2010年04月27日
押井守監督作品 スカイ・クロラ 総設定資料集 誠文堂新光社
スカイ・クロラの設定資料集。まだ映画の方をレビューしてさえいないのにと思いつつ、先に設定資料集を紹介するあたりひねくれているというか本末転倒というか。
さて、本書は設定資料集だ。映画に登場したシーンの細部に到るまで事細かに記されている。
正直、実用的ではない。コレクション品だ。
もしくは押井守監督の映画造りをちょっと覗いてみようと思う人は本屋で立ち読みするといい。
買うことはない。損をするとまでは言わないが、いちど眺めて本棚にしまうくらいなら、他にお金の使い方を考えた方がいい。
しかし、極少数の例えば私のような技術屋志望の人は買ったほうが良い。
とても参考になる。と、言うのもひとつの作品が小説という活字から、映像になるのは昨今珍しいことではない。
動画サイトの普及から、映像作りに娯楽を憶える人だって増えてきている。これはとても良い傾向だと私は思っているし、なにかを作るという本質的過程を垣間見るのも良いことだ。
要するに目が肥えるのだ。となれば真摯に他者の映像を観察し、情報量の多さに驚くこともしばしばある。
案外小道具や、無意味ともとれる動作や癖に作り手の本質が隠れていたり……するかもしれないし、しないかもしれない。
映像作品に見受けられる、ノイズともとれるワンシーン。
無価値に価値を見いだせたとき、あなたは溜息をついて、作り手を賞賛する。
少なくとも、押井守監督というのはそういう作り手だと私は思う。
(掲載担当:ハジメ)
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