今日は株式本の紹介をしたいと思います。以前の参考書のブログの
中でも簡単に紹介しましたが、この一冊という意味で再度詳しく紹介
してみたいと思います。
その一冊とは立花正義氏の「あなたも株のプロになれる」です。
私がこの本を最初に読んだのは20年以上前のことです。それまでも
同友館の書籍は、林輝太郎先生の書籍を中心に読んでいました。
林先生の書籍は株式売買について、曖昧な精神論や裏付の無い手法
などを悉く排除し、純粋に売買技術の向上に集約したところが好きだった
からです。
ただ、けっこう難解で、理解して実践に移して行く為にはもう少し噛み砕
いた表現のもので、実際の売買譜が見られるものが必要でした。林輝太郎
投資事務所に入会すれば会報などで勉強できたのでしょうが、当時はまだ
そこまでする決断ができていなかった時に、この立花さんの本に出会った
わけです。
立花さんの「「あなたも株のプロになれる」は、株式投資の道に入り込んだ
一般投資家が、天国と地獄を味わい、いろいろな相場の荒波に揉まれなが
らも諦めず精進していく事で、一流の相場師に成長していく過程が、何の衒い
も誇張も無く淡々と書かれているものです。
会社勤めをしながら株式相場や商品相場をしていた時代、慢心して大損をし
夜も眠れない日々が数ヶ月続き、不注意で足を切断する程の怪我を負って
しまう。傷が治っても片足が不自由な事で結局仕事に戻れず、退職勧告され
てしまい生活の不安に慄く日々。
障害者となって満足な仕事に就くことができなくなり、家族の応援もあって、
やっと何とか相場で生活していく事を決断するが、サラリーマンが会社勤め
をしながら株式投資をするのとは違って、専業となれば株式投資の失敗は
即、生活、家庭の破綻に直結する事の厳しさを思い知らされる。
このような環境の厳しさが、今までのお遊びの延長線上でやってきたような
株式投資のやり方を一変させ、いい加減な株式本や投資手法を徹底的に
排除し、独自の「うねり取り(リズム取り)」という手法に開眼していくわけです。
特に参考になるのが、P41の小豆相場の仲買店のおじいさんの話です。
これは本当に相場をする者にとって肝に銘じて置かなければならない名言
で、これだけでもこの本を買う価値があると思います。
それともう一点は第四章の「建て玉の操作」です。ここでは立花氏の売買譜と
その解説がなされていますが、個人の売買譜は普通はなかなか見る事が
できません。と言いますのは、下手な売買譜は見せるのが恥ずかしいですし
、上手なものは売買のコツを盗まれますので、あまりプロは見せたがりません。
それだけに貴重な資料で、大変価値のあるものだと思います。
私はこの売買譜を、大きなグラフ用紙に折れ線グラフで書き写して、一回一回
の売買について考察してみました。これは解説を読む以上に感覚として理解
する事ができ、自分の売買技術の向上に大変役に立ちました。
この「あなたも株のプロになれる」は、平易な文章で書いてある為にあっさりと
読んでしまいがちですが、中身は大変濃く、深いものです。私ももう何十回
読んだでしょうか。でもまだ毎回読み返す度に、新しい発見があります。
立花氏はもう故人となりましたが、氏の遺産とも言うべきこの本を、株式投資に
従事する皆様にぜひ読んでいただきたいと思います。
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