今日の朝日新聞に「はじめての女性誌」って特集記事が掲載されておりました。
ananから始まりageha、リンネルまで女性誌の歴史的意味合いと現状が書かれているんですが、恐らく記者がここに出てくる雑誌の実際の読者としての世代ではないためか、登場雑誌のセレクトに疑問符が付いたり、そもそもの取材内容が薄く感じましたね。
で、今回この記事を読んでワタクシが皆さんにお伝えしたかったのは、この写真の一番右、上下にある2誌、つまりananとnon-noのお話であります。
ananはこの記事にもあるように1970年に平凡出版(現マガジンハウス)から創刊された、日本初と言っていい女性既製服ファッション専門誌でした。(それまでの女性誌は型紙が付いている洋服の作り方つまりお裁縫主体の服飾雑誌がほとんど)
今では殆どの女性誌の判型はこのL版(297×235mm)ですが、ananはこのサイズで発行された初めての雑誌でした。これには深い理由があったと聞いております(この先の記述は、もし事実誤認が有ったらご指摘下さい)
1960年代は平凡対集英社対決の構図ってのがあって、オリジナル=平凡 フォロー=集英社(本当は真似、パクリって言いたいけど、角が立つんで。って言ってるじゃないかオマエ!w)だったんですね。
月刊芸能誌としての「平凡」に対する「明星」(明星って言うネーミング自体は文芸誌として平凡より古い)週刊芸能誌「週刊平凡」に対する「週刊明星」、若者向け男性週刊誌「平凡パンチ」に対する「週刊プレイボーイ」などなど、平凡が出すヒット雑誌を集英社は、ことごとくほぼそのままパクって(ちょっと言い過ぎか)次々と創刊し、部数的には平凡の各誌を上回ってしまう、と言う状況が続きました。(実際明星やプレイボーイは現存していますが、平凡やパンチは20年以上前に廃刊)
で、こりゃ何とかしなくてはマズイ、次に出す初の若い女性向け雑誌もすぐに真似される。そこで平凡出版が考えたことは、ある印刷会社と今までに無い大型の雑誌を刷れる印刷機ごと開発しちゃおう、と言う事。そうすりゃ真似されないだろうって事ですな。それが297×235mmのL版の雑誌「anan」だった訳であります。
ところが、そこは集英社。すぐに日本最大手の印刷会社に同サイズの印刷機を作らせて翌年にネーミングもサウンドが似ている「non-no」を同じくL版で創刊してしまったのであります。
この両誌は今でも続いていますが、同判型と言う事は別にして、内容は大分違う雑誌になってますけどね。
その後、集英社の手法が講談社に移って、POPEYEに対するHOT DOGとか、今度は集英社が講談社に真似されちゃったMOREに対するWITHだったり、光文社のJJに対する講談社のViVi、小学館のCanCamだったり、各社入り乱れてのパクリ合戦に進展していく訳であります。(パクリ表現連発〜スンマヘン≦(._.)≧)
ちなみにJJって女性自身(Josei Jishin)の略って知ってました?
まあ、それ以前にも週刊女性:女性自身:女性セブンとか週刊新潮:週刊文春、週刊現代:週刊ポストとかありますが、さすがにここまで来るとワタクシの手に負えなくなってきますんで、この辺で終わりにしておきます。
しかし、その中で各誌 時代の流れに沿って次々に新しい流行を発信もしくは紹介してきたのも事実であります。
だから、必ずしも後追い媒体がダメと決めつけることも無いとは思いますが、やはりエディターとしてはパイオニアを目指したいんじゃないでしょうか?
今晩は、長くなったのでこの辺にしておきますが、次回はその「パイオニア」であることに拘り続けているマガジンハウスのお話でもしましょうかね。
2015年10月18日
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