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バンクーバーの朝日 石井裕也監督






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1900年代初頭のカナダに暮らす日系人が、過酷な環境にあえぎながらも野球チームに打ち込み、戦術やひたむきさでやがて白人にも認められて、人々に希望を与えたいく様を、実話を基に描かれた作品。

サムライ野球の原点ともいえる同チームは、1941年の太平洋戦争勃発に伴い、適性外国人となり選手も街の人々も強制移住させられたため、解散。

2003年カナダの移民社会、野球文化への功績が認められ、カナダ野球殿堂入りを果たした。


製剤所で働く野球チーム[朝日]のキャプテンを妻夫木聡が演じ、チームのメンバーに亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、主人公の父親に佐藤浩一、妹に高畑充希、母親を石田えりが演じる。

監督は、石井裕也。

個人的お気に入りの作品となった舟を編むでメガホンをとった方だ。

脚本は「八日目の蝉」の奥寺佐渡子。







映画館に行く前に、ネタバレない程度にどんな映画か軽く調べてみたら、あまり評判が良くない。

レビューが良くなくても好きになる映画はたくさんあるので、そちらを期待していたのだが、結果から言うと普通というか、あまり自分には響かなかった。

映画館の、音質、大画面でこの感じなのだから、DVD化された映像はなお期待できそうにない。

そういう意味では映画館で観て正解だったと思う。



決して凡作だとは思わないし、好きな人は好きだろうし(実際、自分が好きなタイプの映画だ)、俳優の演技は一人一人素晴らしかった。

特に亀梨和也は、この本格派の俳優の中で負けず劣らずの演技力の高さで、期待してなかった分、いい意味で裏切られた。

ただ、なんというか、消化不良。。。。

この、メンツと製作陣ならもっとやれたのではないかと。

どちらかというと、ルーキーズみたいな、爽快感と臭さを勝手に想像してたので、淡々とした運びに少し面食らった。


大規模のテレビ等を通じての告知と制作費、最も旬な俳優と誰もが知るベテラン俳優から名脇役揃えての作品への期待値が上がり過ぎてしまった事が、レビューを落としてしまってるのだと思う。




そして、いつもは主役級の宮崎あおい、ユースケサンタマリア、本上まなみあたりが、本筋に深く関わってこなかったり、いくらパワーでは白人に勝てないからといって、ヒット無しでバントだけで勝ってしまうあたりは、違和感を感じた。

実話を基にし、野球を通して、在留日本人に希望を与えるという、ストーリーのいい素材を充分活かしてほしかったというのが、素直な感想だ。


なんの、予備知識もなく見れば、いい映画だったという感じで劇場を出られる方もいるだろう。

むしろ、自分みたいに少しも詮索せずに観た方が、いい意味で監督の意図する世界観に浸れたのではないかと思う。







エンドロールが流れ終わってもしばらく立ち上がれないような、

そんな作品を日本映画に望んでいる。





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