ネット通販、ここ10年、特に5年位はインターネットで商品購入する割合が飛躍的に増えていることは、誰しもが実感していると思います。
自分も恐らく大都市に住んでいる現役世代としては平均以下かもしれませんが、ちょくちょく利用します。
で、今回は利用する=買い物する方ではなくって、モノを販売する側のお話をします。
私が経営している零細広告代理店は本年で設立25周年になりました。
創立当初は所謂ストリートファッションブームのまっただ中で、それを扱う若い男の子に向けたファッション誌も非常に活況を呈しておりました。BOON, COOLTRANSE, GET ON, FINEBOYS とかですね。
「速攻GET!」なんて流行言葉も雑誌から生まれました。
これでかなりのお仕事させて頂きました。
読者はみな雑誌買って、載ってる電話番号でお店に直接問い合わせたり、通販も電話注文が主でした。
NIKE AIR MAX 95とか凄かったですね。
考えて見れば、楽天市場って1997年のオープンだからちょうどその頃なんですね。
数年経って楽天が軌道に乗ってきた頃、取引先が出店。「かなり売れてます」の声を聞いて、当時の親会社(アメリカ、ロサンジェルス)が日本に輸出していた老舗ワークブーツブランド「チペワ」(CHIPPEWA)を楽天市場で売ってみたらどうだ?ってことで楽天に出店しました。確か1999年のことだったかと記憶しております。
当時の楽天はまだMDMって名前で、オフィスは祐天寺。出店に際して事務所行ったら、窓を背にして三木谷さんが座ってました。まだそんな時代です。
かなりの急成長が始まっていた時代ではありましたが、我々のショップがまだ500件目、その程度の規模でした。
ショップ名は RIO GRANDE (リオ・グランデ)この前年テキサス州エルパソにあるチペワブーツの工場に行った際、直ぐ近くのメキシコ国境に流れている川の名前にちなんで命名しました。
こんなところ。左側がアメリカで右側がメキシコです。
この楽天市場でのチペワブーツネット販売、本当に売れるのだろうか?平均一足3万円以上もする靴が試し履きもしないで売れるんだろうか?なんて疑心暗鬼だったのですが、月に5から10足売れたんです。
最初は「池に夜 網を仕掛ておいて、翌朝引き上げると数匹魚が入っていた」みたいな感じでした。
またお客さんからの問合せに対して無意識にとても丁寧な対応をしている自分がいて、それに対するお客さんのレスも一概にとても熱心。やり取りが続いたお客さんはほぼみんな購入してくれました。
当時三木谷さんが「インターネット販売は究極の対面販売である」と言っていたことが良く理解できました。
それから20年を経た昨年、またネット販売を始めました。
今回はオリジナルのカジュアルアパレルが中心で少量制作したモノを、楽天やYahoo!の様なECモールではなくレンタルショッピングカートを使って独自出店にトライしてみました。
知り合いのWEBデザイナーのお勧めで、STORES.JPというカートシステムを使っていますが、これが中々良く出来ていて、使い勝手も良く、サイトのデザインも素人がやっても結構垢抜けたモノが出来ます。
費用もとてもリーズナブルです。
こんな感じであります。
readynow.stores.jp
そう言えばこの方の通販サイトもSTORES.JP使っておられますね!
https://nom562b.stores.jp
最初はスウェットパーカー、その次はTシャツを売ってみたのですが、たまたま知り合いのスタイリストさんが某人気アイドルに着せてくれたところ、「もの凄く」という言葉を通り越して「とんでもない」反響〜売れ行きと
なりました。
しかし、この最初の商材であるパーカーで予想と大幅に異なる事象が勃発しました。
それはサイズです。
男性アイドルスターが着てくれるって言うんで、購入者は当然女性を想定。女性サイズ=S,XSを多めに追加でつくったところ・・・。
売れるのはMとLばかり。男が買ってる?いや注文者のお名前みると殆ど女性。
少ししか作らなかったMとLはあっという間に売り切れ。S,XSが大量に売れ残ってしまう事態に。
想像するに、この手の(って誰よ?)アイドルファンって、思いの外妙齢になられていて肉付きがよろしい(失礼)って事なんですね。
そしてそのあとに作ったTシャツが凄かった。
これも元々企画して少し作ってあったTシャツをスタイリストさんが、ある人気アイドルにイベントで着せてくれたのですが、彼のファンがウチのサイトでこのTシャツ売っている事を見つけてくれて、それをツイッターで呟いたんですね。
そうしたらあっとびっくり!鬼の様に注文が押し寄せるじゃありませんか!
前回の轍を踏まない様に大きいサイズを多めに作ったんですが、正に「あっという間」売り切れました。
これだけ売れるんだったら追加で生産しようと思ったのもつかの間、サイトの問合せには「次はいつ入荷するんですか」「早く追加作って下さい」が押し寄せました。
慌てて500枚!を追加生産。と言っても数週間はかかります。
その間にも早く、早く!がひっきりなしに。
で、焦った私は入荷予定を見越して「○月×日△時から販売再開します」とサイトに書いたことが思わぬ波紋を巻き起こすことになります。
さあ ○月×日△時になりました。サイトに在庫を追加しました。
そうしたら・・・
どんどん数が減っていきます。
何と1分半で500枚全部売り切っちゃった。
ところがそのあとが大変でした。
「カートに入れて購入手続きしてたらカートから消えていた」「クレジットカード番号入力中に売り切れになった」等、クレームの嵐が押し寄せました。
中には「インチキ」「詐欺企業」などの暴言も届く始末。
これ一件一件答えていたら幾ら時間が有っても足りません。
一応お詫びのテンプレート作って対応しましたが、納得しない人も数多くいて、苦慮しました。
そこで、今回の追加分がカートに入れたにも拘わらず買えなかった人への救済策として、次回入荷分の優先購入をクレームした人だけにシークレット販売するからと通知。
ところがそれをまたネタバレする人がでたりして、もういい加減にしろ!って気持ちだったんですが、まあそこはぐっとこらえて、お客様には丁寧な対応に終始。
でも、毎日深夜までになると、流石に疲れました。
その他にも色々いらっしゃいましたよ。
まずは転売ヤー。最初こんなことになるとは考えず、枚数制限しなかったら1人で30枚とか買っていく人がいて。
ヤフオクみると定価の6倍近くの値段で売ってる人がいたり。
同じ住所と同じ名字で18人が1人10枚ずつ買っていく人。でも名前と電話番号違うんですよね。プロの転売ヤー?
「息子が深夜に勝手に私のクレジットカードで大量に買ったらしく・・・」と言い訳しているお母さんが自分で大量に買っていました。
発送遅れた人に限ってオマケでステッカーつけたら、それを知り合いなのかSNSなのかから聞きつけて、なんでアタシにはステッカーくれないんだ!って文句言う人。
タレントが着ていたのとプリントの大きさが違うから返品するって、そりゃあなたが太ってるからでしょう?なんて口が裂けても言えませんよね。
こんな遅い時間にメール送ってくるな!ってのはスマホをサイレントモードにしないで枕元において寝ているのかな?
「クレームして私のことどう思われても構いませんけど、私は間違ってないですから」なんて開き直る方に懇切丁寧に事情を説明すると、大体そこから連絡が来なくなります。
中には暴言や汚い言葉のメールの問合せを送ってくる方いらっしゃいますが、返答書く時にその言葉を最後につけると大体態度が変わります。ご自分で恥ずかしくなるんでしょう、きっと。
あと、これは今でも悩みの種なんですが、注文されたご自分のスマホを着信制限されている方、ドメイン制限されていらっしゃる方がかなり多いんですよね。
注文したのに確認メールが届かない、ってクレーム。
そのほぼ100%がdocomo.ne.jpなんです。聞いたところによるとdocomo契約のスマホってデフォルトでドメイン制限されているんですって。
このEC時代、しかも8割がスマホから購入されているにも拘わらず、NTT DOCOMOって一体何を考えているのでしょう?
でも殆どの方はとてもいいお客様で、下記の様なお言葉を頂戴すると、やってて良かったなぁなんて思います。先に書いた三木谷さんの言葉を身を以て体感しました。
お忙しい中、返答ありがとうございます。
楽しみにしています!!!!
私が思っているよりも遥か上の対応をしていただいている事を知り、驚きと感動でいっぱいです。
しかもとても丁寧にご返答いただき、本当にありがとうございました。
クレーム処理…大変ですよね。。
いろんな人がいますから…
お手数をお掛けしますが、よろしくお願いします。
季節の変わり目なので体調にお気をつけてお仕事頑張ってください。
ご丁寧なメール、ありがとうございます。
再々販では、沢山のご苦労があったにも かかわらず
再度 販売のご計画を経てて頂き 感謝いたします。
ご配慮いただき、とてもうれしいです。。
ありがとうございます!
【このカテゴリーの最新記事】