覆っている得体の知れない気配の正体を探
らなくてはいけませんね。
中等部のほうの様子も聞かなければいけませんし…」
「…明日にでも集まってみるか。流石に今日いきなり全員っていうのも難しいだろうし…
私が後で歩美のほうに連絡をつけておくよ」
「あっ、それはとてもありがたいです。龍華さん、よろしくお願いしますね」
龍華に対し丁寧に頭を下げる鶴花に、龍華は気にするなといわんばかりに手を振った。
「ああ、任せておけ…」
が、その時龍華の目に宿った邪な光に鶴花は気づくことはなかった。