2010年04月21日
孤高の人 坂本眞一 集英社
あまりにも強く、脆い登山家の主人公。
坂本眞一氏が描きだす〈森文太郎〉にはそれが相応しい。生体描写の迫力、ストーリーの重厚さ。ページをめくるごとに息を飲む展開が待っている。
世間から疎まれ、蔑まれ。
それでもやりたいことをこなしていく姿は、凛々しさなんて軽い形容では表現出来ない。
牙を研ぐ獣に近い存在だ。
森文太郎が山々に挑み、淡々とトレーニングしていく姿は執念深さよりも狩りを想像させる。
恐らく、これ以上巧く『孤高の人』を演出できる漫画家はいない。
坂本眞一。読者に孤独を抱かせる術を持った、珍しい漫画家だ。
そして気高さを描けるからこそ、孤高の人が完成する。
ぜひ一読を。
(掲載担当:ハジメ)
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