2013年08月19日
ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰
モーニングで2006年1月まで連載された漫画で、
文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞をとりドラマ化されたり、
評価の高い漫画だ。
それが、2012年著作権フリー化となり、インターネット上で
なんと無料で最終巻まで読める。
経緯はウィキとかで調べてください。
なんかすごい時代ですね。
これだけの作品が無料で読めるなんて
多少の広告が入るが、
テレビなりラジオなりインターネットなりすでに広告にまみれてる僕らには問題ないかと。
小説や映画に比べて、漫画やアニメが低俗に思われる風潮(少なくと自分は
そう思っていた)を見事に打ち破ってくれる作品の一つの作品だ。
この作者てっきり医学部出身かなと、思わせるほど医療に関して綿密に調べ上げている。
実際は美大中退なのだが、
ほんとに医学部から研修医になった私小説と思って読んだ人もいるのではないかと
思う程の臨場感がある。
内科、新生児集中治療室、小児科、外科、精神科編
それぞれ医療の問題点を浮き彫りにしながら、患者を通して
主人公の理想と葛藤がぶつかり、上手くいくこともあれば挫折することあり
終始、退屈するところがないというか、無駄のに構成になっている。
多少、時代背景や専門家がすれば、違和感のある設定はあったかもしれないが、
医療の大変さ、矛盾や葛藤を伝へるには充分だと思う。
ストーリーが終盤に近づくに連れて、生から死、家族、愛と、
より人間の本質的な部分へと迫っていき癌から精神科編は涙なしでは読めない。
すごく難しいテーマを専門的な分野で、人間臭く、泥臭く描かれたこういう作品が、
医学部を目指すきっかけになったりすれば、
日本の漫画界も医療も未来はあるんじゃないかなと、
そう思わせてくれる一冊。
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