産経新聞7月5日朝刊に 「ペット店でもらったけど すごい食欲 飼う自信ない」 の見出しで記事がありました。
以下に新聞の記事を要約します。
ペットショップから譲り受けたブタを公園に捨てたとして、大阪府警曽根崎所は4日、動物愛護保護法違反容疑で男性会社員(29)を書類送検した。
会社員は、以前から通っていたペットショップで売れ残っていたブタ(雄ブタ 体長80cm)をペット用に譲り受けた。そして、自宅まで台車に載せて運ぼうとしたものの、疲れて立ち寄った公園にブタを放置した。
会社員は、
「可愛くて家で飼おうと思ったが、公園で草を食べるのを見ているとすごい食欲で、飼う自信が無くなった」
と供述している。
同署は、ブタの引き取り先を探している。.
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呆れた話です。”犬が○○すればニュースになる”と言う諺がありますが、”ブタが捨てられればニュースになる”です。”ブタも誉めれば木に登る”どころではありません。
新聞を読んでいて、一寸可笑しく、そして哀しくなりました。この青年がブタを台車に載せて運んでいる姿や公園での困惑した表情が浮かんで来ました。映画の1シーンの様です。
動物好きな心優しい青年なのでしょう。でも、行動が短絡的過ぎます。公園に捨てるのだったらペットショップに返せば良かったのに。
それに、家で簡単にブタを飼えると思ったのでしょう。 ブタは可愛いです。でも臭くて餌を沢山食べます。すぐに大きくなります。手に負えなくなります。青年に簡単にブタを譲ったペットショップも短絡的です。ブタを飼うことの困難さを青年に確りと説明したのでしょうか。
この様な事を綴っていると、私の娘が幼い頃を思い出しました。確か、幼稚園に入った頃の事です。
娘と近くの牧場に行きました。「牛を見たことが無い」と言うので、見せてやろうと思い、家族で牧場に出かけたのです。生まれたばかりの子牛が母牛と草を食べていました。娘は言いました。
「可愛いね、牛って、お父さん。でも人間は牛を殺して食べるんだから、牛さん可愛そう」
ある農耕民族、確か、日本人のルーツである農耕民族の人々の話だったと思いますが、文化人類学の雑誌に記事が載っていたと記憶していますので要約して紹介します。
家畜として飼育している牛が年を取り使えなくなった時、屠殺します。屠殺にはその役の持ち回りのルールがあって、役が回ってきた人は大変苦しみ、長い期間祈りを続けます。いよいよ牛との最後の別れです。牛は屠殺される事を感じ涙を流します。屠殺場に集まった人々は牛に感謝を込めて最後の食事をたらふく与えます。
「牛さん、どうか許して下さい、どうか私たちの勝手を許してください」
そう言いながら皆でひれ伏し、地面に頭をこすり付けて牛に詫びます。屠殺はその様な厳粛な儀式の基に行われます。
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