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舟を編む

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いい映画に出会うと終わった後もその空気感に浸れる。

こい【恋】とは

ある人を好きになってしまい、
寝ても覚めてもその人が頭から離れず、
他の事が手につかなくなり、
身悶えしたくなるような心の状態。

成就すれば、
天にものぼる気持ちになる。


おくりびとを劇場で観た後の空気感に似ていた。

悲しいけど温かいそんな物語だ。


辞書作りに関わる主人公の内面を、上記のように淡々と言葉の注釈を入れたりするにくい演出がされてたりして辞書ロマンを感じた。
文字や言葉が溢れる世界をセリフが溢れすぎずに淡々と静かなBGMとともに流れていく。




宮崎あおい、松田龍平、オダギリジョーと好きな俳優がでていて、いろんな賞を受賞していて映画から入ったのだが、原作が好きな作家の1人だった三浦しをんさんだったのも嬉しかった。

松田龍平の演技がとにかくすごい。

いけてない無口、挙動不審、コミュニケーション能力に欠ける青年を今まで演じたアヒルと鴨のコインロッカーやまほろば駅前多田便利店からの力の抜けた飄々としたイメージを、いい意味で一掃して全く違う人物に変身していた。

そんないけてないマジメが、時折キッパリと言い切る時の目に男を感じる。


宮崎あおいは何を演じても様になるし評価も高いのだが、個人的には神様のカルテやツレが鬱になりましてみたいな夫を支える献身的な嫁役が印象深く、今回も同様にストーリーの流れとして配役を演じるだけでなく、各要所要所のシーンでのいらんな表情を鑑賞後も想起させるほど印象を残した。

思わず包丁を研ぎたくなった人もいるんじゃないかと思う。

そして2人の絶妙な距離感を保った夫婦像が魅力的だ。
マジメが落ち込んでいる時、側で背中をそっと支えるシーンは象徴的で松本夫婦の八千草薫の慎ましさと温かさに重なる部分がありこの作品のテーマでもある。

普段、主役の多いオダギリジョーは直感型で辞書作りにも向いてないフランクな同僚役といった設定。
15年かけて一つの辞書を作る設定で小さな職場や本に囲まれた自宅で黙々と辞書作りをする暗くて地味な画面に男としては珍しく華を与えてバランスをとる役回りを見事に演じている。

それから以前にもどこかで電子書籍は自分が思っていたより便利で素晴らしいと書いたが、今回この作品を観て紙の本も辞書もなくならないんじゃないかと思わされた。

ページをめくるときのぬめり感、一枚一枚が重なる事無く吸い付く手触り、色や音にまでこだわる職人魂が描かれていて考えさせられた。

書籍というのはただの情報ではなく一つの作品だ。




そして最後の発表式典のシーンで松本の最後の手紙で「感謝という言葉以上の言葉がないのかあの世で用例採集するつもりです」と顔をあげたマジメに映る奥さんの「ありがとう」という言葉と、一緒に辞書を作ってきた仲間たち面々のカットが最高でした。


何回観ても色あせない後世に残したいと思える一本です。


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