大変なショックを受けております。
小学校5年の頃、その存在をザ・スパイダースの一員として知ってから、今日までずっとファンでした。
自分の音楽的感性を育んでくれたと言っても言い過ぎではありません。
スパイダースと言えば、この赤いミリタリージャケット。これもかまやつさんのデザインとか。
ちなみに当時の映画、例えばザ・スパイダースのバリ島珍道中などを見ると、かまやつさんの格好の垢抜けていること!当時のお洒落番長だったんですね。しかし何が凄いって、67年から68年の2年間でスパイダースってなんと8本もの主演映画があったんですね。
内容はどれもがドタバタコメディで、いわばBEATLESのA HARD DAYS NIGHTやHELPの日本版といった感じで
その洋楽的センスはグループサウンズ時代において、つまり1960年代中盤から群を抜いていたと思います。
作曲して、作詞して、歌って、ダンスの振り付け考案して、衣装のデザインして、役者やって、ディスクジョッキーやって、音楽番組の司会やって・・・。
彼の作り出した名曲の数々への思い出を幾つか
まずはザ・スパイダース時代
「あの時君は若かった」堺正章と井上順が交互に歌ったのが子供ながらに凄く新鮮でした。
キーボードの大野克夫さんがVOXのオルガンの上にグロッケン(鉄琴)を置いて弾いていたのが印象的
「バンバンバン」かまやつさん自ら考案したダンスステップで、順、正章と3人で踊っていました。3〜4年前にこれをサンプラザで生で見れたのには感激でした。
「なんとなくなんとなく」アースミュージックエコロジーのCMで宮崎あおいが歌ってたあの曲ですね。
「いつまでもどこまでも」途中の井上順の舌っ足らずのセリフが笑えます。順ちゃんこの頃は2枚目でした。
「ノーノーボーイ」行ってもいいかい?〜今夜はダメなの〜ドアの外でちょっとだけ。 心に凍みるな。
「サマーガール」出だしのコーラスは今聴くとビーチボーイズというかアソシエーションというか、間違いなくムッシュの趣味ですね。
「黒ゆりの詩」そのアソシエーションの大ヒット曲「チェリッシュ」からインスパイアされて作ったというか、パクったというか。よく達郎さんはその事に言及しています。後年かまやつさんがやっていたTBSラジオの番組に達郎さんがゲスト出演した際に「今日のゲストは山下達郎さんです。でもまたアソシエーションとか言われちゃうから・・・(笑)」なんて言ってましたね。エレキシタールが日本で初めて使われたのはこの曲だとのメンションはその達郎さんが自身がDJを務めるサンデーソングブック、エレキシタール特集に於いてでした。
「エレクトリックおばあちゃん」これはもうパクリを超越したギャグの領域ですな。ジャン&ディーン「パサデナのオバアチャン」ドシタラベナ、ドシタラベナ〜
その他にも、「真珠の涙」「赤いドレスの女の子」「ヘイボーイ」などなど、かまやつさんが作曲した好みの曲が沢山あります。
加えて、ザ・スパイダースの最大ヒット曲「夕陽が泣いている」これはかまやつさんの作曲ではありませんが(曲調からして当然ですよね)、主メロのバックに聞こえてくるコーラス。自分が大人になってから知ったKINKSの「SET ME FREE」に似ていたというか同じです。後で分かった事は編曲はスパイダース自身、って事はかまやつさんが夕陽が・・・の前年にイギリスでヒットしたこの曲から貰ってきたのは想像に難くありません。
ソロになってからは
「どうにかなるさ」元々カントリーシンガーだったムッシュならではの曲。これもカントリー界の大御所ハンク・ウィリアムスからの・・・、ってサンソン「汽車特集」での達郎さんのコメント。
「四つ葉のクローバー」自分の中学時代にムッシュが深夜放送「セイヤング」でレギュラーDJをやっていた頃の曲。フォーククルセダーズのはしだのりひこと二人で担当していた記憶があり、その頃の曲。
その文化放送セイヤングでは、米英の新譜をいち早く紹介してくれて、DEEP PURPLEのファイヤーボールのイントロの音はどうやって作っているとか、BREADの名曲 IF のイントロのエフェクトの解説をしていた事を思い出します。
「ハローミスターサンシャイン」後に有名になるタニヤ・タッカーが歌うこの曲は、インスタントコーヒーのCMソングで、作曲はミック・スチュワート。それはミック・ジャガーとロッド・スチュワートをもじったかまやつさんならではのペンネームでした。
「サテンドレスのセブンティーン」いやあ、その頃そんな子がいたんですよ、なんちゃって。今頃どうしているんだろう。
♬泣きべそかくからさ、まだまだキミはセブンティーンなんて言われる。
胸の膨らみだけじゃ隠せやしないぜ。白い白いその手が手持ちぶさたに見えるさ。
そしてある意味かまやつさんの最高傑作だと思うのはこの曲
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」
この歌詞の一部が、当ブログのタイトル「凝れば凝るほど」になっているほど、影響を受けた曲です。
この部分は当ブログの第1回目に記述したので、今回はかまやつさんの死を悼んで、最後のワンコーラスの歌詞を
ここに記したいと思います。
君はある時何を見ても何をやっても
何事にも感激しなくなった自分に
気が付くだろう
そうさ君はムダに年をとりすぎたのさ
できる事なら一生 赤ん坊でいたかったと思うだろう
そうさすべてのものがめずらしく
何を見ても何をやってもうれしいのさ
そんなふうな赤ん坊を
君はうらやましく思うだろう
私がかまやつさんの最高作品のみならず、日本ポピュラーミュージック界の最高傑作の1枚として
強くお勧めするのがこのアルバム。
https://www.amazon.co.jp/ムッシュ・ファースト・ライヴ-紙ジャケット仕様-かまやつひろし/dp/B000U2037I/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1488445870&sr=8-1&keywords=ムッシュファーストライブ
「ムッシュファーストライブ」でググってください。
ちなみにこのアマゾンのレビューのひとつは私です。(どれだか分かりますよね)
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